ひらひらの仕掛け屋敷

このブログはアニメや特撮、漫画についてのコメントやオリジナル女子格闘技小説を掲載したりしますよ♪♪

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オリンピック記念小説 中国代表 李麗春(り・れいしゅん) VS フランス代表 レイラ・フランツ

オリンピック記念小説 中国代表 李麗春(り・れいしゅん) VS フランス代表 レイラ・ハミルトン

女子ボクシング
中国代表VSフランス代表

パリオリンピック、女子ボクシングの試合は第3試合が始まろうとしている。

第3試合は中国拳法の達人であり、中国拳法普及のためにボクシングを習い、参戦した中国代表の李麗春とイギリス代表、ローレル・アンダーソンを倒すために参戦したフランス代表のレイラ・ハミルトンである。

「あなたがわたしの相手アルカ? ずいぶん、やる気アルネ」
「当たり前さ。 あんた程度に負けてたらローレルにはたどり着けないからな」

レイラの言葉に麗春は笑った。
それが癇に障ったのか、レイラの表情に怒りの色が見えた。

「怒ったアルカ? 短気はよくないアルヨ」
「言いたいことはそれだけかい? なら、黙ってな」

レフェリーの注意を聞き終えるとレイラは静かに怒ったまま、自分のコーナーに戻っていった。
一方の麗春は相変わらず笑顔のままで自分のコーナーに戻っていく。

「あいつ、何なんだよ? ふざけてんのかよ」
「落ち着け、レイラ。 その怒りっぽいところはお前の悪いところだぞ。 相手がどんな奴にせよ、お前はただKOすればいいだけだろ」
「それもそうだな。 ありがとよ、ブライアン」

レイラは恋人でありセコンドでもあるブライアンと話していた。
レイラはブライアンと話し終えると麗春との試合に向けて精神集中していく。

一方、麗春は妹であり、セコンドの春藍とレイラとの試合について話していた。

「麗春姉様、レイラさんって強いんですの?」
「おそらく強いアルネ。 あの一瞬見せた闘志はただ者ではなかったアルヨ。 でも、わたしは負けないアル」

麗春の闘志に満ちた表情に春藍も嬉しそうな表情をする。

1ラウンド開始のゴングが鳴るとレイラと麗春はリング中央へ駆けていく。
そして、お互いに距離を詰めると左右のストレートを叩き込んでいく。
レイラも麗春も近距離で相手に強烈なパンチを叩き込むインファイターである。しかし、相手の強烈なパンチを叩き込まれた二人の口からは早くも唾液が吐き出されていく。

「んぶぅ・・・」
「かはぁ・・・」

二人は唾液を吐き出しながらさらに左右のフックやストレートを相手の顔に叩き込んでいく。
レイラと麗春は少し後方へふらついてしまうがすぐに体勢を整えていく。
しかし、レイラがフットワークを駆使して麗春に接近すると麗春は中国拳法独特の歩法でレイラとの位置をコントロールし、左右のストレートをボディに叩き込み、レイラの顔が下がったところへ下から振り上げた右アッパーを叩き込んだ。

「んべぇ・・・」

レイラの口から小さな呻きとともに血混じりの唾液が付着したマウスピースが吐き出されていった。
麗春はレイラがマウスピースを吐き出したのを見るとさらに左右のフックやストレートをレイラの顔に叩き込んでいく。
麗春の頭の中ではこの試合でいかに自分の中国拳法をアピールするかという考えが過っていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたみてぇな奴には負けねぇ!!」
「わたしも負けられないアル! だから、レイラさんをKOするアルヨ!!」

麗春はそう言うと一気にレイラに接近し、左右のフックなどで激しいラッシュをかけていく。
しかし、レイラも麗春の顔に左右のストレートを返していき、反撃していく。
お互いのパンチが相手の顔に叩き込まれるが二人は一向に止まらない。
次第に二人の顔が腫れだし、レイラは右目が、麗春は左目が塞がりつつあった。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」
「ぶはぁ・・・ んんっ・・・」

