ひらひらの仕掛け屋敷

このブログはアニメや特撮、漫画についてのコメントやオリジナル女子格闘技小説を掲載したりしますよ♪♪

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第8回アンケートファイト小説同人誌版

双葉理保VS橘夏実~LOVE☆UPPER~

とある会場で行われる地下ボクシング。
その試合が行われるリングの上には二人の女性が立っている。


「イーストコーナー!! グラビア界から殴り込み!! 双葉ぁ!理ぃ保ぉ!!」

リングアナにコールされた理保は両腕を高く上げて観客にアピールしていく。

理保は体型維持のためにボクシングを始めたがめきめきと上達していく中で試合をしたいという想いを強く抱くようになった。
そして、表に情報が出にくい地下ボクシングなら自分の闘争本能を満たせるのではないかと考え、地下ボクシングの世界に踏み込んだ。

「ウェストコーナー! 闘う看護婦!! 橘ぁ!! 夏ぅ実ぃぃ!!」

続いてコールされた夏実は観客におじぎをしていく。。

夏実はもともとプロボクサーになるためにライセンスを取ったがボクシングの試合だけでは食べていけないことを知り、副業のつもりで看護婦になったが看護婦の仕事に魅せられてしまったため、プロボクシングのライセンスを返上して看護婦一筋にするつもりだった。
しかし、それでも今までの努力を無駄にするのは辛かったのか、どこかで闘える場所を探した。
そして、地下ボクシングと出会い、デビューしたのだ。

「理保さん、今日はよろしくお願いしますね!」
「こちらこそです、夏実さん! けど、負けませんよ!!」
「私も負けませんから!!」

二人は自分の闘志をぶつけあうとしっかり相手を見つめていく。
理保と夏実は地下ボクシングのデビュー戦で今から闘うのである。

二人のデビュー戦は1ラウンドから他の選手たちよりも洗練されたテクニックで繰り広げられ、観客を圧倒した。

『さて、本日の地下ボクシング第2試合はお互いに今日がデビューのルーキーです! しかし、見てください! デビュー戦同士とは思えないテクニックで激戦を展開しています!!』

理保と夏実は互いに学んできたことを相手にぶつけようとするが真逆のファイトスタイルのためになかなかうまくいかない。
ちなみに、理保のコスチュームは紫と緑の柄のスポーツブラとトランクス、赤いグローブと水色のシューズというものであり、夏実は赤と白のスポーツブラ、赤色のトランクス、グローブと白色のシューズである。
理保はジャブを連打し、夏実の動きを制限しては中距離からストレートを叩きつけようとし、夏実は理保の懐に潜り込んで剛腕を叩きつけようとしていく。

「んっ・・・ ぶっ・・・ (なかなか理保さんとの距離が詰められない・・・ これじゃパンチが当てられない・・・)」
「シッ! タァ!! (夏実さん、パンチを当てても当てても前に出てこようとしてる・・・ このままじゃそのうちやられちゃう・・・)」

理保も夏実も相手の思っていた以上の実力に少なからず焦りを感じている。
理保は焦りを感じた状態のまま、夏実との距離を詰め、無理やり攻めようとしていく。
しかし、それは夏実にとってはチャンスであり、理保との打ち合いに応じていく。
理保の右フックが夏実の頬に叩き込まれれば夏実の右ショートパンチが理保のボディに叩きつけられる。
二人の口からは唾液が次々に吐き出されていく。
しかし、二人はそんなことを気にする余裕はなく、相手の身体中に自身のパンチを叩き込もうとしていく。

『おーっと!! 1ラウンド目から激しい打撃戦!! お互いに相手の身体に強烈なパンチを叩きつけていき、相手を痛めつけていきます!!』

実況の言葉で会場中の人間が沸き立ち、二人に罵声めいた歓声を送っていく。
日頃なら言われたら辛い言葉でも相手と殴り合うという特殊ともいえる状況であればその罵声は二人にとって起爆剤代わりになる。
二人はさらに相手の顔や腹部にパンチを叩き込んでいく。
しかし、理保のパンチが誤って夏実の胸を叩いてしまうと夏実は今まで感じたことがない刺激に一瞬動きを止めてしまう。

「あぅっ・・・ こ、このぉ!!」

夏実はすぐに意識を試合に戻すと胸を殴られた怒りから同じように理保の胸に右ショートパンチを叩きつけていく。

「んはぁ・・・」

理保も夏実に自分の巨乳を殴られるとその衝撃に息を漏らしてしまう。
夏実は理保の隙をついて、距離を詰めていき、左右のフックで理保の顔を抉っていく。
理保の口から殴られる度に涎が飛び散っていく。
しかし、理保もようやく胸を殴られた動揺から立ち直ったのか、夏実の左フックに合わせるように右フックを放っていく。

「んぶぇ・・・」
「あがぁ・・・」

二人の口から呻きと涎が飛び散ると少し動きを止めてしまう。
そして、理保も夏実も自分のボクシングを忘れたかのように至近距離で殴り合っていく。
そんな二人の姿に会場中の空気も変わっていく。
しかし、二人にはそんなことはあまり関係なく、相手の顔に左右のパンチを叩き込んでいく。

「んぼぉ・・・ あぎぃ・・・ かはぁ・・・」
「んんっ・・・ あぅっ・・・ んぁっ・・・」

二人の口からはさらに唾液が吐き出され、徐々に鼻から血が垂れてくる。
理保は夏実の体勢が少し崩れたのを見て、やや大振りの右ストレートを放っていく。

「もらったぁ!」
「それは・・・こっちのセリフです!!」

夏実は崩れた体勢を瞬時に立て直すと理保の右ストレートに合わせて右ストレートを放っていった。

「愛のお注射!!」

夏実の得意とするブローの一つで鋭いストレートを相手の動きに合わせて叩きつける、『愛のお注射』である。
夏実はこの技で相手からのパンチにカウンターで反撃している。

「んぶぇぇぇ・・・」

理保自身のパンチ力と夏実の必殺ブローの威力が合わさったものが理保の顔で炸裂し、理保は勢いよく吹き飛ばされるようにダウンしてしまう。
しかも、少し赤く染まったマウスピースが理保の口から弾け飛び、夏実の胸の谷間に入った。

「ダウン!」

レフェリーは理保がダウンしたのを確認すると夏実をニュートラルコーナーに向かわせる。
夏実はニュートラルコーナーに向かいながら初めて他人を殴り倒した快感に酔い始めていた。

「(やっぱり、ボクシングはいいなぁ・・・ 相手の人とぶつかり合えるし殴り倒して怪我させても怒られないもん・・・)」

夏実は誰かを殴る快感に酔った夏実は少し潤んだ艶っぽい視線を理保に送っていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・」

理保はレフェリーのカウントを聞きながら自分の中の未知の感覚に戸惑っている。
理保は夏実に殴られている最中、自分が殴られることに少し快感を感じていることをぼんやりと気づいていた。

「4・・・ 5・・・ 6・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (立たなきゃ・・・ 立って闘わないと気持ちよくなれない・・・)」

理保は相手と殴り合うことに快感を覚えてしまい、夏実ともっと殴り合いたいと必死に立ち上がっていく。
理保が立ち上がったのはレフェリーがカウント7を数えた直後だった。

「大丈夫? やれる??」
「やれますぅ・・・ やらせてくださいぃ・・・」

レフェリーが理保に試合を続行できるか確認していくと理保は荒い息を吐きながら熱の込もった視線で夏実を見ながら試合続行の意思をレフェリーに示していく。

「ファイト!」

試合が再開されると二人はすぐに距離を詰めていく。しかし、理保の顔に夏実の左右のストレートがまたしても次々と叩き込まれていく。
そして、理保の身体がふらつき、ガードが甘くなった瞬間に夏実の必殺ブローの一つが理保目掛けて放たれた。

「全身麻酔!!」

夏実が放ったのは右のコークスクリューブローだった。
ちなみに、夏実が地下ボクシングの選手登録の審査の際に審査の相手をKOしたのがこの必殺ブローである。
夏実の『全身麻酔』が理保の顔にめり込み、理保の身体が勢いよく弾き飛ばされた。
そして、横倒しにダウンしてしまった。

「ダ、ダウン! 下がって!!」

夏実は慌てたレフェリーの指示を聞く前にニュートラルコーナーへ向かった。
その最中、夏実は会場にある電光掲示板を見つめた。
そこには残り30秒と記されていた。
何故、有利なはずの夏実が試合の残り時間を気にしたのか。
それは地下ボクシングのルールに理由があった。
理保たちが所属している地下ボクシング協会、『LOVE FIST』は激しい試合を売りにするため、表の世界のボクシングにはあり得ないルールを設定している。
ルールはいくつかあるが基本的にはフリーラウンド制で1ラウンド間に3ノックダウンを取られない限り延々と試合が続くのである。
つまり、片方が対戦相手を一方的に痛めつけたいと考え、それを行うだけの実力が対戦相手が動かなくなるまで殴り続けることができるのである。
理保と殴り合いたい夏実はまだまだ試合を終わらせるつもりはないようだ。

「(早く立って、理保さん・・・ まだまだ・・・殴り足りないの・・・)」

夏実はダウンしたままの理保を見ながら早く立ち上がるように祈っていく。
その祈りが理保に届いたのか、理保はカウント8で立ち上がり、カウント9でファイティングポーズを取ってみせた。

「やれる?」
「やります・・・」

理保はレフェリーが試合続行を確認してくると身体を震わせながら必死に試合続行を訴えていく。
理保もまた殴り足らず、そして、殴られ足りないのである。

「ファイト!」

レフェリーが試合を再開させると夏実はすぐに理保との距離を詰めていく。
しかし、夏実は理保にとどめを刺すのではなく、クリンチをしかけ、残りの時間を消費していく。
そして、夏実は理保と抱き合ったまま話しかけていく。

「理保さん、次のラウンドも熱く殴り合いましょうね!」
「はぁ・・・ はぁ・・・ はい、夏実さん・・・」

理保は夏実のあまりに一方的な言葉を聞き、弱々しくも闘志溢れる返事を返していく。


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第8回アンケートファイト 高町なのはVS高町ヴィヴィオ

第8回アンケートファイト 高町なのはVS高町ヴィヴィオ

なのははヴィヴィオと一緒にご飯を食べながらある話題について話していた。

「教導隊でストライクアーツの専門課程を作ろうとしてるの?」
「うん、そうなんだよね。なんでも、魔力や魔法に依存したままじゃダメだって上層部が言ってるらしいんだ」

数年前に起こったJS事件を受け、管理局の内部でも今の魔法に依存した戦略や戦術だけでは駄目だといい意見が増え、様々なものに目を向け始めた。
なのはとしてはそういった一連の流れに賛成しており、今から話そうとしていることもその一環なのだ。

「それでなのはママ、今から話すこともそれと関係あるの?」
「うん・・・ ヴィヴィオ、ママと格闘技で試合してって言われたらどうする?」

ヴィヴィオはなのはの言葉に少し悩んでから答えを出した。

「なのはママがふざけてそんなこと言ってるなら怒るけど、今は真剣な話なんでしょ?」
「うん・・・」
「だったら、やるよ・・・ でも、何でわたしなの? スバルさんとかギンガさん、ノーヴェがいるでしょ??」

なのははヴィヴィオの問いかけに答えていく。

「ヴィヴィオの言う通りなんだけどスバルは防災関係のイベントだしギンガは捜査が立て込んでるしノーヴェもその日用事があるって言うんだ。それにね、みんながオッケーって言ってももうひとつの理由でダメなんだよね・・・」
「もうひとつの理由?」

ヴィヴィオはなのはの言葉に首を傾げる。

「うん。ヴィヴィオにこんなこと頼んでるのはヴィヴィオの魔法が理由なの」
「もしかして、大人モードのこと?」

なのははヴィヴィオの言葉に頷いていく。
ヴィヴィオの言う大人モードとは魔法や格闘技の訓練の時に変身魔法を使い、10代後半くらいの女性の姿になるヴィヴィオの得意な魔法の一つである。

「それでね、教導隊の中にも身長にコンプレックスを持っている人がいてずっと変身魔法を使ってる人がいるんだよ」
「えっと、つまり、その人に変身魔法を使いながら戦うってことがどういうことかをその目で見せて教えるっていうこと?」
「ヴィヴィオ、正解。 だから、ヴィヴィオがそんなことに魔法を使いたくないなら別に止めてもいいし」

