ひらひらの仕掛け屋敷

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-24 「激闘! 新人王戦開始!!」

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-24 「激闘! 新人王戦開始!!」


梨杏の新人王戦に向けた練習が本格的になっていた。
基本的には学校で授業を受け、女子ボクシング部で軽いスパーリングなどを行ってから学校からセイバーズベースまで走るという日課をこなしながら洋子やラン達との実戦に近いスパーリングや15kmというかなりの距離を走ったりしてスタミナや技術、戦闘経験などを鍛え上げようとしている。
しかし、梨杏はまだこれでは足りないと感じていた。
それだけ、梨杏が今度の対戦相手である鈴城深雪を強敵だと感じているということである。

「はぁ・・・ はぁ・・・ こんなことじゃ鈴城さんには勝てない・・・ どうしたらいいの・・・?」

梨杏は自分の力では深雪には勝てないと考えてしまい、悩んでいるのだ。

一方、深雪も対戦相手である梨杏に対して思うところがあった。
というのも、深雪は中学時代に梨杏の空手の大会での試合を見ていたのである。
そうはいっても、深雪は梨杏と闘ったことはなかったが・・・

「(彩坂梨杏・・・ オレはあいつとやったことはねぇ・・・ けど、兄貴のボクシングを証明するためにはもってこいの相手だ・・・)」

深雪は自分のことを『オレ』と呼んでいる。
それは、彼女が中学を卒業する少し前から続いていることである。

「深雪、次の相手の彩坂梨杏はお前と同じようなハードパンチャーだ。 殴り合いを好むお前にはもってこいの相手だな」
「あぁ。 兄貴とオレのボクシングを彩坂梨杏にぶつけてやれる。 そんで、ブッ倒す!!」

深雪は決意を大声で叫んだ。
その声にジムにいた他の練習生は驚いてしまった。
会長はその様子に深雪をなだめていく。

「おいおい、深雪・・・ 気合いが入ってるのは分かるけどな・・・ 他の奴の邪魔になるような声出すなよ」
「悪ぃな・・・ みんな、悪かったな・・・ 気にせず、続けてくれよ・・・」

深雪の言葉に他の練習生は練習を再開していく。

梨杏は昼休みに教室で昼食を食べないで屋上でシャドーボクシングをしていた。
少しでも練習をしておかないと不安で仕方ないのである。

「やっぱり、ここにいたのね」

一人の女生徒が梨杏に話しかけた。
彼女は梨杏の親友であり、梨杏の所属する女子ボクシング部の選手兼マネージャーの城崎みなみである。

「あっ・・・ みなみちゃん」
「梨杏、やっぱりここにいたのね。 あんたは何か悩みがあるとここに来るもんね」
「空が見えて気持ちいいんだ・・・ 空を見てるといろんなことを忘れられるから・・・」

梨杏の言葉にみなみは呆れたように肩をすくめると微笑みながら梨杏に歩み寄っていく。
梨杏もみなみが近づいてくるとシャドーボクシングを止めて歩み寄っていく。

「それで、何か掴めたの?」
「全然・・・ というより、わたしはたぶん鈴城さんと全力で打ち合うしかないと思うの・・・」

みなみは梨杏の言葉にくすりと笑うとあえて何も言わなかった。

そして、二人の試合の日がやってきた。
梨杏は自身の控え室でみなみ達に準備をしてもらいながら深雪との試合のイメージトレーニングをしている。
そうしなければ不安で仕方ないのだ。

「梨杏、あんたが焦る気持ちは分からないでもないけど少しは落ち着きなさい」
「でも・・・」
「でもじゃない。 相手はあんたと同じインファイター、緊張する要素ないじゃないのよ」

みなみの言葉に梨杏の表情が少しだけ曇る。

「鈴城さんに勝てるか、やっぱり、不安なんだ・・・」
「あんたが不安に思う気持ちは分かる・・・ でも、あんたは強い・・・ だから、負けない・・・」

みなみの言葉に梨杏は少しだけ安心したような表情になった。
みなみはそんな梨杏の表情を見て、さらに一言つけ加えた。

「それに・・・ 鈴城深雪に臆してるようじゃ神宮寺まどかに笑われるわよ」
「そうだね。 わたしは今さらファイトスタイルは変えられないもんね。 ありがとう、みなみちゃん。 わたし、必ず勝つよ!」

梨杏は気を取り直し、みなみに深雪に勝つと宣言していく。

一方、深雪の控え室では会長であり自身の叔父でもある鈴城忠助に試合の準備をしてもらいながら試合について話していた。

「なぁ、おじさん」
「ん? 何だ、深雪??」
「オレ、彩坂梨杏に勝てると思うか?」

深雪のふとした問いかけに忠助は迷わず答えた。

「はっきりと勝てるとは言えねぇな・・・ 深雪と彩坂はかなり似てる・・・ 経歴もファイトスタイルもな」
「あぁ・・・」
「だから、勝つとしたら最後まで諦めねぇことだ・・・」
「いつも言ってることじゃんかよ。 けど、すっきりしたよ、おじさん」

深雪はそう言うと後は静かに試合の時を待った。

梨杏は係員に呼ばれ、控え室を後にして、リングへと向かう。
その表情は凛々しいものになっている。

「(鈴城さんには絶対に負けられない!)」

梨杏はそんな決意を胸に花道を歩いていく。
観客が堂々と花道を歩く梨杏を大歓声で迎えていく。
そして、今、リングインしていく。

深雪も自身の控え室を後にして、花道まで来ていた。

「(彩坂梨杏・・・ オレはお前を必ずKOして兄貴とオレのボクシングを証明してやる!!)」

深雪も決意とともにリングインしていく。

リングの上に役者が揃い、レフェリーが二人をリング中央へと呼んでいく。
リング中央で梨杏と深雪はお互いの目を見つめていく。

「お前とやれるのを計量の時から楽しみにしてたぜ」
「こちらこそ、鈴城さんと試合ができるのを楽しみにしてました」

お互いに相手へ闘志をぶつけていく。
しかし、それは二人にとっては嵐の前の静けさと同じである。

「二人ともクリーンなファイトを」
「はい!」
「あぁ!」

レフェリーの言葉に二人は力強く答えていく。
レフェリーは二人の返事を聞き、二人を自身のコーナーへ戻らせた。

青コーナーに戻ってきた梨杏をセコンドに就いている洋子とみなみが迎えた。

「さて、梨杏。 鈴城深雪を相手にどう闘うつもり?」
「わたしは不器用だから近づいて殴る・・・ それしかできないから」

梨杏の言葉にみなみは少しだけ笑うと梨杏の口にマウスピースをくわえさせていく。
梨杏はくわえさせてもらったマウスピースをしっかりと噛み締められるように調節していく。

一方、赤コーナーに戻ってきた深雪も忠助にマウスピースをくわえさせてもらった。

「いいか、深雪。 彩坂はある意味でお前とおんなじだ」
「あぁ・・・ だから、オレが勝ってやるんだ・・・」

必死で強がるが昔から見てきた梨杏の強さを理解している。
だからこそ、深雪は梨杏に勝って自分と兄のボクシングを証明したいのだ。

「まぁ、分かってるだろうが彩坂に勝ちたいなら1ラウンド目の間に潰すべきだが・・・」
「そんなんやったら、オレのボクシングを台無しにしちまうじゃんかよ。 オレはあくまでも全力の彩坂を殴り倒して勝つ、それだけだよ」

深雪の言葉に忠助は何も言わずに深雪を集中させてやる。

そして、1ラウンド開始のゴングが鳴ると梨杏と深雪は勢いよく近づいていく。
お互いの距離がほぼゼロになるような位置で二人は相手の顔を狙って、左右のパンチを放っていく。

「んぶぅ・・・」
「んぁっ・・・」

二人の顔にパンチがめり込むと会場から歓声が上がり始めた。
歓声の声援を受けて、二人はさらに左右のフックやストレートを相手の顔やボディに叩き込んでいく。
しかし、梨杏には深雪が試合のビデオのような闘い方をしているようには見えない。
まるで、1ラウンドの間は本気を出さないとでも言うように・・・

「はぁ・・・ はぁ・・・ (鈴城さん、どういうつもりだろ・・・? ジムでビデオを見た時は鈴城さん、凄くアグレッシブだった・・・)」

深雪は梨杏と殴りあいつつ、電光掲示板を見た。
電光掲示板を見て、残り20秒もあることを確認する。
もちろん、苦戦しているからではなく、梨杏を倒すには身体が温まり、全力で打ち合うことが必要だと考えているからだ。

「ストップ! ストップ!! ゴングだ!!」

レフェリーの言葉に二人は打ち合いを止め、それぞれのコーナーに戻ろうとしていく。
コーナーに戻る際に深雪の表情を見た梨杏は少し違和感を感じた。
何故なら、深雪は口元に笑みを浮かべていたからだ。

青コーナーに戻った梨杏は洋子に深雪の笑みの意図を考えてもらおうとする。

「あの子がコーナーに戻る前に笑たんは、たぶん、次のラウンドから梨杏とおもいっきりどつきあえるからやろ」
「どういうことですか?」

梨杏は洋子の言葉の意味が理解できたようで理解できていなかった。
しかし、次のラウンドからはお互いに死力を尽くした試合になるだろうと感じた。

一方、赤コーナーに戻った深雪は2ラウンド目が始まるのを今か今かと待っている。

「ちったぁ落ち着け、深雪」
「だってよぉ」
「気持ちは分かるけどなぁ・・・ 彩坂は次のラウンドからめちゃくちゃ飛ばしてくるだろう。 だから、お前も飛ばせるように体力を温存しとけ」
「おうっ!!」

深雪は忠助の言葉を聞き、勢いよく返事をすると落ち着こうとしながら2ラウンド開始のゴングを待つ。

2ラウンド開始のゴングが鳴ると同時に二人は一気にリング中央まで駆け出していく。
そして、左右のストレートをお互いの顔に叩き込んだのをきっかけに二人の壮絶な打ち合いが始まった。

「んぶっ・・・ 負けません!」
「かふぅ・・・ オレも負けねぇ!」

梨杏が右アッパーを深雪のボディに叩き込めば深雪は左フックを梨杏の頬にめり込ませていく。
自身の左フックが梨杏の頬にめり込んだのを見た深雪はさらに右アッパーを梨杏のレバーに叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・」

肝臓を狙った強烈な一撃に梨杏の身体がリングの上に崩れ落ちた。

「ダウン! 下がって!!」

レフェリーは深雪にニュートラルコーナーに向かうように指示をするとダウンした梨杏に対してのカウントを取っていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」

ニュートラルコーナーに下がった深雪は梨杏がボディブロー一発でダウンしたのを見て、少しだけ気落ちしてしまいそうになる。
自分が梨杏を最高の標的だと考えていたのは周囲の話や雑誌の記事を信じすぎていたのではないかと考えてしまったからだ。
しかし、梨杏の立ち上がろうとする姿に自分の心配は杞憂だったと深雪は思った。

「6・・・ 7・・・ エイ・・・」

梨杏はカウント8間際で立ち上がった。
しかし、その顔には笑みが浮かんでいる。
自分をダウンさせた深雪に対して、闘争心が湧き上がってくるのを感じている。

「へっ・・・ そうじゃねぇとなぁー オレがお前に勝つにしてももっとやりあってからだろ?」

深雪の軽口に梨杏は一気に距離を詰めていく。
距離を詰めてくる梨杏に対して深雪も距離を詰めると左右のフックで梨杏を迎え撃っていく。

「負けない!!」

梨杏はそう言うと深雪の左右のフックをダッキングでかわすと先程の意趣返しともいうべき右アッパーを深雪のボディに叩き込んでいく。


「がはぁ・・・」

梨杏の強烈な右アッパーをボディに叩き込まれた深雪の口から唾液が吐き出され、深雪は膝から崩れ落ちるようにダウンしてしまった。

「ダウン! 下がって!!」

梨杏はダウンした深雪をしばらく見ていたがレフェリーにニュートラルコーナーに向かうように指示されるとゆっくりとニュートラルコーナーに向かう。
深雪をダウンしたが自身も先程のボディブローのダメージが抜けきっていないのだ。


アイキャッチA(梨杏、右ストレート)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-23 「戦う意味」

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-23 「戦う意味」

零次はシンのことや姉の遺体を改造したアダムのことを考えて悩んでいた。

「(姉さんやシンは俺の敵なんだ・・・ けど、俺は二人と戦いたくない・・・)」

零次は敵であるダーククライムに造られた存在であるシンやアダムを倒すべきなのに戦えない自分に苛立っていた。

「零次・・・ 零次!!」

零次は自分を呼んでる声の方に向いた。
そこには、一緒に遊びに来ていたスバルと梨杏がいた。
零次は二人の買い物について来ていたが考え事のせいで二人の話を聞いてなかった。

「零次、あたし達の話、聞いてなかったでしょ?」
「悪ぃ・・・ ちょっと考え事しててさ・・・」

零次がバツが悪そうに答えるとスバルは少し表情を曇らせたがすぐに切り替えた。

「もう、梨杏の新人王戦の調整前に遊ぼうって言ったの、零次だよね?」
「悪ぃな。 なら、こんなとこで油売ってないでさっさと行こうぜ」

零次とスバルの掛け合いに梨杏はお腹を押さえながら笑っていた。
零次とスバルは梨杏に近づくと梨杏にじゃれついていく。
それから、しばらくして、三人は少し休憩することにした。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 零くん、スバル?」
「ごめん、梨杏・・・ でも、楽しかったでしょ?」
「うん」

梨杏とスバルが話しているのを見ながら零次は自分に余裕と冷静さが足りていなかったのだと悟った。
そして、二人の様子を静かに見ていた。

だが、強烈な殺気に零次が視線を送るとそこには自分と同じような体の色の存在があった。

「(貴様が仮面ライダーイヴか・・・)」

零次の心の中に語りかけてくる存在に零次の闘争心が増していく。
そして、スバル達の下から離れるとその存在のいる場所に向かった。

「てめぇは何者だ!? 何故、俺を狙う!!?」
「我が名はシャドームーン・・・ RXの前の肩慣らしだ・・・」

シャドームーンの言葉に零次は怒りを無理やり抑えると変身していく。
そして、シャドームーンに殴りかかっていく。
しかし、シャドームーンはイヴの拳を受け止めていく。

「仮面ライダーイヴ・・・ 貴様の力はそんなものか・・・」

シャドームーンはイヴを投げ飛ばしていく。
イヴはその勢いで壁に叩きつけられてしまう。

「がはぁ・・・」

イヴは口から息を吐き出し、少し体勢が崩れてしまう。
しかし、シャドームーンがゆっくり近づいてきていることを見ると動こうとしていくがなかなか動けないようだ。

「死ね・・・」

動けないイヴにシャドームーンの右の拳が叩きつけられようとしていたがそこへ冷凍ガスが吹き付けられた。

「誰だ・・・」
「仮面ライダースーパー1!!」

イヴを助けたのは仮面ライダースーパー1だった。
スーパー1はイヴとシャドームーンの間に立ってイヴを庇っている。

「ふん・・・ 援軍が来たようだな・・・ ここは退いておこうか・・・」

シャドームーンはそう言うと姿を消した。
イヴはそれを見た瞬間、膝から崩れ落ちた。

「危なかったな、零次」
「ありがとうございます、一也さん。 助かりました」

零次は変身を解除してそう言うとスバル達の下へ戻っていった。

イヴとシャドームーンが戦っていた頃、一台の特殊な車両がセイバーズベースに向かっていた。
その車両とは翔太郎達が所有するリボルギャリーだった。

「しっかし、よく翔太郎君が風都を離れるのを許可したよね?」
「いや、亜樹ちゃん。 翔太郎は風都を守るためにここに来たんだよ」

リボルギャリーの中でフィリップと亜樹子が話していた。
翔太郎が二人の会話を聞いても反応しないのは風都のことを心配しているからだ。

「(EXEが壊滅してからもガイアメモリ犯罪はなくなっていねぇ・・・ なのに、俺はこんなことしてていいのかよ・・・)」

翔太郎はそんなことを考えながら街の風景を見ていた。
そんな翔太郎が見ていた画面にはダーククライム戦闘員に追われている少女が映っていた。

「フィリップ!!」
「何だい、翔太郎?」
「あの子を助けるぞ!!」

翔太郎がそう言うとフィリップはスタッグフォンでリボルギャリーを操縦して、少女を庇うようにダーククライム戦闘員の前に入った。
そして、ハッチが開くと翔太郎がロストドライバーを装着して、立っていた。

「変身・・・」

翔太郎はそう言いながらジョーカーのガイアメモリを挿入し、右側に倒していく。
すると、風が吹き、翔太郎の身体が変化した。

「「「ギィッ?」」」
「俺は仮面ライダージョーカー・・・」

ジョーカーは呟くとダーククライム戦闘員との距離をゆっくりと縮めていく。
ダーククライム戦闘員は手にしたナイフでジョーカーに斬りかかっていくがジョーカーはそれらをかわし、キックやパンチでダーククライム戦闘員を蹴散らしていく。

「おいおい・・・ どうした?」
「「「ギィッ・・・」」」

ジョーカーの凄みにダーククライム戦闘員の足が止まった。

「何だ? かかって・・・」

ジョーカーがそう言おうとした時、ガスが吹き付けられた。
なんとかかわしたジョーカーが見たのは煙のように消えるダーククライム戦闘員の身体だった。

「どういうことだ・・・」
「お前が知る必要はない! どうせ、ここで死ぬんだからな!!」

そう言うとネズミのようなサイクロプスは自身の吐くガスを吹き付けようとしていく。
だが、ジョーカーは近くにごみ箱を持つとそのサイクロプスに投げた。
ごみ箱に気を取られたサイクロプスが視線を戻すとジョーカーは姿を消していた。

リボルギャリーと合流した翔太郎はフィリップに事情を説明した。

「つまり、ガスを浴びた戦闘員が霞のように消えたと言いたいわけだね?」
「あぁ・・・ 検索を頼めるか?」
「あぁ。 早速始めよう」

フィリップはそう言うと意識を地球の本棚に飛ばし、検索を始めていく。

【知りたい項目は謎のサイクロプスが吐いたガスについてだね?】
「あぁ」
【キーワードは『ガス』『消失』『追われていた少女』】

翔太郎はフィリップがダーククライム戦闘員に追われていた少女のことをキーワードにしたことに疑問を感じた。

「なぁ、フィリップ。 何で、あの子のことをキーワードに?」
【あぁ・・・ 彼女は何らかの理由でダーククライムに追われていた・・・ おそらく、彼女の身内が関係していると考えていいだろう】

フィリップの精神がそう告げると本棚が少なくなり、一冊の本が残った。
フィリップはその本を読み、何が起こっているのかを理解した。

「で、どうだったんだよ、フィリップ?」
「彼女は大村みき、大村源三郎博士のお孫さんさ」

翔太郎にはフィリップの言う、大村源三郎のことが分からなかった。
フィリップはそんな翔太郎の様子を見て、話を進めていく。

「大村源三郎博士は物質を分解するガスを発明した人さ。 君も事務所のテレビで見たろ?」

フィリップにそう言われ、翔太郎は大村源三郎のことで自分が知っていることを思い出した。
そして、みきに近づき、しゃがんでから話しかけていく。

「みきちゃん、君のおじいさんに何かあったのかい?」
「あのね! さっきの変な人達に追いかけられてるから逃げるって言ってた!!」

翔太郎達に心を開いたのか、自分の知っていることを一所懸命話していく。
翔太郎はその話を静かに聞いていく。

一方、ジョーカーに邪魔をされ、みきを捕らえることのできなかったサイクロプスはダークホライズンに戻り、ダーククライム大首領に報告していた。

「申し訳ありませんでした・・・ ダーククライム大首領様・・・」
『申し訳ありませんでは済まんぞ、ラットサイクロプスよ・・・』

ダーククライム大首領はネズミのようなサイクロプス、ラットサイクロプスにそう告げるとレリーフの目を光らせた。
ラットサイクロプスはその光景に怯え、取り繕うとしていく。

「お待ちください! ダーククライム大首領様!! 必ず、大村を手に入れてみせます!!」
『失敗すれば貴様は処分する・・・ 覚悟しておけ・・・』
「は、はっ!!」

ラットサイクロプスは返事をするとすぐにダークホライズンを後にし、みきを捕まえるために動き出した。

セイバーズベースに戻った零次は沖一也と組み手を行っていた。
しかし、自分の繰り出す攻撃を防ぐだけで反撃しようとしない一也に零次は苛立ちを覚えていた。

「零次・・・ まずは、落ち着くんだ・・・」
「一也さんに言われなくても俺は落ち着いてるよ!!」
「いいや、君は落ち着いてなどいない・・・ 無理やりそう思うことで自分を誤魔化そうとしているだけだ・・・」

零次は一也にそう言われて、自分が興奮し、まったく落ち着いていないとなんとなく理解した。

「零次、一度深呼吸をしてみろ」

零次は言われた通り、深呼吸をしていく。
その瞬間、自分が今まで抱えていた悩みが小さく見えた気がした。

「零次、君は物事を難しく考えようとしすぎていたんだ・・・」
「物事を難しく・・・」
「そうだ・・・ だが、それでは何も見えなくなる時がある・・・ これを見ろ・・・」

一也はそう言うと両手をまるで花を包むように動かした。
零次はその手の中に花が見えた。

「どうだ・・・」
「花が見えました・・・」
「そうだ。 荒々しい戦いの中でも花をいとおしむ心を忘れないこと、これが赤心小林拳の極意だ」

零次は一也から赤心小林拳の極意を聞き、自分にはその極意の心を見ることができていなかったと悟った。

ラットサイクロプスは大村みきを探しながら街中で物質分解ガスを撒き散らしていた。

「ヒャハハハハ!! 俺のガスの味はどうだ!?」

ラットサイクロプスはそう言いながらも次々にガスを撒き散らしていく。

ラットサイクロプス出現の報告を受け、天道は現場付近にいるジャンとレツ、ランに現場に向かうように指示した。

現場に急行したジャン達が見たのは溶けたように半分になっている車だった。

「何だ、これ?」
「スゲーー!! 車が溶けてるーー!!」

レツは周囲の状況に驚き、ジャンは溶けた車に触りながら興味深そうにしている。

「ジャン! レツ! あれ!!」

ランの指さした方向には物質分解ガスを辺りに吹き付けているラットサイクロプスがいた。

「行くわよ、二人とも!」
「あぁ」「おぅっ!」

三人は両手を前に突きだし、ラットサイクロプスを見据えていく。

「「「たぎれ! 獣の力、ビースト・オン!!」」」

三人がゲキチェンジャーの右手甲部分に触れることで次元圧縮された変身スーツが身に纏われ、三人はゲキレンジャーに変身した。
そして、ラットサイクロプスを囲むようにしていく。

「気をつけろ。 あいつが吐き出すガスは物を消し去ることができるぞ」
「分かった!! なら、ゲキワザ・咆咆弾!!」

ゲキレッドはゲキブルーの言ったことを理解したのか、物質ではなく、激気を虎の形に打ち出すゲキワザ・咆咆弾でラットサイクロプスを攻撃した。
ラットサイクロプスは咆咆弾に向かって物質分解ガスを吹きかけた。
しかし、物質ではない咆咆弾には物質分解ガスは通用せず、虎の形をした咆咆弾の爪で弾き飛ばす。

「やったぜ!!」
「油断するなよ、ジャン」
「おぅっ」

レツの言葉にジャンは答えながらラットサイクロプスの動きを見ていく。
しかし、そこへ赤色のエネルギー球が飛んできた。


アイキャッチA(胴着姿の沖一也)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-22 「少年の想い」

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-22 「少年の想い」

キャットサイクロプスを撃破した零次は相変わらず訓練と学業づくめの日常を過ごしている。

「けど、零次。 あんた、最近何か吹っ切れたわよね?」
「あぁ。 ティアナの言葉のおかげだよ」

零次がそう言うと、ティアナは少し顔を赤らめながら話し続ける。

「うっさいわよ! それより、あんた、スバルと勝負するとか約束したんだって?」
「確かにしたけどリップサービスみたいなもんだぜ。 スバルがあんな性格でも真に受けることはねぇだろ?」

零次はそう言って笑っているがティアナは微妙な表情をしている。

「(間違いなく真に受けてるわよ・・・ あの子、ミッドに戻る前に戻ってきたらあんたと戦うんだって嬉しそうに話してたんだから・・・)」

実は、スバルがミッドチルダに治療しに行く前にティアナにこんな話をしていたのだ。

「ねぇ、ティア」
「何よ?」
「零次にあたしが帰ってきたら勝負しようねって言ってたって伝えといてくれない?」

ティアナはスバルの言葉に耳を疑った。
身体がぼろぼろになり、治療しにいく人間の言う台詞ではないと感じたからだ。

「あんた、零次と本当に勝負するつもりなわけ?」
「もちろんだよ! だって、零次と約束したもん!!」

ティアナはスバルの力強い言葉と表情に何を言っても無駄だと理解したのか、文句を言うのを止めた。

「分かったわよ。 伝えとけばいいんでしょ」

ティアナは零次に降りかかった苦労に同情していた。

零次はティアナと梨杏ととも東山学園に登校していく。
ティアナは前回の任務で終わると思っていた学生生活に戸惑いつつも嬉しそうにしている。
梨杏もティアナや今は治療のためにミッドチルダに帰っているスバルと引き続き学校に行けるということが嬉しくてたまらない様子である。

「梨杏、あんた、ずいぶん嬉しそうね」
「えっ? だって、ティアナさんやスバルと一緒に登校できるなんて嬉しいもん!」
「どこのスバルよ・・・」

ティアナはそう言いつつ、少し照れていた。

三人が校門を通りすぎた辺りに零次のクラスメートの中村がいた。
零次はティアナと梨杏に先に教室に行ってもらい、中村の下へ駆け寄った。

「よう、沢井。 ナカジマは無事か?」
「あぁ、なんとかな。 これからちょっと治療に行ってくるらしいけどな」
「あっそ・・・」

中村は零次の言葉にそう言うとそのまま校舎へ入っていった。

授業が始まると零次はまた考え事をしていた。

「(さっきの中村、変だったよな・・・ いくら、知り合いでもスバルのことだけを聞くために俺より早く学校に来てるなんてよ・・・ ひょっとして・・・)」
「・・・い。 ・・・わい。 沢井!!」
「は、はい!!」