二人の口からは血混じりの唾液が次々に吐き出されていく。
レイラの体勢がわずかに崩れたのを見た麗春はレイラの顔目掛けて左ストレートを放っていく。
しかし、そこで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
麗春はレイラの顔の数センチ前で拳を止めていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんた、強ぇな・・・ けど、負けねぇぜ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そう言うレイラさんも強いアル・・・ でも、わたしも負けないアルヨ・・・」

二人は荒い息を吐きながらそう言うと自分のコーナーへ戻っていく。

「麗春姉様! 大丈夫なのですか!?」
「大丈夫アルヨ、春藍・・・ けど、レイラさんはやっぱり強いアルネ・・・」

麗春はそう言うと水を口に含み、うがいしていく。
春藍が差し出したバケツに吐き出した水は少し赤くなっていた。

「お姉様、次のラウンドはどうしますの?」
「うーん・・・ わたしは春藍みたいに器用じゃないアル・・・ 全力で殴りあうだけアル・・・」

麗春の答えに春藍は笑いながら頷いた。
どんな時も諦めないのが姉の魅力だと春藍は改めて思った。

レイラのコーナーではブライアンがレイラの身体の汗を拭いたりマウスピースを洗ったりしている。

「レイラ、李麗春は強いと思うか?」
「あぁ、思うねぇ・・・ 俺が今まで殴りあってきた相手の中で一番パンチ力もスピードもあるぜ・・・」

レイラは1ラウンドの間、殴りあっただけで麗春の強さを見抜いていた。

「拳法家なんて辞めちまってプロボクサーになりゃいいってのによ・・・」
「お前がそこまで言うってことは本当に強いんだな、李麗春は・・・」

ブライアンの言葉にレイラは息を整えながらも頷いた。

「なら、次のラウンドはどうする?」
「ブライアン、俺がどうするかなんて分かってんたろ?」

レイラの悪戯っぽい質問にブライアンは笑いながら答えた。

「だよな。 レイラは相手にガンガン攻めてくしかないんだもんな」
「あぁ。 だから、俺のパワーで中国拳法なんざ粉砕してやるぜ!」

レイラが力強く言ったのを聞いたブライアンは洗い終わったマウスピースをレイラにくわえさせた。

2ラウンド開始のゴングが鳴り、レイラと麗春は一気にリング中央まで駆け出していく。
お互いに相手のことを認めたからこそ、自分よりも先に相手のペースを崩すことがこの試合を決めると理解したのだ。
そして、左右のフックやストレート、アッパーを相手の顔やボディ、脇腹に叩き込んでいく。
その度に唾液が吐き出され、徐々に血が混じってくる。
それでも、二人は相手を殴ることを止めない。
手を止めれば自分がやられると理解しているからだ。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」
「んあっ・・・ あぶぅ・・・」

麗春もレイラも相手の強烈なパンチに口や鼻から血を流している。
しかし、さらに左右のフックやストレートを叩き込むことを止めないどころか、スピードを上げて相手を殴り倒そうとしていく。

「んんっ・・・ ぶへぇ・・・」
「かはぁ・・・ あぶぅ・・・」

次第にお互いの強烈なパンチにふらつく場面が増えてくる。
しかし、相手が倒れないなら自分も倒れられないと必死に踏ん張り、相手にパンチを放っていく。

「んはぁ・・・ レイラ・・・さん・・・ 強い・・・アル・・・」
「んあっ・・・ そう言う・・・ あんたも・・・ 強ぇじゃ・・・ねぇか・・・」

お互い、ダメージで意識が飛びそうになりながら意識を繋ぎ止めるために相手に話しかけていく。
しかし、お互いに意識が飛びかけているのは事実だ。だが、2ラウンド終了のゴングが鳴り、二人とも倒れそうになりつつも自分のコーナーまで戻っていく。