なのはの言葉にヴィヴィオはため息を吐きながら答えていく。

「そんな事情ならわたしがやった方がいいんだよね?」
「うん・・・」
「なら、わたし、やるよ! それでなのはママに勝つもん!!」

ヴィヴィオの言葉になのはは少し感心したように見つめると言葉を返していく。

「やる気満々だね、ヴィヴィオ」
「もちろん!」

なのははヴィヴィオの元気のいい言葉に笑顔を浮かべながら試合のルール、日程を空間モニターに映して見せる。

「ママ、今すぐ試合じゃないの?」
「うん。 だって、ヴィヴィオたちはインターミドルがあるしママはヴィヴィオとちゃんと闘うためにストライクアーツを練習しなきゃいけないから」

なのはは試合の日程についてヴィヴィオに説明していく。
インターミドルとはDSAA(ディメンジョン・スポーツ・アクティビティ・アソシエーション)という団体が主催する次元世界最強の10代の魔導師を決めるためのものである。
ヴィヴィオが友人たちとともにその大会に出るのはなのはも知っているため、自分との公開試合を大会が終わってからに設定したのだ。
もっとも、自身がストライクアーツを習得するための時間を伸ばすという考えもあるようだ。

「そっか・・・ なのはママ、ありがと。 ヴィヴィオのこと、ちゃんと考えてくれて」
「もちろん! ママだもん!!」

なのはがそう言うとヴィヴィオは甘えるように抱きついた。

インターミドルチャンピオンシップが終わってから2ヶ月くらい経ったこの日、時空管理局の武装隊と教導隊が協力して設営したリングの中にセコンドを伴ったヴィヴィオとなのはが上がっている。

「うぅっ・・・ (何で、こんなに知り合いが来てるのぉ? 恥ずかしいよぉ・・・)」

ヴィヴィオはリングに上がってから初めて観客席を見回したのだが観客席にはたくさんの局員がいる。
さらに、ウェンディやチンク、ディエチといったナカジマ家の面々やセイン、ディードやオットーといった教会組の面々なども観戦に来ている。
ヴィヴィオは大勢の局員の視線や友人や知人の観戦に少し恥ずかしそうにしている。

「ヴィヴィオ、恥ずかしがってる余裕なんてあるの? ママ、本気だよ・・・」

ヴィヴィオはなのはの鋭い視線と言葉に気を引き締めていく。
ヴィヴィオとなのははそれぞれ自分のコーナーに戻っていく。

ヴィヴィオのセコンドには親友のコロナとリオ、先輩であり共に武術や魔法を高めあう仲間のアインハルトが就いている。
先程のなのはの気迫に当てられ、少し緊張しているヴィヴィオをなんとか励まそうとリオとコロナがヴィヴィオに話しかけているのを見ながらアインハルトはなのはの戦い方について考えていた。

「(ヴィヴィオさんのお母様は砲撃魔導師、つまり、格闘戦技は極めていないはず・・・ けれど、ヴィヴィオさんの話ではお母様はIMCSの期間中に格闘戦技の訓練をされたとか・・・ まずは、様子を見てから・・・)」

アインハルトは自分の考えがまとまるとヴィヴィオにそれを話していく。

「ヴィヴィオさん」
「何ですか、アインハルトさん?」
「このラウンドはまず様子を見てください。 私にもお母様がどのような戦い方をするのか、読めないので・・・」

ヴィヴィオはアインハルトが言わんとしたことを悟り、安心させようと笑みを浮かべていく。

「ありがとうございます、アインハルトさん。 ヴィヴィオ、頑張りますよ!」
「はい、頑張ってください」

アインハルトの言葉にヴィヴィオが嬉しそうに頷くのを見ながらコロナとリオも笑顔を浮かべている。

一方、なのはのコーナーではスツールに座ったなのはが少し落ち着かない様子でもじもじしている。
娘との試合で緊張や不安があるのもそうだが知り合いの視線に恥ずかしくなっているのである。

「なのは、ヴィヴィオにあんなこと言ったのになのはが緊張しちゃってるよ」
「だって、フェイトちゃ~ん・・・ ヴィヴィオと殴りあうんだよ・・・ それもあんなたくさんの人の前で・・・」

フェイトと話すなのはの様子を見ながらはやてはなのはの体調チェックを済ませていく。

「まぁ、そんな緊張しとったらあっという間にヴィヴィオにKOされてまうで」
「それはないよ、はやてちゃん。 そういうルールなんだから」

なのはの言う通り、この試合はDSAA公式ルールを参考に自分たちにある程度のライフポイントを自動設定し、ダメージはクラッシュエミュレートで再現されるように設定している。
つまり、一撃でKOされるということはない。
これは、あくまでこの試合はストライクアーツ導入のためのエキシビションであり、変身魔法使用者へのアドバイスを兼ねたものであるからである。

「なのはの言う通りだけどね。 でも、ヴィヴィオはすっごく強くなってるんだよ。 油断してたら・・・」
「分かってるよ、フェイトちゃん・・・ 油断はしない・・・ たとえ、ヴィヴィオが相手でも試合や模擬戦なら負けたくないもん」

なのはの言葉にフェイトもはやても苦笑いを浮かべていく。
なのはは相変わらず負けず嫌いなんだと二人は改めて実感した。

試合開始の時間になり、それぞれのセコンドがリングから降りるとヴィヴィオとなのはの表情が引き締まっていく。

『さぁ、いよいよ始まります、高町なのは一等空尉とその娘の高町ヴィヴィオ司書のストライクアーツでの模擬戦ですが解説役の八神捜査司令はどう考えておられますか?』
『そうやねぇ・・・ 私は高町司書が勝つって思ってるよ』

リングサイドには実況席があり、そこで実況役の武装隊広報部のセレナ・アールズと解説役の本局海上警備部捜査司令の八神はやてがいる。
しかし、二人とも今回の試合の解説および実況をわりと気楽な仕事と捉えており、堅苦しくするつもりはないようだ。
今回の試合でははやてはなのはのセコンドと試合の解説を兼任するつもりでいるようだ。

『それはどうしてでしょうか、八神捜査司令』
『だってな、高町一尉が半年間かけてトレーニングを積んだとしても高町司書とは年季がちゃうやろ?』

はやての言葉にセレナは頷きつつ試合開始の時を待つ。

そして、いよいよ試合開始のゴング(擬似的に再現したもの)が鳴り、なのはとヴィヴィオは慎重に距離を計っていく。
ヴィヴィオはなのはが半年間かけてストライクアーツを特訓したことに多少なりとも警戒しており、なのはもIMCSを通して磨きがかかったヴィヴィオの実力を評価しているからこそ慎重になっている。

「来ないの、ヴィヴィオ・・・」
「なのはママこそ・・・」

二人は相手を挑発しながら少しずつ距離を縮めていく。
しかし、まだ一発も打撃を放っていない試合の状況に観戦している局員たちにもプレッシャーを与えている。

「(さすがにノーヴェの指導は徹底してるなぁ・・・ 誘いにも乗ってこないし・・・ こっちから行くしかないかな)」
「(なのはママに何ヵ月も練習する時間を上げたのはまずかったよね・・・ けど、罠があるなら叩き潰すまでだよ!)」

ヴィヴィオはいつまでもじっとしてられないと決心するとなのはとの距離を一気に詰め、様子見の右ストレートを繰り出していく。
なのははヴィヴィオの右ストレートを両腕でしっかりガードすると鋭い前蹴りをヴィヴィオのボディに当てて、後退させていく。

「ぐっ・・・ (やっぱり、なのはママはすごい・・・ たった数ヵ月でここまで強くなるなんて・・・)」

ヴィヴィオはなのはの前蹴りを受けて、なのはのポテンシャルと学習能力の高さに少しばかりの羨ましさを感じてしまった。
そして、それがヴィヴィオの闘志の起爆剤になった。

「行くよ、ママ!」

ヴィヴィオはそう言うと上体を左右に動かしながらなのはとの距離を詰めていく。
なのはは自分との距離を詰めてくるヴィヴィオにジャブを連打することで突き放そうとするがヴィヴィオはそれらのジャブをかわしながらなのはの懐に飛び込んだ。
そして、なのはの脇腹に突き刺すような左フックを叩き込んでいく。

「ぐっ・・・」

なのはの口からわずかな息と唾液、呻き声が漏れる。
しかし、すぐにフットワークを駆使してヴィヴィオの追撃を阻止していく。
ヴィヴィオはなのはに体勢を整えさせるつもりはないのか、一気に距離を詰め、ラッシュをかけようとしていく。

「逃がさないよ、なのはママ!」
「逃がさせてもらうよ、ヴィヴィオ」

なのはの言葉とともに1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
ヴィヴィオはゴングの音を聞き、なのはに向けて放とうとしていた拳を止めた。

「惜しかったね、ヴィヴィオ」
「む~~!」

ヴィヴィオはなのはにいいようにあしらわれたのが気にいらないのか、少しむくれたような表情になっている。
しかし、気を取り直すと自身のコーナーへ戻っていった。

「(やっぱり、ヴィヴィオは強いなぁ・・・ 油断してたらあっさり負けそう・・・ けど、ママも少しは意地張らせてもらうよ)」

なのはは自身のコーナーに戻っていくヴィヴィオを見ながらそんなことを考えてから自身のコーナーに戻った。
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第7回アンケートファイト スバル・ナカジマVSギンガ・ナカジマ

第7回アンケートファイト スバル・ナカジマVSギンガ・ナカジマ

ガールズインパクトの3回目の興行が行われることになり、スバル・ナカジマとその姉でスバルの師匠でもあるギンガ・ナカジマが第1試合目に闘うことになり、今二人はリングに上がっていた。
しかし、いつもは仲がいいはずの二人が相手の顔を睨んでいるのにはわけがあった。
試合の前にその話をしておく必要があるだろう。

数日前、スバルは親友の一人である梨杏とある話をしていた。

「えっ、ギンガさんがスバルを子供扱いしてるって?」
「そうなんだよ。 だって、昨日だって・・・」

スバルはそう言いながら昨日のことを思い出していた。

「スバル。 何で今日の訓練であんな無茶したの?」
「そんな無茶なんてしてないよ・・・ なのはさんだってオッケーしてくれたんだよ」

ギンガがスバルに言っている無茶とは昨日の訓練で零次(仮面ライダーイヴ)とのコンビネーションの練習をした時、イヴがジャンプした隙にスバルがその下をマッハキャリバーの最高速度で潜り抜けて敵に攻撃するというフォーメーションのことである。
ギンガが心配していることはイヴのジャンプしている時、敵の攻撃で墜ちた時にスバルが巻き込まれて怪我をしてしまうかもしれないということだ。
ギンガはそのことをなのはや天道に報告したがそれはスバルの判断次第との答えが返ってきたのだ。

「ギン姉の言いたいことは分かるけどあたしだってもう子供じゃないしそれなり強くなったって思ってる。 それに、零次とだってちゃんとコンビネーションが取れてきてるんだよ」
「でも、戦いはすべてがうまくいくなんてことはないのよ。 もしかしたら・・・」

ギンガの言葉にスバルもついつい感情的になってしまった。
そして、ギンガを睨みながら言ってはいけない言葉を言ってしまった。

「ギン姉はあの時、あたしに負けたんだから余計なこと言わないでよ!! あたしはいつまでも子供じゃないんだよ!! ギン姉はお母さんの代わりができるのが嬉しいんでしょ!?」

スバルの言葉を聞いたギンガはスバルの右頬を左手で叩いてしまった。
スバルは一瞬呆けた顔をしていたがすぐに表情を変えるとギンガに掴みかかった。
二人の喧嘩はその場にいた梨杏達に止められたがまだ一度も顔を合わせていなかった。

スバルの話を聞きながら梨杏は自身の妹である彩坂美紺と喧嘩した時のことを思い出していた。
ちなみに、その時は二人で殴りあっている内に喧嘩のことを忘れていた。

「ねぇ、スバル?」
「何、梨杏?」

スバルは話している内に不愉快な気持ちになったのか、ブスッとした表情になっていた。

「スバル、そんなに嫌ならギンガさんと本気で喧嘩してみたら?」
「ギン姉と本気で喧嘩・・・」

スバルは今まで自分が考えてなかった選択肢に少し考え込んでしまった。

そして、スバルはギンガのデバイスであるブリッツキャリバーに通信を入れて、セイバーズベースの屋上に呼び出していた。

「スバル・・・」
「ギン姉・・・ こないだはごめん・・・」
「ううん・・・ 私こそごめんね・・・」

二人はお互いに謝ると少しはにかんだ笑みを浮かべた。
しかし、スバルは真剣な表情になるとあることを提案した。


「ギン姉・・・ あたしね、ギン姉とちゃんとぶつかりたい!」
「ちゃんとぶつかる?」

ギンガにはスバルの言わんとしていることがいまいち理解できなかった。

「だからね、ギン姉・・・ あたしと格闘技、シューティングアーツの基礎だけで勝負してほしいの!!」
「スバル・・・ 分かったわ! 私も今のスバルをちゃんと見てなかった・・・ だから、スバルと勝負するわ!!」