零次は自分が考え込んでいる間に国語の教師に呼ばれていたことに気づいていなかった。

「沢井、先生の授業はそんなつまらないか・・・?」
「いえ、そんなことは・・・」

零次のしどろもどろな言葉に教師の怒りがさらに大きくなった。

「だったら、ちゃんと聞いとけ! いいな!?」
「はい・・・」

零次は教師に反省の意を見せ、謝った。

「なら、いい・・・ 座れ・・・」

教師は零次を座らせると別の生徒を指名した。

そして、放課後になり、零次は中村を屋上へ呼び出していた。

「何だよ、沢井?」
「なぁ、中村。 最近、好きな奴でもいんのかよ?」

零次の質問に中村は一瞬動揺した後、取り繕うとしていく。

「やっぱりなんだな。 だから、あんなこと聞いたんだろ?」
「だったら、悪いかよ・・・ 俺はナカジマが好きだよ・・・ お前はどうなんだよ?」

零次は中村の質問に首を横に振った。

「俺はダチとしてはスバルのことが好きだ。 けど、あいつに恋愛感情はねぇよ」
「それはお前が仮面ライダーだからか・・・?」

零次は中村の言葉に驚きを隠せなかったが零次は落ち着いて中村に何故自分の正体を知ってるのかを尋ねた。

「なぁ、中村。 何で、俺の正体を知ってる?」
「俺が新聞部に所属してることは知ってるよな?」

零次は中村の言葉に頷いていく。
中村は新聞部に所属しており、様々なスクープ写真を撮ってきている。

「つまり、新聞部は俺達のことを嗅ぎまわってたってことか?」
「違ぇよ・・・ そのことは俺一人の独断だ・・・ 俺はただ今起きてることの真相が知りてぇだけだ・・・」
「危険だとしてもかよ?」「あぁ・・・ 危険だとしてもだ・・・」

零次は中村の表情にそれ以上何も言えなかった。

「俺がナカジマに惚れたのはあいつが一生懸命人を助けてるとこを見ちまったからだ・・・」
「そっか・・・ だったら、俺は何も言わねぇよ・・・」

零次はそう言うと屋上を後にした。

零次はティアナと梨杏をセイバーズベースの食堂に呼び、中村と話したことを相談していた。

「つまり、あんたはその中村って奴の話を聞いて、スバルとの仲を取り持ってやりたいってわけね?」
「あぁ。 そのつもりだ」

零次の言葉にティアナは少し考えてから自分の意見を話した。

「あたしは正直反対よ・・・」
「何でなの、ティアナさん? わたしはいいと思うんだけど」

ティアナは梨杏の言葉に首を横に振りながら答えていく。

「梨杏の言いたいことも分からないでもないわ・・・ けど、魔法のことはこの世界の人には極力バレないようにしないとダメだし、それにそいつがほんとにただの新聞部なのかも分からない・・・」

ティアナの言い分も零次と梨杏には理解できる。
しかし、梨杏はティアナに自分の想いを話していく。

「でもね、ティアナさん。 中村くんのこと信じてみてもいいんじゃないかな・・・」
「俺もそう思うぜ。 なんなら、ティアナの幻術や射撃魔法を見せちまえばいいだろ。 それで、どんな反応を見せるかでスバルに会わせるかを決める。 どうだ?」

零次と梨杏の言葉にティアナはため息を吐きつつ、自分の考えを話していく。

「なら、あたしなりのやり方で話をつけるわ。 いいわね?」
「あぁ、いいぜ」

零次はティアナの言葉に答えていく。

そして、翌日の放課後、ティアナ達は中村に話し、河原にいた。

「ランスター、ここで何すんだよ?」
「あんたが本気でスバルのことを好きなのかを確認させてもらうのよ」
「何で、お前がそんなことすんだよ?」

ティアナは中村の問いかけには答えず、自身のデバイスであるクロスミラージュに話しかけていた。

「クロスミラージュ、結界張れる?」
『もちろんです、Sir』

クロスミラージュが結界を展開するとその場の雰囲気が変わった。
中村はそのことに驚き、辺りを見回していく。

「いったい、ここはどこなんだよ?」
「ここは結界の中よ。 これが魔法の一種よ」

中村はティアナが話しかけてきたのでそちらに視線を向ける。
すると、ティアナはクロスミラージュの銃口を中村に突きつけていた。

「何のまねだよ、ランスター・・・」
「あたしは魔導師っていう魔法使いみたいなもんなのよ。 どういう意味か、分かるわよね?」

ティアナの凄みのある言葉に中村は息を飲んだ。
しかし、ティアナの表情に中村はティアナが言いたいことを悟った。

「つまり、ナカジマもランスターと魔導師ってわけか?」
「そうね・・・ それで、どうするつもり?」
「ランスターが言いたいのは、俺がダーククライムっつう組織に報告したり報道機関に密告したりするつもりかってことだよな?」

中村の言葉にティアナは静かに頷いていく。
しかし、銃口はしっかりと中村を捉えている。

「だったら、撃てよ・・・ 俺はそれでもお前らのことを誰かに言うつもりはねぇ・・・ 俺はただ、真実が知りたい、いや、俺が知らないことがあるのが許せねぇだけだ」
「分かったわよ・・・ けど、スバルがどんな存在でも愛せるわけ? もし、中途半端な気持ちでスバルを傷つけるならあたしはあんたを許さない・・・」

ティアナの言葉に中村はゆっくり頷き、答えていく。

「あぁ・・・ 俺はナカジマが化け物だろうがロボットだろうが何だろうが愛してんだよ」
「あんた、馬鹿? あの子はあんたが考えてるより子供よ。 だいたい、人の話もろくに聞かないし」

中村はティアナの言葉に少し笑ってしまう。
そんな中村の態度が気になったのか、ティアナは中村に詰め寄っていく。

「何よ? 何笑ってんのよ??」
「いや、ランスターがナカジマのお袋さんみたいでな」

ティアナが詰め寄ると中村は自分が感じたことを話していく。

「それに、いい加減スバルのことを『ナカジマ』って呼ぶの、止めなさいよ。 スバルの姉妹はあと5人いるのよ。 紛らわしいでしょ」
「なら、スバルって呼ぶことにするさ」

ティアナの言葉に中村も返事をしていく。
しかし、中村は獣の匂いを感じていた。

「ランスター! この辺、何かいるぞ!!」
「分かってるわよ! 零次!!」
「あぁ! 変身!!」

零次はイヴに変身し、ティアナはバリアジャケットをセットアップしていく。
そして、草むらから出てきた獣と対峙する。

「キャットサイクロプス!? 何で奴が生きてる!?」

イヴの疑問はもっともである。
キャットサイクロプスは前回の戦いで完全に撃破したはずなのだ。
それなのに、今、目の前にいてイヴとティアナを見て、唸っている。

「キャットサイクロプスは普通のサイクロプスとは違って2つの命を持っている・・・ 一つ目の命がなくなっても2つ目の命があるというわけだ・・・ だが、その2つ目の命は以前の個体と比べて能力も知力も著しく劣化する・・・」

イヴの疑問に灰色の怪物が答えた。
イヴはその灰色の怪物に何故か見覚えがあった。

「てめぇは何なんだ?」
「俺はロキ・・・ マスタークラウンの一人であり、貴様のことを改造した一人さ・・・」

ロキの言葉を聞き、イヴは右の拳を力強く握り締めた。
そして、ロキに殴りかかろうとしていく。
しかし、そこへ銃弾が撃ち込まれた。

「誰だ!?」
「動くなよ、イヴ。 そいつは俺の獲物だ」

零次の足下に銃弾を撃ち込んだのは銃を手にした中村だった。
そんな中村を見て、ロキは何かを思い出したように呟いた。

「そうか・・・ 貴様は識別番号121、シンか・・・」
「そうだ。 貴様にすべてを奪われ、復讐を誓った男だ」

そう言うと、中村、いや、シンは手にした銃でロキを狙い撃っていく。
しかし、ロキは自分の周囲に真空を作り出すとその銃弾を無力化した。

「貴様!!」

シンは近くに置いていた鞄からブラスターを取りだし、エネルギー弾を撃ち込んでいく。

「おい!!」

イヴはそう言いながらロキに攻撃をしようとするがロキはそれをかわし、姿を消した。

イヴは変身を解除するとシンに詰め寄っていく。

「どういうことだ、中村? お前、いったい何者なんだよ?」
「零次、俺はダーククライムの尖兵、デスソルジャーとして造られた男だ」

アイキャッチA(シン、ブラスター銃を構えている)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-21 イヴの決意

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-21 イヴの決意

スバルがキャットサイクロプス・マウラの毒に侵され、セイバーズベース医務センターにて治療を受けている。
零次は自身が戦う決意をできないばかりにスバルを死の危険に晒してしまったことに怒りすら感じていた。

「(俺がうじうじしてたせいでスバルが・・・ 俺は何やってんだ!!)」

零次はそんなことを考えながら壁に拳を叩きつけていく。

「あんた・・・ 何やってんのよ・・・」
「ティアナ・・・ 別に何でもねぇよ・・・」

ティアナは零次のそんな言葉に詰め寄ると零次の胸ぐらを掴んだ。

「あんた、不幸のヒーローでもやってるつもり?」
「違う・・・ けど、変身できなきゃあいつらと戦うこともできねぇ・・・」

ティアナは零次の弱気な言葉に言い様のない怒りが込み上げてきた。

「あんたは変身できなきゃ何もできないわけ!? 甘えてんじゃないわよ!! そりゃ、あたしだってバリアジャケットがなかったら苦戦はすると思うわよ! でも、あたしは逃げない!!」

ティアナの叫びに零次は自分の思い上がりを思い知らされた。
そして、今一度病室で苦しんでいるスバルを見た。

「悪い、ティアナ・・・ ティアナの言いたいことは分かる・・・ けど、もう少し待ってくれ・・・」
「戦うのはあんたよ。 あたしじゃない。 いくらでも待ってあげるわ」

ティアナはそう言うとスバルの病室へ入っていった。
零次はそんなティアナを見送るとすぐに動き出した。
セイバーズベースの屋上で零次はこれからどうするのかを考えていた。

「(ティアナの言う通りだ・・・ 俺は思い上がってたんだ・・・ だから・・・)」

零次は自分の側に近づいている人がいることに気づいていなかった。

「零次君」
「あぁ、なのはさん・・・ 俺に何か用ですか・・・?」

零次は自分の下に来たなのはを見て、呟いた。
なのはは零次の呟きに少し笑いながら零次の側にもたれかかった。

「えっとね、零次君に話があって来たんだ」
「俺に話?」

零次はなのはが自分と話しに来たことに驚いた。

「零次君は戦うつもりなのかな?」
「分かりません・・・ 俺はついこないだまでただの高校生でした・・・」
「うん・・・」

なのはは零次の気持ちに自分にも覚えがあるのか、少し小さな声で頷いた。

「でも、仮面ライダーになったおかげでスバル達に出会えたし・・・ けど、だから、俺を庇って誰かが傷つくのを見たくない・・・」
「分かるよ・・・ 零次君の気持ち・・・」

なのははそう言った後、少し深呼吸をしてからある話をしていく。

「私ね、前にスバルから何で強くなりたいか、聞いたことがあるんだ」
「えっ・・・」
「スバル、こう言ったんだ。 災害や争い事みたいなどうしようもないことから泣いてる人や悲しんでる人、助けを求める人を一直線に助けたいって」

零次はなのはからスバルの想いの一部を聞き、自分の答えが見つかったように感じた。

「なのはさん、ありがとうございました。 俺、やれることをやってきます」

零次はなのはにそう言うと屋上を後にした。

ダークホライズンではアダムを乗っ取った神楽雪枝がロキの前にいた。

「戻ったか、アダム」
「あなたを倒させてもらうわ、ロキ・・・」

ロキはアダム(神楽雪枝)の言葉を聞くと呆れたような表情になった。
そして、銀の長髪の青年から灰色の怪物へと姿を変えた。

「仕方ない・・・ 一度回収して調整し直すか・・・」
「その必要はないわ! 私があなたを倒す!!」

そう言うと、アダムはロキに攻撃を仕掛けていく。
しかし、アダムの攻撃はロキには当たらない上にロキのカウンターがアダムを捉えていく。
そして、アダムの周囲に重力場を発動させていく。
その重力場から発せられる重力にアダムの動きが止められた。

「さて、お前を調整し直すか・・・」

そう言うとロキは祭壇へ向かった。

零次はキャットサイクロプス・マウラとラウラを探していた。
しかし、なかなか姿を現さないマウラとラウラに零次は苛立ちを募らせているかと思われた。
だが、そんなことはなく、零次は落ち着いて2体のサイクロプスを探している。

「おい! 馬鹿猫ども!! 俺が怖くて出てこられないのか!?」

零次の言葉にラウラが反応しそうになるがマウラが止めていく。
しかし、零次は相変わらず叫んでいた。

「おら! どうした!!? 猫がこたつで丸くなってんのかよ!!」
「うるせぇ!! そんなに死にてぇなら殺してやるぜ!!」

零次の罵倒に耐えられなくなったラウラが零次目掛けて飛びかかっていった。
しかし、零次は慌てることなく冷静にラウラの攻撃をかわしていく。

「(誰も完璧じゃない・・・ 俺もスバルもティアナも・・・ みんな、完璧なんかじゃないんだ・・・!!)」

零次はティアナに言われた言葉を心の中で復唱しながら戦っているのだ。
マウラはラウラと零次の戦闘を見ながら様子を伺っていた。

一方、ティアナ達にもキャットサイクロプスの出現と零次が戦闘していることを知らされていた。

「(あいつ・・・ あたしが予想してた通りに動くって馬鹿じゃないの!!)」

ティアナは自分の言葉やなのはとの話で零次がどんな行動に出るかを予想していたのだ。
しかし、それは自分の杞憂だと誤魔化したかった。

「天道さん! あたしが出ます!!」
「そうか・・・ なら、ギンガ・ナカジマ、お前も行ってこい」
「はい!!」

ギンガは天道の指示に返事をするとすぐさま作戦室を飛び出した。
ティアナもそれに同行する形で作戦室を後にした。

ラウラは零次の周囲を動き回りながら鋭い爪で零次の身体を切り裂いていく。
しかし、零次はあえて反撃することをせず、まるで、何かを調べているような反応を見せている。

「(やっぱりだ・・・ こいつの爪には毒がない・・・ だが、サイクロプスが2体いる理由が説明がつく・・・)」

そう、零次はスバルが襲われた時からそのことを考えていたのだ。
何故、キャットサイクロプスは2体なのか。
その答えを出そうとしている。

「どうした!? でかい口を叩いておいてその程度の力しかねぇのか!!」

ラウラはそう叫びながら零次の身体を次々に切り裂いていく。
しかし、零次の視線がラウラの口元にあることには気づいていない。

ティアナとギンガはキャットサイクロプス・マウラとラウラが現れた場所、東山学園の屋上へ向かっていた。
しかし、街中でバリアジャケットやデバイス、魔法を使うわけにはいかないので身体強化の魔法以外は使えないのである。

「ティアナ!? どうして零次君がサイクロプスのところへ行くって分かったの!!?」
「あいつ、あたしと話してた時、すでに無茶するつもりの目をしてたんです! だから、分かったんです!!」

二人は走りながら話しているため、わりと大きな声で喋っている。
それでも、東山学園とティアナ達がいる場所との距離は徐々に縮まっている。

マウラは零次とラウラの戦いを見ながら零次の狙いについて考えていた。

「(明らかに沢井零次の様子がおかしい・・・ 変身もできないのに何故こんなにも激しく戦う・・・)」

マウラは零次が恐れをなして逃げると考えていたのに零次は逃げるどころか、自分自身からマウラ達に戦いを挑んできたのである。
このことにマウラは違和感をひしひしと感じていた。

「あの馬鹿・・・ 死んだら承知しないわよ・・・」
「ティアナ、やっぱり心配?」
「心配ですね・・・ あいつ、凄く馬鹿だから本気で刺し違えてもスバルを助けるつもりなんでしょうし・・・」

ギンガとティアナは東山学園まであと少しという中で話していた。
ギンガにしたらティアナを落ち着かせるつもりでもあるのだろうが。

「あいつ、一度決めたら絶対にそれを通す・・・ スバルみたいな頑固さがあるんです」
「分かるよ」

ギンガはティアナの言葉に頷いていく。

「だから、余計心配で・・・」
「うん・・・」
「さっ、早く行きましょう」

ギンガとティアナは東山学園に到着し、屋上へと向かう。

零次はラウラと戦いながら腰からある物を取りだし、ラウラの開けた口に入れていく。

「ふぁひ?(何?)」
「何をした、小僧?」

ラウラの異変に気づき、マウラはすぐにラウラの側に降り立った。
そして、ラウラは口にある物を噛み砕こうとしていく。

「おっと! そいつを噛み砕いたらてめぇら二匹、いや、一匹は死ぬぜ・・・」
「どういうことだ?」

マウラは零次の言った言葉に違和感を感じていた。
零次はマウラの言葉に答えていく。

「俺がラウラの口に放り込んだのは爆弾だ・・・ てめぇらは二匹で一組じゃねぇ・・・ 二匹で一匹だろ?」

マウラは零次の問いかけに答えず、沈黙していく。
零次はその沈黙に自分の考えが正しかったと理解した。

「だとしたら、どうだと言うんだ? それを知ったところで貴様の仲間の女は助からんぞ」
「まぁ、聞けよ。 てめぇらの命を握ってるのは弟のラウラなんだろ?」

零次の言葉にマウラとラウラは沈黙してしまった。
零次の言葉は外れてはいなかったのだ。
2体で1体のサイクロプスであるキャットサイクロプスは分裂する際、兄であるマウラに毒を、弟であるラウラに解毒剤を所有させるのである。

「なかなか面白い推論ではあるが証拠はどこにある?」
「証拠? 証拠ならてめぇの言動にあるだろうが」

零次の言う通り、マウラは自分達の正体を見破られた瞬間から口数が多くなり、逆にラウラは静かになった。

「それに、俺の言ってることが戯言だっていうんならどうしてラウラを殺さない?」
「弟を殺す兄がどこにいる・・・」
「そんなもん、どこにでもいるだろ。 それに、てめぇらはサイクロプスだ。 人じゃねぇ」

零次はそう言いつつもラウラの口を調べている。

「ならば、貴様が殺せばいいだろう」
「それもありだが、もし、ラウラが解毒剤を持ってたら無駄になっちまうからな」

零次の言葉と雰囲気にマウラもラウラも寒気を感じてしまった。
それほどに静かな殺気を放っているのだ。

「なんなら、お前の言う通りにしてやろうか?」
「ほぅ・・・ それは面白い・・・」

マウラと零次はお互いに言葉で相手を牽制しようとしていく。
しかし、どう見ても零次の方が有利である。

「(解毒剤はやっぱりラウラの右の牙の中にあったか・・・ あとはどのタイミングで抜くか、だな・・・)」

零次はラウラが持つ解毒剤の在処を突き止め、それを回収する手段を考えていた。

一方、東山学園に着いたティアナ達は急いで零次がいる屋上へ駆け上がっていた。

「ねぇ、ティアナ!? どうして、零次君が屋上にいるって思ったの!?」
「キャットサイクロプスが現れたのが屋上で、万が一何かあっても影響が少ない場所が屋上だからです!!」

ティアナの言葉にギンガは頷くと懐から自身のデバイスであるブリッツキャリバーを取り出した。
ティアナもクロスミラージュを取り出しながら屋上の扉を開けた。

アイキャッチA(殺気全開の零次)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-20 デュラハン死す! そして、新たな戦いへ

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-20 デュラハン死す! そして、新たな戦いへ

デュラハンの身体をライダースピンキックで貫いたイヴはその場に着地した。
そして、コアを貫かれたデュラハンの身体は徐々にひび割れ始めた。

「チキショー・・・ だが、忘れるなよ・・・ 俺を倒したくらいじゃ終わらないぜ・・・ いずれ・・・」

そう言うと、デュラハンは粉々に砕けた。
イヴ達はデュラハンが砕けたのを見ると静かに変身を解除した。
そして、零次は砕け散ったデュラハンの欠片のある場所に近づいた。

ダーククライムの本拠地、ダークホライズンではデュラハンの死を受けて、他のマスタークラウンが今後のことを話し合っていた。

「デュラハンは力はあったが知恵がなかっただけの話だ」
「そうね、夜叉の言う通りだわ。 そんなことよりも次は誰がガイアセイバーズに仕掛けるの?」
「なら、次は私が出向こう・・・」

マスタークラウンの一同は口々に話をしている。
そんな会話を聞き、ダーククラウン大首領が言葉を発した。

『静まれ・・・ 次は白澤、お前が仕掛けよ・・・』
「分かったぜ、ダーククライム大首領・・・ 俺のとっておきの奴らを使って奴を始末してやるぜ」

ダーククライムに白澤と呼ばれたマスタークラウンはそう言うと姿を消した。
それと同時に他のマスタークラウンも姿を消した。

ガイアセイバーズの面々は引き上げの準備と念のためにデュラハンの動向を探り終え、帰還することになった。

「左、お前達は後からセイバーズベースに来い」
「あぁ・・・ 分かった・・・」

翔太郎は背中の痛みを堪えながら返事をしていく。
そんな翔太郎の様子に天道も頷く。

「引き上げるぞ」
「あぁ」 「はい」

天道の言葉にガイアセイバーズメンバーは隊員専用の装甲車数台に次々乗り込んでいく。
零次が車内に乗り込もうとすると翔太郎が呼び止めた。

「零次・・・」
「何ですか、翔太郎さん?」

歯切れの悪い翔太郎の様子に零次は疑問を投げかけた。

「いやな・・・ お前はお前だ・・・ お前が戦うことを決断したならそれがお前の仕事だ・・・」
「えっ?」
「男の仕事の8割は決断だ・・・ あとはおまけみたいなもんだ・・・」

零次は翔太郎の言葉に頷き、右手を差し出した。

「翔太郎さんの言いたいこと、なんとなくですけど分かりますよ。 大丈夫、俺は自分の仕事を投げ出したりしませんから」
「あぁ、頼むぜ」

翔太郎はそう言うと零次が差し出した右手を握り締めた。
そして、その後、タンクに乗り込み、風都を後にした。

セイバーズベースに戻ってから零次はより一層訓練に励んでいた。
零次は自身の暴走で誰かを傷つけてしまうのではないかという想いを抱いてしまっていた。

「(今回はどうにかなったけど・・・ たぶん、次はこうはいかねぇ・・・ 今度、暴走したら仲間を傷つけちまう・・・ だから・・・)」

零次は思考をまとめるとさらに左右のパンチやキックを空に放っていく。
そして、さらに激しく動いていく。

「零くん。 少し休憩しない?」

零次がトレーニングをしていると梨杏が水筒を持ってきた。
しかし、零次は梨杏を一瞥するとすぐにトレーニングを再開した。

「零くん、少し休もうよ」
「悪い、梨杏・・・ 今はそんな気分じゃないんだ・・・」

梨杏は零次の言葉を聞き、左手を強く握り締めた。
もちろん、零次に怒っているのではなく、何もできないのが悔しいのだ。

「そっか・・・ じゃあ、頑張ってね・・・」

梨杏はそう言うと、水筒をその場に置き、立ち去った。

イヴとの戦闘の後もアダムはダークホライズンには戻らず宛もなくさ迷っていた。

「(私の中でバグが発生している・・・ いったい、あの映像は何だ・・・)」

アダムは自身の理解できない映像に困惑していた。
自身の知らない情報が自身を支配しようとしている状況が許せないのだ。

「お前は誰だ? 私に語りかけてくるな・・・」
(私は・・・かぐ・・・ゆき・・・)
「かぐ・・・ゆき・・・だと・・・ 私はそんな奴は知らん・・・ お前は何者だ!?」
(あなたの素体・・・ でも、そろそろ私に身体を返してもらうわ!!)