「レイラ、大丈夫なのか!?」
「大丈夫・・・だよ・・・ まだ・・・やれる・・・」

ブライアンはレイラの様子に心配になり、タオルを投げる、つまり、棄権することを提案していく。

「レイラ・・・ この試合は諦めて次の試合に・・・」
「ふざけん・・・なよ・・・ 俺の知ってるブライアンは・・・そんなこと・・・言わないぜ・・・」
「レイラ・・・ この大会は別にトーナメント制じゃない・・・ 1試合くらい落としたって大丈夫なんだよ!」

レイラはブライアンの言葉に憤りよりも感謝の気持ちが沸き上がってきた。

「サンキューな、ブライアン・・・ でも、俺は逃げたくない・・・ この試合を落とすにしても、それは麗春に殴り倒された時だ・・・」
「レイラ・・・」

ブライアンはレイラの闘志に何も言えなくなった。
しかし、レイラはまだ言葉を続けていく。

「それにここで諦めるのはブライアンにも麗春にも悪いからな・・・」
「馬鹿野郎・・・ 分かったぜ、レイラ・・・ もう止めねぇから好きなだけやってこい!」

レイラはブライアンの言葉に黙って頷いた。

一方、麗春のコーナーでも春藍が麗春に棄権するべきだと提案していた。

「お姉様、この試合は諦めて棄権するべきですわ!」
「それはできないアル・・・ わたしは逃げたくないアル・・・」

春藍は麗春の言葉に何も言えなくなってしまい、誤魔化すために黙々と麗春のマウスピースを洗っていく。

「(あの目をしたお姉様はどんなことをしても戦うことを止めない・・・ あとは、お姉様に任せるしかないですわ・・・)」

春藍はそんなことを考えながらマウスピースを洗っていく。

そして、3ラウンドが始まると麗春もレイラも重い足を引きずるようにして相手に近づいていく。
そして、重たい腕を振り上げて相手の顔に左右のストレートを叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・ くはぁ・・・ (そろそろ・・・ケリをつけたいねぇ・・・)」
「んぁっ・・・ ぶへぇ・・・ (決着をつけるアル・・・)」

麗春とレイラはふらつく身体に鞭を打ち、ストレートを繰り出せる距離を作っていく。

「(これで終わりだ・・・) うらぁ!!」
「(これで決めるアル・・・) はぁっ!」

レイラと麗春はほぼ同じタイミングで相手の顔めがけて右ストレートを放った。
そして、お互いの右ストレートが顔に叩き込まれるとしばらく時間が止まったように動かなかったがしばらくして二人とも前のめりにリングに倒れた。

「ダブルノックダウン!」

レフェリーは二人の様子を伺っていくが二人とも白目を剥き、意識が完全に飛んでしまっているようだ。

「試合終了! ドロー!!」

レフェリーはそう宣言するとレイラと麗春を担架で医務室まで運ばせていく。

二人の激しい打撃戦はダブルKOという結果で終わりを告げた。
しかし、二人の奮闘に惜しみない拍手が会場中から送られた。


to be continued
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オリンピック記念小説 イギリス代表 ローレル・アンダーソン VS ロシア代表 レイス・マークハルト

オリンピック記念小説 イギリス代表 ローレル・アンダーソン VS ロシア代表 レイス・マークハルト

女子ボクシング 
イギリス代表 VS ロシア代表 

パリオリンピック、女子ボクシングの試合は第2試合が始まろうとしていた。
2試合目はイギリス代表のローレル・アンダーソンとロシア代表のレイス・マークハルトである。
ローレルは大会側が呼び寄せた選手で15歳ながらにイギリスのジュニアタイトルを保持していて、来年にはプロデビューする予定である。
一方、レイスは17歳でデビューしてから3試合を経験し、全ての試合をテクニックを見せつけたボクシングで勝ち抜いてきた。

「今日はいい試合にしましょうね、レイスさん」
「そうね。 わたしもあなたと試合してみたかったからちょうど良かったわ」

レイスは数年前からローレルのことを気にしていたのだ。
自分よりも2つも年下にも関わらず、イギリスのボクシングのジュニアタイトルを持っていて、噂ではプロよりもパンチ力とテクニックがあると聞いていた。
だからこそ、レイスは強いローレルと試合をしたいと思ったのだ。
要するに、レイスは強き者を求めるのである。