ギンガはそう言うと屋上を後にした。

そして、ギンガとスバルの試合の日がやってきた。
二人は別々の控え室に入り、試合の準備を進めていく。

「スバル、ほんとに今回のルールでよかったの?」
「うん・・・ だって、あたしもギン姉もすっごくタフだもん。 普通のルールでやったら決着つかないよ」

今回の二人の勝負は総合ルールだが時間無制限のファイトクラブマッチなのである。
つまり、どちらかが闘えなくなるまで闘わなければならないのだ。

「分かったよ。 じゃあ、スバルが全力でギンガさんに挑めるように試合まで傍にいるよ」
「ありがと、梨杏・・・」

スバルはそう言うと梨杏の手を握った。

一方、ギンガの控え室では洋子が試合の準備をしながら話していた。

「なぁ、ギンガちゃん。 本気でスバルちゃんと戦えるんか?」

洋子はギンガにスバルと意識がはっきりとしている状態で闘い、傷つけてしまうかもしれないということへの覚悟ができているかを尋ねたのだ。

「正直、怖いといえば怖いです。 スバルと本気で勝負するなんてことなかったから・・・」
「そか・・・ うちはそんなんなかったなぁ・・・」

ギンガは洋子の言葉に少し疑問に感じたのか、尋ねていく。

「あの、洋子さん。 洋子さんって妹さんがいらっしゃるんですか?」
「うん、おるよ。 留美っていう生意気な妹がな」

妹のことを少し悪く言う洋子にギンガは少しだけ笑みを浮かべた。
何故なら、そう言っている洋子の表情が自分がスバルのことを他人に話す時のものと同じだからだ。

「ほんなら、そろそろ時間やからうちは出てくわ。 頑張りや」
「はい! 頑張ります!!」

ギンガがそう言うのを聞いて、洋子は笑いながら部屋を後にした。

そして、スバルとギンガがリングに上がり、金網が設置されていく。
今回、二人が普通のリングだけではいろいろと不安だからと金網を設置してもらうことにした。
もちろん、金網の周りには重りが置いてある。

「スバル、全力でやろうね」
「うん、ギン姉! けど、負けないよ!!」
「私もだよ、スバル」

二人はリング中央に歩み寄り、お互いに言葉を交わしていく。
そして、話が終わると二人の表情が少しだけ厳しくなった。

試合が始まり、二人は相手の様子を伺っている。
二人は同じ格闘技術、シューティングアーツを基礎から学んでいるため、下手に動けばすぐに倒されてしまうと考えているのだ。

「(ギン姉・・・ 全然隙がない・・・ 下手に動いたらやられる・・・)」
「(動けない・・・ スバルがこんなに私の様子を見てくるなんて・・・ スバルも成長してるんだよね・・・)」

お互いに動けないながらに相手のことを再び認めていく。
そして、膠着状態を打破しようと二人とも一気に踏み込み、距離を詰めていく。

「行くよ、ギン姉!」
「うん、スバル!!」

スバルは右ストレートを、ギンガは左ストレートを相手の顔目掛けて放った。
しかし、二人のストレートの軌道が重なり、お互いの拳を打ち合わせてしまった。
二人はすぐに距離を取り、左右のストレートやフックなどを交錯させていく。

「(スバル、本当に強くなったね・・・ でも、簡単には追いつかせてあげられない・・・ 私はお姉ちゃんだもの・・・)」

ギンガは一瞬そんなことを考えると姉としての優しい顔ではなく、一人の魔導師、いや、格闘家としての厳しい顔をしながら構え直していく。
スバルもそんなギンガの表情に内心嬉しく思いつつ、表情を引き締めていく。
そして、ギンガが一歩踏み出すと左右のストレートから右ハイキックに繋げるコンビネーションをスバルに叩き込もうとしていく。
だが、スバルもギンガの左右のストレートをパーリングで捌き、右ハイキックに右ハイキックをぶつけることで相殺していく。

「すっごーい!! スゥちゃん、すごいよ!!」
「アーヤ、あれってそんなにすごいことなの?」
「そうだよ!! だって、ハイキックにハイキックをぶつけるのってタイミングが狂ったらバランス崩しちゃうのにあんなに綺麗にぶつかってるんだよ! すごいんだよ!!」
「彩ちゃん、ワクワクしている彩ちゃんもすごくかわいいです・・・」

試合を見に来ていた彩はスバルとギンガの闘いにすっかり興奮してしまっていて、由芽はそんな彩を見ながら恍惚とした表情をしている。
珠音はそんな二人は気にしないことにして、試合を見ることにした。
ちなみに、彩は最近、スバルのことをスゥちゃんと呼んでいる。

スバルとギンガの試合はしばらくして膠着状態になった。
何故なら、二人の戦い方、言い換えれば、使っている格闘技は彼女達の母親であるクイント・ナカジマが考案し、研鑽したものである。
ギンガはクイントからシューティングアーツを習い、スバルはギンガからシューティングアーツを習ったのだ。
つまり、お互いがどのように動くのかを理解しているということだ。
この膠着状態から脱する鍵はどちらが先にシューティングアーツではない何かを仕掛けるかということになる。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (このままじゃ、いつまでも勝負が終わらない・・・ 何かないの・・・)」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (ギン姉はやっぱり強いや・・・ どうしたらギン姉に勝てるの・・・)」

二人は相手の様子を伺いながらもそんなことを考えている。

しばらく経っても二人はジャブや牽制のために威力を抑えた左右のストレートを相手に放っていた。
しかし、スバルの心の中ではある気持ちが芽生え始めていた。

「(このままじゃダメだよ・・・ こんなんじゃギン姉に喜んでもらえない・・・ だったら、あたしから行かなきゃ!!)」

スバルは気を引き締め直すとギンガの鼻を狙った右の縦拳を放っていく。
これは、スバルが彩の闘いを見た時に覚えていたものだ。

「(えっ!? スバルがこんな技を!!?) くぅっ・・・」

ギンガは驚きで行動がわずかに遅れ、鼻にスバルの右の縦拳が入った。
ギンガは痛みに表情を歪めつつ、距離を置こうとしていく。
しかし、スバルはそれを許さず、今度は梨杏が得意とする左右のストレートでのラッシュをギンガの顔に叩き込もうとする。
まさに、梨杏が得意とするラッシュそのものだった。

「(まさか・・・ スバルは梨杏や彩ちゃんの戦い方を再現してるの・・・? だったら・・・)」

ギンガはスバルのやっていることを理解して、冷静に捌いていく。
スバルは自分の策が簡単に見破られ、対応されたことで本来の自分の戦い方に切り替えていく。
だが、ギンガもスバルと同じ方法を取っていく。

「行くよ、スバル!!」
「来い、ギン姉!!」

ギンガはスバルの言葉に一気に距離を詰めると息を止め、左右のラッシュを放っていく。
それはさながら、暴風雨と言わんばかりのものだ。
そう、ギンガが放っているのは洋子が得意とするファントムブレイクである。
洋子と闘った経験のあるギンガは洋子のファントムブレイクを食らった経験があった。
その時の洋子の様子をイメージしながらスバルのガード越しに左右のラッシュを凄まじい勢いで叩き込んでいく。

「んくっ・・・ くぅっ・・・」

スバルはギンガの放ってくるファントムブレイクをなんとか耐え凌ごうとするが徐々にガードが破られてしまう。
そして、スバルのガードが完全に敗れたところにギンガの容赦のない左右の拳がスバルの顔に叩き込まれ、スバルの顔を醜く変形させていく。
本来ならこの時点で距離を取っていたかもしれないがファントムブレイクを使うことで酸欠状態になりつつあるギンガの意識が混濁し、スバルの顔をはっきりとは認識できていないので構わず殴り続けられるのだ。
第7回アンケートファイト スバル・ナカジマVSギンガ・ナカジマ…の続きを読む
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第6回アンケートファイト 結VSクロ

第6回アンケートファイト 結VSクロ


結は大家の浅間美哉におつかいを頼まれ、そのおつかいを済ませ、帰っている最中だった。
近くの公園を通りかかった時、一人の少女が複数の男に囲まれているのを見つけた。
その瞬間、結は男達と少女の前に立ち塞がっていた。

「んだぁ・・・ てめ・・・」

結に詰め寄ろうとした男の顔に結の拳が叩き込まれていた。
そして、それを見た他の男は少女と結に襲いかかっていく。
しかし、二人は己の拳と蹴りで男達を蹴散らした。

二人はそのあと、公園のベンチに座り、話していた。

「えっと、あなたの名前はクロさん」
「はい。 あなたは結さん」

二人はお互いのことを話していた。
しかし、結はクロの戦いぶりを見て、拳を交えてみたいと考えていた。

「あの、クロさん。 結と拳を交えさせていただけませんか?」
「クロと勝負がしたいってことですか?」

クロの言葉に結は頷きながらクロを見つめていく。
クロはそんな結の表情を見て、拳を交えてみたいと感じた。

「クロは構いませんよ。 結さんは大丈夫ですか?」「結も大丈夫です」
「では、明後日、お互いに立会人を連れてきた上でやりましょう!」
「はい! 負けませんよ!!」
「クロも負けません!!」

結とクロは勝負の約束を交わすとその場を後にした。

そして、二人の勝負の日がやってきた。
二人はそれぞれに立会人を連れてきていた。
結は自身の葦牙である佐橋皆人を、クロは自身のパートナーである伊吹慶太を連れてきていた。

「結さん。 約束守ってくれたんですね?」
「クロさんもありがとうございます。 では、早速ですがやりましょう」

結がそう言うとクロも構えていく。
皆人は内心二人を止めたいと考えているのか、そわそわしている。

「あんた、名前は?」
「佐橋皆人・・・ 君は?」
「俺は伊吹慶太。 それより、あいつらを止めない方がいいと思うぜ」
「でも!」

皆人が否定しようとすると慶太は皆人を見据えていく。

「あんた、半端な覚悟であの子と一緒にいるのか?」
「そんなこと!!」

慶太の言葉を皆人が否定すると慶太は先程よりは穏やかな表情で皆人を見た。

「だったら、あいつらを信じてやれよ」
「うん・・・」

二人がそんな話をしていると戦闘体勢に入っている結とクロが視線で催促してくる。

「じゃあ、二人とも後腐れのないようにやれよ」

慶太の言葉に結とクロはその場から飛び出していく。
そして、お互いに右ストレートを放っていくが二人の拳の軌道が重なり、右の拳と拳が衝突し、辺りに衝撃を撒き散らしていく。
しばらく、その体勢でいた二人はお互いに笑みを浮かべると少し距離を置いていく。

「結さん、やりますね!」
「クロさんも! でも、まだまだ行きますよ!!」
「はい!!」

結はそう言うと一気に距離を詰め、左右のフックやストレートをクロの顔に叩き込もうとしていく。
しかし、クロもボクシングの技術を駆使して、スウェーやダッキングでかわしたり、両腕でガードしたりして防いでいく。
そして、すぐさま左右のストレートを結に返していく。
クロの放った左右のストレートを両腕でガードした勢いを利用して、結は再びクロとの距離を一定にしていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ さすがにお強いです・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 結さんもとても強いです・・・」

二人はお互いの実力を認めあいながら相手の様子を伺っていく。
しかし、また距離を詰めると相手の顔に左右の拳を叩き込もうとしていく。
だが、二人ともガードしたり避けたりしているため、なかなか当たらなくなってきた。

「(クロさん、凄いです! 正確に結の急所を狙ってきてます!!)」
「(結さんのパンチ力、テクニック、凄いです! クロも頑張らないと!!)」

二人はお互いのことを評価しあいながら左右のストレートやフック、アッパーを相手の顔だけではなく、ボディや脇腹にも叩き込もうとしていく。
そして、ガードしきれなくなり、二人の拳が相手に叩き込まれると二人の口から唾液や血が吐き出されていく。

「結ちゃん!!」

血を吐き出した結を見て、皆人が叫ぶと結の視線が皆人の方に向いた瞬間、クロが踏み込み、結の鳩尾に右アッパーを叩き込んだ。

「がはぁ・・・」

クロの右アッパーを受けた結の口から唾液と血、少しばかりの胃液が混ざった液体が吐き出された。
そして、衝撃に結の身体が吹き飛ばされ、地面に転がっていった。
クロは転がっていく結を見ながら構えを解かないでいる。