そう言うと、意識の中でアダムに語りかけていた女性の記憶がアダムの中を駆け巡り、アダムは完全に身体を支配されてしまった。

「零次・・・」

アダムの姿がいつもの女性の姿に戻るとそのまままた歩いていった。

零次はセイバーズベースに戻ってきてから数日、学校では普段通りにしているがトレーニングはいつもより激しく行っていた。
そして、以前は変身した状態でトレーニングをしていたが今は一向に変身しようとはしていなかった。

「ねっ、零次。 どうして、変身しようとしないの?」
「スバル・・・ 分かってたのか・・・」
「みんな、疑問に思ってるよ・・・」

スバルの言葉に零次は自分の手を見つめながら話し始めた。

「この前、暴走した時、俺は明らかにあの力に酔っていた・・・」
「でも、それは・・・」

スバルは零次の言葉に反論しようとしたがいい言葉が浮かばなかったのか、途中で止めてしまった。

「だから、使いこなせるようになるまで変身したくない・・・ 次に変身したら暴走しちまう・・・」
「零次・・・」

スバルは少し考えた後、自分の想いを話し始めた。

「あたしね・・・ 前に話した通り、普通の人間とは違う・・・ あたしも子供の頃からずっと自分の力が怖かった・・・」
「スバル、もう・・・」

零次がスバルを止めようとするとスバルは構わず話し続けた。

「だから、あたし、子供の頃はシューティングアーツの練習もしなかったしね・・・ 自分が痛いのも嫌だけど人を痛くするのも嫌だったから・・・」
「スバル・・・」
「えっと・・・ だからね・・・ 零次が戦いたくないなら無理して戦う必要ないよって言いたかったんだよ!!」

スバルの言葉に零次はつい大きな声で笑ってしまった。
それは、スバルを笑ったのではなく、自分自身を笑ったのだ。
自分らしくもなく、ウジウジ悩んでしまったのが恥ずかしいからである。
しかし、まだ心の奥では変身することへの怖れがあることを零次は悟っていた。

「(けど、なんとかしてみせる・・・ スバルにこんな辛い思いをさせたんだ・・・ これで何もできなきゃ男が廃るぜ・・・) ありがとな、スバル・・・」
「ううん、気にしないで。 頑張ってね、零次」

スバルはそう言うと零次に右手を突き出した。
零次は右手をスバルの右手に打ち合わせた。

「(零くん・・・ よかった・・・ でも、わたしにはできないことをあっさりやっちゃうなんてスバルは凄いや・・・ でも・・・)」
「悔しい?」

陰からスバルと零次の様子を伺っていた梨杏の背後からティアナが声をかけた。
梨杏はティアナに声をかけられたことに驚き、大きな声を出してしまった。

「どうしたの?」
「何だよ、梨杏?」

梨杏の声を聞いたスバルと零次が二人の下へ行くと梨杏はあたふたしだした。

「落ち着きなさいよ、梨杏。 そうだ、梨杏、スバル、あたしの格闘訓練に付き合ってよ」
「うん。 いいよ、ティア」
「わたしも付き合うよ」

ティアナは二人の返事を聞くと二人を連れてトレーニングルームへ向かった。
零次も仕方なく付いていくことにした。

ダーククライム大首領からイヴ抹殺を命じられた白澤はあるサイクロプスを呼び出していた。

「キャットサイクロプス・マウラ、ラウラ、出てこい」
「お呼びですか、白澤様?」
「俺達を呼ぶなんて珍しいな、白澤様?」

キャットサイクロプスは白いマウラ、黒いラウラの2体のサイクロプスなのである。

「お前らに頼みたい仕事がある」
「何でしょうか、白澤様?」
「マウラ、ラウラ。 お前らの毒でイヴを抹殺してもらいたい」

白澤の言葉にマウラは意味ありげに頷いた。

「我らが同胞をことごとく蹴散らしている仮面ライダーイヴ・・・ いずれは我らの手で始末しようと考えていましたので問題ありませんよ・・・」
「そうだぜ。 イヴなんざ俺らの毒で始末してやるよ」

そう言うと、マウラとラウラは早速行動を始めた。

梨杏とスバルに格闘技の訓練を手伝ってもらいながら、ティアナは二人に話しかけていた。

「ねぇ、梨杏? 零次ってあんな深く悩む奴なの??」
「あそこまで悩んでるところは見たことないよ・・・ 自分の力に怯えてるみたい・・・」
「まるでじゃないよ・・・ 零次は自分の力に怯えてるんだと思う・・・ あたしもそうだからよく分かるよ・・・」

スバルの言葉に梨杏とティアナは手を止めた。
スバルは二人の反応にオーバーな動作で誤魔化そうとしていく。

「あぁっ! ごめんっ! 気にしないでっ!!」
「ちょっと落ち着きなさい。 別にあたしも梨杏もあんたの気持ちのことまでどうこう言うつもりはないわよ。 けど、自分を卑下したような物言いは止めなさいよ」
「そうだよ! スバルは凄く強くて優しい子なんだから! それに、零くんはきっと大丈夫だよ!!」

梨杏の力強い言葉にスバルとティアナは頷いた。
そして、話はティアナの格闘技術についてにシフトしていった。

零次は学校で授業を受けている間も自分の力をどう使えばいいのか考え続けていて、まったく授業に身が入っていない。

「(どうすれば俺の力を使いこなせるようになるんだ・・・)」
「さ・・・ さわ・・・沢井!!」

零次はクラスメートが自分を呼んでいることに気づくと慌てて応対していく。

「あっ? えっと・・・ 何だっけ??」
「おいおい・・・ 大丈夫か、沢井? 次、体育だぜ・・・ 女子の着替え、覗くつもりかよ??」

クラスメートの一人、中村の言葉に零次は今の状況を理解した。
自分がぼーっとしていたため、女子が着替えられなかったのである。

「わりぃ・・・ すぐ出てくから・・・」

零次はいそいそと準備を済ませ、教室を飛び出した。

零次は別のクラスの教室に向かいながらまた考えに耽っていた。
しかし、中村とクラスメートの佐藤、石田が零次の腕を抱えて運ぼうとしているのに気づくと三人を振り払った。

「何してんだよ!?」
「それはこっちのセリフだっての・・・ なんか、今日のお前、変だぜ・・・」
「うん、そうだね。 いつもはもっとお気楽なキャラなのに」

佐藤と石田の言葉に零次はハッと気づかされた。
自分が自分らしくできていないということに・・・

「悪い・・・ ちょっと考え事しててな・・・」
「なぁ、沢井。 悩みがあるなら俺らに話せよ」
「そうだな。 また話すよ」

中村と零次がそんな話をしていると石田がとある話を切り出した。

「ねぇねぇ、零次、知ってる? 新しい転校生の話」
「転校生? こんな時期に珍しいな。 どんな奴なんだよ??」

零次の問いかけに石田は自身のメモ帳(東山学園美少女列伝)を取りだしてから答えていく。

「名前はスバル・ナカジマちゃんとティアナ・ランスターさん、二人ともおっぱいが大きくてとってもかわいいんだ。 スバルちゃんはボーイッシュな女の子でティアナさんは凄く大人っぽい人だったよ!!」
「あははは・・・ (スバルに関しては石田の調査通りだけどティアナに関しては調査が甘いぜ・・・ あいつはいわゆるツンデレって奴だからな・・・)」

零次は石田の論説を聞きながらそんなことを考えていた。

「くしゅん!」
「ティア、どうしたの? 風邪??」
「んなわけないでしょ! 誰かが悪口でも言ってるんでしょ」

東山学園に転校(ということにした)の挨拶に来ていたティアナは零次の考えが伝わったのか、くしゃみをしていた。
そして、スバルと話しながらティアナは零次を真っ先に疑っていた。

アイキャッチA(悩める零次)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-19 デュラハンの最期

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-19 デュラハンの最期

ダーククライム大首領によって死の紋章を刻まれたデュラハンは焦っていた。
ダーククライム大首領が与えてくれたチャンスを逃すようなことになれば間違いなく消されてしまう。

「(まずいことになったぜ・・・ ダーククライム大首領のことだ、俺が失敗したり逃げたりすればその場で殺してくるだろう・・・)」

そんなことを考えていたデュラハンの下にダーククライム戦闘員が戻ってきた。

「デュラハン様、あいつらの弱点が分かりました」
「で、そいつは誰だ?」

デュラハンの問いかけにダーククライム戦闘員はすぐに答えていく。

「あいつらの事務所の所長、鳴海亜樹子・・・ こいつは二人のガードがきつい上にこの街に来たガイアセイバーズどもと合流するため、危険でしょう・・・」
「駄目じゃねぇか!!」

デュラハンの激昂にダーククライム戦闘員は怯えてしまった。
そこへ負傷を癒したトライバル・エンドが現れた。

「デュラハン・・・ では、左翔太郎の知り合いの刃野幹夫という男はいかがです・・・」
「トライバル・エンド・・・ てめぇ、何で、そんなことを俺に教える?」
「あなたには助けてもらった借りがありますからね・・・」

そう言うと、トライバル・エンドは姿を消した。

翔太郎達はリボルギャリーを走らせ、鳴海探偵事務所の地下室に戻ってきていた。

「それにしても、大変だったんだな・・・」
「そんなことないですよ・・・ それに、ガイアセイバーズのみんなのフォローもありますし・・・」

零次と翔太郎は自分達の情報を交換する意味も含め、何気ない話をしていた。

「さぁ、事務所へ戻ろうか」

フィリップはそう言うと、さっさと事務所へ戻っていった。
梨杏達もそれに続いていく。
しかし、事務所には誰もいなかった。

「どういうことだ、これ?」
「亜樹ちゃんの身に何かあったのか・・・」

フィリップが翔太郎の言葉に自分の推測で言葉を返した時、事務所の扉が開き、亜樹子が戻ってきた。

「あっ、二人とも帰ってたんだ。 なら、連絡してよ」
「お前こそどこ行ってたんだよ? 心配しただろ」

翔太郎の言葉に亜樹子は苦笑いを浮かべながら答えた。

「それが・・・さっきガイアセイバーズの人達、っていうか、天道さんが来て・・・」
「つまり、天道総司達がビリヤード場にいるってことだね、亜樹ちゃん?」

フィリップの問いかけに亜樹子が頷いた。

「じゃあ、とっとと天道に今までのこと、報告しようぜ」
「今までのこと?」

翔太郎の言葉に亜樹子は疑問に思い、尋ねるが翔太郎はそれをあえて無視した。
すると、亜樹子はどこからか取り出したスリッパで翔太郎の頭を叩いた。

「いってー!! 何すんだよ!」
「あたしのこと、無視するからよ。 それより、何があったの?」
「そのことは天道達に報告する時に話す。」

そう言うと、翔太郎はさっさとかもめビリヤード場へ向かった。

「なぁ、真倉」
「何ですか、刃野さん?」

風都署の一室で真倉俊と上司の刃野幹夫がぼんやりと話していた。
ガイアメモリによる事件がなくなった今では彼らの仕事はそれほどないのである。

「暇だなぁ・・・」
「そうですね・・・」
「なら、俺が暇じゃなくしてやるよ」

刃野と真倉は声のした方を見た。
そこには、茶髪でボサボサな髪をした男がいた。
真倉はその男を追い返そうと近づいていく。
しかし、男は真倉の胸ぐらを掴むとそのまま投げた。

「雑魚に用はねぇ・・・ 刃野ってのはてめぇか?」

男は刃野に近づきながらそう尋ねた。
刃野は頷きながら投げられた真倉に近づき、様子を伺っていく。
どうやら、真倉は気絶してしまったようだ。

「なら、話は早ぇ・・・ 俺と一緒に来てもらおうか?」
「もし、断るって言ったら?」

刃野は目の前の男が普通の人間だと思っているようだ。

「そう言ったら・・・ てめぇの首が身体とお別れすることになるぜ・・・」

男はそう言うと、自身の身体を変化させた。
その姿は岩の竜人そのものだ。
そう、風都署に現れた男の正体はデュラハンだったのだ。

「な、な、な、なんじゃこりゃあーー!!」
「うるせぇなぁ・・・ てめぇには俺らに付いてきてもらうぜ・・・」

デュラハンがそう言って指を鳴らすとダーククライム戦闘員がマシンガンなどを持って現れた。
刃野は笑いながらその場から離れようとしていくがデュラハンが指を鳴らし、一人のダーククライム戦闘員がマシンガンを発砲した。

「な、な・・・」
「分かったらとっと俺達に付いてこい・・・ 殺されたくねぇだろ・・・」

デュラハンがそう言うと刃野は首を縦に振り、デュラハンの指示に従った。

翔太郎達はかもめビリヤード場で天道達にこれまでにあったことを話した。

「なるほど、やはりイヴが暴走したか」
「やはりってどういうことだよ、天道?」

翔太郎は天道の言葉に疑問を抱き、尋ねていた。
天道は翔太郎の疑問に答えを出した。

「以前、零次が初めてイヴに変身した時も今回と同じ波長のエネルギーが検知された。 そして、今回は零次は死にかけていたところから変身したんだろう?」
「そういうことかよ・・・ 零次はつまり死にかけた時なんか暴走するんだな・・・」

翔太郎は天道が答えたことに言い様のない怒りを感じていたのだ。

「しかし、天道総司・・・ 君はこれからどうするんだい?」
「どうするとはどういう意味だ、フィリップ・・・」

フィリップの問いかけに天道は質問で返した。
フィリップはさらに言葉を続けた。

「沢井零次、いや、仮面ライダーイヴはダーククライムが作ったライダーだ。 おまけに暴走して敵味方関係なくなる。 そんな獣を置いておくつもりかい?」

フィリップの言葉に天道の表情がわずかに変わった。しかし、すぐに表情を戻すとフィリップの言葉に答えていく。

「今すぐどうこうするつもりはない・・・ 零次がいくら暴走しようと零次であり続ける限りな」

天道の言葉にフィリップに詰め寄ろうとしていたスバルの動きが止まった。

「一度や二度、いや、何度暴走しようと俺達が止めればいい。 フィリップ、お前は俺がこう言うことを予想していたんだろう」
「まったく・・・ 君という男は僕の知っている知識を軽々と超えてくれるから面白い」

フィリップは天道が言うであろう言葉を予想してはいたがそれ以上の答えが返ってきたため、嬉しくて仕方ないという表情を浮かべた。
そして、空気が穏やかになり、今後の作戦を立てた。

デュラハンは刃野を拐った後、翼町の廃工場に潜伏していた。

「さて、あとはあいつらが俺の落としたメッセージに気づくかどうかだな」
「何で、俺をこんなところに連れてきたんだ?」

刃野の質問にデュラハンは笑いながら答えていく。

「それはなぁ・・・ てめぇがあの探偵と知り合いだからだよ・・・」
「探偵? 翔太郎のことか!?」

刃野の語気を荒げた質問にデュラハンは笑いながら頷いた。
しかし、それは友好的なものではない。

「あいつらが余計なことしなけりゃ俺は死の恐怖に怯えなくて済んだんだよ! それをあいつらのせいで!!」

デュラハンはそう言うと辺りに岩の弾丸を乱射した。
その岩の弾丸がダーククライム戦闘員にも刺さっていたがデュラハンはまったく気にしていないようだ。

「だから、てめぇと俺を餌に連中を引きずり出すんだよ・・・」

デュラハンはそう言ってからその場を後にした。

翔太郎達は今後デュラハンをどう追っていくかを議論していた。

「奴は周囲の岩や土などを吸収し、自身の鎧にしていた・・・ つまり、奴の本体はさほど丈夫ではないと言っていいだろう・・・」
「いつにもなく冴えてるな、フィリップ」
「これくらいは常識だろう、左・・・」

フィリップの立てた推論に翔太郎が感想を述べるとそれを聞いていた竜がツッコンでいった。

「なら、奴の鎧を引き剥がし倒すしかないだろうな」
「零次、お前はどうする?」

天道の言葉を聞いた暁は零次にどうするのかを尋ねていた。
その言葉に全員の視線が零次に向いた。
零次はその視線に怯むことなく、自分の言葉で答えた。

「俺は・・・戦う・・・ もし・・・俺が暴走して止まらなくなったら俺のことを倒してくれ・・・」

零次の覚悟を決めた言葉に全員の表情が柔らかくなった。
そして、話は進んでいく。
しかし、その話もある人物によって中断されることになる。

「探偵ーー!!」
「どうしたんだよ、マッキー?」

翔太郎達の下を訪ねてきたのは刃野の部下、真倉だった。

「刃野さんが拐われちまったんだよ!」
「刃さんが拐われた!?」

翔太郎は真倉の言葉に動揺してしまい、声を荒げてしまった。
しかし、すぐに自分を落ち着かせると真倉に詳細を尋ねた。

「つまり、ガタイのいい男が来て刃さんを拐っていったと・・・」
「そ、そうなんだ! なぁ、探偵!? あいつ、一体何なんだよ!!?」

真倉は事態が掴めず、混乱しているようだ。
混乱している真倉を安心させるように竜が真倉の肩を叩いた。

「心配するな、真倉。 刃野は必ず俺が助け出す」
「照井課長・・・ お願いします・・・」

真倉の声を押し殺しての願いに竜やガイアセイバーズの面々も力強く頷いた。

「真倉刑事、何か遺留品がありませんでしたか?」
「どういうことだよ、探偵の相棒?」
「もし、遺留品が残っていれば奴の居場所が分かる」

フィリップの言葉に真倉は自身が持ってきていたコンクリートのかけらをフィリップに渡した。

「これが遺留品ですね?」
「あぁ・・・ たぶんだけどな・・・」

フィリップはその言葉を聞くとすぐに検索を始めた。

「知りたい項目はデュラハンの居場所だよね? キーワードはこのコンクリート片・・・」

フィリップは自身の意識を地球の本棚へ飛ばし、デュラハンの居場所を検索しているのだ。
そして、真倉が持ってきたコンクリート片からデュラハンの居場所を特定することができた。

「翼町の廃工場に奴がいるはずだ」
「その根拠は何だ、フィリップ?」

フィリップの特定した場所に疑問を抱いた竜がそう尋ねていた。
その疑問にフィリップは自身の仮定を話した。

「僕が奴の居場所を特定した理由は二つ。 まず、一つ目に考えたことは奴が刃野刑事を拐ったということは奴にはもう後がないということだ」
「そうでなければ刃さんを拐う必要がないってか?」

翔太郎がそう尋ねるとフィリップは頷いた。
そして、フィリップはさらに自身の仮定を続けた。

「さらに、二つ目は奴はその状況でおそらく自身の身体を強化してくるはずだ。 これは僕の推論だが・・・」

フィリップの言葉にその場にいた全員は頷いた。
そして、拐われた刃野の救出とデュラハン打倒のために行動を開始した。


アイキャッチA(ガイアセイバーズ勢揃い)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-18 イヴ暴走!!

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-18 イヴ暴走!!

変身を解いた零次と翔太郎、バリアジャケットを解除したスバルはダーククライム戦闘員にマシンガンを突きつけられながら歩かされた。
そして、どこかの廃工場に連れて行かれ、零次は水槽のようなものの上にロープで吊るされ、翔太郎達は近くの柱にロープで縛られた。

「なぁ、一つ聞いていいか・・・」
「どうしたって言うんだよ、沢井零次」

零次は静かにデュラハンに自分が疑問に思っていたことを尋ねた。

「何で、ティアナの足と腕を傷つける必要があった・・・」
「あぁ、それかぁ・・・ この女が俺に抵抗してきやがったからだよ」

デュラハンの言葉に零次は強い怒りを感じたのか、自分が吊り下げられているロープなど関係ないかのように暴れた。
しかし、そんな様子を見たデュラハンが大きな声で笑っていく。

「あはははは!! そうか、そうか。 てめぇはそんなことで怒んのか」
「何がおかしい!!」
「いやいや、失敬失敬。 あの女を痛めつけたのは雑魚のくせにこの俺に傷をつけやがったからだよ」

デュラハンは零次の表情がますます怒りに包まれていくにも関わらず平然とそう言いきった。

"ティア・・・ ティア! 大丈夫!?"
"うっさいわね・・・ あんたの大声のせいで目が冴えちゃったじゃない"

スバルは少し苦しそうだがいつもの調子でティアナが答えてくれたことが嬉しくなった。

"ねぇ、ティア。 アーヤ達はどうしたの?"
"彩達には素早く逃げるように指示したし、あの子達もすぐにそれに対応してくれたわよ・・・ あたしは時間稼ぎをするつもりだったんだけど、この様よ・・・"

スバルはこんな時だがティアナの迅速な判断に感心した。

「さてと、俺はイヴ、てめぇが死に怯える姿を見学させてもらうぜ」

そう言うと、デュラハンは近くのドラム缶の上に座った。

一方、ティアナの指示で逃げていた梨杏達は偶然にも鳴海探偵事務所の前に着いていた。
しかし、そこでダーククライム戦闘員に囲まれてしまった。

「アーヤ、どうしよう?」
「やるしかないよ、りーちゃん! ユメちゃんとタマちゃんを守れるのはボク達だけだもん!!」

梨杏は彩の力強い言葉に闘志を燃やしていく。
しかし、そこへ一振りの剣が飛んできて、一人のダーククライム戦闘員を捉えた。

「何だ、お前ら?」
「貴様こそ何だ!?」

やってきた男、照井竜はダーククライム戦闘員の言葉に怒りの表情になった。

「俺に質問をするな!!」

竜はそう言うと、自分の剣、エンジンブレードが刺さっている戦闘員のところへ行き、戦闘員に刺さったエンジンブレードを強引に抜いた。

「面倒な奴らだ・・・ まとめて片付けてやろう」

竜は自分のドライバー、アクセルドライバーを取り出すと腰に装着した。
そして、アクセルのメモリを取りだし、起動させた。

「変・・・身!!」
『ACCELE』

竜が起動したアクセルメモリをアクセルドライバーに装填し、右側のグリップをひねることで仮面ライダーアクセルに変身した。

「さぁ! 振り切るぜ」

アクセルはそう言うと、地面に刺していたエンジンブレードを力強く抜き、構えた。
ダーククライム戦闘員も手にナイフを持ち、アクセルに斬りかかっていく。
しかし、アクセルはダーククライム戦闘員の太刀筋を見切り、かわしてからエンジンブレードを叩きつけるようにしていく。
すると、エンジンブレードの重さでダーククライム戦闘員の身体はあっという間に真っ二つになり、消えた。

「凄い・・・ 圧倒的な強さだよ・・・」
「うん、そうだね・・・ っていうか、あんなに重そうな剣を振り回してるんだもんね・・・」

梨杏と彩はアクセルの圧倒的な強さに感心している。
二人がそんな会話をしている中、アクセルはさらにダーククライム戦闘員を蹴散らしていた。

「くそっ・・・」
『VIOLENCE』
『BIRD』

追い詰められたダーククライム戦闘員は懐からガイアメモリを取り出した。
そして、そのガイアメモリを起動させ、ドーパントに姿を変えた。

「ドーパントか・・・ なら・・・」
『ENGINE』

アクセルはエンジンメモリを起動させ、それをエンジンブレードに装填していく。
すると、エンジンブレードの刀身に炎が宿った。
そして、アクセルはエンジンブレードで2体のドーパントに斬りつけていく。

「喰らえっ!!」

バードドーパントは空へ逃げ、羽根手裏剣でアクセルに襲いかかっていく。
しかし、アクセルは落ち着きながら回避していくとエンジンブレードのトリガーを引いた。

『JET』

アクセルはエンジンブレードの機能の一つであるジェットの能力を使い、高速の斬撃による衝撃をバードドーパントの羽根手裏剣に叩きつけた。
さらに、エンジンブレードのトリガーを引き、新たな能力を発動させていく。

『STEAM』

高温の蒸気が発生し、アクセルの姿が見えなくなった。
しかし、アクセルはその蒸気の中を駆け抜けながらまたエンジンブレードのトリガーを引いた。

『ELECTRIC』

すると、エンジンブレードの刀身に電撃が走り、アクセルはエンジンブレードを叩きつけるようにバードドーパントとバイオレンスドーパントを切り裂いていく。

「終わりだ・・・」
『ENGINE MAXIMUM DRIVE』

エンジンブレードの刀身に凄まじいエネルギーがほとばしったかと思うとアクセルは素早く2体のドーパントに接近し、Aの軌跡を描くように斬撃を放った。

「絶望がお前達のゴールだ・・・」

アクセルの言葉とともに2体のドーパントが爆発し、元の戦闘員の姿に戻っていた。

「さて、貴様らが何なのかを吐いてもらおうか」

変身を解除した竜が近づきながらそう言ったと同時に戦闘員が悶え始め、泡のようになり消えてしまった。
しかし、その場には通常とは形の違うガイアメモリの残骸が落ちていた。

「さて、お前達は何の用でこんなところへ来たんだ?」

竜の質問に彩達が答えようとした時、ふらつきながらフィリップがやって来た。
竜はフィリップの姿を見ると慌てて駆け寄った。
しかし、フィリップは安心したのか、意識を失ってしまった。

デュラハンに捕まっている翔太郎達は小声で話していた。

「大丈夫か、ティアナ?」
「足と腕が痛くて辛いわよ・・・」
「これからどうするんですか、翔太郎さん?」

三人が小声で話しているのを聞いたデュラハンが左手から岩の槍を飛ばした。
それはティアナと翔太郎の間に刺さった。

「なぁ、てめぇら・・・ まさか、助かるなんて思ってねぇよな?」
「さぁ、どうだろうな・・・ というより、何で俺達を生かしてやがる・・・」

翔太郎の問いかけにデュラハンは不気味な笑みを浮かべてから答えた。

「てめぇらに沢井零次が死ぬところを見せてから殺してやるためさ」
「つまり、俺達は零次にとっての人質ってことかよ・・・」
「鋭いな・・・ 俺は感心したぜ・・・ けどな、お前らが先に死なないってことはねぇんだぜ・・・ まっ、俺の機嫌を損ねねぇことだな」

デュラハンはそう言うと、その場を後にした。
もちろん、ダーククライム戦闘員がマシンガンやハンドガンを構えながら見張っているため、下手に動けない。

鳴海探偵事務所では意識が戻ったフィリップと竜、彩と梨杏が作戦を練っていた。

「俺が正面から行く。 フィリップ達は裏から行け」
「分かった。 じゃあ、行こうか」

そう言うと、フィリップは早速準備を始めた。

デュラハンは零次達の様子を見ながら苛ついていた。

「てめぇら! 何で、絶望しねぇ!!」
「はん! あいにく、俺は諦めるのが嫌いなんだよ!!」

デュラハンの言葉に零次が答えると苛立ちをぶつけるように辺りに岩の槍を乱射していく。

「それに俺はまだてめぇに殺されたわけでもねぇ。 なのに、諦めるのなんざごめんだぜ!!」
「そうか・・・ なら、死ねよ・・・」

そう言って、デュラハンが岩の槍を放とうとした瞬間、一人のダーククライム戦闘員が駆け込んできた。

「デュラハン様、大変です! 仮面ライダーが一人でここに!!」

戦闘員の言葉にデュラハンは廃工場の外に出た。
外にはアクセルがエンジンブレードを下向きに持った状態で倒れた戦闘員の真ん中に立っていた。

「てめぇは何なんだ?」
「俺は仮面ライダーアクセル・・・ 貴様を絶望というゴールへ送る者だ・・・」

デュラハンの問いかけにアクセルが静かに答えるとデュラハンはそんなアクセルの様子に腹を立てた。

「うぜぇんだよ!!」

デュラハンはアクセル目掛けて岩の槍を乱射していく。
しかし、アクセルはその槍を打ち落としていく。

「無駄だ・・・ 俺は弱くはないぞ・・・」
「はん! てめぇが強いって言うんなら俺はもっと強いぜ」

デュラハンは岩の槍を伸ばして両手で持つと槍術のように振るっていく。
アクセルはデュラハンが振るう岩の槍をかわし、エンジンブレードで斬りつけていく。
しかし、デュラハンにはまったく効き目がないのか、デュラハンの勢いは決して止まらない。

「てめぇのちんけな攻撃じゃあ俺には効かねぇぜ・・・」
「なら・・・」
『ENGINE』

アクセルはデュラハンとの距離を離すとエンジンメモリをエンジンブレードに装填し、能力を上げた。

「ほぅ・・・ それでも、てめぇは俺には勝てねぇんだよ・・・」

デュラハンはそう言うと、アクセルとの距離を詰めていく。
そして、岩の槍を棍棒くらいの大きさにすると上から振りかぶって叩き落とすように振り落とした。
アクセルはその軌道を読み、小さな動きでかわしていくがデュラハンはお構い無しに岩の棍棒を振るっていく。

「どうした、逃げてるだけじゃ勝てねぇぞ」
「うるさい奴だ・・・ 黙らせてやろう・・・」
『ELECTRIC』

アクセルはエンジンブレードのトリガーを引き、刀身に電撃を纏わせていく。
そして、デュラハンにエンジンブレードを振り下ろしていく。
しかし、デュラハンは岩の棍棒を槍に変えるとエンジンブレードを弾き、アクセルの身体を突いていく。

「ぐあっ・・・」

アクセルのスーツが頑丈なため、竜の肉体に槍が到達することは今のところではない。
しかし、いつ、デュラハンの槍が自身の身体を貫くかめしれないという緊張感にアクセルの動きが僅かに鈍ってしまった。

「はん! これでも喰らえ!!」

デュラハンはアクセルの動きが鈍った瞬間に岩の槍でアクセルを工場内へ弾き飛ばした。

「照井!!」

吹き飛ばされてきたアクセルを見て、翔太郎が声を荒げた。

「左か・・・ なんて様だ・・・」
「お前もな、照井・・・」

翔太郎の言葉にアクセルは少し頷いた。
デュラハンが工場の中へ入ってきた。

「ははは・・・ そろそろ、てめぇらも終わりだぜ・・・」

デュラハンはそう言うと、岩の弾丸をアクセル目掛けて放とうとした。
しかし、そのタイミングで飛んできたバットショット(ライブモード)が強烈な光を放つとデュラハンがよろめいた。
さらに、スタッグフォン(ライブモード)がデュラハンの近くの電線を切り、その電線がデュラハンの足下の水溜まりに触れた。

「がああああああっ!!」

デュラハンの身体に水溜まりを伝って高圧電流が流れた。
そのダメージからデュラハンがぐらついた。

「翔太郎、お待たせ」

翔太郎達のところへ来ていたフィリップはそう言うとすぐに翔太郎達を縛っていたロープをほどいた。

「遅かったな、相棒」
「すまない・・・ 少し疲れていたからね・・・」

翔太郎とフィリップは並んで立つとデュラハンの様子を見た。

「てめぇら・・・ 全員ぶち殺してやる・・・」

デュラハンはそう言うと、ダブルドライバーとマッハキャリバー、クロスミラージュが置かれた場所へ岩の弾丸を乱射した。


アイキャッチA(照井竜、仮面ライダーアクセルへ変身!)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-17 デュラハンの罠