「二人ともクリーンなファイトをするように」

レフェリーは注意が終わると二人を自分のコーナーへ戻らせた。

1ラウンドが始まるとローレルはレイスの顔を狙ってジャブを放っていく。
しかし、実際はレイスへの挑発でもある。
レイスは挑発に乗らずに冷静にジャブを返していく。
お互いにパンチが当たらないとフットワークで相手との距離を計っていく。

「やりますね、レイスさん。 驚きました」
「こっちこそ驚いたわ。 アマチュアなのにここまでやれるんだから」

レイスはそう言うとプレッシャーをかけようと一気に距離を詰めていく。
しかし、ローレルは落ち着いてバックステップで距離を取っていく。
急に避けられたレイスはたたらを踏んでしまい、そこへ右ストレートで反撃されてしまう。
ローレルのパンチの重さは自分達の階級でも数少ない。
まだ、軽量級であるレイスや前の試合で闘っていたさやかやメアリーにとっても強敵になってしまう。

レイスは再び距離を詰めるとステップバックでかわそうとしたローレルの間合いに潜り込んでいく。
そして、左右のフックをローレルの脇腹に打ち込んでいく。
ローレルは少し呻いたがすぐに体勢を立て直し、左右のストレートでレイスを牽制していった。

「やりますね、レイスさん。 でも、ボクの方が強いようですよ」
「何を言ってるの。 かろうじて、互角に闘えてるって程度でしょ」

レイスとローレルはお互いにジャブを放ちながら自分の間合いに相手を誘い込もうとしている。
レイスはインファイトが得意なので至近距離に、ローレルはアウトボクシングが得意なので遠距離に相手を置こうとしていく。

「そういえば、あなたはアウトボクシングが得意らしいね。 わたしのインファイトてダウンさせてあげるわ」
「ボクはインファイトでもアウトボクシングでもやれますよ。 なんなら、証明しましょうか」

レイスとローレルはそんな言葉を言い合うと一気に距離を詰めた。
そして、ローレルが左フックをレイスの右頬を狙って打ち込んでいくがレイスは素早く上半身を動かしてかわし、カウンターの右ストレートをローレルの左頬に打ち込んでいった。
しかし、レイスがさらに追撃しようとしたところへローレルの右ストレートがレイスの鼻に叩きつけられた。
幸い、少し身体を反らして威力を殺していたが少し腫れ上がってしまった。
ローレルはレイスに右ストレートをいなされたことを知るとクリーンヒットさせようとさらに左右のストレートを連打していく。
レイスはローレルの左右のストレートをかわせず、顔を吹き飛ばされてしまう。
たった二発のパンチでレイスの意識が少しだけ飛んでしまった。
ローレルはレイスにできた一瞬の隙をついて、さらに左右のボディブローを叩き込んでいった。

「うぐぅ・・・ ぶはぁ・・・ んぶぅ・・・」
「ボクの方が強いみたいですね。 このまま、一気にKOしますよ」

ローレルはレイスの顔やボディに左右のフックやストレートを打ち込みながらそう言っていく。
レイスはローレルのラッシュをもらってダウンしてしまった。

「ダウン! ニュートラルコーナーへ!!」

ローレルがニュートラルコーナーに向かうとレフェリーがカウントを始めた。
レイスはすぐに立ち上がっていくが足が少し震えてしまっている。

「ファイト!!」

レフェリーが試合を再開すると、ローレルはレイスとの距離をまた一気に詰めてさらに左右のフックやストレートを打ち込んでいく。
そして、右アッパーをレイスの顎に叩き込もうとしたところで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。

ローレルは1ラウンドからレイスを圧倒したというのに、身体には疲労の色すら見えない。
逆に、レイスはローレルのラッシュをもらって、早くも肩で息をし始めている。
どう見ても、この試合は今のところはローレルが有利なようだ。