「(結さんのお腹、凄く硬かった・・・ たぶん、それほどダメージは通っていないはず・・・)」

鳩尾は人体の中でも鍛えにくい場所である。
しかし、結の鳩尾は今までクロが感じたことのない硬さをしていた。

「結さんは立ってきます・・・」

クロは心配そうに結を見ている皆人にそう言うと再び構えていく。
クロの言う通り、結は手につけたグローブで口元を拭きながら立ち上がった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ クロさんのパンチ、凄いです・・・」
「ありがとうございます、結さん・・・ でも、まだやるんですね?」
「もちろんです・・・」

結がそう言うとクロは再びフットワークを駆使して結との距離を詰め、結の顎を狙った右アッパーを放っていく。
しかし、結は身体を少し反らすとクロの右アッパーをかわし、お返しの右アッパーを無防備になったクロの顎に叩き込んだ。

「んぁっ・・・」

クロは結の右アッパーをもらい、口から唾液を吐き出し、後ろに吹き飛ばされた。
結はそんなクロを見つつ、息を整えていく。
気合いで立ち上がったものの、腹筋では防ぎきれなかった痛みが結の腹部を苛んでいた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 結さんのパンチ、効きました・・・」
「クロさんの拳も効きましたよ・・・」

二人はそう言うとふらつきながら相手との距離を詰め、左右のフックやストレート、アッパーを相手の顔やボディ、脇腹などに叩き込んでいく。
その威力に二人の口からは血と胃液混じりの唾液が吐き出されていく。
しかし、二人はそれでも互いに拳を振るうことをいっこうに止めようとしない。
それは、二人とも強者と拳を交え、ぶつかれることに喜びを感じているからだ。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・」

しかし、長時間殴りあってきたため、二人の体力はかなり消耗していた。
しかし、互いに勝ちたいという想いがあるため、どんなに辛かろうが相手を殴ることを止めない。

「んぁっ・・・ ぶふぅ・・・」
「んぐぅ・・・ かはぁ・・・」

二人の鼻は潰れ始めているため血が流れており、口からは胃液や血、唾液が混ざりあった液体が次々に吐き出されていく。
そして、顔やお腹は赤黒い痣が浮かび上がっていく。

「あぶぅ・・・」

クロの右アッパーが結の顎を打ち抜くと結の身体が崩れ落ちそうになる。
しかし、堪えると結は左フックをクロの脇腹に叩き込んでいく。

「ぐふぅ・・・」

クロは一瞬吐きそうになったのを堪えると結の鳩尾に再び右アッパーを叩き込もうとした。
しかし、本能的にそれを理解した結はクロの右アッパーを身体の動きでかわすとカウンターの右ストレートをクロの顎に叩き込んだ。

「んぶぅ・・・」

自身と結のパンチ力が合わさったカウンターを食らったクロはその勢いで数メートルも吹き飛ばされた。
結はゆっくりとクロに近づき、決着をつけるべく追撃しようとする。
しかし、結がクロの下に来た時にクロが起き上がり、その勢いを利用した右アッパーを結の鳩尾に叩き込んだ。

「がはぁ・・・」

結はクロの右アッパーに再び胃液と血を吐き出してしまう。
そして、地面に崩れ落ちた。

「結ちゃん!!」
「待て! まだ、二人の戦いは終わってない!」

結の側へ駆け寄ろうとした皆人を慶太が止めた。
慶太には結が立ってくるだろうと予想できたから皆人を止めた。

「皆・・・人さん・・・ 結は・・・まだ・・・やれますから・・・止めないでください・・・」

結の弱々しくも闘志に溢れた言葉に皆人は何も言えなかった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 結さん・・・本当にタフですね・・・」

クロはそう言うと結との距離を縮めていく。
しかし、蓄積したダメージがクロの足を鈍らせていた。
結はそんなクロの様子を見て、自分もゆっくりと近づき、右ストレートを叩き込んでいく。
クロは結の右ストレートをかわすことができず、口から血と唾液を吐き出していく。
しかし、クロも左ストレートを結の顔に叩き込んでいくと結も血と唾液を吐き出していく。
二人が拳を相手に叩き込んでいく度に辺りに血と唾液が撒き散らされていく。

「ぶふぅ・・・ んぁっ・・・ かはぁ・・・」
「あぶぅ・・・ んぐぅ・・・ んぶぅ・・・」

二人はさらに左右のパンチのスピードを上げていく。
約束した1時間がもうすぐ経とうとしていることを肌で感じ取ったからだ。
二人は距離を取ると息を整えていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・」

二人は息を整えると互いに構えを取っていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 結さん、決着をつけましょう・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そうですね、クロさん・・・」

二人はそう言うとゆっくりと近づいていく。
そして、ある距離で急加速し、相手に右ストレートを叩き込んでいく。
しかし、二人とも同じタイミングで右ストレートを放ったため、相打ちになっていた。

「あがっ・・・」
「んぁっ・・・」

二人は一瞬時間が止まったように止まり、それからゆっくりと倒れた。

「結ちゃん!!」
「クロ!!」

二人が倒れたのを見て、慶太と皆人は二人に駆け寄り、様子を見た。
二人の身体中は拳を叩き込まれた痛々しい跡で埋め尽くされていた。
しかし、倒れている二人の表情は満足そうなものだった。

しばらくしてから二人は目を覚まし、お互いの健闘を称えあった。

「クロさん、今日は本当にありがとうございました! いい勉強になりました!!」
「クロも凄く楽しかったです! また、戦いましょうね!!」
「はい!!」

二人は力強く握手を交わすとそれぞれのパートナーの下に戻っていった。

結とクロの勝負はもう二度とないかもしれない。
しかし、二人にはまた精一杯殴りあえる気がしてならなかった。
そんな期待を胸に二人はそれぞれの日常へ戻っていった。


Fin

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第5回アンケートファイト 高町ヴィヴィオVS中野優

第5回アンケートファイト 高町ヴィヴィオVS中野優

セイバーズベース内のトレーニングルームに設置されたリングの上には二人の少女がそれぞれ戦闘体勢な状態で立っている。
何故、こうなったのかを話しておかなければならないだろう。

ガイアセイバーズの基地、セイバーズベースに一人の少女が自身の親を訪ねていた。
少女の名前は高町ヴィヴィオ、ガイアセイバーズに所属する高町なのはの娘である。
ヴィヴィオは自身が通うザンクト・ヒルデ魔法学院が夏休みに入り、社会勉強をかねて母親を訪ねたのだ。

「えっと~ なのはママがいるのはガイアセイバーズの訓練スペースだったよね?」

ヴィヴィオは自分がなのはから聞いていたことを確認するように言いながらセイバーズベースの中を歩いていた。
しかし、しばらく歩いても目的地に着かないことに不安を感じ始めていた。

「どうしたの? 迷子??」

一人の少女がヴィヴィオに話しかけてきた。
ヴィヴィオはその少女が話しかけてきたことが嬉しかったので事情を説明した。

「そっか。 ヴィヴィオはママを訪ねてきたんだね」
「うん・・・ でも、ガイアセイバーズの基地がすごくおっきくて迷っちゃって・・・」
「分かるよ。 あたしも最初のうちはよく迷ったもん」

ヴィヴィオと少女、中野優はすぐに仲良くなり、お互いのことを話しながらセイバーズベースを歩いていた。

「えっ、ヴィヴィオも格闘技やってるの?」
「うん! わたしのやってるのはストライクアーツっていうんだけど」

優はヴィヴィオの言ったストライクアーツがよく分からず首を傾げた。
ヴィヴィオは優のそんな様子にストライクアーツについて説明することにした。

「えっと、ストライクアーツは打撃による徒手格闘技術なんだけど分かる?」
「なんとなくだけど分かるよ。 けど、実際にやってみたくなるよね」

優の言葉にヴィヴィオが頷くと優はヴィヴィオにある提案をしていく。

「ねぇ、ヴィヴィオ。 試合してみようよ?」
「わたしは優と試合したいけどなのはママに聞いておかないと怪我しちゃった時に心配かけちゃうから・・・」

優はヴィヴィオの言葉に自身の義理の母親であり大好きなママでもある洋子を心配させてしまうかもしれないと考え、まずお互いの親に確認を取ってからということになった。

二人はまず、ヴィヴィオの母親であるなのはを見つけたのでなのはに試合をしたいという旨を話した。

「うーん・・・ ヴィヴィオと優ちゃんが強くなりたいと思って格闘技してるのは知ってるし二人が試合をしたいっていう気持ちも分からないでもないんだけど・・・」
「どうしたの、なのはママ?」

ヴィヴィオの問いかけになのははぽつりぽつりと自分の考えを話していく。

「えっとね、ヴィヴィオが格闘技をしたいって言った理由はなんとなく分かってるつもりだし優ちゃんと試合をしたいのも分かるよ。 でもね、ヴィヴィオもだけど優ちゃんが怪我するかもって考えるとすぐに許可できないかな」
「そっか・・・」

ヴィヴィオの表情になのははある提案をしていく。

「じゃあ、洋子ちゃんがいいよって言ったら試合してもいいよ」
「ほんと!?」

ヴィヴィオの嬉しそうな顔になのはも笑顔で頷いていく。

ヴィヴィオ達は洋子を探しながらセイバーズベースの一角にあるガールズインパクトのジムに来ていた。
このジムはガイアセイバーズの女性隊員なら誰でも使用することができるため、男性隊員に遠慮することなく自分のペースでトレーニングができるという女性隊員も多くいる。
もちろん、男性隊員と一緒にトレーニングしたいという女性隊員も中にはいるため、セイバーズベースのトレーニングルームは女性でも入れるのだ。

「あれ、優に、ヴィヴィオ!? いつ来てたの!?」
「スバルさん! 久しぶり!!」

ガールズインパクトのジムから出てきたスバルを見たヴィヴィオは嬉しそうにスバルに駆けよっていく。

「ヴィヴィオ、なのはさんに会いに来たんだよね?」
「はい。 それで、優と出会って試合しようよって話になったんですけどなのはママが洋子さんに聞いておいでって」
「そっかぁ・・・ 洋子さんなら中でティアに格闘技を教えてるよ」
「ありがとう、スバルさん!」

ヴィヴィオはスバルにお礼を言うと優と一緒にジムの中に入っていく。

ジムの中にあるリングの上では洋子とティアナがスパーリングを行っていた。
先程まで格闘技の基礎などを教えていたが元々スバルとシューティングアーツの基礎を練習していたティアナの飲み込みが早く、実戦形式でさらに指導することにしたのである。

「ほら、ティアナちゃん! パンチが大振りになってきとるで! もっとコンパクトに振らな!!」
「はい!!」

ティアナは洋子の指摘にすぐに対応しようとしていく。
ヴィヴィオ達はそんな二人の雰囲気に飲まれ、自分達の用件を伝えるのを忘れてしまっている。
やがて、ティアナとのスパーリングも終わり、タオルで汗を拭いていた洋子は優とヴィヴィオに気づいた。

「あれ、優? それに・・・」
「あ、あの、高町ヴィヴィオです!」
「高町・・・ あぁ、なのはちゃんの娘さんかぁ・・・」

洋子はヴィヴィオがなのはの娘であると理解すると同時に優達が何故ここにいるのか、気になった。

「それで、何で二人は何しに来たん?」
「あっ、そうだ。 洋子ママ、あたし、ヴィヴィオと試合したくてなのはさんに言ったんだけど・・・」

優が洋子に試合をしたいという旨を話すと洋子はなのはの判断を理解し、答えを出していく。

「うちはええよ。 けど、二人とも怪我したり負けたりした時、相手のこと恨んだりせんな?」
「もちろんだよ、洋子ママ!」
「もちろん!!」

洋子は二人の返事に頷くとその場にいた女性隊員に協力してもらい、ヴィヴィオと優の試合の準備をしていく。
そして、準備が済むと二人はリングに上がっていく。
その様子を洋子と梨杏、舞那は優のコーナーから、なのはとフェイト、スバルはヴィヴィオのコーナーから見ていた。

「なのはさん、ほんとに良かったんですか? ヴィヴィオの試合」
「しょうがないよ。 ストライクアーツをするってヴィヴィオが決めた日からこんな時が来る気はしてたんだ。 まぁ、ヴィヴィオが少しくらい怪我しても目をつむるつもりだよ」

スバルは青コーナーのコーナーサイドからヴィヴィオの様子を見ながらなのはに優との試合をさせてよかったのか聞くとなのはは少し苦笑いしながら答えていく。

「でも、ヴィヴィオが自分の力で強くなりたいって思ってくれてることが嬉しいんだ」
「そうですか。 じゃあ、頑張ってヴィヴィオのセコンドしないとダメですね」
「うん!」