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-17 デュラハンの罠

彩達が4日間のテスト休みを利用して、零次達に会いに来ていた。
せっかくなので、休日を利用して買い物へ行こうとしていた。

「けど、テスト休みをこっちで過ごしていいわけ? 友達と遊びに行ったりしないの??」
「ふぇ? 友達と遊びに来てるよ??」

ティアナの疑問に彩は質問で返した。
その様子を見ていた零次達は笑っている。

「それで、今日はどこに行きたいの?」
「えっとね・・・ 何だっけ、タマちゃん?」
「ウィンドスケールよ、ウィンドスケール」

ウィンドスケール(WINDSCALE)とは風の街、風都を中心に店舗展開しているアパレル関係のショップのことである。

「ウィンドスケール!? わたし、そこ行ってみたかったんだぁ・・・」

梨杏は珠音達が行こうとしていた場所を知ると自然とテンションが上がっていた。
多少、おしゃれに興味のある女の子ならウィンドスケール(WINDSCALE)は押さえておくべき場所なのである。

「ねぇ、さっきから言ってるウィンドスケールって何よ?」

先程からの話に付いていけなくなっていたティアナは梨杏達にウィンドスケールについて尋ねていた。
ティアナ達はまだ地球に来たばかりなのでファッションについて知らないことが多い。

「ウィンドスケールっていうのは風都っていう街を中心に店舗展開してるショップのことよ。 結構、素朴なデザインなんだけどそこがまたいいのよ」

珠音の説明にスバルは頷き、ティアナは納得したような表情をしていた。

「じゃあ、とりあえず風都に行こっか」

梨杏の言葉に彩達は頷き、すぐに準備を始めた。

「気だるい昼下がりだぜ・・・ 昨日の死闘が嘘のようだ・・・」
「翔太郎くん、黄昏てる暇があったらミミちゃん探してよ!」

風都、鳴海探偵事務所では相変わらずの日常があった。

「あのなぁ、亜樹子。 何で、最近、ペット探ししか仕事の依頼がないんだよ!?」
「仕方ないでしょ! 翔太郎くんが言う『ハードボイルド』な事件なんて今の風都じゃ起こらないんだから!!」

亜樹子と翔太郎が言い争っていると寝ていたはずのフィリップが起きてきていた。

「君達、静かにしたまえ。 うるさくて眠れないじゃないか」
「「すいません・・・」」

フィリップの言葉に二人は謝っていく。
それを聞いたフィリップはまた寝るために自分のベットへ戻った。

「お前なぁ・・・ もっと仕事選べって言ってんのが分かんねぇかな?」
「仕事選べる立場なわけ? 翔太郎くんの好みの仕事ばっかり選んでたらこっちは死活問題なのよ」

亜樹子は翔太郎に事務所の出納帳を見せた。

「な、何だよ・・・」
「何だよって何よ! 今月、翔太郎くんが買ったハードボイルド小説、いくらしたと思ってるわけ!?」

翔太郎は亜樹子から問い詰められると視線を逸らした。
そんな翔太郎の様子に亜樹子はこめかみに青筋を浮かばせながら笑った。

「ふーん・・・ じゃあ、今月の翔太郎くんの月給からもらっておくわね」

亜樹子の言葉に今度は翔太郎が詰め寄る。

「亜樹子! 何で、お前がうちの経費管理してんだよ!?」
「わたしが所長だからでしょ!?」

亜樹子の言葉に翔太郎はばつが悪くなったのか、事務所を後にした。

零次達は電車に乗り、風都まで来ていた。

「ここが風都かぁ・・・ 初めて来たなぁ・・・」
「ほんとだねぇ・・・ あれが風都タワーかぁ・・・」

梨杏と零次は間近で見る風都タワーの大きさにため息混じりに感想を言っていた。
スバルやティアナ達は言葉もなくただ風都タワーを見つめるだけだった。

「そんなに風都タワーが珍しいかい、お嬢さん方」

彩達の後ろから一人の男が声をかけた。
全員はその男の方を一斉に向いた。

「そんな顔しないでくれよ。 俺は左翔太郎、この街のハードボイルド探偵さ」
「「ハードボイルド??」」

彩とスバルは翔太郎が言った『ハードボイルド』という言葉が理解できなかったのか、首を傾げた。

「ハードボイルドっていうのは・・・」
「ハードボイルドっていうのはどんなことにも揺らがない鉄の意思を持った男性のことですよ」

翔太郎の言葉と重なるように由芽がスバルと彩にハードボイルドについて説明していく。

「なるほど~ ほんとに由芽は物知りなんだね~」
「ほんとだよ~ さすがユメちゃん!」

二人が由芽を誉めると由芽は照れくさそうにはにかんだ。

「まっ、そういうことだ。 つまり、俺みたいな奴のことさ」
「冗談でしょ? 初対面の女の子にナンパするようなのがハードボイルドって言えないわよね」

翔太郎の取り繕った言葉にティアナが鋭くつっこみを入れ、珠音も頷いていた。翔太郎は少しへこんだ顔をしたがすぐに表情を戻した。

「ところで、今日は何でこの街に来たんだ?」
「あたし達、ウインドスケールに行こうと思ってて」

翔太郎は珠音の言葉に表情を変える。

「ウインドスケールになら俺が案内するぜ」
「ウインドスケールの場所、知ってるんですか?」
「もちろんだ。 俺の帽子もウインドスケール製だからな」

そう言うと、翔太郎は珠音達に自分の帽子を見せた。そんなことをしていると翔太郎が持っている携帯が鳴った。

「あっ、フィリップか? どうした??」
『翔太郎・・・ 今すぐメモリを使ってくれ』

翔太郎に電話をかけてきたのは彼の相棒のフィリップだった。

「何かあったのか?」
『ダーククライムの神官でトライバル・エンドっていう奴に襲われてる・・・』

フィリップの言葉に翔太郎の表情が変わった。
零次は翔太郎の持つ携帯、スタッグフォンから聞こえてきた名前に表情を変えた。

「分かったぜ、フィリップ。 じゃあ、ファングジョーカーで行くぜ」

翔太郎はそう言うとUSBメモリーのようなものを上着の内ポケットから取り出し、それを起動させた。

『JOKER』

翔太郎の持つ、ジョーカーのガイアメモリが地球の声、ガイアウィスパーが鳴り響いた。
翔太郎の腰にはドライバーが装着されていた。

一方、フィリップが何故トライバル・エンドに狙われたのか、話は数分前に戻る。

「亜樹ちゃん、翔太郎はどうしたんだい?」
「翔太郎くんなら出かけたわよ」

少し不機嫌さが残る感じで話す亜樹子にフィリップはくすりと笑った。

「あっ、そうだ。 フィリップくん、風花饅頭買ってきてくれない?」
「あぁ、いいよ。 ちょうど、外の空気が吸いたかったところだからね」

フィリップは亜樹子からお金を受け取り、出かけた。

そして、その後でトライバル・エンドに襲撃されたのである。

「あなたがフィリップさんですね・・・」
「君がダーククライム神官、トライバル・エンドだね?」

フィリップの問いかけにトライバル・エンドは仮面越しに笑って答えた。
フィリップは後ろへ後退しながらタイミングを待つ。

「(まだドライバーが装着されていない・・・ 翔太郎、早くしてくれ・・・)」
【(悪かったな、遅くなってよ・・・ 行くぜ、フィリップ!)】

フィリップは自分の身体にダブルドライバーが装着されていることに気づき、後退を止めた。

「君が知っていることを教えてくれないかな?」
「わたしの知っていること・・・ 何ですか、それは・・・」

トライバル・エンドはフィリップの問いかけに惚けながらフィリップとの距離をゆっくり詰めていく。

一方、翔太郎が装着したドライバーにジョーカーメモリを挿入した。
すると、そのメモリが転送され、翔太郎の身体が倒れた。

「ちょっと、翔太郎さん!?」
「おい、あんた!!」

突然倒れた翔太郎に零次とスバルが詰め寄り、その身体を揺らしていく。
しかし、意識ごとジョーカーメモリを転送した翔太郎の身体が反応することはない。

「では、あなたを壊して地球の記憶、地球(ほし)の本棚をいただくとしましょう・・・」

トライバル・エンドはそう言うとフィリップに向けて剣を振るった。
しかし、その剣がフィリップを貫くことはなかった。
何故なら、彼を恐竜の姿をした機械が守ったからだ。

「来い、ファング!!」

フィリップの言葉にファングと呼ばれたメカ恐竜はフィリップの下へ駆け出し、彼の下へ行った。
フィリップはファングを変形させた。
フィリップが持つファングとは彼を守るために造られた自動行動型のガイアメモリなのである。
そして、ガイアメモリとしてのファングは牙の記憶を有している。

「【変身!!】」

フィリップはファングメモリを起動させるとそれをダブルドライバーのソウルサイドに装填した。
そして、ファングメモリを変形させた上でダブルドライバーを展開して変身していく。
すると、フィリップの身体が仮面ライダーW(ダブル)・ファングジョーカーに変わった。

「【(さぁ、お前の罪を数えろ!!)】」
「それがダブルの切り札ですか・・・」

トライバル・エンドの言葉に答えず、ダブル(ファングジョーカー)は勢いよくトライバル・エンドとの距離を詰めていく。
トライバル・エンドは距離を詰めてくるダブル(ファングジョーカー)に剣を振るっていく。
ダブル(ファングジョーカー)はトライバル・エンドの剣を右腕で防ぐと左手でタクティカルホーンを一回弾くと右腕からアームファングが現れた。

【てめえの剣なんか効かねぇんだよ!!】

ダブル(ファングジョーカー)の左目が赤く点滅すると翔太郎の声が発せられた。
トライバル・エンドはダブル(翔太郎)の言葉に何も言わずに剣を振るっていく。
しかし、ダブルはその太刀筋を見切り、かわしていく。

「君の剣さばきなど僕らには通用しないさ!」
【お前もここまでだぜ】

仮面ライダーW(翔太郎・フィリップ)の言葉にトライバル・エンドは何も言わずに剣を振るっていく。
しかし、ダブルはトライバル・エンドの剣をかわし、すれ違いざまにアームファングの刃でトライバル・エンドの身体を切り裂いていく。

「(これは・・・)」
【(どうした、フィリップ?)】

二人は共有している意識下で話をしていく。
フィリップはトライバル・エンドの身体に違和感を感じていたのだ。

「(奴の身体、単なる機械もしれない・・・ そうでなければ、あの手ごたえのなさはおかしい・・・)」
【(難しいことはどうでもいいさ。 それよりも、選手交代だ、フィリップ)】

翔太郎は自分の身体をスバルが担ぎ、運んでくるのが見えたのでフィリップに自分と代わるように指示した。
フィリップはそれに対して、トライバル・エンドとの距離を十分に取り、ファングジョーカーの変身を解除した。

「お前ら・・・ スバルと・・・」
「仮面ライダーイヴ・・・」
「イヴか。 っていうか、その声、零次か!?」

イヴ、零次は翔太郎の言葉に頷き、返事をした。
翔太郎はそんな零次、イヴを見て、笑みを浮かべた。

「行くぜ、フィリップ。 2ラウンド開始だ」
「了解だ」

翔太郎とフィリップは自身のメモリを起動させ、構えた。
なお、ドライバーは装着されたままだ。

「「変身!!」」
『CYCLONE』
『JOKER』

翔太郎の身体を風が包み、仮面ライダーWに変わった。
すると、今度はフィリップが倒れた。

「あ、あの!?」
「あぁ。 フィリップのことは気にすんな。 仕様だ、仕様」

仮面ライダーW(翔太郎)のぶっちゃけた言葉にイヴはくすりと笑ってしまう。
三人は構えを取るとトライバル・エンドを囲んだ。

「仕方ありませんね・・・ 本気でお相手しましょうか・・・」

トライバル・エンドはそう言うと仮面とマントを取った。

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-16 神宮寺まどかVS笹森さつき

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-16 神宮寺まどかVS笹森さつき

魔女イザベルによる事件から3日経ち、零次達はまたのどかな日常に戻っていた。

「そっか。 そんなことがあったんだね」
「あぁ、大変だったぜ。 けど、平和が一番だよなぁ」

梨杏と零次は学校が終わり、ガイアセイバーズ基地に来ていた。
そして、訓練が休みになった今日、スバル達と休憩室でお茶をすることにした。

「なぁ、スバル達は将来どうしたいって思ってるんだ?」
「前にも似たようなこと、話したよね?」

スバルの言葉に零次は頷いていく。
ティアナはそんな零次の様子が何か迷っているように見えた。

「いやさ、俺、何で戦ってんのかななんて思っちまってさ・・・ あっ、気にしないでくれよ」
「ちゃんと話しなさいよ。 溜め込んでてもしょうがないでしょ?」

零次はティアナの言葉に少しずつ自分の思っていることを話し始めた。

「最近、分からなくなってきてるんだ・・・ 何のためにダーククライムと戦ってるのか・・・」
「あんたは別に戦闘のプロってわけじゃないんだからしょうがないじゃない」
「でも、スバルやティアナだけじゃなくてエリオやキャロもまだ子供なのに必死で戦ってる・・・ けど、俺はあいつらみたいに戦えてない・・・」

零次の言葉にティアナは頭を抱えてしまった。
こんな時にちゃんとしたことが言えない自分に腹を立ててしまっているのだ。

「じゃあさぁ、これから見つけていけばいいんじゃないかな?」
「どういう意味だよ?」
「あたしもね、夢は形になったけどまだまだ全然だもん」

零次はスバルの顔を見ながらスバルの言葉を聞いていく。

「だって、あたしもみんながみんな助けられてるわけじゃない・・・ 守れない人だっているよ・・・ けど、あたしは助けられる命を助けたいんだ・・・ だから、零次もゆっくりでいいんだよ」
「ありがとな、スバル。 なんか湿っぽい話になっちまったな・・・ 何か明るい話題はないのかよ?」

零次はエリオやキャロ、ティアナに梨杏を見ながらそう言っていく。
梨杏は零次の視線を受けて、少しわざとらしいくらいに話を切り出した。

「あっ、そうだ! わたしね、まどかとさつきちゃんから二人の試合のチケットもらったんだ!!」
「二人からチケットもらったって・・・ あんた、あの二人とはライバルみたいなもんでしょ?」

ティアナの言葉にスバルも頷くことで同意を示していた。

「うん、まぁね。 けど、ライバルだから遠ざけるってずるいと思うんだ・・・」
「ずるいってどういうことですか?」

梨杏の言葉に疑問を持ったキャロが梨杏に尋ねた。
梨杏はキャロの質問に答えることにした。

「ライバルだから遠ざけるっていうのは結局付き合いがあると負けるっていう考えだと思うんだ。 もちろん、そういう考えの人の方が多いだろうし正しい考えだと思うよ。 けど、わたしは仲良くできるなら仲良くしたいしその中で切磋琢磨すればいいって思うんだよ」
「素敵な考えですね。 ちょっと尊敬しちゃいます」

キャロは梨杏の言葉に素直に尊敬の意を見せている。梨杏はそんなキャロの視線に照れたのか、慌ててチケットをティアナ達に渡していく。

「まっ、見に行くくらいは付き合ったげるわよ」
「ありがとう、ティアナさん」

梨杏達はその後もお茶を飲んだりいろいろと話したりした。

さつきの所属するファイティングスピリッツでは倉橋茜と笹森さつきが試合に向けてのトレーニングをしていた。

「ほら、さつき。 君の相手はアウトからインまでこなせるオールラウンダーだよ。 さつきの持ち味を活かすためにはたとえ相手が逃げようとしても逃がさない執念が必要になるよ」
「はいっす! まだまだ行くっすよ!!」

さつきはアウトボクシングを用いてさつきとの距離を巧みにコントロールする茜をしつこく追いかけていく。
しかし、茜は左ジャブで牽制するとさつきとの距離を離していく。

「もっとしつこく来ないと駄目だよ! 相手にぶつかるくらいの勢いでフットワークを使って!!」

茜の指示にさつきはさらにスピードを上げて茜との距離を詰めようとしていく。
しかし、コーナーに追いつめることを考えていないさつきのやり方では茜を捉えることができない。
捉えたと思ったら次の瞬間反対回りに回って回避していく。

「どうすれば相手を追いつめられるかを考えて!!」

茜の言葉にさつきの動きが徐々にスムーズになっていく。
しかし、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
さつきは2分間茜を捕まえることができなかったのだ。

「さつきの場合はまだフットワークそのものに慣れてないね。 神宮寺まどかは勝ち気な性格をしてるらしいからそこに賭けるしかないね」
「そうっすか・・・ さすがは梨杏っちのライバルっすね・・・ 一筋縄じゃいかないっす・・・」

さつきは茜の言葉に少し考えてからそう答えていた。
さつきにはまどかのことを素直に称賛するだけの余裕があるようだ。

一方、神宮寺ジムではまどかがインファイター対策と男性ボクサーとのスパーリングを行っていた。
このスパーリングは神宮寺ジム会長であり彼女の父親でもある神宮寺耕次の指示ではなく、まどか自身が望んでやっているものである。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「まどかちゃん、まだ続けるのかい? もう6ラウンドくらいはやってるよ」

スパーリングを手伝ってくれている男性ボクサー、手塚はまどかの疲労を見抜いたのか、スパーリングの中止を申し出た。
しかし、まどかはファイティングポーズを取ると手塚にまだ続けられるとアピールしていく。
手塚はまどかのファイティングポーズを見て、気を引き締めていく。
そして、素早いフットワークでまどかとの距離を詰めるとさらに左右のラッシュを叩き込んでいく。
まどかはあえてかわさずガードしようとするが手塚のパンチ力の前にまどかのガードは破られそうになり、姿勢が少しずつ崩れていく。

「(まどかちゃん・・・ けど、今ここで止めるのは彼女に失礼だし練習にもならない・・・ なら、心を鬼にして彼女を殴るだけだ!!)」

手塚は迷う自身の心に言い聞かせ、ひたすらまどかの身体にパンチを叩き込んでいく。
まどかは手塚の隙を伺い、自分のパンチを叩き込もうと狙っていくがここで7ラウンド終了のゴングが鳴り、まどかはリングの上にへたり込んだ。
そして、他のジム生にヘッドギアとグローブを外してもらう。

さつきとまどかの試合の日が来て、梨杏達は会場に来ていた。

「しかし、まどかの人気は凄いなぁ・・・」
「そうだね。 でも、まどかはたぶんそんなこと気にしてないんだろうなぁ・・・」

零次と梨杏はまどかの人気について話している。
スバル達は二人の話題には付いていけず、周りを見回していた。

「じゃあ、中に入ろっか?」

梨杏の言葉にスバル達はチケットを受付に渡して会場の中に入った。

二人がリングインを済ませ、レフェリーにリング中央に呼ばれていた。
さつきもまどかもお互いに相手の顔を見つめていく。

「あんた、最近、梨杏のカウンターでKOされたわよね」
「そうっすけどそれがどうかしたっすか?」

まどかの挑発にさつきは乗ることなく答えていく。

「あたしはカウンター一発で終わらせるつもりはないから」
「それは好都合っすね。 ぼくも梨杏っちともう一回やるためにまどかっちに負けてる暇はないっす」

さつきとまどかがそんなことを言っているとレフェリーの注意が終わっており、二人を自分のコーナーに戻らせた。

「まぁ、合格かな。 神宮寺まどかに飲まれてないみたいだし」
「それはもちろんっすよ、茜さん。 まどかっちに飲まれてるようじゃ梨杏っちとはやれないっすよ」

さつきは自分のコーナーで準備をしてくれていた茜と話していく。
しかし、まどかを相手にすることへの緊張感はないようだ。

「とりあえず、神宮寺まどかとの距離をゼロにするくらいで接近していこう」
「はいっす。 負けないっすよ」

さつきはそう言うと、精神統一を始めた。

一方、まどかのコーナーでは耕次会長がまどかに指示を与えていた。

「まどか、たぶん笹森はお前がアウトボクシングに徹すると考えて距離を詰めてくるだろう。 だから・・・」
「笹森さつきとの距離を逆に詰めて動揺させるってことよね? インファイトくらいこなせないと梨杏とはやれないわ」

耕次会長の言葉にまどかも返事をしていく。
まどかの様子に耕次会長はそれ以上何も言わずにまどかの身体をほぐしていく。
そして、1ラウンド開始のゴングが鳴るとさつきとまどかは一気にリング中央まで駆けていく。

「(そういうつもりっすか、まどかっち! なら、話は早いっすよ!!)」
「(やっぱり、インファイターね! 突っ込んでくることは読んでたわ! さぁ、梨杏対策の踏み台にさせてもらうわよ!!)」

さつきとまどかの距離がほぼゼロになると二人は左右のパンチを交錯させる。
そのパンチに二人の顔が歪む。
しかし、相手へパンチを放つことは一切止めない。

「はぁ・・・ はぁ・・・ やるっすねぇ、まどかっち・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたもね・・・ けど、まどかっちは止めなさいよ・・・」

まどかとさつきはお互いにパンチを出し続けていたので疲れたのか、距離を取ってから話していく。
しかし、またすぐに相手との距離を詰めると左右のフックやストレートを叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」
「んんっ・・・ ぶふぅ・・・」

お互いのパンチに口から唾液を吐いていく。
しかし、左右のパンチを相手の顔に叩き込むことは決して止めない。

『神宮寺と笹森の試合は1ラウンドから激しいものとなっています! 神宮寺はこれまでの試合とは違い、インファイトでの勝負を挑んでいる!! いったい、何を考えているのでしょうか!?』

実況の声に観客席からの歓声がさらに大きくなっていく。
しかし、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
さつきとまどかはレフェリーに放されると自分のコーナーに戻っていく。

「まどか、1ラウンド目はうまくいったな」
「ううん・・・ うまくなんていってないよ、パパ」

まどかの言葉に耕次会長は少し疑問に満ちた表情を浮かべていた。

「あの、笹森さつきって子、あたしがインファイトを挑んだ瞬間に咄嗟に対応してきたの」
「つまり、笹森は応用力があるということか?」

耕次会長の言葉にまどかも頷いていく。
その様子を見て耕次会長は次のラウンドの作戦を考えていく。
まどかはその間も息を整えつつ、1ラウンドで消費した体力を回復させようとしている。

「まどか、次のラウンドはアウトで笹森を掻き乱してやるんだ。 そうすれば、お前が有利になる」
「分かったわ、パパ・・・ その作戦で行ってみるよ!」

まどかはそう言うと、頭の中で作戦のイメージをまとめていく。

一方、さつきのコーナーでは茜と翔がさつきの身体を拭いたりしながら次のラウンドでの作戦を伝えていく。

「さっきのラウンドはうまくいったけど次のラウンドは練習通り行きなさいよ」
「分かったっす、翔さん。 とりあえず、やってみるっすよ」

翔のアドバイスにさつきは頷いていく。
茜は何も言わずにマウスピースを洗ったりしていく。

「じゃあ、次のラウンドは神宮寺まどかにプレッシャーを与えてやりなさい」
「はいっす、翔さん!!」

さつきは翔の言葉に力強く頷いていく。
その様子に翔は微笑んでいく。

そして、2ラウンド開始のゴングが鳴ったのを聞いて、さつきは一気に駆け出していくがまどかはゆっくりと動いていく。
さつきがまどかとの距離を詰めようとするとまどかはその距離を離していく。

「行くっすよ、まどかっち!!」
「来なさいよ、笹森さつき!!」

まどかは左ジャブを数発放ち、さつきを牽制していく。

アイキャッチA(まどかとさつきの試合のポスター)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-15 魔女イザベルの挑戦

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-15 魔女イザベルの挑戦

平和な午後の一時、しかし、その影では恐るべき計画が実行されようとしていた。

「さぁ、アイビーサイクロプス。 計画を実行に移すのよ」
「分かりました、魔女イザベル様」

そう言うと、アイビーサイクロプスは姿を消した。

午前の退屈な授業が終わり、彩、珠音、由芽の三人は仲良く昼ご飯にありついていた。

「そういえばさ、アーヤ」
「ん~? な~に?」

珠音の問いかけに彩は少しふやけた感じの声で返事をしていた。

「この前の梨杏の試合、どうだったの?」
「あれ、タマちゃんは格闘技雑誌とか読まないの?」
「読まないわよ、そんなの。 それよりも、どうなったの!?」

珠音は彩の言葉にツッコんでいく。
彩はそんな珠音の様子に笑顔を浮かべながら答えていく。

「うん、りーちゃんが勝ったよ! それも、カウンターでのKOだよ! 凄いでしょ!?」
「確かに凄いとは思うけど、アーヤが自慢することじゃないでしょ」
「でも、梨杏さん、本当に凄いですね。 私、尊敬してしまいます」

珠音と彩の会話を聞いていた由芽が会話に混ざってきた。

「ユメちゃんがそんなこと言うなんて珍しいねぇ」
「そんなことないですよ。 私だって悩んだりしますから」

由芽は彩の言葉に優しく否定していく。
そして、三人はそれぞれの昼食をパクリと食べていった。
しかし、由芽の表情に彩は何か違和感を感じていたのだった。

(少し時間を遡る。)

由芽が学校から帰ると自分宛の手紙が届いていたのでそれを自分の部屋に持ち帰り、早速開けてみることにした。
そこには、『あなたにいずれ不幸が訪れるだろう あなたの未来を憂う者より』と書かれていた。

(現在)

由芽はこの手紙について考えていたのである。

「ユメちゃ・・・ ユメちゃん!」

由芽は彩が呼びかけているのにも気付かず、考え込んでいた。
しかし、彩の呼びかけに気付いた由芽は一時考えるのを止めることにした。

「どうしたんですか、彩ちゃん?」
「ねぇ、ユメちゃん、何か悩んでるよね・・・ 隠さないでね・・・ ボクもタマちゃんもちゃんと聞くから・・・」

由芽は彩の言葉に自分がどれだけ二人に心配をかけているかに気付いた。
そして、由芽の瞳から涙が溢れた。

「ふぇっ!? ユ・・・ユメちゃん・・・」
「あ~あ、アーヤってば由芽を泣かせちゃ駄目じゃない」

珠音の言葉に彩があたふたしていると由芽も不思議と笑っていた。
そして、今自分の身に行っていることを話すことにした。

「変な手紙が来てたって?」
「そうなんです・・・ それで、悩んでて・・・」
「どうせ、不幸の手紙とかでしょ? 由芽は気にしすぎなのよ」

由芽の言葉に彩は本当に心配そうな顔をして答えて、珠音はあまり深く考えないように由芽に注意していく。
しかし、由芽はすっきりしていないと言わんばかりの表情をしながら鞄の中からあるものを取り出した。

「黒い薔薇ってまた悪趣味なことするわね」
「でも、綺麗だよ?」

珠音の言葉に彩は自分の感想を素直に言った。
由芽は二人の会話を聞いていると自然と笑顔になっていた。

「やっぱり、ユメちゃんは笑ってる方がいいよ」
「それはあたしもそう思う。 どうしても、心配ならアーヤからガイアセイバーズの人達に調べてもらうように依頼したらいいんじゃない?」
「そうですね。 彩ちゃん、珠音ちゃん、二人ともありがとうございます」