「ローレル、1ラウンド目はいい立ち上がりだな。その調子で決めてこい」
「はい。 次のラウンドでレイスさんをKOしてきます」

ローレルは1ラウンド目からの優勢な展開に満足もせずに冷静に会長の話を聞いている。
一方、レイスのコーナーではレイスが苦しそうに息をしながら会長の話を聞いている。

「レイス、何も喋らなくていいからよく聞け。 あのローレルって娘はやはり強い。 しかし、経験はお前の方が上だ」
「だから、時間を稼げと・・・」

レイスの言葉に会長は頷いていく。
しかし、レイスは納得していないような表情をしている。

「しかし、わたしもボクサーです! 目の前の、しかも年下のボクサーにやられたまま逃げろと言うんですか!?」
「あぁ、そうだ。 今のまま闘ってもお前には勝ち目がない。 だから、ポイントを稼いで確実に勝ちに行くんだ」

レイスは会長の言葉にしぶしぶ了承した。

2ラウンド目が始まり、レイスは慎重に距離を計りながらジャブを放っていく。
しかし、ローレルはそのジャブをかわし、左右のフックをレイスの顔に打ち込んでいく。
レイスがローレルに右ストレートを打ち返していくとローレルはそれをバックステップでかわすとレイスの顔にジャブを打ち込んでいく。

「ぶふぅ・・・ んあっ・・・」
「レイスさん。 そろそろダウンしてもらいますよ!」

ローレルは少しだけレイスに闘志を見せると一気に近づき、左右のストレートやフックをレイスの顔やボディにガードもお構い無しといったくらいに打ち込んでいく。
レイスのガードが完全に下がり、ローレルの左右のストレートやフックがレイスのボディや顔を打ち抜いていく。
そして、少し下がったレイスの顎にローレルの右アッパーがめり込んだ。
レイスの口から唾液と血が混じったマウスピースが勢いよく吐き出される。
そして、リングの上にレイスが倒れた。

「ダウン!! ローレル、ニュートラルコーナーへ!!」

レフェリーがローレルにニュートラルコーナーに下がるように指示するとローレルは疲労を感じさせない背筋を伸ばした体勢で落ち着いた様子でニュートラルコーナーに下がっていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」
「(身体に力が入らない・・・ さっきのアッパーで頭を揺らされた・・・)」

レイスは自分の今の状態をぼんやりとした頭の中で考えていた。
しかし、その間にもカウントは進んでいく。

「4・・・ 5・・・ 6・・・ 7・・・」
「(待って・・・ 待ってよ・・・ まだやれるから・・・) はぁ・・・ はぁ・・・」

レイスは必死に立とうと身体を無理やり起こしていく。
しかし、仰向けに倒れた状態から俯せの状態に戻すのがやっとだ。

「8・・・ 9・・・」

レイスはなんとかカウント9で立ち上がったものの、膝がカクカクと震え、焦点が定まっていない。
しかし、レフェリーの問いかけには首を必死に振ることで答えた。
試合が再開されるとローレルはレイスにとどめを刺そうと右ストレートを放っていくが、そこで2ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
ローレルはゴングを聞き、レイスの鼻の少し前で右ストレートを止めていた。
ゴングが鳴る前に放っていたパンチなので当てていても問題はなかったのだがローレルはそんなことで決着がつくのが許せなかったのだ。

「次のラウンドであなたが得意なインファイトでKOします。 少しでも体力を回復させておいてください」

ローレルはレイスにそう言うと自分のコーナーへ戻っていった。
レイスはその場に倒れそうになったのをセコンドに抱き止めてもらって、そのまま自分のコーナーへ運んでもらった。

「ローレル、いい具合に試合をコントロールしてるな。 お前が目指す父親のボクシングそっくりだぞ」
「いえ、会長。 ボクのボクシングはまだ父のボクシングには程遠いですよ。 父のボクシングならすでにレイスさんを完全にKOできてますから」

ローレルがボクシングを始めたのは父親のボクシングを見た時にかっこいいと感じたからである。
それ以来、ボクシングづけの毎日を送り、8歳の頃にはアマチュアボクサーとしてデビューしていた。
しかし、目指していたのはプロの世界で、この試合で自分の納得のいく結果が得られたらプロデビューするつもりなのである。