なのははスバルの言葉に力強く頷いていく。

リングの上ではヴィヴィオと優が向き合っていた。
その表情は引き締まっているが二人とも相手に対する期待が隠しきれないようだ。

「優。 今日は楽しもうね」
「うん、ヴィヴィオ。 でも、負けないよ」
「わたしも負けないもん」

二人は相手にそう言うと自分のコーナーへ戻っていく。
今回の試合は二人の要望もあり、レフェリーはつけないことにした。
しかし、その代わりに試合は3分3ラウンドで行われ、総合格闘技におけるマウントポジションと関節技は使用禁止になっている。

ヴィヴィオのコーナーでは主にスバルがヴィヴィオにアドバイスしていく。
フェイトとなのはがアドバイスするよりも格闘技をしているスバルがアドバイスする方が確実だろうと二人が頼んだのだ。

「ヴィヴィオ、優は格闘技を始めて2ヶ月だけどもう立ち技でしたっけ?」
「うん、合ってるよ」

ヴィヴィオにアドバイスするものの地球での用語にまだまだ疎いスバルはなのはに確認していく。
そして、正しいと理解するとさらにアドバイスを続けていく。

「だから、ヴィヴィオとは互角にやれると思う。 ヴィヴィオはどうする?」
「わたしはスバルさんみたいに前に進むしかないって思うの。 だって、まだまだ練習中だもん」

スバル達はヴィヴィオの言葉に笑みを浮かべる。

「じゃあ、頑張ってみよっか」
「うん!!」

スバルに元気よく返事をしたヴィヴィオは試合に向けて集中していく。

一方、優のコーナーでも舞那と洋子、梨杏が優にアドバイスしていた。

「優。 ヴィヴィオちゃんはなのはちゃんの話だとヴィヴィオちゃんは優よりも長くストライクアーツをやってるそうだけどどうする?」

優は洋子の質問に迷わず答えた。

「あたしはガンガン行くことしか知らないもん。 だから、ヴィヴィオがどれだけ強くても引かない!!」
「まっ、母親であるうちからしたら、子供のうちからそないに激しい試合はしてほしないけど優が選んだんやもん、頑張りや!」
「うん!!」

優と洋子達が相談を終えた頃、ティアナがセコンドアウトの指示を出していく。
試合が始まるとヴィヴィオと優はゆっくり相手との距離を測っていく。
しかし、優もヴィヴィオもなかなか攻めようとせず、フェイントや身体の動きで相手を牽制していく。

「(いざ試合になるとやっぱり緊張するなぁ・・・ けど、攻めないとヴィヴィオには勝てない・・・ もっとアグレッシブに行かなきゃ・・・)」
「(優がどんな闘い方をするのか、分からないからなかなか攻められないよ・・・ でも、ヴィヴィオが練習してるストライクアーツで負けられないもん・・・ どんどん攻めなきゃ!!)」

二人は気合いを入れ直すと少しずつ打撃を放っていく。
優は左ジャブを数発出していくことでヴィヴィオを牽制しつつ自分の距離を作っていこうとする。
しかし、ヴィヴィオは優の放つジャブの段幕を潜り抜けていき、左右のワンツーを優の顔に叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・ あぐぅ・・・」

ヴィヴィオのカウンターのようなワンツーの威力に優の口からは唾液が吐き出されていく。
そして、その唾液がヴィヴィオの顔に付着するが闘いに集中してるヴィヴィオはまったく気にならず、さらに左右のストレートを叩き込もうとするが優もしっかりガードしていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (さすがにヴィヴィオはあたしよりもキャリアがある分強いや・・・ けど、きっと隙があるはずだよ・ね・・)」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (優、すごく柔軟だよ・・・ もっと、動揺すると思ったのに凄く落ち着いてる・・・)」

優とヴィヴィオは集中し続けているためか、少しずつ体力を消耗していた。
そして、肩で息をしながら相手の様子を観察していく中で相手のよさを再認識していく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 行くよ、ヴィヴィオ!」
「はぁ・・・ はぁ・・・ こっちこそ行くからね、優!」

二人が相手に左右のストレートを叩き込もうとしたところで1ラウンド終了を告げるゴングが鳴った。
優とヴィヴィオはそのゴングの音に自身の拳を相手の顔の前で止めていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・」

二人は少し荒い息をしながら自分のコーナーに戻っていった。

ヴィヴィオをコーナーで待っていたスバルは優しくスツールに座らせるとヴィヴィオの様子を観察していく。

「(うん。 これくらいならまだまだやれるね) 1ラウンド目はどうだった?」
「わたしも優もまだまだ相手を見てるだけだからあんまり分からないです・・・」
「そっか・・・」

スバルはヴィヴィオのそんな言葉にヴィヴィオの成長を感じていた。
フェイトはスバルとヴィヴィオの話を聞きながら身体中の汗を拭き、なのははヴィヴィオがくわえているマウスピースを洗っている。
本当は自分がヴィヴィオにアドバイスをしたいが格闘技の経験のない自分がアドバイスしてもヴィヴィオのためにはならないとなのはは考えているのだ。
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第4回アンケートファイト 彩坂梨杏VS榊原悠

第4回アンケートファイト 彩坂梨杏VS榊原悠

梨杏の後輩で東山学院に通う榊原悠は今一つ悩んでいることがあった。
それは自分の先輩でもある梨杏がプロの世界で結果を上げ、有名になり、急に入部してくる生徒が増えていることだった。
もちろん、梨杏の陰での努力や試合での奮闘、人柄については尊敬すらしているし、新入部員が増えるのも嬉しい。
しかし、梨杏がいないところでは練習をサボりがちになる部員もいるので悩んでいた。

「梨杏先輩、なんとかする方法はありませんか?」
「うーん・・・ ごめんね、悠ちゃん・・・ 今は思いつかないの・・・」

悠は梨杏の申し訳なさそうな言葉に少し心苦しくなった。

その日の部活を終え、ガイアセイバーズの基地に向かった梨杏は幼なじみでもある零次や親友になったスバルに悠から言われたことを話した。

「えっと、つまり梨杏のことを知って入部してきた子達が梨杏がいないと練習に身を入れないって言われたんだよね?」
「うん・・・ わたし、女子ボクシング部にいない方がいいのかな・・・?」

梨杏の消極的な言葉に零次は梨杏の鼻を摘んだ。

「ふぇっ!? 零くん??」
「ばーか。 お前が悪いって言ってるんじゃねぇんだろ?」
「うん・・・」
「だったら、いいじゃねぇか。 何だったら、部員全員の前でお前の闘いを見せてやりゃあいいじゃねぇか」

梨杏は零次の言葉にパァッと明るくなったように感じた。

「そっか、そうだよね! ありがとう、零くん!!」

梨杏は凄くいい笑顔でそう言うと、さっさとトレーニングルームへ行ってしまった。

「ねぇ、零次・・・ 梨杏、大丈夫かな?」
「さぁな・・・ 本気でその後輩と試合しそうな勢いだよな・・・」

零次とスバルは梨杏の様子に少し不安になった。

梨杏は翌日、部活が終わった後、親友の城崎みなみと悠に自分の考えたことを話した。
みなみはその話に呆れたような顔をし、悠は感心したように梨杏を見た。

「つまり、私には榊原さんと梨杏の試合のレフェリーをしろって言いたいのね?」
「うん・・・ 駄目かな・・・」
「ほんとなら駄目って言うとこよ・・・ 梨杏はプロボクサーなんだからあまり無茶するのはよくないしね。 けど、榊原さん以外の一年生にはいい刺激になるんじゃない?」

みなみはそう言うと、嬉しそうな顔をした梨杏を見ながら悠にとあることを確認した。

「榊原さん、あなたはフライ級よね?」
「は、はい・・・」

悠はなんとなくだがみなみの言いたいことが分かったようだ。

「梨杏の階級はバンタム級。 つまり、榊原さんと梨杏の間では体重差が大きすぎるわ」
「それでも、女子ボクシング部の一年生で梨杏先輩とやりあえるは私くらいしかいないと思うんですけど・・・」

みなみは悠の表情を見てから言葉をつむいだ。

「はぁ・・・ つまりは階級差は関係なく梨杏とやりたいってことね?」
「はい!!」
「だそうだけど梨杏はどうする?」

みなみの問いかけに梨杏はウズウズしたような表情で頷いていた。

「しょうがないわね。 じゃあ、今週の土曜日、部活でのスパーリングの予定を変えてみるわ。 それで、その時に二人に試合をしてもらうわ」

みなみはそう言うと、二人を連れて、顧問である浪川譲の下へ向かった。
反対されるかと思った三人だったが彼女はあっさりと承諾してしまった。

そして、土曜日になり、二人の試合の日が来た。
今回は二年生が二人のセコンドを務め、三年生は審判や記録係などに徹していた。
もちろん、一年生は見学である。

梨杏は自分の控え室である2年1組の教室で椅子に座りながら緊張していた。

「もう、そんなに緊張するなら止めておけばよかったのに・・・」
「だって、悠ちゃんと試合はしたかったけどいざとなったら震えちゃうんだもん・・・」

梨杏と話しているのは西尾遥という同級生である。
遥はソルブレイン所属の警視正、西尾大樹の姪である。

「とにかく、あたしがついててあげるから頑張ってきなよ」
「うん。 ありがとう、遥ちゃん」

梨杏は遥にお礼を言うと静かに精神統一を始めた。

一方、悠の控え室では午前中に練習に付き合っていた佐々木ゆかであった。

「ゆか先輩、私のセコンドに就いてくださってありがとうございます」
「あぁ・・・ 別に気にしないでよ。 あたしは梨杏とやりあおうっていう一年生の心意気に感心したってだけよ」

ゆかの言葉に悠は少し戸惑ったような笑みを浮かべた。
ゆかはそんな悠を見ながら悠の手にバンテージを巻いていく。

「ねぇ、悠。 バンテージの巻き具合はこんなもんでいい?」
「はい! 凄くいいです!!」

悠の言葉にゆかは頷くとさらに悠が試合をするための準備を進めていく。

そして、三年生の先輩に呼ばれた二人はリングインしていく。

「悠ちゃん、よろしくね」
「はい、梨杏先輩! でも、負けませんよ!!」

悠がそう言うと、梨杏も力強く頷いた。
そして、レフェリーを務めるみなみは二人を自分のコーナーに戻らせた。

「さて、悠。 このラウンド、あの突撃娘相手にどうやるつもり?」
「梨杏先輩のスピードやフットワークについてはある程度分かってるんですけど・・・」

悠が自信なさげな声を出すとゆかが悠の頬っぺたをつねった。

「まったく。 悠はアマチュアボクサーだよ。 それに引き替え、梨杏はプロボクサー。 もともと、負け戦なんだから梨杏の胸でも借りてきなよ」
「ゆか先輩、ありがとうございます! でも、私、負けません!!」

悠の力強い言葉を聞いたゆかは悠の頭を少し乱暴に、しかし優しさを込めて撫でた。

「ゆかってばしっかり先輩できてんじゃん。 ね、梨杏?」
「そうだね。 少し意外かも」

遥の言葉に梨杏も言葉を返していくがその目はすでに悠を捉えている。

「梨杏はほんとに真性のバトルジャンキーなんだから・・・」
「えっ!? そんなことないよー!!」
「そんなことあるの。 とにかく、榊原さんとの勝負を楽しんできなよ」

梨杏は遥の言葉に頷くと両手の青に白いナックルパートのあるアマチュア用グローブを打ち合わせた。
なお、今回の試合は女子ボクシング部で行うということなので、使用しているのはアマチュアルールで定められたグローブである。

1ラウンド開始のタイマーが鳴り、梨杏は勢いよくコーナーから飛び出したが悠は慎重に動いていく。
梨杏は悠との距離を詰めると左右のワンツーを放ち、悠の様子を伺っていく。
しかし、悠も梨杏の思惑を理解しているようで左右のワンツーを上体の動きだけでかわし、カウンターのワンツーを放っていく。
梨杏はそのワンツーを両腕でガードし、悠との距離を少し離していく。

「さすがだね、悠ちゃん。 けど、守ってるだけじゃわたしには勝てないよ!」
「分かってます、梨杏先輩! でも、私はこういうファイトスタイルなんです!!」

梨杏と悠はそう言うと、対称的な動きを取っていく。
梨杏は前へ前へと突っ込んでいき、悠を追いつめようとするが悠はフットワークを駆使して梨杏との距離を常に一定にキープしていく。
梨杏は距離をキープしてくる悠になんとか近づいていこうとするが悠がそれを許さない。
予想以上に巧みな技術を見せる悠に他の一年生の視線も釘付けになり、他の先輩も悠の実力を評価し始めていた。