由芽が二人にお礼を言うと彩は素直に喜び、珠音は少し照れ隠しをしていた。

放課後になり、由芽達は三人で帰ることになった。

「でも、アーヤは最近いろいろ友達増えたわよね」
「そうだね。 りーちゃんにスバルに零次でしょ・・・ それから・・・」

彩が指を折りながら数えていると由芽の表情がまた微妙なものになっていた。
それに気付いた珠音が由芽に話しかけた。

「どうしたのよ、由芽? 今日、何か変よ」
「そんなことないですよ、珠音ちゃん。 心配してくれてありがとうございます」

由芽の返事に珠音は自分の杞憂が余計なものだったようだと思った。
しかし、すでに由芽の身体には異変が起こっていた。
由芽の影に蔦のようなものが絡まっていたのだ。

彩は珠音の助言通り、梨杏に連絡を取っていた。

『それで、由芽ちゃんがいつもと違うって思うんだね?』
「うん・・・ 気のせいだといいんだけど・・・」

彩の言葉に梨杏も通信越しに同じようなことを思っていた。

『とりあえず、天道さんには報告しておくよ。 由芽ちゃんに何かあったらすぐに教えてね、アーヤ』
「分かったよ、りーちゃん」

彩はそう言うと通信を切った。
それから、気分転換にいつものトレーニングを始めた。

梨杏から報告を受けた天道はその話に事件性を感じたのか、明野宮城東高校にスバルとティアナを派遣することにした。
二人は早速彩と珠音に事情を説明しに行くことにした。

「つまり、由芽は何か事件に巻き込まれてるってわけ?」
「そうなるわね。 でも、あの子の安全のためにも下手に動かないでよね」
「うん、分かったよ。 けど、ユメちゃん、助けられるのかな・・・」
「大丈夫だよ、アーヤ。 あたし達だけじゃなくて零次達も動いてる。 だから、きっと由芽は助けるよ」

彩はスバルの言葉に安心した表情を浮かべていた。

零次はすでに明野宮市へ入り、由芽の異変について調べていた。
きっと、ダーククライムが絡んでいるはずだからという意識の下で・・・

「しっかし、ダーククライムの連中がこんな回りくどい手を使ってくるなんて連中も方向転換したってことか・・・?」

零次はそう呟きながらマッハアクセルを走らせていた。
しかし、そこへ砲撃が浴びせられた。

「アダムか!?」

零次は砲撃が飛んできた方向を見るとそこにはアダムがいた。
零次は素早くマッハアクセルから降りると意識を集中していく。
すると、零次の影が銀色になり、イヴの姿を映し出した。

「変身!!」

変身を終えたイヴはアダムとの距離を取り、構えを取っていく。

「仮面ライダーイヴ!! 行くぜ!!」
「貴様を殺す・・・ 今度こそ・・・」

アダムも構えを取り、イヴとの距離を測っていく。
そして、駆け出すとアダムとイヴは左右のパンチやキックを相手に対して放っていく。
しかし、お互いに寸前でかわしたりガードしたりしているため、決定打は入っていない。

「てめぇに聞きてぇことがある・・・ てめぇは何なんだ?」
「私はアダム・・・ 貴様を殺す者だ・・・」

イヴの質問にアダムはいつもと同じ言葉しか言わない。
なので、イヴは考えを改めアダムを叩きのめして聞くことにした。

「だったら、答えは簡単だ。 てめぇを叩きのめして聞くまでだぜ」

イヴはそう言うと、再び左右のパンチやキックのコンビネーションをアダムに対して放っていく。
しかし、アダムも同じように左右のパンチやキックのコンビネーションを放ってくる。
イヴとアダムはお互いに相手の隙を突こうとする。

「そこまでだ、二人とも・・・」

イヴとアダムのパンチを受け止めていたのはイヴと同じ姿をしているが黒と銀のラインを持ったライダーだった。
そう、二人の攻撃を止めたのは仮面ライダーイヴ・アナザーだったのだ。

「てめぇは何者だ!?」
「僕はゼルセン・アーデント・・・ 仮面ライダーイヴ・アナザーさ」

イヴの問いかけにイヴ・アナザーは答えていく。
しかし、アダムがイヴ・アナザーの手を振り払い、攻撃を仕掛けていく。

「まったく・・・ 君はどんな時も変わらないんだね・・・」
「貴様、私のことを知っているのか?」

アダムの言葉にイヴ・アナザーは頷いていく。
アダムはイヴ・アナザーとの距離を取ると構えを解いていく。

「貴様の知っていることをすべて話せ・・・ それ次第だ・・・」
「それはできないな・・・ イヴ、いや、沢井零次・・・ 早く、行きたまえ・・・」

イヴはイヴ・アナザーの言葉を聞き、咄嗟にマッハアクセルに飛び乗ると走らせて、その場を後にした。
イヴを視線で追っていたアダムが視線を戻すとイヴ・アナザーはその場からいなくなっていた。

変身を解除した零次は彩達の通う明野宮城東高校に着いた。
早速、調べていると妙な気配を感じた。
しかし、その気配もすぐに消えてしまった。

「(由芽ちゃんに会いに行くのが手っ取り早いけど、下手をすると由芽ちゃんの身が危なくなる・・・ ここはティアナに任せるしかねぇな・・・)」

零次はそう考えるとマッハアクセルを走らせ、明野宮城東高校を後にした。
その様子を見ている影が確かにあった。

スバル達が明野宮市に来てから一晩経ち、天道の指示通り、明野宮城東高校に転校していた。

「全員、席につけ! 今日はうちのクラスに転校生が二人も来たぞ」

担任の言葉でクラスの生徒達は座っていく。
担任はその様子を見ると転校生の二人を呼んだ。

「皆さん、はじめまして。 ティアナ・ランスターです。 よろしくお願いします」
「はじめまして! スバル・ナカジマです!! みんな、よろしくね」

ティアナとスバルが挨拶を終えるとクラスの雰囲気が一気に変わった。
それはそうだろう。
二人とも相当な美少女なのだ。
盛り上がらない方が不自然である。

「じゃあ、二人の席は美島と一ノ瀬の後ろだ」

スバルとティアナは担任の言葉に従い、自分の席に座った。

「二人ともうちのクラスなんだ。 すっごい偶然じゃない?」
「そうね。 あたしもそう思うわ。 (まさか、天道さんが権力にものを言わせたなんて言えないわよね・・・)」

ティアナと珠音が話しているのを由芽はなんとも言えないような表情で見ていた。

放課後になり、スバルとは別行動を取ったティアナは一人校内を探索していた。

「(由芽に起こった異変はきっと学校の中に何かある。 何の前触れもなしに事件が起こることなんてあり得ない・・・ だから、きっと見つけ出してみせる!)」

ティアナは決意を固めると動き出した。

「魔女イザベル様、こそこそと動いている者がいるようですがいかが致しますか?」
「放っておきなさい・・・ あの程度の小娘相手に遅れを取る私ではないわ・・・ それよりも、例の娘には取り憑けたのかしら?」

アイビーサイクロプスと魔女イザベルの計画は最終段階に入っていた。

「もちろんです、魔女イザベル様。 あの娘の深層心理の中に潜む闇を利用した人間どもの洗脳計画、順調に進んでおります」
「なら、急いでちょうだい。 ガイアセイバーズも嗅ぎ付けているようだから計画の成功に関わってくるわ」

魔女イザベルの言葉にアイビーサイクロプスは頷くと姿を消した。

ティアナはまず最近自分達以外に転校してきた生徒や転勤してきた教師について調べていた。
そして、三人のうち、候補として一人の人物が上がった。
その人物は保険医の喜多村さやかである。
何故、彼女に目をつけたのかというと保険医なら全校生徒について調べることができるからだ。

「さて、喜多村先生について調べてみようかな?」

ティアナがそう呟いた時、蔦のようなものがティアナの首目掛けて飛んできた。
ティアナはそれを避けると素早くバリアジャケットを装着していく。
そして、クロスミラージュを構えるがそこには何もなかった。

「あたしの気のせい? そんなはずないんだけど・・・」

ティアナはバリアジャケットを解除すると元の制服姿に戻った。
そして、保健室に向かうことにした。

アイキャッチA(明野宮城東高校の制服姿のティアナ、クロスミラージュを構える)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-14 逆襲 改造コブラサイクロプス!!

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-14 逆襲 改造コブラサイクロプス!!

イヴに敗北し、再改造が施されたコブラサイクロプスはその力をテストしていた。

「砲撃、開始!!」

バズーカ砲を持った戦闘員が改造コブラサイクロプスに向けて砲撃していく。
しかし、爆煙の中、改造コブラサイクロプスは無傷で立っていた。

「最終テストは終了です・・・ 改造コブラサイクロプス、あなたにはしばらく最終調整に入ってもらいますよ・・・」
「構わん。 イヴを抹殺できるなら何だってやるだけだ」

そう言うと、改造コブラサイクロプスは調整ポットの中に入っていく。

零次はいつもより早くガイアセイバーズの基地に来ていた。
零次達の通う東山学園が今日創立記念日であるためである。

「零次、今日は早いんだねぇー」
「まぁな。 今日は創立記念日だったんだよ」
「創立記念日? 何それ??」

スバルは異世界であるミッドチルダで生まれ、育っているため、地球の文化に疎いのである。

「そっか。 スバルは地球人の血を引いてても地球で育ったわけじゃねぇもんな。 創立記念日っていうのは学校が建てられた日のことでその日は学校が休みになるんだ」
「なるほど。 じゃあ、あたしと練習しようよ!」
「いいぜ。 あとで、梨杏も来るしな。 俺とは軽く流す感じでやんぞ」

スバルは零次の言葉に嬉しそうに頷くと、すぐに更衣室へ向かっていた。
零次はスバルの行動力に驚くばかりだった。

トレーニングルームへ向かった零次とスバルはそこで一也と茂がトレーニングをしていた。
一也と茂は零次達が来たのを見て、トレーニングを中断した。

「おうっ、零次。 今日はえらく早いご出勤だな」
「茂さん、そう言うとなんかあれですよ・・・ そんなことより二人とも早いですね。 珍しいなぁ」

零次の言葉に一也は笑いながら答えた。

「実は茂先輩に頼まれたんだ。 少し組み手に付き合ってくれってさ」
「そうなんですか? 意外ですね。 茂さんってそういうイメージないのに」

茂は零次に近づくと両手を零次の側頭部に置いた。
そして、そのまま締め上げていく。

「誰が怠け者だって~ いつからそんなこと言えるようになったんだ~ ええ~」
「冗談ですよ、茂さん。 それよりも、マジでどういうことなんですか?」

茂は零次の質問の意味を図りかねているようだ。
零次は茂の疑問に自分の質問の捕捉をしていく。

「いや、茂さんってあんまり特訓するイメージがなくて・・・」
「馬鹿たれ・・・ そういうことは俺より強くなってから言えっての」

茂はそう言うと、トレーニングルームを後にした。
零次は茂を見送るとスバルとトレーニングを開始した。
スバルと零次はまず軽くお互いの打撃のコンビネーションを確認していく。
いくら、トレーニングとはいえ、二人とも本気でパンチやキックを放っていくため、気は抜けない。

「ほんとに強くなったね、零次。 凄いよ!!」
「そうか・・・ 俺としてはまだまだだけどな!!」

そう言いながら、二人は打撃を相手に叩き込もうとしていく。
しかし、二人とも巧みにかわしていく。

「そろそろ終わりにするか?」
「そうだね。 少し休憩しよっか」

スバルと零次はトレーニングを中断し、休憩を取ることにした。

零次がガイアセイバーズ基地の周りを歩いていると一枚のトランプが飛んできた。

「誰だ!?」
「俺の名前はジェネラルシャドウ。 お前の顔を拝みに来たわけだ」

零次はジェネラルシャドウとの距離を測りながら慎重に動いていく。

「ほう・・・ それなりにはできるようだな・・・ だが、俺の用はもう済んだ・・・ では、さらば」

そう言うと、ジェネラルシャドウは姿を消した。

ダークホライズンではまた一人、改造魔人が蘇った。

「スティール! ここはどこだ?」
「地獄の一丁目だ、鋼鉄参謀・・・」

蘇ったのは鋼鉄参謀だ。
シャドウの言葉に辺りを見回す。

「地獄からの生還、おめでとうございます・・・ 鋼鉄参謀・・・」
「お前は何だ!? 偉そうにしやがって!!」

鋼鉄参謀はトライバル・エンド目掛けて手にした鉄球を叩きつけようとした。
しかし、トライバル・エンドの張ったバリアに鉄球は弾かれてしまった。

「短気は損気ですよ、鋼鉄参謀・・・ わたしはあなた方の力を借りたいのですよ・・・」

トライバル・エンドの視線を追って、ある一点を見た鋼鉄参謀は驚いてしまった。
何故なら、そこには改造魔人達の身体が安置されていたからだ。

「どういうことだ、これは!?」
「あなた方、デルザー軍団は仮面ライダーストロンガーによって全滅させられたのですよ・・・」

トライバル・エンドの言葉に鋼鉄参謀は悔しそうに鉄球を地面に叩きつけた。

「だからこそ、ストロンガーに復讐するのです・・・」
「だったら・・・」

鋼鉄参謀が早速出ていこうとしたのをトライバル・エンドが止めた。

「今は待ちなさい・・・ あなたの身体と魂がまだ適合していない・・・ そんな状態ではまともな動きなどできませんよ・・・」
「なるほどな。 なら、その時まで身体を休めておくことにしよう」

そう言うと、鋼鉄参謀は祭壇を後にした。

1日のトレーニングが終わり、零次は自宅への帰路に着いていた。
そこへ、エネルギー弾が発射された。

「てめぇはアダム!!」
「イヴ、貴様を殺す・・・」

アダムは両腕を剣に変えて、零次に斬りかかった。
零次はなんとかかわしていく。
そして、素早く後方へジャンプすると零次は意識を集中させていく。
零次の影が銀色になり、イヴの姿が映し出される。

「変身!!」

一瞬の閃光の後、零次は仮面ライダーイヴに変身した。
イヴはファイティングポーズを取るとアダムを見据えていく。
アダムはなおも両腕の剣でイヴを切り裂こうとするがイヴはそれをかわしていく。
近頃の激戦で、イヴ、いや、零次にも足りなかった経験値が足されてきたのだ。

「はんっ!? てめぇの力ってのはその程度かよ!!?」
「言わせておけば・・・ 死ね、イヴ!!」

アダムは両腕をマシンガンに変えると弾丸をイヴに向けて乱射した。
しかし、イヴは被弾する中、ある程度の弾丸をかわしていく。

「どうしたんだ? 腕が鈍ったのか??」
「黙れ!! (どうしたというのだ・・・ 何故、これ程までに感情的になっている・・・ 私には感情というものはないはずだ・・・)」

アダム自身、自分の異変について理解できていないのだ。
イヴはアダムの動きが止まったのを見て、左右のストレートを叩き込んでいく。
アダムはその衝撃に後ろに数歩後退していた。

「くっ・・・ イヴ、覚えておけ・・・ 次は必ず殺す・・・」

そう言うと、アダムは空へ飛び上がり、逃げた。
イヴはアダムを追うことはせずに変身を解除した。

「何だっただよ、一体?」

零次はそう呟いてからマッハアクセルに股がり、発進させた。

トライバル・エンドはダーククライムの祭壇にてアダムに起こった異変について瞑想していた。

『トライバル・エンドよ・・・ アダムに起こった異変については分かっておろうな・・・』
「分かっております・・・ あれの中にある彼女の記憶が目覚めたに違いありません・・・」

トライバル・エンドの言葉にダーククライム大首領はさらに言葉を続けた。

『トライバル・エンド・・・ 今は静観するのだ・・・ 時が来れば我が指示を出す・・・』
「はっ・・・ 了解しました・・・」

トライバル・エンドはそう言うと、祭壇を後にした。
零次はアダムを探して、マッハアクセルを走らせていた。
零次にはアダムの様子が気になっていたのだ。

「(あの時、アダムは別のことに意識があったように見えた。 もしかしたら、何かあったのかもしれないな)」

零次は自分自身のことを知るためには他に知らなければならないと考え始めていた。
零次がそんなことを考えていると突然オートバイに乗ったダーククライム戦闘員が数人現れた。

「おっと、お出ましか。 行くぜ!!」
「「「ギィッ!!」」」

ダーククライム戦闘員はオートバイを走らせると零次に突っ込もうとする。
零次はマッハアクセルの方向を変えるとダーククライム戦闘員達目掛けて突っ込んでいく。

「変身!!」

零次は1日に二度目の変身を行った。
イヴへの変身はエネルギーを大量に消費するため、連発することは危険なのである。
しかし、ダーククライム戦闘員を一人また一人と蹴散らしていく。

「まだ、やるか!?」
「ギィッ!!」

一人残ったダーククライム戦闘員はまだ突っ込んでくる。
イヴはその突撃をかわして、マッハアクセルをダーククライム戦闘員の乗るオートバイにぶつけていく。

「さてと、ひとまずお片付け完了だな・・・」

イヴは変身を解き、零次の姿に戻るとマッハアクセルをまた走らせていった。

「零次、ダーククライム戦闘員に襲われたのは本当だな?」
『あぁ、そうです。 あいつら、俺をつけてやがったみたいで・・・』

零次の言葉に天道は少し考えた後、零次に指示を出した。

「零次、きっとすぐにコブラサイクロプスがお前の下に来るだろう。 お前はそいつを迎え撃て。 いいな?」
『了解!!』

天道は零次がそう言った後、通信を切った。

別世界では門矢士がある男と対峙していた。

「お前は誰だ?」
「僕の名前はゼルセン・アーデント・・・ 仮面ライダーイヴのアナザーだよ・・・」

ゼルセンの言葉に士はディケイドライバーを腰に装着した。
そして、左腰に装備してあるライドブッカーから一枚のカードを取り出した。

「問答無用というわけかい?」
「まぁな。 高町なのは式『お話』って奴だ。 変身!!」
『KAMENRIDE DECADE』

士はディケイドライバーにそのカードを装填して、仮面ライダーディケイドに変身した。
ゼルセン・アーデントは意識を集中する。
すると、彼の影が銀色と黒色が混じりあったようなものになった。
そして、黒と白銀に身を纏う、仮面ライダーイヴ・アナザーに変身した。

「さぁ、始めようか?」

イヴ・アナザーはそう言うと、また別の世界へ飛んだ。
ディケイドはそのことに驚きが隠せないようだ。

「どういうことだ!? 何で、あいつが俺や海東と同じことができるんだ!!?」

ディケイドは疑問を一度思考の外へ追いやると自分もイヴ・アナザーが飛んだ世界へ向かった。

「さて、君にはやってもらいたいことがあるんだ」
「どういうつもりだ? 俺はお前を信用してるわけじゃねぇぞ」

ディケイドの言葉にイヴ・アナザーは少し歩きながら話を続けていく。

「この時間に大いなる災いが降りかかろうとしている。 君にはガイアセイバーズより先にこの時間で行動してもらいたいんだ」
「いいだろう。 俺がやってやろうじゃねぇか」

ディケイドはそう言うと、変身を解除して、その場を後にした。
イヴ・アナザーはその時間から消えた。

ここ最近、またしても蛇が大量に現れるという事件が発生していた。
しかも、その蛇は赤色だった。
零次達、ガイアセイバーズはその事件をすでに追っていた。

「しっかし、今度も蛇の放し飼いかよ・・・」
「おそらく、コブラサイクロプスだろうな。 だが、奴らの意図が分からん」

隼人の言葉に猛は自分の意見を交えながら答えていた。

「だが、簡単にはしっぽを出さないだろうな」
「いや、一つ方法がありますよ」

志郎の言葉に零次はある考えを提示した。


アイキャッチA(対峙するゼルセン・アーデントと門矢士)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-13 絶体絶命 イヴ敗れたり!

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-13 絶体絶命 イヴ敗れたり!

零次は相変わらずガイアセイバーズのメンバーとの訓練に明け暮れていた。
今の訓練では複数の相手の攻撃をかわし続けるというものを行っている。
そして今まさに、訓練の最中である。

「ほら、零次君、きっちり私の攻撃をかわす! まだまだスピードを上げられるんだよ!!」
「はい!!」

零次は宇崎ランの突きをひたすらかわしていた。
しかし、ランも少しずつ突きのスピードを上げていく。

「くぅっ・・・ 速ぇなぁ・・・」
「まだまだ序の口だよ、零次君! 根性だよ!!」

徐々に速くなるランの拳が零次の身体に当たりだしていく。
そこで、ランは突きを止めていった。

「じゃあ、私の今日の訓練はおしまいね。 他の人との訓練も頑張ってね」
「ありがとうございました、ランさん」

零次はランと挨拶を交わしてから洋子との訓練の準備をしていく。
零次の訓練スケジュールは前半が基本的な格闘訓練、後半は変身した上での本格的な戦闘訓練である。

「さて、零次くん。 今日のうちとの訓練は実戦形式で行くで」
「分かりました、洋子さん」

零次は洋子の言葉に返事をしながら構えを取っていく。
洋子はそんな零次を見て、構えることなく自然体のままでいる。

「ほんなら、行くで!!」

洋子は素早く零次との距離を測ると左右の回し蹴りを放っていく。
零次は洋子の回し蹴りをぎりぎりでかわしていくが洋子もそれを予想していたのか、さらに左右のストレートを零次の顔目掛けて連打していく。
零次は洋子の左右のストレートを両手でパリーの要領で弾いていく。

「零次くんもだいぶできるようになってきたなぁ!!」
「洋子さんやみんなのおかげですよ!!」

零次と洋子は軽口を叩き合うが技の応酬の最中なので一瞬たりとも気が抜けないのである。
二人の訓練の終わりを告げるタイマーが鳴り響いた。

「じゃあ、今日はここまでやね」
「はい。 ありがとうございました!」

零次は前半の訓練を終え、アップをしていく。

「けど、零次って強くなったよね。 今度、模擬戦してみよっか?」
「いいなぁ。 天道さん達に掛け合ってみるか?」

零次はスバルの言葉に軽く返事をした。
この返事が後に騒動の種となるのを今の零次は知らない。

零次が自宅に帰る途中、白蛇が首に巻きついてきた。
零次はその白蛇を払おうとしたがなかなか払うことができない。
しかも、その白蛇はどんどん零次の首を締め付けていく。

「がぁぁぁあっ・・・ 何なんだよ、これ!?」
「教えてやろう。 その白蛇は俺の分身だ。 俺の意思次第でどれだけでも締め付けていくのだ」

零次の目の前にコブラのような意匠を象ったサイクロプスがいた。

「てめぇは?」
「俺はコブラサイクロプス・・・ 貴様を殺すために造られたものだ」

コブラサイクロプスの言葉に零次は身構えていく。
コブラサイクロプスも構えを取っていく。

「くそ・・・ 変身!!」

零次の影が銀色になり、イヴの姿を写していく。
そして、一瞬の閃光とともに変身は完了した。

「うらぁ!!」

イヴは力任せに白蛇を引き剥がした。
そして、左右のキックのコンビネーションをコブラサイクロプスに叩き込もうとする。
しかし、コブラサイクロプスは両腕でイヴのキックを捌き、カウンターの右のパンチを叩き込んでいく。
コブラサイクロプスのパンチでイヴは吹っ飛ばされてしまった。

「ちぃっ」

イヴは少し悔しそうな声を上げてから体勢を整えていく。
コブラサイクロプスはそんなイヴとの距離をすでに詰めていた。
そして、コブラサイクロプスの周りに重力場が発現していた。
そのまま、拳を叩き込まれたイヴは大きく吹き飛ばされてしまう。

「がはぁ・・・」

イヴの口から血が吐き出されていく。

「弱い・・・ これが大首領が求めたものか・・・」
「大首領・・・ 誰だ、そいつは・・・」

イヴの問いかけにコブラサイクロプスは静かに答えていく。

「大首領とは俺達の主のことだ。 普段は姿さえ見せないがな」
「そうかよ・・・ だったら、自力で姿を拝ませてもらうさ」

イヴは再びファイティングポーズを取っていく。
コブラサイクロプスは一歩も動こうとしない。
イヴは飛び上がり、そのままコブラサイクロプスに近づいていく。

「行くぜ!!」

イヴはジャンプの勢いを利用した右のパンチを叩き込もうとするが急に失速してしまった。
そして、コブラサイクロプスの左肘を腹に叩き込まれてしまった。
イヴはコブラサイクロプスの攻撃に勢いよく飛ばされてしまう。
しかも、ダメージが大きいのか、立ち上がることもできない。

一方、イヴの救出に向かった仮面ライダースーパー1とストロンガーの前に一人の男が立っていた。
その男とは『WAC』総裁となった古賀修造であった。

「貴様ら、俺と戦え・・・」
「今はてめぇと遊んでる暇はねぇんだよ」
「先輩、ここは俺に任せてください」

スーパー1がストロンガーを行かせようとするが右腕を差し出すことで止める。
スーパー1はストロンガーの意図を理解し、ブルーバージョンを走らせ、イヴの救出に向かう。
修造はあえてスーパー1を追わずにその場に留まった。

「貴様でも構わん・・・ 俺と戦え・・・」
「あぁ、いいぜ。 エレクトロファイヤー!!」

ストロンガーが両手を交差させると地面に右手を叩きつけていく。
すると、地面に電気が走っていく。
しかし、修造は平然とその場に立っていた。

「どうした・・・ その程度か・・・」

修造の言葉にストロンガーは後ろへ飛び、距離を取っていく。
修造の腰に銀色のベルトが現れた。

「変身・・・」

修造がそう言うと、紅い身体のデスライダーになった。

「てめぇも真っ赤ってわけか。 悪趣味だな」
「貴様も変わらんだろう・・・ それに俺の身体が紅い理由は貴様の血を吸っても汚れないことを証明するためだ」
「そうかい。 なら、俺の血を浴びることができるか、試してみるか?」

ストロンガーはそう言うとデスライダーに右の回し蹴りを放っていく。
しかし、デスライダーは一歩も動かない。
それどころか、見えない壁に阻まれてしまう。

「(バリアか・・・ なら、どこかに穴があるかどうか探してやる)」
「貴様が何を考えているかは知らんがお前に俺は倒せん・・・」

ストロンガーは右腕を空にかざすとそこから電気を放出し、雷雲を呼び寄せた。

「エレクトロサンダー!!」

雷がデスライダーに襲いかかるがそれでもデスライダーには到達しない。

デスライダーは初めてバリアを解除し、ストロンガーに向けて衝撃波を乱射していく。
ストロンガーは見えないはずの衝撃波をなんとかかわしていくが数発被弾していた。

「どうやら、貴様の力はこの程度のようだな・・・ そろそろ・・・」

デスライダーはストロンガーにとどめを刺そうと近づいていく。
しかし、その行く手を一枚のトランプのカードが遮った。

「誰だ・・・」
「俺だよ、ストロンガー。 シャドウだ」
「シャドウ? どうして、貴様が蘇ったんだ・・・」

シャドウとはストロンガーがかつて戦ったデルザー軍団の一人であるジェネラルシャドウのことである。
シャドウは腰の辺りに収めてあるシャドウ剣を抜き、デスライダーに向けた。

「何のマネだ、シャドウとやら・・・ 俺の目的は仮面ライダーに死を与えること・・・」
「まぁ、待て。 ストロンガーは俺が殺す。 お前は仮面ライダーの死が見たいのだろう? なら、ここは退いてもらえないか??」