「とにかく、あまり試合を長引かせるな。 いいな?」
「分かりました」

ローレルのコーナーでは次のラウンドで決めてこいと指示していく。

「レイス、もうタオルを投げるぞ。 いいな?」
「い・・・や・・・です・・・ まだ・・・ 負けて・・・ません・・・」

レイスは苦しそうに喋っている。
レイスの顔はローレルのパンチで腫れ上がり、ボディーや脇腹には無数の痣ができている。

「まだ試合はあるんだ。 ここで無理をして後の試合が苦しくなるよりもここで少し諦めて次に活かせばいい」
「逃げたく・・・ない・・・ ローレルが・・・強いボクサーなのは・・・分かったわ・・・ けど、負けたく・・・ないの・・・ 」

会長はレイスの息も絶え絶えながら言った言葉に頷き、タオルを仕舞った。

「分かったさ、レイス。 奇跡を起こしてこい!」
「はい・・・」

レイスはそう言うと体力の回復に努めた。

3ラウンド目が始まり、ローレルは一気にレイスとの距離を詰めていく。
レイスはコーナーからほとんど動けず、ローレルの左右のストレートをもらってしまう。
なんとか、レイスも右フックで反撃したもののローレルの勢いに負けてしまい、ラッシュをもらってしまった。

「んぶぅ・・・ んあっ・・・ ぶふぅ・・・ かはぁ・・・」
「レイスさん、あなたのガッツは高く評価します。 でも、これで終わりです!!」

ローレルはレイスの鳩尾へ渾身の力を込めた右アッパーを叩き込んだ。
レイスはその威力に口から血反吐を吐きながら崩れ落ちるようにダウンした。
俯せ状態でダウンしたレイスの意識は完全に飛んだようで時折痙攣しながらリングに倒れている。

「ウィナー、ローレル・アンダーソン!!」

レフェリーはローレルの右腕を掴み、高く突き上げることで試合終了を会場に告げた。
レイスは医療スタッフによって担架で医務室まで運ばれていく。
ローレルはレイスが医務室に運ばれた後、記者の質問に構うことなくリングを後にした。

控え室では、次の試合を控えた李麗春がモニターに映っていたローレルとレイスの試合を見ていた。


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オリンピック記念小説 女子ボクシング 日本代表 中嶋さやか VS アメリカ代表 メアリー・ブライアン

オリンピック記念小説 女子ボクシング 日本代表 中嶋さやか VS アメリカ代表 メアリー・ブライアン

今回から少しオリンピック記念ということで女子ボクシング小説を書いていきますよ。
どうぞ、お付き合いくださいね♪♪


女子ボクシング
日本代表VSアメリカ代表
今回の試合は日本代表の中嶋さやかとアメリカ代表のメアリー・ブライアンである。

リング上に上がり、レフェリーによってリング中央に呼ばれている。

「スポーツマンシップにのっとってフェアな試合をしてくださいね」

レフェリーの言葉に二人は頷いていく。
注意事項を言い終わったレフェリーによって二人は自分のコーナーに戻っていった。

「さやか、相手はハードパンチャーだ。 お前もパンチ力はあるが下手に打ち合いに付き合わずに1ラウンド目はジャブでポイントを稼いでこい」
「分かりました、末永会長。 リーグ戦とはいえ、勝たないと金メダルは取れませんもんね」

さやかは末永会長との話を終えると反対側のコーナーにいるメアリーを見ながらアップをしていく。

「メアリー、相手は日本人だ。 1ラウンドからお前のハードパンチでKOしてやれ」
「分かってるよ、ボス。 あんな弱そうな娘に負けたら恥ずかしいじゃないか。 必ず、KOするよ」

メアリーも自分の所属しているジムの会長と話し終えるとスツールから立ち上がり、身体を温めていった。

1ラウンド目が始まるとさやかはジャブを打ちながらメアリーと距離を取っていく。
しかし、メアリーはジャブを打たれても構わずさやかとの距離を詰め、左右のストレートを連打していく。
さやかはそのストレートをかわしながら時々カウンターの右ストレートを打ち込んでいく。