「くうっ・・・ (悠ちゃん、速いし正確だよ・・・ けど、これってまどかの闘い方と似てる・・・ 悠ちゃんには悪いけどまどか対策をこの試合でものにするよ!!)」

梨杏は悠を捉えられないことを自分にとってのチャンスだと考えているようだ。
今の悠の闘い方は梨杏の考えの通り、神宮寺まどかを意識したものである。

「まだまだ行きますよ、梨杏先輩!!」

悠はそう言うと、左右のワンツーを放ちながら梨杏との距離を詰め、左右のフックを梨杏のガード越しに叩き込んでいく。
梨杏は悠の放っていくパンチをガードしつつ、隙を伺っている。

「どうしたんですか、梨杏先輩!? もう終わりですか!!?」

悠がそう言いながら梨杏のガードを崩そうとさらに左右のパンチを放っていく。しかし、そこで1ラウンド終了のタイマーが鳴った。
悠はそのタイマーの音とともに手を止め、自分のコーナーへ戻っていった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (えっ? 私、こんなに疲れてるの??)」

体力には自信のある悠だが1ラウンドからラッシュをかけたことによる疲労はかなり大きいようだ。

梨杏は自分のコーナーに戻ると遥は梨杏の口からマウスピースを取り、素早く洗っていく。
その間、梨杏は息を整えようとしていく。

「梨杏、次のラウンドは多少もらってもいいから榊原さんをKOもしくはダウンさせてきなさい」
「どうして、遥ちゃん?」

梨杏の疑問に遥は頬をひきつらせながらも落ち着いて説明していく。

「あんた、プロボクサーでしょうが・・・ プロの試合の判定だとしてもアマチュアの試合の判定だとしても今の梨杏は悠にポイント差をつけられてんのよ!?」
「うん、それは分かってるよ、遥ちゃん。 けど、今日の試合は3ラウンド制だよね?」

梨杏の問いかけに遥は頷く。
遥には梨杏の言いたいことがある程度分かったようだ。

「つまり、残り2ラウンドで悠をダウンかKOさせれば勝てるって言いたいのね?」
「うん!」

梨杏の力強い返事に遥は何か言おうとしていたのを引っ込め、梨杏の身体の汗を黙って拭いていく。

悠のコーナーではゆかが次々に出てくる悠の汗を拭いたり悠がくわえているマウスピースを洗ったりしていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「悠、次のラウンドもできるだけ攻めていこう!」
「はい! ゆか先輩!!」

ゆかは悠の言葉に頷きつつも自分の考えを伝えていく。

「悠、梨杏はスロースターターだよ・・・ 意味は分かるよね?」
「はい・・・ 要するに、梨杏先輩は次のラウンドから動き出すってことですね・・・」

悠は自身の疲労を回復させつつもゆかの言葉に返事していく。
ゆかはそんな悠の言葉に頷き返し、次のラウンドの指示を出していく。

「あたしも悠と同じフライ級だし梨杏とは練習でだけど何度かスパーしたから分かるけど、あの子のパンチ力は下手したらフェザー級以上だしスタミナもあるからしつこい・・・」
「はい・・・」

悠はゆかが普段見せないような一面を見せていることに驚きながらもゆかの分析とアドバイスに感謝し、落ち着いて聞いていく。

「梨杏相手にあそこまでやりあったんだから体力が相当なくなってるはずだよ。 もし、このままやったら悠は梨杏に間違いなくKOされるよ・・・」

悠はいつもは見せない表情を見せながら言うゆかの様子に思わず息を飲んだ。
しかし、ゆかは悠のそんな様子を見ると頬っぺたを伸ばした。

「悠は梨杏の胸を借りるつもりでやる! 勝ち負けはその後!!」
「はい!!」

ゆかなりのアドバイスで悠の緊張はかなり解れたようだ。

2ラウンド開始のタイマーが鳴ると梨杏は勢いよくコーナーから飛び出していく。
しかし、悠はゆっくり慎重にコーナーから出ると梨杏の様子を伺っていく。

「(まだ、体力が戻ってない・・・ このままじゃ本当に梨杏先輩にKOされちゃう・・・)」
「(悠ちゃんの様子が変わった・・・ ひょっとして、何かの作戦かな・・・)」

悠は自身の身体の不調について考え、梨杏は悠の動きについて考えていた。
しかし、梨杏は意を決して突っ込んでいく。
悠は梨杏が勢いよく近づいてきたことで対応が遅れ、距離を離すことができなかった。

「んんっ・・・ んあっ・・・」
「悠ちゃん! もっと、行くよ!!」

梨杏はそう言うと悠のガード越しに左右のフックやストレートを叩き込んでいく。
しかし、悠は必死にガードしていこうとするが梨杏のパンチ力に悠のガードが弾かれてしまった。

「(しまった・・・ やられる!)」
「行くよ、悠ちゃん!!」

梨杏は体勢の崩れた悠の顔に右ストレートを叩き込もうとしていく。
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第3回アンケートファイト 流浪の戦士 レイナVS雷雲の将 クローデット

第3回アンケートファイト 流浪の戦士 レイナVS雷雲の将 クローデット

クイーンズブレイドに参戦する闘士達が集まったのを王宮から見ていた女王アルドラはある考えを持っていた。

『愛しのアルドラ・・・ 闘士達が揃ったけどどうする?』
「まずは余に歯向かおうとしているヴァンス家の当主に釘を刺しておかねばならないだろうな」

アルドラは自身が契約している冥界の悪鬼・デルモアと話しているが彼女の中にはある考えがあった。

レイナは首都・ガイノスに着いてからガイノスの雰囲気を味わいながら市場を歩いていた。

「それにしても、首都はやっぱりにぎやかだなぁ・・・ これからクイーンズブレイドをやるなんて考えられないわ」

レイナはそう呟きながら自分の泊まる宿を探していた。

「さて、そろそろクイーンズブレイド前哨戦を始めようか」
『そうだね、愛しのアルドラ』

アルドラの言葉にデルモアが賛同するとアルドラは笑みを浮かべながらレイナと対戦相手に使いを送った。

「流浪の戦士 レイナ、クイーンズブレイド前哨戦に参加せよ」
「クイーンズブレイド前哨戦? 何で、クイーンズブレイドに前哨戦なんてあるの??」

レイナの疑問にアルドラの使いは静かに答えた。

「女王アルドラの意志だ・・・ 参加を拒否する場合はクイーンズブレイドに出ることを許さんとのことだ・・・」
「分かったわ・・・」

レイナはそう言うとゲートをくぐり、試合の場所へと向かった。

レイナは対戦相手であるクローデットと女王の間で対峙していた。

「まさか、レイナ、お主と戦うことになろうとはな」
「私もクローデットお姉さまと戦うことになるなんて思ってもなかったわ」

二人がそんなことを話していると二人の前に女王アルドラが出てきた。

「さて、流浪の戦士 レイナに雷雲の将 クローデットだな? お前達には純粋な殴りあいで勝負してもらおうと思っている」
「何を馬鹿なことを・・・ 私は拳闘家ではないのだぞ」

アルドラはクローデットの言葉に軽く笑うと指を鳴らした。
すると、クローデットとレイナの武器や鎧がどこかに消えてしまった。
その代わり、胸と腰には布でできた衣装が着せられており、手には何かの皮が巻き付けられていた。

「言ったはずだ。 この勝負はクイーンズブレイド前哨戦だとな・・・ それとも、雷雲の将 クローデットともあろう者がただの殴りあいでは妹にすら勝てないと言うつもりか?」
「戯れ言をほざくな、女王アルドラよ。 私はどんな戦いであろうと誰にも負けるつもりはない」

アルドラの挑発にクローデットは少し腹を立てたようで言葉に刺々しさがあった。

「流浪の戦士 レイナ、お前はどうだ?」
「私は・・・」

レイナが言葉につまるのを見たクローデットはアルドラに視線を送った。

「女王アルドラ、私とレイナの勝負を始めてくれ」
「いいのか? 実の妹だろう??」

アルドラの言葉にクローデットは特に何も言わなかった。
クローデットの様子にアルドラはまたしても指を鳴らした。
すると、女王の間にいたクローデットとレイナはどこかの森へ飛ばされていた。
『どうして、あの二人を選んだだい、愛しのアルドラ?』
「あの二人はヴァンス家の長女と次女だ。 それに、あの二人を戦わせればヴァンス家への牽制にもなる」
『さすがだね』

デルモアとアルドラは自分達の計画について話していた。

森に飛ばされたクローデットとレイナは辺りを見回していく。

「(おそらく、女王アルドラが私とレイナをぶつけてきたのは父上への牽制なのだろうな・・・ だが、そんなことは関係ない・・・ 私はレイナ、お主と全力でぶつかるだけだ・・・) レイナよ・・・ 私とお主、よく思えば姉妹喧嘩のようなものを一度もしたことがないな・・・ せっかくの機会だ、おもいっきりやろうではないか」
「けど、クローデット姉様!!」

レイナがそう言ったのを聞いたクローデットはレイナとの距離を詰めると右のパンチでレイナの顔に叩き込み、吹き飛ばしていた。
クローデットのパンチを喰らったレイナは地面を滑っていく。

「クローデット姉様・・・」
「立て、レイナ・・・ お主のクイーンズブレイドへの想いとはその程度のものなのか・・・」

クローデットの問いかけにレイナは一瞬ハッとしたような表情を浮かべてから立ち上がった。
しかし、その目には今までの旅で培った闘志があった。
クローデットはそんなレイナに微笑むと険しい表情に変わり、一気にレイナとの距離を詰めていく。
そして、レイナに対して打ち下ろしの左右のストレートを放っていく。

「くうっ・・・ はっ! (クローデット姉様は私よりも背が高い・・・ 私が普通にクローデット姉様の顔を殴ってもたいしてダメージは通らないはす・・・ なら・・・) 行くよ、クローデット姉様!」
「来い、レイナ!」

二人はお互いに相手に気合いの込もった声で呼びかけるとまた距離を詰めていく。
そして、クローデットは左右のパンチをレイナの顔に叩き込もうとする。
しかし、レイナはクローデットのパンチをかわすとクローデットの腹にサイドキックを叩き込んでいく。

「ふぐぅ・・・ (なるほど・・・ ただ殴るだけでは不利だと踏んで蹴りで私を圧倒しようと考えたのか・・・ レイナ、本当に成長したようだな・・・)」

クローデットはレイナのサイドキックの威力に自身の妹の成長を認め、倒すべき相手として認識したようだ。

「はぁぁぁっ!!」

クローデットは再びレイナの下へ駆けていく。
しかし、その拳には自身の得意な雷を操る力を利用し雷撃を纏っていた。

『あれはどういうことだい、愛しのアルドラ』
「どういうこととはどういう意味だ?」

王宮の女王の間にてレイナとクローデットの戦いを見ているデルモアが同じく二人の戦いを静かに見ているアルドラに問いかけていた。
アルドラはデルモアの問いかけにくすりと笑ってから答えた。

「あれは魔獣の皮で作った衣服さ・・・ 普通の服ではクローデットの雷には耐えられないからな・・・」

アルドラの言葉に彼女の影の中にいるデルモアも頷いた。

雷を纏った拳を握り、自分に近づいてくるクローデットを見て、レイナも駆け出していく。
昔のレイナならここで逃げていただろうが様々な戦いを経験し、闘士として成長したレイナにクローデットの強さを尊敬する気持ちしかない。

「行くよ、クローデット姉様!」
「あぁ。 来い、レイナ!!」

二人はお互いの間にある距離をゼロにしようとする。そして、二人の距離がゼロになった瞬間、お互いに相手に拳を叩き込もうとしていく。
お互いの拳が相手の身体に叩き込まれる度に二人の口からは血の混じった唾液が吐き出されていく。
しかし、二人はそれでも拳を振るうことを止めない。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 強くなったな、レイナ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ みんなが私を強くしてくれた・・・」

クローデットは口に溜まった血混じりの唾を吐きながら微笑んだ。
しかし、再び表情を引き締めるとクローデットはレイナとの距離を取り、身体中に雷を纏った。
レイナも距離を取ると闘気を身体中に纏っていく。