シャドウは不敵な笑みを浮かべて、デスライダーに告げる。
デスライダーはしばらく考えた後、その場を去った。

「命拾いしたな、ストロンガー。 俺がお前を殺すまで死ぬなよ。 トランプフェイド」

シャドウは手にしたトランプのカードを上に投げると姿を消した。
ストロンガーは少し考えてからカブトローにまたがり、走らせた。

コブラサイクロプスの殺人拳がイヴに襲いかかろうとしている。
しかし、その拳を防いだ者がいた。

「貴様は何者だ?」
「仮面ライダースーパー1!!」

コブラサイクロプスの攻撃を防いだのは仮面ライダースーパー1だった。
コブラサイクロプスは素早く仮面ライダースーパー1との距離を取る。

「ほぅ・・・ なかなかできるな・・・」
「お前こそな。 しかし、零次は助けさせてもらうぞ」

スーパー1はイヴとコブラサイクロプスの間に立つように間合いを取る。
そこへストロンガーが到着するとコブラサイクロプスはコブラの姿になり、その場から離脱した。

零次達はガイアセイバーズの基地に戻り、早速コブラサイクロプスの能力に対する作戦会議を開いていた。

「奴の能力はおそらくは重力制御・・・ そして、それを生かした拳法を使っている」
「なら、その重力制御をなんとかしなければならないわけか?」

天道の問いかけに沖一也は頷いていく。

「なら、話は簡単だな。 俺達が沢井零次を、仮面ライダーイヴを鍛え上げればいい」
「確かにそうだな。 これは零次を鍛えるいいチャンスかもしれないからな」

天道の言葉に丈瑠も賛成の意思を示していく。
丈瑠は最近、零次をもっと徹底的に鍛える必要があるのではないかと考えていた。
今回、零次が、仮面ライダーイヴがコブラサイクロプスに負けそうになったことを受けて、丈瑠は自分の考えが間違いでなかったことを悟ったのだ。

「なら、さっさとやろうぜ・・・ 時間がないんだ・・・」
「焦るな、零次。 今、無理をしても意味はない。 訓練は明日から始める」

零次は丈瑠の言葉に焦ったような表情をしていく。
しかし、自分の身体の状態は分かっているようで医務室で休むことにした。

「コブラサイクロプス、何故イヴを逃がしたのですか・・・」
「大首領からの命令とはいえ、あんな雑魚に執着する理由が分からんな」

コブラサイクロプスの言葉にダークホライズンの祭壇にあるダーククライムのレリーフから大首領の声が響いた。

『コブラサイクロプス・・・ あれは我の大事な器だ・・・ それにあまり自惚れていると足下を掬われるぞ・・・』
「分かりました・・・ 早急にイヴを捕らえに向かおうと思います」

コブラサイクロプスはそう言うとダークホライズンを後にした。

数日が経ち、零次の身体は完全に回復していた。

「さて、零次。 今日は1日ぶっ通しで戦闘訓練だ。 内容はダーククライムによって囲まれた状況での戦闘だ」
「あぁ。 それくらいやらなきゃ間に合わねぇからな」

零次が身構えると丈瑠達も構えていく。
そして、しばらくしてから天道が零次に回し蹴りを放ったことで訓練が始まった。

「どんどん行くで、零次くん!!」
「あぁ、来い!!」

零次は洋子とラン、スバルの攻撃を捌き、反撃していく。
しかし、他のメンバーからの攻撃が零次に襲いかかる。

『WAC』本社では、古賀修造が自身の身体を修理していた。
修造はライダーを殺すという目的のために自身の身体を改造しているのだ。
しかも、最近ではダーククライムから与えられたサイクロプスの細胞も含んでいるため、自身の身体に不備が起きやすくなっている。

「何の用だ、トライバル・エンド?」
「あなたにお願いがあって来たんですよ・・・」

修造は突然現れたトライバル・エンドに対して言った。
それに対して、トライバル・エンドは答えていく。

「あなた方に頼んだサイクロプスの生産具合を聞きに来たのですよ・・・」
「心配するな。 予定通りに進んでいる」

トライバル・エンドは修造の言葉を聞くと『WAC』本社を後にした。


アイキャッチA(イヴ、絶体絶命)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-12 彩坂梨杏VS笹森さつき

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-12 彩坂梨杏VS笹森さつき

古き鉄の来訪から2週間が経ち、ダーククライムにも目立った動きもなく、平和な時が流れていた。
しかし、梨杏はそんな中、一人悩んでいた。
それは自分の試合がまったく決まらないことである。

「梨杏、何辛気臭い顔してんだよ。 らしくないぜ」
「うん・・・ 自分でもそう思う・・・」

梨杏の歯切れの悪い返事に零次は少し心配になってくる。

「梨杏が少しナーバスになってる?」
「あぁ。 どうも、自分に自信が持てなくなってるみたいなんだ」

スバルやギンガ、洋子によるティアナの格闘訓練に付き合っていた零次は訓練を終えたスバルと最近の梨杏の様子について話している。

「あの子、何か悩んでんの?」
「そうなんだよ、ティアナ。 どうしたらいいと思う?」
「あたしには何にもできないわよ。 梨杏にとって必要な悩みでしょ」

ティアナの言葉にスバルと零次は首を傾げた。
ティアナは二人をそのままにすると休憩室へ向かった。

梨杏は自分の悩みを吹っ切るためにランニングをしていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (今のままじゃまどかに追いつくことなんてできないよ・・・ そのためには勝たなきゃだめなのに試合自体がないんだもん・・・ どうしたらいいの?)」
「あの、どうしたんっすか? そんなところでじっと立ち止まって」

梨杏は突然話しかけられて、びっくりしてしまい、尻餅をついた。
梨杏に話しかけた少女は梨杏に手を差し出し、立ち上がるのを手伝う。

「えっと、彩坂梨杏ちゃんっすよね? ぼくは笹森さつきっす。 よろしくっす」
「よろしくね、さつきちゃん」

梨杏の言葉にさつきの表情が変わった。
まるで、泣きそうな表情だ。

「やっぱり、ぼくって子どもっぽいんっすかね? これでも、ぼく、24っすよ・・・ ちゃんと大学も出てるんすよ・・・」
「ごめんなさい! さつきさんがあんまりフランクだったから・・・」
「いや、いいんすよ。 っていうか、嬉しいっすよ・・・ ぼく、童顔っすから相手に嘗められちゃって・・・」

梨杏はさつきの苦労が目に浮かぶような感じがした。
自然と梨杏は笑っていた。
それを見たさつきも笑顔になる。

「良かったっすよ、次の対戦相手が本調子になってくれて。 そうじゃないと楽しくないっすからね」
「えっ? どういうことですか、さつきさん」
「おっと、梨杏っち。 ぼくのことはちゃん付けでもいいっすよ。 それと、ぼくは梨杏っちのこと、梨杏っちって呼ばせてもらうっすね」

さつきの言葉に梨杏は頷く。
しかし、梨杏は再び話を戻した。

「えっと、さつきちゃん。 次の相手がわたしってどういうことなの?」
「そのままの意味っすよ。 梨杏っちならぼくも本気でやれるっすからね。 とにかく、ぼくは負けないっすよ!」

さつきはそう言いながら右腕を梨杏に向けて突き出す。
梨杏もさつきの右拳に自分の右拳を打ち合わせていく。

活き活きとした表情で戻ってきた梨杏を見て、スバル達も安心したような表情になった。
梨杏はスバルの腕を掴んでトレーニングルームへ行った。

「梨杏ってばすっかり元気になっちゃって。 零次、あんたにフォローさせなくてもいいみたいね」
「だな。 それにしても、ティアナがそんなにおせっかい焼きだったとは知らなかったぜ」

零次の言葉にティアナの顔が少し赤くなった。
ティアナは右手を振り上げながら零次を追いかけていく。

ある日、梨杏は加奈に呼ばれ、事務室へ向かっていた。
正式に次の対戦相手が決まったことを報告するためだ。

「梨杏ちゃん、次の対戦相手が決まったわ。 相手の名前は・・・」
「笹森さつきちゃんですか?」

梨杏は加奈がさつきの名前を言う前に言ったことで一瞬加奈の顔が驚きに染まった。
しかし、すぐに気を取り直し、梨杏の前に試合の契約書を差し出した。

「じゃあ、話は早いわ。 梨杏ちゃんはその契約書にサインするんでしょ?」
「はい!」

加奈が悪戯っぽく聞くと梨杏は力強く即答した。
それを見て、加奈達も微笑む。

そして、数日後、梨杏とさつきの試合の日がやって来た。
梨杏は自分の控え室でスバル達と話していた。

「けど、2試合目が決まって良かったね、梨杏」
「ありがと、スバル。 でも、不安だよ。 さつきちゃんの試合のビデオを見たんだけど、さつきちゃんってパンチ力ありそうなんだよ・・・」

不安そうに言う梨杏の表情にスバルも少し心配になってくる。
零次は梨杏に近寄ると梨杏の額にデコピンをした。

「ふぇっ!? 何?」
「お前らしくねぇよ。 お前はどんな強い相手でも嬉しそうにしてんだろ? 違うか??」
「・・・ だよね。 わたしはどんな相手でも負けたくないもんね!!」

梨杏は気合を入れ直すと頬を叩いてから洋子達にバンテージを巻いてもらう。
零次達は梨杏の控え室から出て、観客席に向かう。

一方、さつきの控え室ではさつきのジムの先輩でも倉橋茜達に試合の準備をしてもらっている。

「さつき、バンテージの巻き方、きつくない?」
「ん。 大丈夫っすよ、茜さん」

さつきがそう言うと茜は手早くバンテージを巻いていく。
先輩の三崎翔達はさつきのコスチュームを違和感を感じないように調整していく。

「どう、さつき? コスチュームの着け心地に違和感ない??」
「大丈夫っすよ、翔さん。 そろそろ試合っすね。 精神統一したいんで少し出てもらってていいっすか?」
「もちろんだよ。 今日はさつき、君の試合なんだから」

茜はそう言うと翔や他の後輩を連れて、控え室を後にした。

「(試合のビデオを見てから少し震えが止まらないっすね。 梨杏っちのことは前々から知ってたつもりだったんっすけど認識不足っす・・・)」

さつきは梨杏が中学時代に出ていた空手の試合をよく観戦していたようだ。
とにかく、さつきは精神を研ぎ澄ませていく。

一方、梨杏も自身の控え室で精神統一をしていた。
そこへ、試合の順番が来たことをスタッフが伝えに来ていた。
梨杏は洋子と宇崎ラン、柊瑞枝を連れて、花道を歩き、リングへと向かう。
梨杏が花道からリングへ続く道に出ていくと会場中から歓声が飛び交う。
そして、梨杏はリングインしていく。
続けて、さつきも花道からリングへと向かう道を歩いていき、リングインしていく。
二人がリングの上に揃ったところでリングアナによるアナウンスが始まった。

「赤コーナー、ガールズインパクト所属 116.7ポンド 彩坂~梨杏~!!」

梨杏はリングアナのコールを聞くと右腕を高く突き上げた。
梨杏はすでに戦闘体勢に入っている。

「青コーナー、ファイティングスピリッツ所属 117..3ポンド 笹森~さつき~!!」

続いて、さつきも自分の名前をリングアナにコールされてから梨杏とは反対の左腕を高く突き上げた。

そして、梨杏とさつきはレフェリーからの注意を聞いている間もお互いに相手を睨みつけていた。
別に、お互いに相手が憎いというわけではない。
お互いが溢れる闘志を抑えきれなくなっているのだ。

「二人ともクリーンなファイトをするように! 自分のコーナーに戻って!!」

二人はレフェリーにそう言われると自分のコーナーへ戻っていった。

「さて、梨杏。 この試合、どうする?」
「そんな答えの分かってる質問するなんてちょっとずるいですよ」

梨杏の緊張をほぐすための洋子の質問に梨杏は頬を膨らませながら答えた。
洋子の意図を理解した上の態度でもある。

「さて、梨杏はこの試合、前よりも突っ込んでいくつもりでしょ?」
「はい。 さつきちゃんの試合のビデオを見てからずっと考えてました・・・ たぶん、今回の試合はさつきちゃんから逃げようとしたら容赦なく叩きのめされると思います・・・ だから、倒される前に倒してきます」

梨杏は力強くそう言うと試合前なので集中していく。
さつきのコーナーでは茜と翔がさつきと試合のプランを話し、他のセコンドは試合の準備を進めていく。

「さつき、梨杏ちゃんとの試合、勝てそうかな?」
「分からないっすね・・・ 梨杏っちの試合のビデオを見てから少し怖くなってるっすよ・・・」
「まぁ、さつきは彩坂梨杏が空手をやってた頃から注目してたからね」

翔の言う通り、さつきは自身の技を増やすために梨杏の試合を見ていたがそのうち梨杏のファンみたいなものになっていた。

「でも、負けるつもりはないっす。 だって、ぼくもプロレスラーっすからね」

さつきはプロレスラーである。
しかし、元々複数の格闘技に興味があったため、キックボクシングやボクシング、総合格闘技のライセンスも取得しているのである。

「とにかく、楽しんできなよ、さつき。 勝ち負けは気にしないでいいから」
「分かったっす。 梨杏っちとの試合、楽しんでくるっす!!」

さつきがそう言うと、ちょうどセコンドアウトの指示が出たので翔と茜はリングから降りていく。

「ラウンド1、ファイト!!」

レフェリーのコールに梨杏もさつきも一気にリング中央に飛び出していく。
二人ともハードパンチャーなので自然とこういう展開になる。
さつきと梨杏は最初から飛ばしているようでお互いの顔に左右のストレートを叩き込んでいく。
お互い、ハードパンチャー同士なのでパンチをもらえば効くのである。
早くも、二人の口からは唾液が吐き出されていく。
しかし、お互いに左右のストレートを緩めない。
それどころか、さらに、スピードを上げていくのである。

「んぶぅ・・・ かふぅ・・・ ぶふぅ・・・」
「んあっ・・・ んぐぅ・・・ ぶはぁ・・・」

二人の壮絶な殴り合いに会場から大歓声が巻き起こる。
しかし、梨杏とさつきには観客の歓声は関係ない。
ただ、相手をKOするためにパンチを繰り出すだけである。

『見てください! 彩坂と笹森の壮絶な殴り合いに会場から割れんばかりの歓声が溢れています! さて、彩坂と笹森の顔はついに腫れてきたわけですがどうなるのでしょうか!?』

実況の興奮したようなアナウンスがさらに場内の熱気が増していく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (ビデオで見るより実際に喰らってみるとさつきちゃんのパンチ力がよく分かるよ・・・ けど、負けないんだから・・・)」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (梨杏っちのパンチ力は見てたより強烈っすねぇ・・・ 苦しいっすよ・・・ でも、負けないっす!!)」

二人は苦しそうに息をしながらお互いに心の中で相手を誉めていく。
しかし、お互いに拳を相手に叩き込むことを忘れることはない。

「ぶふぅ・・・ んあっ・・・」
「はぶぅ・・・ あぐぅ・・・」

お互いの口からはさらに血混じりの唾液が吐き出されていく。
しかし、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
レフェリーはなおも打ち合う梨杏とさつきの間に身体を差し入れていき、二人を止める。
二人ともレフェリーの行動に1ラウンドが終わったことを理解した。
そして、ゆっくりと自分のコーナーへ戻っていく。


アイキャッチA(梨杏とさつきがファイティングポーズを構えたポスター)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-11 古き鉄の来訪 Part-2

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-11 古き鉄の来訪 Part-2

目の見えない零次は早速心眼を身につけるための訓練を開始した。
まずは梨杏や彩、スバルが零次の訓練に協力することになった。

「くうっ・・・ やっぱ、目が見えねぇってのは不利だな・・・」
「零次・・・ やっぱり、こんな訓練、無茶だよ! 止めよ?」

零次はスバルの言葉に首を横に振ることで否定の意思を表した。
スバルは零次のそんな姿に言い様のない何かを感じた。

「スバル・・・ 今は零くんのやりたいようにさせてあげて・・・」
「でも・・・」
「お願い・・・」

梨杏の言葉にスバルはそれ以上何も言えなくなり、静かに構えを取った。

「行くよ、零次・・・」

スバルは小さく呟くと自身のデバイス、マッハキャリバーに指示を送り、零次の下へ駆けていく。
梨杏と彩はそんなスバルに遅れる形ではあるが零次との距離を詰めていく。
そして、スバルが左右のストレートから右ハイキックを零次の身体に叩き込み、彩がスバルの打撃で弾き飛ばされた零次の腹部に肘打ちを叩き込んだ。
小さな身体から放たれているとは考えられないような威力に零次の身体はさらに吹き飛ばされる。

「がはぁ・・・」
「零次、どうしたの!? 零次の覚悟ってそんなものなの!!?」
「っるせぇ・・・ 言いたいこと言ってんじゃねぇよ・・・」

零次はスバルの叫び声にゆっくりと立ち上がっていく。
しかし、目が見えない状態ではまともに攻撃を回避することもできない。

「行くよ、零くん!!」

梨杏は立ち上がった零次に近づくと左右のストレートやフック、アッパーを上下に打ち分けて叩き込んでいく。
零次はそれをかわすことができず、顔やお腹に次々に痣ができる。
そして、梨杏の右アッパーが零次の顎に叩き込まれると零次の口から血が吐き出された。

「がはぁ・・・」
「零くん! 零くんならできるよ!! だから・・・ だから、頑張って!!」

梨杏の言葉に零次は気合いを入れ直し、立ち上がる。
そして、構えを取っていく。

「(さっき、梨杏に殴られてた時に感じた風・・・ たぶん、あれに意識を集中させれば相手の攻撃を防ぐ手がかりになるんじゃないか・・・ それにしても、梨杏のパンチ、ガキの頃より強くなってんなぁ・・・) 来いよ、スバル、梨杏、彩・・・」
「分かったよ、零次・・・」

スバルがそう呟いたと同時にマッハキャリバーで駆けてきた。
それに続いて梨杏と彩も零次の下に駆けていく。
零次はスバル達の駆けてくる音、攻撃を繰り出すために動く音、服の衣擦れの音に意識を集中した。
そして・・・

一方、恭文と天道達はスタッグビートルサイクロプスに取り憑かれたフェイトの行方を捜索していた。

「しかし、なかなかフェイトちゃん見つからないなぁ・・・ どう思う、天道?」
「奴の狙いが何にあるかだ、加賀美」
「どういうことだよ、天道?」

天道の言葉に加賀美が疑問顔で聞き返す。
天道には今の状況に対しての考えがあるようだ。

「どう考えても今の状況はおかしいだろ。 何故、フェイトが狙われたのか? 何故、恭文がそのことで動揺しているのか?? 考えれば分かることだろう」
「確かにそうだよな・・・ なぁ、恭文、何か心当たりがあるんだろ?」

加賀美の言葉に恭文は頷き、事情を語り始めた。

「僕はあるロストロギアの力でこの世界に飛ばされたんです。 そして、そのロストロギアは今も手元にある。 たぶん、奴らの狙いはそれです」
「そういうことか・・・ で、加賀美・・・ いや、ダーククライム戦闘員と言うべきか・・・ 早く、正体を現せ」

天道の言葉に加賀美の姿がダーククライム戦闘員に変わった。
そして、恭文からロストロギアを奪おうとする。

「そんなことはお見通しだ。 俺達が何も気づかずにお前を誘い込んだと思ってるのか。 加賀美、出てこいよ」
「あぁ、城さん。 てめえ、よくも俺に化けてくれたな!」

茂と加賀美に両腕を掴まれ、ダーククライム戦闘員は逃げようともがくが二人はそれをさせない。

「さぁ、お前のアジトへ連れていってもらおうか!?」
「ギィ・・・」

ダーククライム戦闘員は抵抗することをやめ、天道達をダーククライムのアジトへ案内することにした。

一方、心眼を身につけるために訓練をしていた零次に変化が起こっていた。
零次はスバル、梨杏、彩の攻撃を徐々に捌けるようになっていた。
スバルのリボルバーナックルを装備した右手の一撃をかわし、続いて左ストレートを放ってきた彩の腕を掴み投げ飛ばしていく。
そして、少し遅れて左右のストレートを繰り出した梨杏の両腕をよけて、カウンターの右ストレートを梨杏の顔の前で寸止めしていく。

「やったね、零次! あたし達の攻撃が見えてたんだよ!!」
「ほんとだよ、零次! やったね!!」

スバルと彩が自分のことのように喜んでいると梨杏が静かに零次を抱き締めた。

「ほんとに、やったんだね、零くん・・・ わたし、零くんならきっとできるって信じてたよ・・・」
「梨杏・・・ 彩もスバルもサンキューな・・・ みんな! この感覚を物にしたい!! 力を貸してくれ!!」
「うん!!」 「もちろんだよ!!」 「任せといてぇな!!」
「零次君、頑張ろう! みんなでフェイトちゃんを取り返そう!!」
「「「おー!!」」」

恭文達はダーククライム戦闘員に案内され、ダーククライムのアジトの一つに着いた。

「さて、案内ご苦労。 スタッグビートルサイクロプスはどこにいるんだ?」

一文字隼人に右腕を持たれた状態で尋ねられたダーククライム戦闘員は首で前の方向を指し示した。
すると、大勢のダーククライム戦闘員とスタッグビートルサイクロプスが現れた。
一文字隼人は捕まえていたダーククライム戦闘員の首に手刀を叩き込んだ。

「よく来たなぁ、ガイアセイバーズども・・・ それに小僧もなぁ」
「そんなことはどうでもいい・・・ さっさとフェイトを返せ・・・」

恭文の殺気を含んだ言葉にスタッグビートルサイクロプスは一歩たじろいでしまう。
しかし、気を取り直し、恭文に質問をしていく。

「小僧、狭間の礎は持ってきたか?」
「何のこと? 僕、そんなの知らないんだけど」
「貴様が持ってるロストロギアとやらのことだ! それでいいんだな、トライバル・エンド?」

スタッグビートルサイクロプスの言葉とともに今までいなかったはずのトライバル・エンドがその場に姿を現した。

「蒼凪恭文君、君の持っている狭間の礎を何も言わずに渡してくれればフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは解放しましょう・・・」
「恭文君! 奴の言葉は嘘だ!! 奴がそんな約束を守るわけな・・・」

筑波洋の言葉を恭文は無視して、トライバル・エンドに近づいていく。
しかし、その目には何か考えがあるような鋭さがあった。

「分かったよ、あげるよ・・・ 僕からのプレゼントをさ!」

そう言った瞬間に恭文はアルトアイゼンを起動させ、その刀身でトライバル・エンドが差し出していた右腕を切り裂いた。
トライバル・エンドは恭文の斬撃に腕を切り落とされると恭文から距離を取った。

「どういうつもりですか、蒼凪恭文君・・・」
「決まってるでしょ・・・ 僕は敵の言いなりになるなんて真っ平ごめんだからね。 それに、それが人にお願いする態度?」

恭文の出している殺気に周りにいた戦闘員が恭文の殺気に当てられて少しずつ倒れていく。
天道達も恭文の殺気に少し圧されてしまっていた。

「ええい! この女がどうなってもいいのか!?」
「黙れ、虫けら・・・ 今、お前とじゃなくてあいつと話をしてるんだ・・・ 黙ってろ・・・」

トライバル・エンドと恭文の話に横やりを入れたスタッグビートルサイクロプスに恭文が冷たく言い放った。
それを聞いて、スタッグビートルサイクロプスは自身が取り憑いたフェイトの首筋に槍の切っ先を向けた。

「これでも偉そうなことが言えるのか?」
「だったら、何? そのフェイトは僕の彼女じゃない・・・ ただの異世界のフェイトだ・・・ どうなろうと知ったことじゃない・・・」

その言葉を聞いたスタッグビートルサイクロプスはフェイトの首筋に槍の刃を突き立てようとした。
しかし、恭文の次の一言でその動きは止まった。

「一つ言っとくけど・・・ もし、そのフェイトを殺したら僕はお前をすぐに殺す・・・ それも、生きたことを後悔するくらいに・・・ 嫌なら黙って話を聞いてろ・・・」

恭文の言葉にスタッグビートルサイクロプスはフェイトの身体から抜け出した。
そして、話を聞くことにした。

「なかなかの殺気と言葉、恐れ入りましたよ・・・ それで、どうします・・・ 狭間の礎を渡して彼女を救うか、このまま彼女を殺すか・・・」
「僕に決めろってこと? 天道さん達にじゃなくて・・・」
「そうですね・・・ 今の状況で彼らに決定権はないでしょう・・・」

恭文はトライバル・エンドの言葉に少し考えた後、狭間の礎をトライバル・エンドに投げ渡した。

「恭文!?」
「僕は世界のためとか平和のために戦えるようなできた人間じゃないんですよ。 僕が戦うのは守りたいものを守るためだけです」
「正しい判断だな。 それに、狭間の礎は後で取り戻せるがテスタロッサ・ハラオウンの命は取り戻せないからな」
「しかし、その判断を後悔することになりますよ・・・ 蒼凪恭文君、そして、ガイアセイバーズの諸君・・・」

そう言うと、トライバル・エンドとスタッグビートルサイクロプスは姿を消した。

「天道、フェイトちゃんは助かったけど、これからどうするつもりだ?」
「加賀美、お前はもう少し頭を使え。 奴があのロストロギアを手に入れたのには必ず理由がある。 なら、ロストロギアの専門家に聞くのが一番だろう」

そう言うと、天道はダーククライムのアジトを後にした。

ガイアセイバーズ基地に戻った天道達は零次の訓練に付き合っていたなのは達と合流し、作戦会議を開いた。
そして、無限書庫の司書長であり、知り合いでもあるユーノ・スクライアに連絡を取っていた。

『どうしたんですか、天道さん? 僕に連絡してくるなんて珍しいですね』
「そうだな、ユーノ・スクライア。 一つ聞きたいことがある」
『何ですか?』

天道は少し息をすると狭間の礎についての詳細をユーノに尋ねた。

「ユーノ・スクライア、お前に聞きたいのは狭間の礎というロストロギアについてだ。 あのロストロギアは一体何なんだ?」
『狭間の礎は無数とあるロストロギアで空間転送の力を持っています。 狭間の礎は別の狭間の礎がある世界とのリンクを強くさせるんです』
「つまりは時空管理局の転送ポートと同じか・・・」

話を聞いていた本郷は自分の考えを呟いていた。
ユーノはその呟きを聞き、空間モニターの画面越しに頷いていた。

『そうです。 古代ベルカ時代、その時は今のように便利な転送ポートはなかったんです。 そこで、狭間の礎を送り、そこへ軍隊を転送させて戦争に活用していたんですよ』
「つまり、トライバル・エンドの狙いは別の世界に侵攻することということか」

天道の言葉にその場にいたガイアセイバーズメンバー達は目を見開いていた。

「すまなかったな、ユーノ・スクライア。 もういいぞ」
『分かりました。 気をつけてくださいね・・・ 早く止めないと大変なことになりますから・・・』

ユーノは重苦しそうな表情で空間モニターの画面を切った。
天道はユーノとの通信で今後の行動方針を決定したようだ。

アイキャッチA(心眼の訓練をする零次)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-10 古き鉄の来訪 Part-1