「うぶぅ・・・ こんのぉ!! さっさとダウンしろよ!!」
「誰がダウンなんかするか!! あんたこそさっさと倒れなさいよ!!」

さやかの言葉にメアリーが腹を立てたのか、さやかの放つストレートをものともせずに一気に近づき、ガード越しにアッパーを打ち込んでいく。
さやかはなんとかガードして凌ごうとするがガードを弾き飛ばされてしまう。
そして、さやかの顔にメアリーの左右のフックとストレートが打ち込まれた。

「ぶはぁ・・・ あぶっ・・・」
「そろそろお寝んねしなよ!!」

メアリーの右ストレートが体勢の崩れたさやかの左頬にめり込み、顔を歪ませる。
さやかの身体が大きく吹き飛ばされ、仰向けにダウンさせられてしまう。
メアリーはレフェリーにニュートラルコーナーに向かうように指示されて、ニュートラルコーナーに行った。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (ダウンさせられた? あんな奴に・・・ 負けたくない・・・ 勝って金メダルを取るんだから!!)」

さやかはカウント8で立ち上がるとレフェリーがさやかのグローブを掴み、試合を続けられるかを確認していく。

「中嶋、やれるか?」
「やります!!」

レフェリーはさやかの言葉に試合を再開していく。

試合が再開されるとまたメアリーの左右のストレートやフックがさやかの顔やボディに打ち込まれていく。
しかし、さやかも左右のストレートをメアリーの顔に打ち込んでいく。

「ぶふぅ・・・ かはぁ・・・」
「あぐぅ・・・ んぶぅ・・・」

お互いの口からは唾液が吐き出される。
しかし、1ラウンド終了のゴングが鳴り、二人は自分のコーナーに戻っていく。

「ずいぶんやられたな。 様子見はもういい。 2ラウンド目からは思い切り打ち合ってこい」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 試合は6ラウンドまでしかないからですね・・・」

さやかの言葉に末永が頷いていく。

「メアリー、次のラウンドこそあの日本人をKOしてこい。 時間をかけるな。 試合はまだまだあるんだからな」
「分かってるよ、ボス。 次のラウンドこそはさっさと終わらせてやるさ」

2ラウンド目が始まり、メアリーはさやかにとどめを刺すつもりで一気に距離を詰めていく。
しかし、さやかも様子を見ることを止めたようで、一気にメアリーとの距離を詰めていく。
そして、メアリーのボディに右アッパーを打ち込んでいく。
しかし、メアリーもすぐに右フックをさやかの顔に打ち返していく。

「ふぐぅ・・・ ぶふぅ・・・ 急に強くなったじゃない・・・ けど、負けないよ!!」
「あぶぅ・・・ んはぁ・・・ わたしだって負けないわよ!!」

二人の左右のフックやストレートがお互いのボディや顔に打ち込まれていく。
しかし、徐々にメアリーの手数が減っていく。
そして、さやかのパンチでメアリーがロープまで追いつめられた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたなんか負けられるわけないだろ・・・ さっさとKOされてろよ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ うるさいわね・・・ あたしだって同じなのよ・・・」

さやかは左右のフックやストレートでメアリーのガードを弾き飛ばすとメアリーのボディに思い切り右アッパーを叩き込んだ。
メアリーの口からは胃液とマウスピースが吐き出された。
そして、メアリーの身体がリングに崩れ落ちた。
レフェリーがさやかをニュートラルコーナーへ行かせるとカウントを始めた。

「(なんだい・・・ やけに、ひんやりしてるじゃないか・・・ あたしは何してたんだっけ・・・)」

メアリーの意識がぼんやりしている間もレフェリーのカウントは続いていく。

「う・・・ うーん・・・ (そうだ・・・ あたしは今、あの日本人とボクシングをしてるんだった・・・ ということはダウンさせられた・・・ そんなの、認められるわけないでしょ・・・!!)」