「ほう、レイナ・・・ お主、それほど強くなったか・・・」
「クローデット姉様も相変わらず強いですね・・・」

レイナとクローデットはお互いに踏み出すタイミングを測っていく。
二人の間に一枚の葉っぱが舞い落ちた時、二人は相手の下へ駆け出していた。

「はぁぁぁぁっ!!」
「たぁぁぁぁぁっ!!」

二人の力を纏った拳が激突し、その場に膨大な力が解き放たれた。
クローデットとレイナはその衝撃に吹き飛ばされてしまい、近くの木に叩きつけられた。
そして、地面に落ちた。
しかし、二人はふらつきながら立ち上がっていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 成長したな、レイナ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 私は多くの闘士と戦って成長してきました・・・」

レイナの言葉にクローデットは再び構えを取っていく。

「つまらんな・・・ 余興はそろそろ終わりにしようか・・・」
『どうしたんだい? 君らしくもない』

二人の戦いを見ていたアルドラは興味がなくなったような表情になっていた。
それにデルモアが反応していく。

『けど、アルドラ・・・ 君はいいのかい?』
「構わないさ。 余興にはしては十分に楽しませてもらった」
『君が言うなら仕方ないなぁ・・・』

デルモアがそう言うとアルドラは微笑んだ。

二人の身体が光り、透けてきた。

「どうやら、余興は終わったようだな。 レイナよ、勝ち残れ・・・ 本選で会おう」
「クローデット姉様・・・」

二人は元にいたところへ戻っていった。
レイナは今一度クイーンズブレイドで勝ち残るための覚悟を固めていた。

クローデットと再び戦う時が来るのかは誰にも分からない。


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第2回アンケートファイト 日ノ本零子VS白鳥絵理子

第2回アンケートファイト 日ノ本零子VS白鳥絵理子

零子と絵理子がこうして試合をすることになったのにはわけがある。
まずは、そのことを振り返ろう。

『ランブルローズなんて所詮遊びなんでしょう。 私だったら1分とかからないでKOしちゃうわね』

テレビの画面では一人のレースクイーンがランブルローズについて批判的な意見を述べている映像が流れていた。
零子はその映像を見て、不愉快に感じてしまった。

「(何よ・・・ あんな言い方しなくてもいいじゃない・・・)」 

零子がそんなことを考えていると控え室に来ていたデキシー・クレメッツが零子に話しかけた。

「あぁ、白鳥絵理子ね。 最近、あんたの噂を広めて回ってるみたいよ」
「どんな噂なの?」
「例えば、日ノ本零子は弱いくせに八百長で勝ってるとかね」

デキシーの話した絵理子の言葉に零子は拳を握り締めていた。

「でさ、あたしのつてを使って、あんたと白鳥絵理子の試合を組んだからそこでケリをつけなさいよ」
「ありがとう、デキシー。 私、白鳥絵理子には負けないから」

零子はデキシーにガッツポーズを取りながらそう言った。

そして、試合当日、絵理子と零子は試合前の確認をしていた。

「ふーん、本当に来たのね。 わざわざKOされに来るなんてご苦労なことね」
「人を呼んでおいてそれはないんじゃない。 言っておくけど負ける気ないからね」

零子は絵理子の挑発に挑発で返していく。
しかし、絵理子は挑発には乗らず、不敵な笑みを浮かべている。

「八百長レスラーなんてすぐにKOできるけど、綺麗な顔や身体でリングから下りられるなんて思わないことね」

絵理子の言葉に零子は息を飲んでしまう。
絵理子からは不気味な殺気が漂っている。

試合開始までそれぞれの控え室に待機しておけということで零子はセコンドとして来てくれたデキシーと藍原誠を連れて、さっさと控え室へ向かった。

「先輩、どうしたんですか?」
「えっ? ごめんね、誠ちゃん。 白鳥さんが私にあそこまで敵視してくる理由が分からなくて・・・」

零子は絵理子の笑顔の裏にある敵意について考えていたのだ。

「そんなこと気にしないであの女をKOしちゃえばいいのよ」
「そうだよね・・・ 私らしくないこと言っちゃったな・・・ よーし、やるよ!!」

零子は胸の前でボクシンググローブを打ち合わせると気合いを入れ直した。

一方、絵理子の控え室ではすでに準備が済んでおり、精神統一をしていた。

「(あの女はいつもいつも私よりも目立って目障りだったのよ! 今日、この試合で思いっきりボコボコにして醜くしてやるわ!!)」

絵理子は心の中でそんなことを考えながら深呼吸していく。

そして、二人がリングの上に上がり、試合前の注意を受けていた。
しかし、絵理子は相変わらず挑発的な笑みを浮かべて零子を見ている。
零子は絵理子のそんな表情に動じず、じっと見つめている。
レフェリーによる注意が終わり、二人は自分のコーナーへ戻っていった。

「先輩、頑張ってくださいね!!」
「ありがとう、誠ちゃん。 私、全力で頑張ってくるよ」
「できれば、1ラウンドでKOしちゃいなさい」

零子はデキシーの言葉に苦笑を浮かべながらマウスピースをくわえていく。

そして、1ラウンド開始のゴングが鳴り、零子と絵理子は自分のコーナーから飛び出した。

「ほら、行くわよ! レスラーさん!!」

絵理子はそう言うと、零子の顔に左右の鋭いジャブを放っていく。
零子は絵理子のジャブを両腕でガードしたり上体を左右に振ったりしてかわしていくが絵理子のパンチのスピードに苦戦していた。

「くうっ・・・ (なんて速いパンチなの・・・ 反撃できない・・・)」
「ほら、ほら、どうしたのよ!? 反撃してみなさいよ!!」

絵理子は零子の苦しそうな表情にテンションが上がり、それが絵理子のパンチのスピードにも影響してくる。
零子は絵理子の左右のパンチをかわし、右ストレートを放っていく。
しかし、それは絵理子の誘いだったのである。
絵理子は零子の右ストレートをかわすとカウンターの右のショートパンチを零子の顎に叩き込んでいく。

「んあっ・・・」

絵理子の強烈なパンチに零子の口から唾液が吐き出され、しかも、唾液を纏ったマウスピースが空高く吐き出されていく。
そして、零子の身体がリングへと崩れ落ちていく。

「どうかしら? あなたみたいな八百長レスラーにはきつかった??」

絵理子はダウンした零子に対して挑発していく。
レフェリーは絵理子をニュートラルコーナーに向かわせると零子へのカウントを取っていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」

レフェリーのカウントを聞いた零子はすぐに立ち上がっていくが少し足が震えてしまっている。

「日ノ本、できるか?」
「やれます・・・」

レフェリーは零子が試合続行の意志を示すと試合を再開していく。
試合が再開されると絵理子は一気に零子との距離を詰めていく。
そして、絵理子は凄まじいラッシュをふらついている零子にかけていく。

「んぶぅ・・・ んあっ・・・」
「立ち上がってきたところで、あんたに勝ち目なんてないのよ!! おとなしくKOされてなさいよ!!」

絵理子はそう言うと、さらに零子の顔に左右のパンチを叩き込んでいく。
絵理子が右アッパーを零子の顎に再び叩き込もうとしたところで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。

「ふん、運が良かったみたいね。 でも、次のラウンドもボッコボコッにしてあげるから」

絵理子はそう言うと、自分のコーナーへ戻っていく。
しかし、その足取りはまったく疲れを感じさせない。
逆に、零子はふらつきながらもなんとか自力で自分のコーナーへ戻った。

「先輩・・・」
「そんなに心配そうな顔しないで、誠ちゃん・・・ 私は絶対負けないわ・・・」

デキシーが的確な処置を施す中、誠は経験不足からか慌ててしまい、セコンドとしての役割を果たせていない。

「零子、聞いてるだけでいいから聞いてちょうだい。 あの白鳥絵理子、本格的にボクシングやっていてプロのライセンスまで持ってるそうよ」

デキシーの言葉に零子は息を荒くしながら自分の考えを言っていく。

「たぶん、白鳥さんは私を倒すためにライセンスを取ったんだと思う・・・ あの人は私がレースクイーンをやってた頃から凄くライバル心剥き出しだったから・・・」
「それで納得がいったわ。 要は、すべてがこの日のためってわけ? どんだけ、執着心持たれてんのよ」

デキシーの言葉に零子は少し笑ってしまう。
そこで、1ラウンド目のインターバルが終わり、2ラウンド開始のゴングが鳴った。

「行くわよ、レスラーさん!!」

絵理子は2ラウンドが開始されるとまたしても一気に零子との距離を詰めていき、左右のフックやアッパーを零子の顔やボディ、脇腹に叩き込んでいく。
零子のガードが下がると絵理子はさらに左右のフックを零子の顔に叩き込んでいく。

「んあっ・・・ んぶぅ・・・ あがぁ・・・」

零子の顔は腫れ上がり、口からは血混じりの唾液を次々と吐いていく。
しかし、零子の目から闘志が失われていないのか、絵理子の隙を狙おうとする。絵理子は零子がそんなことを考えているとは知らず、ひたすら左右のフックで零子の顔を打ち据えていく。

「うぁぁ・・・ ぶふぉ・・・」

零子は無様な呻き声を上げていく。
しかし、そこで2ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
絵理子は零子に向けて放っていたパンチを止めた。
まだ、余裕だという現れだ。

「次のラウンドで一度ダウンさせたげるから覚悟しておきなさい!!」

絵理子はそう言うと自分のコーナーへ戻っていった。
零子もふらつきながら自分のコーナーへ戻った。

「先輩・・・」
「大丈夫・・・ 心配しないで、誠ちゃん・・・」

誠の心配そうな表情に零子は安心させるようにそう言った。
しかし、その目には何か確証があるようにも見える。

「零子、何か考えがあるわけ? やけに、余裕そうだけど」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そんなこと・・・ないわ・・・ けど、さっきのラウンドで一つはっきりしたことがあるの」

零子の言葉と表情に誠とデキシーは不思議そうな顔をした。

「白鳥さん、思ったよりもパンチ力がないのよ・・・」
「どういうことですか、先輩?」
「だって、あれだけ一方的に殴ってて彼女の階級なら私なんてとっくにKOしててもいいはずよ・・・ だから、それが答えだよ・・・」

零子の言葉に誠とデキシーは納得したような表情で頷いた。

3ラウンド開始のゴングが鳴り、コーナーから絵理子が飛び出してくる。
しかし、先程の勢いはなくなっているように見える。
零子もゆっくりとだがコーナーからリング中央へ向かう。
そして、また絵理子の左右のパンチが零子の顔やボディに叩き込まれていく。

「あぶぅ・・・ がはぁ・・・」
「そろそろとどめを刺してあげるわ!!」

絵理子は零子の体勢が崩れたのを見て、大振りの右ストレートを叩き込もうとしていく。
しかし、零子は力を振り絞り、体勢を整えると絵理子の右ストレートをかわして、逆に右ストレートを絵理子の顔に叩き込んだ。
絵理子と零子のパンチ力が合わさった威力のパンチが絵理子の顔に突き刺さり、絵理子の身体を吹き飛ばした。

「ダウン! 日ノ本、ニュートラルコーナーへ!!」

零子のカウンターで絵理子は背中からリングに叩きつけられた。
しかし、効いてなどいないと言わんばかりの勢いですぐに立ち上がろうとする。そして、立ち上がった絵理子はレフェリーに試合を続行できるとアピールしていく。

「ファイト!!」

試合が再開されると絵理子はまだふらついている零子との距離を一気に詰め、再び左右のパンチを零子の顔に叩き込んでいく。
またしても、零子の口から血混じりの唾液が吐き出されていく。
しかし、零子も少しずつだが左右のストレートを打ち返していく。

「んぶぅ・・・ あぐぅ・・・ この・・・死に損ないがぁ!!」

絵理子は零子の反撃に強い怒りを示し、さらに零子の顔やボディを左右のフックやアッパーなどで滅多打ちにしていく。
絵理子のパンチが叩き込まれる度に零子の口から痛々しい呻きと血と胃液の混じり合った唾液が吐き出されていく。

「んぶぅ・・・ ぶはぁ・・・ 負け・・・ない!!」
「うっさいわよ、八百長レスラー! 大人しくKOされなさい!!」

絵理子はそう叫ぶと、さらに零子の顔を殴りつけていくと零子の顔がさらに腫れていく。
しかし、零子も左右のストレートを打ち返していくと徐々に絵理子の顔も腫れてくる。

「あがぁ・・・ くふぅ・・・ こ、のぉ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 負けない・・・ 負けるもんかぁ!!」

スタミナの切れ始めた絵理子の顔に零子が右ストレートを放とうとしたところで3ラウンド終了のゴングが鳴った。
零子は絵理子の顔の数センチ前で右ストレートを止めていた。
そして、零子はすぐに絵理子に背を向け、ふらつきながらも自分のコーナーに戻っていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (何で、あんな死に損ないをKOできないのよ・・・)」