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-10 古き鉄の来訪 Part-1

とある管理外世界の遺跡で一人の男性と一人の少年が調査をしていた。
この遺跡にロストロギアがあると報告があったからだ。

「ユーノ先生、報告ではここにロストロギアがあるって言ってたんですよね」
「うん、そうだよ。 だから、この遺跡にあると思うんだけどね」

しかし、二人の調査が進んでもなかなかロストロギアは見つからなかった。
そんな時、二人の前にそのロストロギアが姿を現した。

「ユーノ先生! あれ!!」
「うん、恭文君! 気をつけて!!」

恭文と呼ばれた少年がロストロギアを手にしようとした時にそれはまばゆい光を放った。
そして、恭文の姿が二人がいた遺跡から消えた。

「恭文君? 恭文君!? どこに行ったの!!?」

ユーノの叫びは遺跡に響いただけだった。

梨杏はスバルとの試合の後、いろいろ話す約束をした。
そして、今それを話しているところである。

「あたしはね、梨杏・・・ 零次と似たような身体なんだ・・・」
「それってどういう意味なの、スバル・・・」

梨杏はスバルの真剣で少し辛そうな表情を見て、自分が聞こうとしていることの重さを感じた。

「あたしは普通の人間じゃないんだ・・・ 梨杏もこの間の試合の時に違和感を感じてたんでしょ?」
「うん・・・ スバルの身体、なんか凄く硬かった・・・ ううん、たぶん骨が硬いんだよね・・・」

梨杏の言葉にスバルは静かに頷いていく。
しかし、その表情は自分が梨杏に嫌われるんじゃないかと恐れているようなものだった。

「そう、あたしは機械骨格に人造筋肉で強化されてるの・・・ 梨杏はあたしがこの世界でできた友達だから嫌われたくない・・・ でも、嘘もつきたくない・・・ だから・・・」
「その続きは言わないで・・・ わたしはスバルが普通だとしてもそうじゃなくても嫌いになんてなれない! それに、スバルのことを人間じゃないって言ったら零くんのことも人間じゃないって言わなきゃいけなくなるもん・・・」

梨杏は泣きそうになっているスバルをじっと見ながら言葉を続けた。

「もし、そのことで誰かがスバルに何か言っても、わたしが守るから・・・ わたしは零くんみたいに強くなりたい・・・ スバルはわたしと友達でいるの、嫌じゃない?」
「嫌なんてわけないじゃない! 梨杏はあたしの友達だよ!! まだ、付き合いは短いけど大切な友達・・・ 零次のことを梨杏が知ってから梨杏に黙ってるのが怖かったんだ・・・」

スバルは泣きながら自分の想いを梨杏に話していく。

「ほんとはさ、凄く怖かった・・・ 梨杏があたしのことを何て思ってるかって考えたらすっごく・・・ でも、怖いけど逃げちゃいけないって思ったから話したの・・・ それに、梨杏との試合の時もいつ梨杏を壊すかもしれないって・・・」
「スバルが戦うために生み出されたからってスバルがそうするわけじゃないでしょ・・・ だって、わたしが知ってるスバルはちょっとドジでとってもよく食べて・・・ まぁ、よく食べるのはわたしもだけどね・・・ それに、スバルは人を守るために自分の力を活かしてるじゃない・・・ 本当の化け物ってさ、そういうことを忘れたもののことを言うんだって、今なら思える・・・」

梨杏は自分が見てきたスバルのことをゆっくりと話していく。
スバルも流れていた涙を拭い、梨杏の話を聞いていく。

「それに、わたしはスバルが何だって構わないよ。 だって、スバルはスバルだから・・・」
「ありがと、梨杏・・・ 今度、試合する時は負けないからね!!」

スバルはいつものように元気に梨杏にそう言った。
梨杏はそれを聞いて、ついクスリと笑ってしまう。

「スバル、どっかお昼食べに行かない?」
「いいねぇ!! 早く行こうよ、梨杏!!」

スバルは梨杏の手を引っ張りながら早歩きをしていく。
梨杏はそんなスバルの勢いに任せることにした。

恭文が目を覚ますとそこはある河原だった。
とりあえず、身体を起こすと恭文は辺りを見回した。

「とりあえず、ここどこだろ?」
《さぁ、分かりませんねぇ・・・ それよりも、マスター・・・ 妙な気配を感じるんですが・・・》
「アルトも感じてたんだ。 じゃあ、とりあえず後ろの奴に聞いてみますか?」

恭文はそう言うと、後ろへ振り返った。
そこにいたのは日本刀を持ったカブトムシの怪物、ビートルサイクロプスだった。
ビートルサイクロプスはその日本刀を上段から叩きつけるように振り下ろしていた。

「問答無用ってわけね。 だったら、こっちも最初からクライマックスで行くよ!!」
《はい、マスター! 行きますよ!!》

恭文は自分のデバイス、アルトアイゼンをセットアップして、ビートルサイクロプスの刀を受け止めていた。
アルトアイゼンの姿は日本刀のようである。

「小僧、俺の刀の錆になれ!!」
「お断りしますよ! 僕はまだ死ねないんでね!!」

恭文はビートルサイクロプスの刀を押し上げると前転で素早くビートルサイクロプスとの距離を取っていく。

「お前、何者なのさ? 答えてもらうよ」
「俺はダーククライムで一番の剣豪、ビートルサイクロプス様だ! 小僧、覚えておくといい」

ビートルサイクロプスはそう言うと、恭文の周りに戦闘員を取り囲ませた。
そして、戦闘員が手にした刀を恭文に振り下ろしていく。
しかし、恭文はアルトアイゼンの鞘で戦闘員達の刀を防ぎ、アルトアイゼンで戦闘員を斬りふせていく。


「貴様ぁ!! 何者だ!?」
「あれ、名乗ってなかったっけ? まぁ、いいや。 僕は通りすがりの魔導師だよ! 覚えておけ!!」

恭文が力強く名乗るとまた戦闘員が恭文に斬りかかっていく。
しかし、すぐさま斬りふせられた。

「そろそろ、あんたが相手になったらどうなのさ」
「そうだな。 俺が貴様を殺してやろう」

そう言うと、ビートルサイクロプスは恭文に上段から斬りかかっていく。
しかし、恭文はそれをかわすと下段からアルトアイゼンを振り上げた。
ビートルサイクロプスはその斬撃にたじろいでしまい、バランスを崩した。

「今だ! 行くよ、アルト!!」
《はい、マスター》

そう言うと、恭文はアルトアイゼンの刀身に蒼い魔力の膜を張っていく。
これが、恭文の切り札への布石でもある。
ビートルサイクロプスは恭文が切り札を使う前に殺してしまおうと慌てて斬りかかっていく。

「鉄輝・・・」

恭文もビートルサイクロプスに駆け寄っていく。
そして、鞘に収めていたアルトアイゼンを抜き放った。

「一閃!!」

恭文が振るったアルトアイゼンがビートルサイクロプスを真っ二つにした。
恭文はビートルサイクロプスを倒すとアルトアイゼンを待機状態に戻した。

「ねぇ、アルト。 あいつ、何だったんだろうね?」
《さぁ。 どうやら、この世界はああいった怪物がいるのだと考えた方がいいみたいですね》

相談し終わった恭文の視線の先にスバルと梨杏がいた。

「えっと、スバル?」
「ん? どうして、あたしの名前を知ってるの??」

恭文はスバルにそう尋ねられると少し考えてから自分のことを話し始めた。


「えっとね、僕は別の世界から飛ばされてきたんだ・・・ それで・・・」
「君がいた世界であたしと付き合いがあったんだね。 えっと、あなたの名前は何て言うの?」

スバルに名前を聞かれると恭文はその言葉に答えた。

「僕の名前は蒼凪恭文。 で、デバイスの名前はアルトアイゼンって言うんだ」
「じゃあ、恭文にアルトだね!」

スバルがアルトアイゼンをアルトと呼んだ瞬間、アルトアイゼンがそのことに文句を言っていた。


《すみません、スバルさん。 いくら、異世界のあなたとはいえ、私のことをアルトと呼ばれては困ります。 私をアルトと呼んでいいのはマスターとグランドマスターだけですから》
「そっか。 ごめんね、アルトアイゼン」


アルトアイゼンは元々、恭文の師匠であるヘイハチ・トウゴウ氏のデバイスであり、恭文とはある事件をきっかけに絆を深めた。
そのため、自身の愛称を呼ばせる人間を限定しているのである。

「ところで、恭文くんは何でこの世界に飛ばされたの?」
「えっと、あるロストロギアを探していて、そのロストロギアにこの世界へ飛ばされたんです」

恭文は梨杏の質問に丁寧に返事をしていく。
梨杏はそんな恭文を見て、少し微笑んでしまうのを感じていた。

「そうなんだ。 恭文くん、わたしの名前は梨杏、彩坂梨杏だよ。 よろしくね」
「よろしくお願いします、梨杏さん」

恭文と梨杏の会話を聞いていたスバルがふとある疑問を口にした。

「ねぇ、恭文。 どうして、梨杏には言葉づかいが丁寧なのさ?」
「えっ、だって僕より年上でしょ?」

恭文の言葉に梨杏は自分の年齢を明かしていく。

「わたしはスバルと同じ17歳だよ」
「じゃあ、僕より2つ年下なの? 全然見えないよ!?」

梨杏は恭文の言葉に少し照れていた。
恭文はスバルと梨杏にこの世界について聞くことにした。

「ねぇ、梨杏、スバル。 この世界ってどんな世界なのかな?」
「どんな世界ってどういう意味なの、恭文?」
「えっと、僕は別の世界の人間じゃない。 でも、元の世界に戻る方法も今は分からない。 だから、この世界について理解してからやれることをしようと思ってさ」

恭文の言葉にスバルも梨杏も微笑んだ。
そして、恭文にこの世界について説明することにした。

「この世界はね、ガイアセイバーズっていう組織があって、いろんな人達が助け合ってるの。 というか、あたしにはうまく説明できないよ。 恭文の目で見てみたらいいんじゃないかな」
「それもそうだね。 じゃあ、ガイアセイバーズの基地に案内してくれるかな?」

スバルと梨杏は早速恭文をガイアセイバーズ基地へ案内することにした。


「ビートルサイクロプスがやられましたか・・・ 異世界からの魔導師の少年ですか・・・ 厄介ですね・・・」

ダーククライムの本拠地、ダークホライズンではトライバル・エンドが次の作戦を練っていた。

「それでは、私が新たに造ったスタッグビートルサイクロプスを使ってみてはいかがでしょう?」
「スタッグビートルサイクロプス? そのサイクロプスはどんな能力を持っているのですか??」

トライバル・エンドに話しかけたのはハイドである。

「このサイクロプスには奇械人の人間乗り移りの術が使えるようにしてあります。 さらに、例の少年ですが・・・ やはり、あのロストロギアが絡んでいるようですね」
「そうですか・・・ なら、彼について調べてから作戦に移りましょう・・・」

そう言うと、トライバル・エンドはその場から姿を消した。

数日後、ガイアセイバーズ基地に一人の査察官が訪れた。
彼はゆっくりと基地の中を歩いていく。

「本郷・・・ あの査察官、怪しくないか・・・」
「確かにな。 探りを入れるか」
「なら、茂に任せた方がいいですね。 茂は俺達よりも相手に警戒心を与えませんからね」

査察官を見た本郷猛と一文字隼人、風見志郎は自分達が感じた違和感を確かめるためにある罠を仕掛けることにした。

本郷達から連絡を受けた城茂は早速査察官に近づくことにした。

「よぉ。 あんたが今回の査察官さんかい?」
「えぇ、そうですよ。 あなたは?」

査察官の問いかけに茂は自分の名前を名乗った。

「俺は城茂。 おっと、握手はこのままで頼むぜ。 でねぇと、あんたを丸焦げにしちまうからよ」
「そうですか。 私は西城義晴。 よろしくお願いします、城さん」

そう言うと、義晴は茂と手袋ごしに握手を交わした。
それから、茂の案内の下、義晴はガイアセイバーズ基地を査察していった。
その途中で、恭文を見かけた義晴は恭文の下へ向かった。

アイキャッチA(バリアジャケットをセットアップした恭文)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-9 ガールズインパクト始動

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-9 ガールズインパクト始動

天道総司が宣言した、ガイアセイバーズ女性隊員で構成された打撃系格闘技団体、ガールズインパクトが活動を開始した。
公開トレーニングを行っただけの話ではあるが・・・

「それにしても、ガールズインパクトを創るって言った時の反響は凄かったねぇ・・・ まぁ、反対意見も多かったけどね・・・」
「そうですね・・・ でも、天道さんは軌道に乗れば一般からもスタッフや選手を募集するって言ってたじゃないですか」

梨杏の言葉に洋子はサンドバックを叩くのを止めて、頷いていく。
そう、ガールズインパクトはある程度軌道に乗れば、一般からの選手やスタッフを受け入れるつもりでいる。

「でも、梨杏。 あたし達も参加していいの?」

スバルは梨杏に尋ねていた。
自分達は正式なガイアセイバーズの隊員ではなく、あくまで臨時隊員だと主張しているのである。

「それは関係ないんとちゃうかな? っていうか、なのはちゃんらはガイアセイバーズの隊員でもあるわけやから部下のスバルちゃんらも隊員扱いしとるんとちゃう??」
「そう言われてみればそうだね。 スバル達はもうガイアセイバーズの隊員だしね。 お給料ももらったでしょ?」

梨杏は最近、スバルから呼び捨てで呼んでいいと言われてからスバルのことを呼び捨てしているのだ。
スバルは梨杏の言葉に笑みを浮かべながら首を縦に振っていく。

「でも、わたしね、一度スバルと闘ってみたかったんだ! あっ、魔法とかじゃないよ、格闘技で試合したいってことかな」
「それはあたしもだよ、梨杏。 あの試合見てから、ずっと梨杏と闘ってみたいって思ってたの。 喧嘩とかじゃなくてさ・・・ スパーリングだっけ?」

スバルの疑問混じりの言葉に梨杏は頷いていく。
スバルも地球に来てから梨杏や彩、零次達から地球の文化を学んでいるがまだまだ拙いようだ。

「合ってるよ、スバル。 でも、スバルもだいぶん地球の文化に慣れてきたんじゃない?」
「そうだね、だいぶ慣れたかも。 でも、まだまだ慣れないことも多いよ」

スバルの言葉に梨杏は少し笑みを浮かべた。

「スバルもりーちゃんも強いからね。 ボクも二人と試合したいよ」
「あたしもだよ、アーヤ。 アーヤは強いからね」

スバルは彩の言葉に答えると人懐こい笑みで彩を見た。

「三人の願いが叶うわよ。 今度ある、ガールズインパクトの初回興行で三人のうちの二人にはセミファイナルで試合をしてもらうからね」

スバル達が話していると加奈が自動走行型車椅子に乗って、ガールズインパクトのジムまでやってきた。
加奈はガイアセイバーズでは事務や営業管理、武器管理などの裏方の仕事をしている。
しかも、加奈はそのトップである。

「スバルちゃんはとっても強いってお姉さんから聞いたし、梨杏ちゃんはまどかちゃんとの試合があってか2戦目の申請がないままだし・・・」

梨杏は加奈の言葉に少し俯いてしまった。
梨杏としては、早く試合をしてまどかに追いつきたいという想いがあるが他の選手が渋っているとも噂されている。

「わたし、スバルとやりたいです!」
「あたしも梨杏と勝負したい!!」

スバルと梨杏の気合い十分な様子を見て、加奈は静かに微笑む。
そして、二人の前に書類を差し出す。

「じゃあ、二人ともこの書類にサインしてちょうだい。 そうしてくれれば、私が試合の準備は進めておくわ」

加奈はスバルと梨杏が書類にサインしたのを見て、車椅子を走らせながらジムを後にした。

零次はマッハアクセルを走らせていた。
妙な電波をキャッチしたからである。

「妙だな・・・ 俺に場所を指定してきたはずなのに・・・」

零次が向かっているのは零次の家の近くにある河原だった。
零次は河原に着くとマッハアクセルから降りて、辺りを見回した。

「俺を呼んだ奴、いるんだろ! 出てこい!!」

零次の言葉に黒い身体の怪物が姿を現した。

「てめえは何者だ!?」
「アダム・・・ イヴ、貴様を破壊するものだ・・・」

アダムはそう言うと、左腕をバズーカ砲に変形させ、イヴに向けて発射した。
なんとか、かわしたものの爆風にイヴは吹き飛ばされてしまった。

「ぐあっ・・・」
「イヴ、破壊する・・・」

アダムは左腕を元に戻すとイヴに接近し、左右のパンチを叩き込んでくる。
イヴはその威力に体勢を崩すと転がりながらアダムとの距離を取った。
そして、反撃の右ストレートをアダムの胸に叩き込んでいく。

「硬ぇな・・・ 何なんだよ、こいつ・・・」
「私はアダム・・・ 貴様を死へ誘うもの・・・」

アダムの女性のような声にイヴは一瞬動揺してしまった。
そこをアダムに突かれ、刀に変形させた右腕で袈裟懸けに斬られた。
しかし、すぐに体勢を整えるとエネルギーを右手に集中して、アダムの身体に渾身のパンチを叩き込んだ。

「くっ・・・ イヴ、私はトライバル・エンド様からの帰還命令で退くが次こそは必ず破壊する・・・」
「待ちやがれ!!」

イヴはアダムを追おうとしたが高速で飛び去ったアダムを追うことはできなかった。
仕方なく、変身を解くと零次はガイアセイバーズ基地へ戻るために再びマッハアクセルを走らせた。


ガールズインパクトの初興行の日がついにやってきた。
選手となるガイアセイバーズ女性隊員は皆、緊張しているようだ。
梨杏とスバルも同じであった。

「なんか、緊張するね。 梨杏は緊張しないの?」
「ううん、緊張してるよ。 やっぱり、人の前で試合をするっていうのは慣れないよ」

梨杏とスバルは自分達の控え室の前で話している。
同じ部隊の仲間とはいえ、今回は選手同士なので全員一緒の控え室というわけにはいかないのだ。

「けど、わたしは負けないよ、スバル」
「あたしもだよ、梨杏」

二人はそう言うと、自分の控え室へ入っていった。

「天道さん、ガイアセイバーズに脅迫状が来たって本当ですか!?」
「あぁ、そうだ。 内容はガールズインパクトとガイアセイバーズの解散を要求するものだった」

ガイアセイバーズに送られた郵便物の中に紛れ込まされて、脅迫状が入っていた。
内容は天道が話した通りで送り主は書かれていなかった。

「それで、送り主は何者なんですか?」
「おそらくは反ガイアセイバーズ組織のどれかだろう。 もちろん、ガールズインパクトもガイアセイバーズも解散などさせない」

ガールズインパクトは実のところ、政府が防衛費の1/4を払っていたのだが、それを支払うことを渋ってきた。
ならば、自分達でガイアセイバーズの運営費を稼いでしまおうと天道は考えたのである。

「ガールズインパクトはガイアセイバーズの組織運営のためと女性隊員が強くなることで男性隊員達を奮起させるために作られたから解散させられないんですね」
「その通りだ、加奈。 そして、犯罪者の脅しに屈するようでは地球など守れん。 だから、反ガイアセイバーズ組織の計画を正面から叩き潰す」

今、総監室で話しているのはガールズインパクトのトータルマネジメントに就任した大滝加奈である。
加奈はガイアセイバーズでは組織運営の中枢である総合管理課のチーフも務めている。

「あぁ、既に正木に連絡してウィンスペクターとソルブレインを動かしている。 お前はガールズインパクトの興行を無事に成功させてくれ」
「分かりました、天道さん。 いえ、総監」

加奈は車椅子の上で敬礼をしてから総監室を後にした。


ガールズインパクトの興行が始まった。
試合は順調に進み、ついにスバル達の試合、セミファイナルまで来た。

「いよいよかぁ。 梨杏はきっと凄く強いんだろうなぁ。 あたしのシューティングアーツの基礎がどこまで通用するかだよね。 頑張るぞぉ!!」
「スバルちゃん、調子よさそうやね。 せやけど、うちがスバルちゃんのお姉ちゃんと試合するっていうのに気にならんの?」

スバルは洋子の問いかけに少し深呼吸をしてから答えた。

「心配はしてますよ。 でも、ギン姉はあたしよりも強いから洋子さんに勝っちゃったりするんじゃないかなって思ってるんです」
「そら、また偉い自信やね。 自分のことやないのにここまで言えるっていうのも凄いわ」

洋子は感心したように呟きながらスバルを見た。
そこへ、呼び出し係になった整備部の女性隊員がスバルを呼びに来た。

「あっ、はーい! じゃあ、洋子さん。 ギン姉との試合頑張ってくださいね!!」
「スバルちゃんも梨杏ちゃんとの試合、頑張りや!!」

洋子は笑顔でスバルを控え室から送り出した。

一方、梨杏の控え室ではギンガと梨杏が話していた。

「あのね、梨杏ちゃん。 スバルのことで少し話したいことがあるんだけどいいかな?」
「スバルのことならスバルから聞きます。 今、スバルが話してくれないんだったら、それは今は聞いてほしくないことだと思うんです。 だから、今は聞きません」

梨杏の言葉と表情にギンガは梨杏の言いたいことが分かったのか、その話はしなかった。

まずは、スバルがリングアナを務める柊瑞枝に呼ばれ、花道からリングまで向かった。
そして、リングインをしていく。
次に、梨杏がリングインしていくとレフェリーを務める宇崎ランが二人をリング中央へ呼んだ。

ちなみに、瑞枝はアサルトフォースの隊員で、ランは獣拳戦隊ゲキレンジャーの一員でもある。

「二人ともクリーンなファイトをしてね」
「はい!!」
「もちろんです!!」

ランの言葉にスバルと梨杏が勢いよく答えるとランは二人を自分のコーナーに戻した。

洋子はギンガの控え室にいた。
加奈に呼ばれたのである。

「それで、加奈。 会場の中に反ガイアセイバーズ組織の犯罪者が潜り込んだのはほんま?」
「えぇ、本当よ。 今は会場の駐車場にいるわ。 二人は素早く片付けてくれないかしら?」

加奈の言葉に洋子もギンガも頷いていく。

「ありがとう、洋子、ギンガちゃん。 気をつけて」

洋子とギンガはすぐに駐車場へ向かった。

駐車場にはハンドガンやマシンガンを持った男達がいた。

「ギンガちゃん、魔法使ってもええから手早く片付けるで!!」
「分かりました!!」

そう言うと、ギンガは男達の前に飛び出した。
男達はすぐさまギンガに向けて、手にした銃を乱射した。

「トライシールド!!」

ギンガはその銃弾をシールド系の魔法であるトライシールドで防いだ。
そこへ、洋子が男達の手元に銃弾を撃ち込んだ。

「あんたら、観念しぃ!! あんたらの負けや!!」
「まだ、負けてなんかいねぇ! 会場に仕掛けた爆弾が爆発すればお前らも終わりだ!!」

男達の一人の言葉を聞いて、洋子はすぐに加奈に報告した。
そして、ギンガが男の首筋に手刀を叩き込んだり、腹にパンチを叩き込んだりして気絶させた。

洋子の報告を受けた加奈はすぐさま爆弾の捜索を指示した。
その指示を受けて、ソルブレイン隊長、西尾大樹とウィンスペクター隊長、香川竜馬はそれぞれの部下に命じていった。

「竜馬先輩、様子が変ですよ。 いくら、ガイアセイバーズを潰すためとはいえ、ただ関係のない人達を殺すことに意味はないはずです」
「確かに。 もしかしたら・・・ 大樹、ガイアセイバーズの基地に急ぐぞ!!」
「はい!!」

竜馬と大樹は会場を飛び出して、ガイアセイバーズ基地へ急いだ。


アイキャッチA(道路を走るソルギャロップとナイトカスタム)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-8 ゲームバンキの罠

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-8 ゲームバンキの罠

梨杏とまどかのデビュー戦が終わってから2週間が経っていた。
零次は相変わらず洋子達との戦闘訓練を続けている。
今は洋子とスパーリングを行っていたりする。

「ほら、零次くん! 君の蹴りはモーションがまだまだ大きいよ!! すぐ読まれてガードされちゃうよ!!」
「だったら、ガードできないくらい強い蹴りを打ち込めばいいんだろ!!」

零次は洋子のガードをお構い無しに鋭い蹴りを打ち込んでいく。
しかし、洋子はそれが当たる寸前でかわし、零次のボディーに右の掌底を叩き込んでいく。
お腹に衝撃を与えられた零次は勢いよく飛んでいった。

「だからって、ただ力強く蹴ればいいってもんじゃないよ。 君の場合はモーションを小さく、威力を上げる必要がある。 例えるなら、君の蹴りを刀のように研ぎ澄まさなきゃ駄目だよってことだね」
「ありがとうございました、洋子さん。 それにしても、めちゃくちゃ強いですね?」

洋子は零次に誉められて嬉しそうに頬を緩めた。
そして、照れ隠しに零次の背中を強く叩いた。

「そういえば、洋子さんってガイアセイバーズに何で入ったんですか?」
「えっとね、わたしがガイアセイバーズに入ったのは天道さんに誘われたからかな・・・」

洋子は零次の問いかけにはぐらかすように答えた。
そのまま、基地の中へ入っていった。

「野上さんは洋子さんがガイアセイバーズに入った理由って知ってますか?」
「僕も詳しくは知らないんだ。 ただ、洋子ちゃんの恋人が関係してるらしいよ」

良太郎はそれだけ言うとその場を後にした。

『品川の街中で蛮機獣の出現が確認されました。 ガイアセイバーズ各員はただちに出動してください!!』

ガイアセイバーズのメインコンピューターである『ワイズ』が蛮機獣の出現を衛星で監視し、ガイアセイバーズの基地内にそのことを大音声で隊員達に報告した。

「全員、さっきの放送は聞いたな。 とりあえず、蛮機獣を撃退、背後にいる奴を調べるんだ!!」
「「「了解!!」」」

総監である天道総司の指示でガイアセイバーズのメンバーが素早く出動の準備をしていく。
そして、現場へと急行した。

「さぁ、この街を俺様の力で破壊してやるゲム!!」

現場で暴れている蛮機獣はゲームバンキである。
ゲームバンキは腕のビームガンから電撃を放ち、街を破壊していく。

「おい、蛮機獣! 俺達が相手だぜ!!」
「ゴーオンレッドにガイアセイバーズどもか? 全員揃ったな??」

ガイアセイバーズのメンバーはゲームバンキの様子に違和感を感じたのか、一気に攻め込むことができないようだ。

「俺の力を受けてみろゲム!!」

ゲームバンキがそう言うと辺りの雰囲気が急に変わった。
まるで、ゲームの世界に入ったようになっている。
カブトやゴーオンレッド、イヴ達はこの世界がどこなのか、分からなくなっている。