メアリーはカウント6で四つん這いの状態になり、カウント8で立ち上がった。
そして、レフェリーにファイティングポーズを構えてみせた。
試合が再開されるとさやかは立っているだけでも辛そうにしているメアリーの顔やボディに左右のストレートやフック、アッパーを打ち込んでいく。
その度にメアリーの口からは血反吐混じりの唾液が吐き出されていく。
しかし、さやかは左右のラッシュを止めようとはしない。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (しぶといなぁ・・・ あたしのパンチ力じゃKOできないっての・・・ 冗談じゃないわ! 絶対にKOしてやるんだから!!)」
「んぶぅ・・・ ぶへぇ・・・ かはぁ・・・ (ヤバいね・・・ 完全に足にきてる・・・ このままじゃやられる・・・)」

メアリーはなんとか凌ごうとさやかに近づき、クリンチに持っていく。
さやかはメアリーを振り払おうとするがメアリーはしっかりと抱きついてしまっている。
そこで、2ラウンド終了のゴングが鳴った。


そして、最終ラウンドである6ラウンドまで試合はもつれ込んでしまった。

さやかもメアリーも激しい打ち合いに顔もボディも脇腹も赤く腫れてしまっている。
しかし、最後の力を振り絞りながら左右のパンチを放っていく。

「ぶはぁ・・・ ぐふぅ・・・ あぶぅ・・・」
「んはぁ・・・ くはぁ・・・ んあっ・・・」

二人の口からはもう唾液も吐き出されない。
しかし、二人の顔は大きく弾き飛ばされてしまう。

「ぐほっ・・・ ぶはぁ・・・ そろそろ倒れてろよ!!」
「ぶはぁ・・・ くはぁ・・・ あんたこそ倒れろよ!!」

二人は大きく振りかぶった右ストレートを放っていく。
お互いの顔に打ち込まれた右ストレートの威力に二人の身体がリングの上に落ちていった。

「ああっ・・・ くぅっ・・・ まけ・・・ ない・・・」
「うっ・・・ ぶはぁ・・・ あたし・・・が・・・勝つん・・・だ・・・」

二人は仰向けに倒れた状態から体勢を整え、起き上がろうとする。
カウント8の時点で試合の行方が決まった。
さやかが膝が震えながら立ち上がり、メアリーは俯せに倒れていた。

そして、10カウントが数えられ、さやかの勝利が決まった。

やがて、立ち上がったメアリーの下に行き、試合後の言葉を交わしていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんた、強いね・・・ 負けちまったよ・・・」
「メアリーも強かったわ・・・ 途中、何度も諦めかけたもの・・・」

さやかの言葉にメアリーはにこやかに笑った。

「さやか、またあんたとやりたい・・・ プロの試合でまたやってくれるかい?」
「もちろん! わたしもメアリーとまたやりたいから・・・」

メアリーとさやかはしっかりと握手を交わした。

「次も必ず勝ちなよ。 あたしもこれ以上は負けないからさ」
「分かったわ。 必ず勝ち抜いてみせるわ!!」

さやかはレフェリーに呼ばれ、メアリーのコーナーを後にした。


「ウィナー、サヤカ・ナカジマ!!」

レフェリーに証明書をもらってから右腕を高く突き上げられた。
こうして、さやかとメアリーの試合は終わった。



「あの日本人選手、強いね・・・ けど、ボクなら負けないけどね・・・」

そう呟いているのはイギリス代表のローレル・アンダーソンである。
彼女は次の試合に勝つとさやかと試合をすることになるだろう。

「ボクの相手・・・ ロシア代表の人を早くKOして終わらせようかな・・・」

そう言うと、ローレルは自分の控え室のテレビの電源を切った。

to be continued


あとがき

北京オリンピックが終わってしまいました・・・
予定ではオリンピック期間中に全ての試合を書くつもりだったんですが・・・
次のオリンピックまでには全ての試合を書ききりたいと思います。
お付き合いよろしくお願いしますね♪♪
ひらひらでした♪♪
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