絵理子は乱れた息を整えながら自分のコーナーに戻りつつ、そんなことを考えていた。

零子がコーナーに戻ると誠は氷袋を零子の顔に当てて冷やしていき、デキシーは零子の身体の汗を拭きながら先程のラウンドを見た上での作戦を零子に伝えていく。

「零子、白鳥絵理子はたぶんあんたのことをまだ馬鹿にしてる。 けど、あんた、白鳥絵理子のパンチに慣れてきたでしょ?」
「スピードにはまだ慣れないけど威力には慣れたと思う。 白鳥さんのパンチ力がこれ以上上がるとは思えないからスピードに慣れるまではひたすら耐えるしかないと思うわ」

零子がそう言うとデキシーも頷いた。
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第1回アンケートファイト小説 フェイト・T・ハラオウンVS高町なのは(10歳Ver)

第1回アンケートファイト小説 フェイト・T・ハラオウンVS高町なのは(10歳Ver)

フェイトとなのはは模擬戦をしようと訓練ベースへ向かい、模擬戦をしようとしていた。
しかし、何か様子が変だ。

「フェイトちゃん、今日はいつもと違う形式でやろうって言ってたけどどうするの?」
「うん、なのは。 今日は私の格闘訓練に付き合ってもらうと思って・・・」

フェイトが少しもじもじしながらなのはに説明していく。

「えっとね、今日は身体強化ありでのボクシングをしようと思ってるんだけどいいかな?」
「いいよ。 私もたまに運動しないと運動神経が切れたままになりそうだもん」

なのはの言葉にフェイトも苦笑していく。
そして、フェイトはバリアジャケットをセットアップしていく。
しかし、いつものソニックフォームに近い格好だがその手には黒色のボクシンググローブがはめられていた。

「フェイトちゃん?」
「せっかくだし、雰囲気出したいなと思って・・・ 駄目だったかな・・・」
「ううん! そんなことないよ!! ただ、ちょっといつもと違ったからびっくりしちゃっただけだよ」

なのははフェイトがしょんぼりしたような表情をしたのを見て、慌てて自分の感想を口にしていた。
フェイトのコスチュームがいつもと違ったことでなのはもどきどきしているのである。

「レイジングハートにもデータを送っておいたからなのはもこんな感じのコスチュームを着れるよ」
「分かったよ、フェイトちゃん。 じゃあ、レイジングハート、セットアップ!」

なのはの掛け声とともになのはの身体にフェイトと同じようなデザインのバリアジャケットが装着されていく。
しかし、いつものバリアジャケットよりも動きやすくするためにわりとスクール水着に近い格好になっている。
ちなみに、フェイトも似たような格好である。

「それで、どうしてこんな勝負しようって思ったの?」
「えっと・・・ それはね・・・」

フェイトがもじもじしながら答えようとすると訓練ベースに入ってきたはやてが答えた。

「それはな、フェイトちゃんが柊早苗さんのキックボクシングの試合を見たからなんよ。 なっ、フェイトちゃん?」
「う・・・ うん・・・」

柊早苗とは最近女子男子問わず、若者に人気のある女子キックボクサーである。
近い内に、タイトルマッチを控えている。
フェイトもそんな早苗に憧れているのだ。
ちなみに、フェイト達は数年後ガイアセイバーズに所属した時に会うのである。

「それで、フェイトちゃんもボクシングやろうって思ったんだね?」
「うん。 駄目だったかな・・・」
「ううん、大丈夫だよ。 でも、私が相手でいいの?」

なのはは自分の運動神経に自信がないのである。

「うん、いいんだよ。 それに、なのはもたまに本格的に運動しないと駄目だよ」
「そうだね・・・ じゃあ、はやてちゃん。 始めてくれる」

なのはがそう言うとはやては手早く試合の準備を進めていく。
レフェリーはなしということにして、フェイト側のセコンドにはアルフとシグナムが、なのは側のセコンドにはヴィータとシャマルが就くことになった。

「ほんなら、試合開始や!!」

はやての掛け声とともにフェイトとなのはの試合が始まった。
フェイトは自分が見ていた早苗のジャブと同じようなモーションでなのはの顔にジャブを叩き込もうとする。
しかし、なのははおっかなびっくりとそのジャブをかわしていく。
フェイトはそんななのはの様子を見て、何かを考えていた。

「フェイトちゃん、どうかしたの?」
「ううん、何でもないよ。 もっと行くよ、なのは」

フェイトはそう言うとさらになのはとの距離を詰め、左右のフックをなのはのガードの上に放っていく。
なのははフェイトの激しい左右の連打に辛そうな表情をしながら必死で耐えていく。
こう見えて、なのはも負けず嫌いなのだ。
なのはも左右のストレートを打ち込もうとするがうまくいかないのか、フェイトにヘッドスリップの要領でかわされてしまう。
しかも、なのはの腕の引き際に左右のストレートやフックを打ち返すことをフェイトは忘れていない。
次第に、なのはは追い詰められていく。
やはり、運動神経の差が二人の勝敗を分けるのだろうか。

「(なのは・・・ やっぱり、私の考えは間違って・・・) んぶぅ・・・」

考え込んでいたフェイトの顔になのはの右ストレートが叩き込まれた。
なのはは徐々にだがボクシングというものに慣れつつある。

「(やっぱりだ。 なのはは物凄く目がいいんだ)」

フェイトはなのはと出会った事件、PT事件の時からひそかに思っていたことがあった。
今回の勝負はそれを確認するためでもある。

「なのは、行くよ!」
「うん、フェイトちゃん!」

フェイトはそう言うと、勢いよく飛び出していき、再び左右のストレートを連打していく。
なのははフェイトの左右のストレートをなんとかかわし、お返しの左右のストレートを放っていく。
フェイトはなのはの左右のストレートをかわしていくが少し余裕がないように見える。
そんな攻防の中、1ラウンド終了を告げるタイマーが鳴った。
フェイトとなのはは自分のコーナーに戻っていく。

「フェイト、どうしたんだい? らしくないよ」
「アルフ・・・ 私ね、疑問があったんだ」

フェイトがそう言うとアルフはフェイトの頬を冷やしながらその話を聞いていく。

「なのははほんとは物凄く強いんじゃないかって」
「何言ってんのさ、フェイト。 なのはは現に魔法戦じゃとっても強いじゃないか」

フェイトはアルフの言わんとしていることに首を横に振って否定していく。

「違うよ、アルフ。 確かになのはは魔法戦でも強いけど、そういうことじゃない。 うまく言えないけどなのははほんとにいろんなな意味でなのはは強いんだよ」

アルフはフェイトの言いたいことをいまいち理解できていないようだ。
なので、フェイトは少し考えてから話し始めた。

「アルフ、思い出してみて。 なのはは最初に私と戦った時は本当に魔法に関しては素人だったし、あんなに強くなるなんて想像してなかったもの。 でも、なのははとっても強くなってて、そんななのはに私は負けたんだよ」
「つまり、なのははやればできる子ってことかい?」

フェイトはアルフの言葉に頷いていく。
フェイトの疑問とはなのはの秘めたるポテンシャルのことである。

一方、なのはのコーナーではヴィータが少し心配そうな顔をしており、シャマルは的確な処置を施していく。

「それにしても、なのはちゃん。 フェイトちゃんのパンチをあれだけかわせるなんてほんとに凄いわね」
「そうだな。 なのはは運動下手そうだからてっきりフェイトに1ラウンドでKOされるって思ってたぞ」

シャマルとヴィータの言葉になのはは苦笑するしかない。
自分自身、あそこまでやれるとは思ってなかったのである。

「私にも分かんないんだよ・・・ だって、フェイトちゃんの方が運動神経いいのに・・・」

なのははフェイトが手加減しているのでないかと考えているようだ。

「フェイトちゃんがなのはちゃんに手加減してるなんてことはないと思うわよ。 だって、さっきのラウンドもフェイトちゃん、少し焦ってたもの」
「だな。 もしかしたら、なのはって意外と運動神経良かったりしてな・・・」
「そうなのかなぁ・・・ でも、私、やれるとこまで頑張るよ!!」

なのはが気合いを入れ直したところで2ラウンド開始のタイマーが鳴った。
2ラウンドが始まるとフェイトもなのはも相手との距離を詰めていく。
そして、お互いの顔に左右のストレートを叩き込んでいく。
なのはもフェイトも相手から一歩も退く気はないようだ。
しかし、フェイトとなのはの体力には明らかな差がある。
それが徐々に現れつつあった。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ なのは、そろそろきつくなってきたんじゃないかな?」
「そんなことないもん!!」

なのははフェイトの問いかけに強気に答えていく。
しかし、なのはが疲れているのは見れば分かる。
フェイトはなのはに対して、手加減することなく左右のストレートやフックを放っていく。

「んぶぅ・・・ ぶふぅ・・・」
「(なのは、ごめんね・・・ でも、私は確かめたいんだ・・・) 行くよ、なのは!!」

フェイトは心の中でなのはに謝りつつ、左右のストレートをなのはのガード越しに打ち込んでいく。
フェイトの左右のストレートになのはのガードが崩れてしまった。
フェイトは無防備になったなのはの顔に右ストレートを叩き込んでいく。

「んんっ・・・」

なのはの口から唾液が吐き出されていく。
訓練ベースにいた全員がその光景に思わず息を飲んだ。
フェイトとなのはの仲の良さはみんな知っている。
だから、フェイトがここまでなのはを殴れることに驚きが隠せないでいる。

「(なのは、なのははこれくらいの力しかないの・・・ あの時のなのはの成長はまぐれだったの・・・) もう終わりにするよ、なのは・・・」

フェイトがそう言ってから振り上げた右のアッパーをなのはの顎に叩き込もうとする。
しかし、なのはは無意識にフェイトの右アッパーを防いでいた。
フェイトはそんななのはを見て、すぐに距離を取っていく。
なのはは息を整えながら顔の前で両腕を構えた。

「(やっぱり、私の思った通りだ。 なのははしっかりと戦うための才能を持ってるんだ・・・ でも、今まではなのはの想いがそれを塞いでたんだ・・・ でも・・・) 行くよ、なのは!!」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 負けないよ、フェイトちゃん・・・」

なのはは静かに呟いてからフェイトとの距離を詰めた。
そして、二人は左右のストレートをお互いの顔に打ち込んでいく。
フェイトの鼻から鼻血が垂れ始めた。
それだけ、なのはがいいパンチを放っているということだろう。

「あれがなのはなのかい? 別人みたいじゃないのさ」
「たぶん、あれがなのはちゃんの中に眠ってる御神の血なのよ・・・」
「そうなのか・・・ けど、なのはがあんだけ強いと少し怖いなぁ・・・」

ヴィータの呟きにシャマルとアルフも頷いていく。
今まで自分達が見てきたなのははほんの一部だったのだと改めて実感している。
それはリングの上でなのはと闘ってるフェイトも思っていることだった。
しかし、ここで2ラウンド終了を告げるタイマーが鳴った。
フェイトもなのはも辛そうな表情をしており、肩で息をしながら自分のコーナーに戻っていく。

「テスタロッサ、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、シグナム。 でも、やっぱり私が思ってた通りでした」
「さっきから何をしてるんだい、フェイト?」

アルフの疑問にシグナムも頷く。
フェイトはそんな二人を見て、ゆっくりと自分の考えを話し始めた。

「さっきのラウンドだってそうだよ。 私、なのはにあそこまで殴られるなんて思ってなかったもの・・・」
「そうだな・・・ だが、テスタロッサ。 次のラウンドが最終ラウンドだ。 悔いの残らぬように頑張ってこい」
「はい、シグナム」

フェイトはそう言うと、肩で息をして呼吸を整えようとしていく。
最終ラウンドに対するフェイトの意気込みは相当のもののようだ。

一方、なのはのコーナーではシャマルによる治療が施されていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (やっぱり、フェイトちゃんは強いや・・・ 私は一人でも大丈夫だよって伝えたいのに・・・ うまくいかないや・・・)」
「なのはちゃん、次のラウンドで終わりだからあえて止めないけど無茶はしないでね」

なのははシャマルの言葉に頷いていく。
そして、呼吸を整えていく。

最終ラウンドでもある3ラウンド目のゴングが鳴り、フェイトとなのははゆっくりとコーナーを後にした。
しかし、後一発でも殴られたらKOしてしまうであろう二人は慎重に相手の隙を伺っていく。
フェイトの目にもなのはの目にも相手に勝ちたいという意思が映し出されていた。
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