「貴様、ここはどこだ? 答えろ」
「ゲームマスターたるこの俺に対してずいぶんな口の聞き方だな。 言っておくがな、俺しかお前達をこの世界から出すことができないんだぞ。 そんな口の聞き方をしていいのか?」

ゲームバンキの言葉にカブトはカブトクナイガン・ガンモードの銃口をゲームバンキに向けて答えた。

「黙れ。 俺達は必ずこの世界から貴様の力を借りずに脱出してやる」

カブトがそう言うとガイアセイバーズのメンバーもそれぞれ構えを取った。

「だったら、死ぬまで後悔してるんだなゲム!!」

そう言うと、ゲームバンキの姿が消えた。

カブト達はどこかの遺跡にいた。

「ここはどこだ? どうやら、何かの遺跡のようだが・・・」
「分からんな・・・ 遺跡ならおそらくトラップがあるはずだがな・・・」

カブトの言葉にボウケンレッドが冷静に答えていく。そして、遺跡の内部をどんどん進んでいく。

「待ってください・・・ あなた方が裏切るのは計算に入ってましたが本当に裏切るとは呆れましたね・・・」
「黙れ! 俺を利用しようとしても無駄だ!!」

トライバル・エンドが追っているのは臨獣拳の元当主、黒獅子リオだった。
トライバル・エンドは蘇らせた部下達を全てコントロールできていたわけではないのだ。

「あまりわたしの手を煩わせないでください・・・」
「偽名を使っているような貴様に何を言われても無駄だ。 ハ・・・」

リオは名前を呟こうとしたがそこにトライバル・エンドが闇のエネルギー弾を撃ち込んだ。

「困りますねぇ・・・ 今、あなたが口にしようとした名はまだ明かすわけにはいかないんですよ・・・」

トライバル・エンドは本名を明かそうとしたリオを抹殺しようと剣を振り降ろした。
しかし、その剣がリオに到達することはなかった。

「お取り込み中悪いがあんたの思い通りにさせるわけにはいかないんでな」

そう、仮面ライダーディケイドがライドブッカー・ソードモードの剣先で防いでいたのである。
剣を防がれたトライバル・エンドはさらにディケイドに斬りかかっていく。


「わたしの計画の邪魔をしないでいただきたいものですね・・・」
「悪いな・・・ 俺はお前の邪魔をするのが生きがいだからな」

ディケイドはそう言いながらトライバル・エンドの剣をかわし、ライドブッカーから一枚のカードを取り出す。
そして、ディケイドライバーにセットしていく。

『ATTACKRIDE ILLUSION』

すると、ディケイドが6人に分身した。

「やれやれ・・・ わたしも動きやすい身体になりますか・・・」

そう言うと、トライバル・エンドの姿は黒獅子リオの姿に変わっていた。
ディケイドは黒獅子リオ(トライバル・エンド)を包囲していく。

「随分な姿だな。 俺達を相手に勝てるつもりか?」
「勝てるではなく、滅ぼすですよ・・・」

トライバル・エンドはそう言うと目の前にいるディケイドに拳を叩き込んだ。
ディケイドはその威力に吹き飛ばされてしまう。
しかし、体勢を整えると他の5人のディケイドとともにトライバル・エンドに襲いかかっていく。

「なかなかやりますね・・・ わたしも本気を出すとしましょう・・・」
「だったら、さっさと本気出せよ! 遊んでやるからよ」

黒獅子リオ(トライバル・エンド)はディケイドの包囲をジャンプすることで回避していく。
そして、ディケイドの身体に拳を叩き込んでいき、さらに、他のディケイドにも蹴りを打ち込んでいく。

「ぐはぁ・・・ くそっ・・・」
「案外大したことありませんねぇ・・・ 死んでください・・・」

黒獅子リオ(トライバル・エンド)は闇の力を手に集めていく。
ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを引き抜いていく。

「俺はあんたにやられるつもりはないぜ・・・」
『FINAL ATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE』

ディケイドがファイナルアタックライドを発動させ、トライバル・エンドを倒そうとする。

ゲームバンキの力でゲームの世界へ飛ばされたイヴ達は変身を解除し、その世界の探索をしていた。

「しかし、これだけ調べて分かったのがこの世界からは通常の方法では脱出できないということだけか・・・」
「ここから脱出するにはあのゲームバンキを倒すしかないということだな・・・」

天道や明石を始めとしたガイアセイバーズメンバーは対策会議を行っていた。
しかし、明確な解決方法が見当たらず焦れている。

「おい、ゲームバンキ! これはゲームなんだろ!?」
『何だゲム。 言ってみろゲム』

零次が空に向かって叫ぶと空からゲームバンキの声がした。

「俺の条件はただ一つ。 ゲームのプレイヤーを俺が指名する・・・ その条件が飲めないなら俺達はゲームをしないぜ!」
『いいだろうゲム・・・ 指名するゲム・・・』

ゲームバンキの言葉に零次は考え込む。

「(本当なら洋子さんに任せるところだが、今は関西支部に出向してるからな・・・ ここはあいつに任せるか・・・)」

零次は答えを出したようである。

『さっさと言うゲム!』
「あぁ。 俺が指名するのは彩坂梨杏だ!!」
『分かったゲム・・・ 連れて来てやるゲム!!』

そう言うと、ゲームバンキは別の場所にいた梨杏を呼び寄せた。

「な、何なんですか・・・」
「お前の幼なじみがお前に命を預けるって言ってるゲム。 だから、呼んだゲム」

梨杏は自分の目の前にあるテレビに映る零次を見て、驚いていた。

「何で零くんがテレビの中にいるんですか!?」
「お前に隠してたゲムか、沢井零次・・・ 教えてやるゲム。 沢井零次は仮面ライダーイヴだゲム」

梨杏はゲームバンキの言葉を信じられないという表情をした。
しかし、テレビの画面に映る零次の表情は一気に暗くなる。

「ほんとなんだね、零くん・・・ なら、わたしが零くんを守るから!! 早くゲームをさせてください!!」
「だったら、早くコントローラを握るゲム」

梨杏はゲームバンキから渡されたコントローラを握ると少し深呼吸をした。

「(零くん・・・ 必ずわたしが助けるから・・・)」

ゲームバンキのゲームが再開された。
零次達の前にダーククライム戦闘員が複数現れた。

「(頼むぜ、梨杏。) 変身!!」

零次は梨杏に全てを任せ、イヴへ変身した。

「よし、行くぜ!!」

イヴは梨杏の操作を受けて、的確に戦闘員達にパンチやキックを叩き込んでいく。
まるで、自分の意思で動いているように動いている。

「馬鹿なゲム・・・ 何でこんな動きができるゲム・・・」
「(零くんの癖、仕種、タイミング、よく分かる・・・ だから、零くんを、仮面ライダーイヴを最高の状態で戦わせてあげられる!!)」

梨杏は素早くコントローラにコマンドを叩き込んでいく。
それを受けて、イヴは次々に戦闘員を叩きのめしていく。

「凄いなぁ、梨杏ちゃん・・・ 俺達もあそこまで凄いとは知らなかったぜ・・・」
「そうですか、城先輩。 俺が昔零次君を訪ねた時、梨杏ちゃんと仲良くゲームしてたんだけど、凄い集中力でノーミスでクリアしてましたよ」

筑波洋は城茂の言葉に昔のことを思い出すような口調で返事をした。

「我が僕達よ・・・ ガイアセイバーズがいない今のうちにシャドームーン様の肉体を探してくるのです・・・」

トライバル・エンドの言葉に従った手下達は早速シャドームーンの肉体の捜索へと向かった。

「そして、わたしはシャドームーン様の魂を導かねば・・・」

トライバル・エンドはダークホライズンの儀式場でシャドームーンの魂を導くための魔導陣を発動させた。

「そろそろ、ラスボスでも出てきそうな雰囲気だな」
「一文字さんの言う通りかもですよ」

零次の呟きを聞いたガイアセイバーズのメンバー達はその方向を見ると一体の怪人が立っていた。

「さて、ラスボス倒して現実の世界に帰りますか」

零次がそう言って、一歩踏み出すと空間が隔離され、他のガイアセイバーズメンバーは現実世界へと強制転送された。

「どういうことなんですか!? 何で零くんだけ帰ってこないんですか!?」

そう、ガイアセイバーズが帰されたのは梨杏が零次をコントロールしている場所だったのだ。

「最初から仮面ライダーイヴを誘い込むことが目的だったゲム。 そして、我らが王に器を捧げるゲム」

ゲームバンキの目的が分かったガイアセイバーズのメンバー達はゲームバンキを倒そうとするが既に実体はここにはいない。

零次(仮面ライダーイヴ)の前に蟷螂のようなサイプロクスがいた。

「あんたがラスボスかよ?」
「あぁ。 我が名はマンティスサイプロクス。 貴様を倒す者の名だ。 覚えておけ」

そう言うと、マンティスサイプロクスは両腕の鎌を水平に構え、イヴを見据えた。
イヴも静かに構えていく。

「(梨杏、俺の命・・・ 預けたぜ!!) 行くぞ!!」

アイキャッチA(コントローラーを持って、ゲームしている梨杏)
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-7 彩坂梨杏 プロデビュー!!(後編)

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-7 彩坂梨杏 プロデビュー!!(後編)

いよいよ、試合開始の時間になり、二人はすでにリングの上に上がっている。

「(いよいよ、まどかとの試合か・・・ 勝てるかは分からないけど全力でぶつからなきゃ!)」
「(あたしは同じ相手に二度も負けない・・・ この試合で梨杏をKOして、それを証明するわ!)」

二人は試合への意気込みは充分なようだ。

リングアナが二人の名前を読み上げていく。

「赤コーナー、116.7ポンド 里山ジム所属 彩坂梨杏!!」

リングアナのコールに梨杏は右腕を高く突き上げていく。

「青コーナー、 117.8ポンド 神宮寺ジム所属 神宮寺まどか!!」

リングアナのコールにまどかは堂々と両腕を突き上げていく。
まるで、自分が勝者だと言わんばかりに・・・

会場は観客がそれなりにいる。
いくら、美少女女子高生ボクサーのデビュー戦とはいえ、4回戦の試合なので見に来るお客も少ないわけである。

「両者、リング中央へ!」

二人はレフェリーにリング中央に来るように指示されるとゆっくりとリング中央へ向かった。
そして、相手を睨み続けていく。

「梨杏、あんたが通ってた病院の娘は大丈夫? はっきり言って、あたしはあんたとその娘のことを考えて試合してる暇はないわよ」
「真由ちゃんはもう大丈夫だよ。 それに、わたしも真由ちゃんもまどかには負けないよ。 KOしてあげるから」

レフェリーが二人に自分のコーナーに戻るように指示していく。
二人はその言葉に自分のコーナーに戻っていく。

「まどか。 作戦に変更はない。 梨杏ちゃんとの打ち合いに付き合うふりをしながら梨杏のパンチをかわして、お前のパンチだけを叩き込んでやれ」
「分かってるわ、パパ。 梨杏のパンチをもらえば、あたしが一発でグロッキーになることくらい・・・ だから、あたしのパンチとテクニックで梨杏をKOしてやるわ!」

まどかの言葉に耕次会長は頷いていく。
そして、まどかは試合開始までウォーミングアップをしていく。

「梨杏、神宮寺まどかは強敵だ。 心してかかれよ」
「分かってますよ、会長。 まどかはわたしが簡単勝てる相手じゃないってことは分かってますから・・・」

梨杏の答えに里中会長は満足したような表情を浮かべて、梨杏にマウスピースをくわえさせた。

「ラウンド1、ファイト!!」

試合開始のゴングが鳴り、二人が自分のコーナーから飛び出していく。
しかし、まどかはリング中央から少し離れた場所で構えを取った。
梨杏はまどかとの距離を縮めるべく、一気に近づいていく。

「来なさいよ、梨杏。 あんたのパンチなんかじゃあたしはKOできないわよ」
「なら、わたしのパンチでまどかをKOするんだから!!」

梨杏はさらにまどかの顔やボディを狙って、左右のストレートやフックを放っていく。
しかし、まどかは梨杏のパンチを紙一重でかわしたりガードしたりしていき、逆に梨杏の顔やボディに左右のストレート、フックやアッパーを叩き込んでいく。
まどかのパンチ力に梨杏のパンチ力が合わさったようなカウンターを食らい、梨杏の口から唾液が吐き出される。

「ぶふぅ・・・ あぶぅ・・・」
「梨杏! あんたのパンチはあたしには当たらないわよ!!」

梨杏はまどかに自分のパンチをかわされても必死にパンチをまどかの身体に叩き込もうとするがまどかに全てかわされてしまう。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (何で、まどかを捕まえられないの? 速すぎるよ・・・)」
「ふふっ・・・ あたしを捉えられなくて焦ってんの・・・ だったら、そろそろあんたをKOしてあげるわ!!」

まどかはそう言うと、梨杏の顔やボディへ左右のフックやストレート、アッパーを叩き込み、ラッシュをかけていく。
まどかのラッシュを食らった梨杏は前のめりにダウンしてしまった。

「ダウン! 1・・・ 2・・・ 3・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ あたしのパンチも結構効くみたいね・・・」

まどかはニュートラルコーナーに向かいながらそんなことを呟いていた。
梨杏はなんとか立ち上がろうとするがなかなか立ち上がれない。

「7・・・ 8・・・ ナイ・・・」
「(負けたく・・・ない・・・ まどかには負けたくない!!)」

梨杏はカウント9でふらつきながらも立ち上がった。
レフェリーが梨杏に試合を続けられるかを聞くと梨杏は頷いていく。

「ファイト!!」

レフェリーは梨杏が頷いたのを見て、試合を再開していく。
まどかは試合が再開されると梨杏がガードするのも構わず、左右のフックやアッパーなどを叩き込んでいく。
梨杏は反撃しようと考えているがまどかのパンチのスピードが速く、隙が見つけられない。

「ストップ! 神宮寺、ストップだ!!」

梨杏とまどかはレフェリーを見つめていく。
二人ともレフェリーストップかと思った。

「ゴングだ。 早く自分のコーナーに戻って」

レフェリーの指示にまどかと梨杏は自分のコーナーに戻っていく。
まどかも梨杏も肩で息をしているがダメージはラッシュを受けた梨杏の方が大きいだろう。

「まどか、1ラウンド目はまずまずな結果だな」
「そうだね、パパ。 けど、梨杏は次のラウンドから飛ばしてくるわ」

まどかは耕次会長に自分が思っていることを話していく。

「梨杏はおそらくスロースターターよ・・・ 1ラウンド目じゃエンジンはかからないわ・・・」
「すなわち、2ラウンド目以降じゃなければ梨杏ちゃんの本当の力は計れないということか・・・」

耕次会長はまどかの言葉に返事を返していく。
娘の言葉を神宮寺耕次は最も信用している。

「だったら、まどか。 梨杏ちゃんが次のラウンドでエンジンをかけてくる前にKOしてしまうんだ!」
「うん、分かってるよ、パパ!! このラウンドで梨杏と決着をつけてくるわ!!」

まどかは耕次会長の、父親の言葉に答えた。

「梨杏、1ラウンド目は完全に神宮寺に持っていかれたな。 けど、勝負は次のラウンドからだ。 いいな?」
「はい、会長! わたしもまどかとの勝負は2ラウンドにあると思ってますよ。 だから、安心してください」

梨杏が会長の言葉に返事をすると会長は頷きながら梨杏の身体の汗を拭いた。

「ラウンド2、ファイト!!」

そして、2ラウンド開始を告げるゴングが鳴り響き、梨杏とまどかがコーナーを飛び出していった。
しかし、梨杏はリング中央から少し離れた場所でガードを構えていく。

「どうしたの、梨杏! インファイターのあんたが中途半端な位置で止まったら、アウトボクサーのパンチの餌食になるわよ!!」
「だから、何? わたしのパンチでまどかをKOすればいいだけの話だよ!!」

梨杏はまどかに近づき、左右のストレートとフックを打ち込んでいく。
しかし、まどかは梨杏のパンチをかわすとまた左右のストレートを梨杏の顔に叩き込んでいく。

「んぐぅ・・・ かはぁ・・・ あぶぅ・・・」
「ほらほら、反撃してみなさいよ! あんたの四年間はこんなもんなの!!」

まどかの言葉に梨杏は右アッパーをまどかのボディに叩き込むことで答えていく。

「うぶぅ・・・ (さすがに梨杏のパンチは効くわね・・・ けど、一発程度じゃあたしをKOするには足りないわよ!!)」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (やっと、まどかに一発食らわせられた・・・ けど、ダメージはわたしの方が大きい・・・ もっと、まどかにわたしのパンチを叩き込まなきゃ!!)」

梨杏はさらにまどかの身体にパンチを叩き込もうと左右のストレートやフック、アッパーを打ち込んでいく。
しかし、まどかは落ち着いて梨杏のパンチを捌き、自分の左右のフックを叩き込んでいく。

「ぶふぅ・・・ んあっ・・・ くはぁ・・・」
「やってくれるじゃない、梨杏! でもね、あたしは今回はあんたに負けるわけにはいかないわ!! 同じ相手に二度も負けられないのよ!!」

まどかはさらに、梨杏のボディと顔に左右のフックやアッパー、ストレートを叩き込んでいく。
梨杏の口からは血混じりの唾液が吐き出され、顔やボディは痣ができ、腫れてきている。
それでも、梨杏は諦めずにまどかの身体にパンチを叩き込もうとする。

しかし、ここで2ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
試合は前半が終わったが明らかに梨杏が不利なようだ。

「よくやった、まどか。 前半はお前が有利だぞ」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そうでもないみたい、パパ・・・ 梨杏のパンチが効いてるわ・・・」

まどかは梨杏のボディへの右アッパーのダメージが色濃く残っていることに気づいていた。

「梨杏ちゃんのボディが効いたみたいだな。 もう時間もあまり残ってない。 梨杏ちゃんのパンチをかわせとは次のラウンドからは言わない。 次のラウンドからは全力で梨杏ちゃんを叩きのめしてこい。 いいな!?」
「分かってるわ、パパ・・・ この試合はあたしが勝つんだから!!」

耕次会長はまどかが梨杏のパンチが効いていることを見抜いた様子だ。
まどかがそのことを頷くと耕次会長は何も言わずにまどかの汗を拭いたりするとまどかは肩で息をしながら体力を回復しようとしていく。

「会長、すいませんでした・・・ 試合の流れはまどかに持ってかれました・・・」
「いや、気にするな・・・ 神宮寺は強い・・・ 次のラウンドはKOされても構わん! 神宮寺に一発でも多く、お前のパンチを叩き込んでやれ!!」

梨杏の言葉に里山会長は否定せずにまどかの実力を評価した上での作戦を指示した。
梨杏はそれに頷くと何も言わずに体力の回復に努めた。

「ラウンド3、ファイト!!」

3ラウンド目が始まり、まどかと梨杏はお互いにリング中央まで一気に接近していく。
そして、左右のフックやストレートを相手の顔に叩き込んでいく。
そのパンチに、梨杏の顔はさらに腫れていき、左目も完全に塞がってしまう。
しかし、まどかの顔も梨杏のパンチを打ち込まれ、腫れ始めた。
 
「ぶふぅ・・・ かはぁ・・・ まどかには負けない!!」
「んはぁ・・・ あぐぅ・・・ あたしだって梨杏には負けないわよ!!」

二人とも相手に勝ちたいという気持ちが強いのか、倒れてしまいそうなくらいのダメージを受けても拳を振るうことは決して止めない。
しかし、まどかの手数が徐々に減ってきているのを梨杏は感じていた。

「(あたしは全米のジュニアチャンプよ・・・ いくら、梨杏がパンチ力があるからって負けられないのよ・・・)」
「(さすがに、全米ジュニアチャンプになっただけあって、まどかってば強い・・・ たぶん、向こうの人といっぱい試合をして勝ち続けたんだよね・・・ 拳にまどかの今までのボクシングが込もってるよ・・・)」

まどかも梨杏もお互いに弱気になりそうな自分を奮い立たせていく。
まどかと梨杏はさらに左右のストレートを相手の顔に打ち込んでいく。

「んんっ・・・ ぶはぁ・・・ んぶぅ・・・」
「んあっ・・・ がはぁ・・・ ぶふぅ・・・」

二人の口からはさらに血混じりの唾液が吐き出される。
二人の顔は完全に腫れてしまった。
梨杏の右目も徐々に腫れてくるが、まどかの右目も腫れてきた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ さすがにしぶといわね・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ まどかも随分打たれ強くなったじゃない・・・」

まどかと梨杏はお互いに軽口を叩きあっていく。
しかし、また二人は左右のフックやストレート、アッパーを相手の顔やボディに叩き込んでいく。

「ストップ! 二人ともやめろ!! ゴングだ!! ゴング!!」

3ラウンド終了のゴングが鳴り響く中、二人は左右のパンチを叩き込み続けるがレフェリーが二人の間に腕を差し出し、二人を止めた。
まどかと梨杏はふらふらになりながら自分のコーナーに戻っていく。

アイキャッチA(梨杏とまどか、試合前の宣伝ポスターの絵)

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-6 彩坂梨杏 プロデビュー!!(中編)

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-6 彩坂梨杏 プロデビュー!!(中編)

梨杏がまどかと再会してから日が経ち、試合の一週間前になった。
梨杏は試合に備えて、病院に行き、彩との勝負で負った傷や痣などの回復具合を診察してもらうことにした。

「彩坂さん、診断の結果を教えますね」
「お願いします、先生」

お医者さんは梨杏を見つめるとため息を吐いて話し始めた。

「とりあえず、怪我は完治してますよ。 ただ、お腹や顔の痣はまだ消えてませんよ。 できれば、試合なんてしてほしくないですね」
「先生、すいません・・・ 例え、どれだけ不利でもボクシングから逃げたくありません」

梨杏の言葉に先生は少し考え込んでいた。
結局、診察はそこで終わり、梨杏は病院を後にしようとした。
しかし、梨杏の目には小さな女の子が映っていた。
その女の子は苦しそうにしながら歩いていた。

「大丈夫? 手伝おっか??」
「ありがとう、お姉ちゃん・・・ でも、大丈夫だか・・・ あぁ・・・」

梨杏に気を使わせまいとした女の子が倒れてしまい、慌ててその娘を抱えてナースステーションまで駆け込んだ。
その後、梨杏はその娘の部屋にお呼ばれしていた。

「あの、お姉ちゃんのお名前は??」
「わたしは彩坂梨杏だよ。 あなたのお名前はなぁに?」

女の子は少し躊躇ってから答えた。

「んん~と、わたしは橋場真由。 この病院に2ヶ月前から入院してるの」
「真由ちゃんは何の病気で入院してるの?」

梨杏がそう聞くと真由は首を傾げてから答えた。

「分かんない・・・ なんか、難病なんだって・・・」
「そっか・・・ でも、きっと大丈夫だよ。 だって、お医者さんがいるもんね」

梨杏の言葉に真由は少し笑った。
それから、梨杏は真由と別れて、病院を後にした。


「マッシュルームサイクロプス! 作戦の方は順調か?」
「はっ、ハイド様。 人間どもの体内には俺のキノコ胞子が充満していますよ」

ハイドはその言葉を聞いて、ほくそ笑みながら次の作戦を伝えた。

「ならば、マッシュルームサイクロプスよ。 次は東京中の人間どもの体内にキノコ胞子を植えつけてやりなさい。 そうすれば、人間どもはすぐに絶えることでしょう」

マッシュルームサイクロプスはハイドの言葉を聞いて、ただちに作戦を開始した。


梨杏はまた真由の病室を訪ねていた。

(梨杏side)

わたしが真由ちゃんの病室に行くと真由ちゃんが嬉しそうに迎えてくれた。

「真由ちゃん、こんにちは。 調子はどう?」
「梨杏お姉ちゃんに会ってから凄く体調がよくなったの。 梨杏お姉ちゃんも怪我大丈夫?」

真由ちゃんが心配そうに聞いてきたのでわたしはガッツポーズを取りながら答えた。

「もう大丈夫だよ! 痛みはないから。 でも、少し痣が残っちゃってるけどね」

真由ちゃんがわたしの顔の痣を見ながら、質問してきた。

「ねぇ、梨杏お姉ちゃんは何してるの?」
「お姉ちゃんはね、ちょっと前までは喧嘩とか空手をやってたよ」

わたしが喧嘩をしていたと言うと真由ちゃんは少し怖がったような顔をした。
なので、少し表現を変えることにした。

「えっとね、わたしがやってたのは喧嘩というかストリートファイトっていう格闘技の試合をやってたんだよ。 今は止めて、もうすぐプロボクサーとしてデビューするんだけどね」

真由ちゃんはわたしの言葉に目を輝かせながら聞き入っていた。

「お姉ちゃん、ボクサーなんだ! かっこいい!! わたしも応援に行けたらなぁ・・・」
「じゃあ、お姉ちゃんとの約束しない。 お姉ちゃんの試合の相手は凄く強い人だけど、お姉ちゃん、頑張って勝つから・・・ 真由ちゃんも病気なんかKOしちゃおう!!」

真由ちゃんは少し驚いてから元気に答えてくれた。

「うん! 約束する!! 真由も頑張るからお姉ちゃんも頑張ってね!!」

わたしは真由ちゃんと面会時間いっぱいまで話した。
そして、その後真由ちゃんのお母さんから話を聞いている。

「いつも、ありがとうございます。 真由が入院したのは2ヶ月前にきのこ採りに行った後なんです。 真由はうわごとのようにきのこのお化けが出たって言ってました・・・」
「それは、本当ですか。 だったら、警察かガイアセイバーズに通報しないと」

真由ちゃんのお母さんは首を横に振るようにしてから再び話し始めた。

「警察に通報したら、証拠がない事件には手は出せないと言われました・・・ ガイアセイバーズに言うのは躊躇ってしまって・・・」
「わたしの知り合いにガイアセイバーズのメンバーがいます。 わたしがその娘に掛け合ってみます。 だから、諦めないでください!!」

わたしはそう言うと、すぐに病院を後にした。


梨杏は真由の母親から聞いたことをガイアセイバーズのメンバーに話した。

「話の内容は分かった。 俺達がこの事件を片づけよう」

話を聞いた天道は早速ガイアセイバーズの捜査班を事件捜査に介入させる手配を整えた。

「あの、わたしも協力させてください!」
「冗談なら聞いてる時間ないよ。 うちらは遊んでるわけじゃない」

洋子の言葉に梨杏は洋子を睨み返し、答えていく。

「その病院にはわたしの大切な友達がいるんです! だから!!」
「分かったわ。 天道さん、うちが梨杏ちゃんを責任持って守ります。 捜査に協力させたってください」

天道は少し考え込んでから梨杏の捜査協力を許可した。


梨杏と洋子は早速、梨杏が真由と出会った病院に向かっていた。

「さて、梨杏ちゃん。 危険なのは分かっとるな。 それでも行くんやね?」
「はい・・・ それでも、真由ちゃんのことが心配なんです・・・」

梨杏の言葉を聞いた洋子は梨杏の肩に手を置いて励ましていく。

二人は病院の中に入り、まず院長室へ向かうことにした。

「病院で捜査するならまずは院長室からやな」
「勝手に入っていいんですか?」

洋子は梨杏の問いかけをさも当たり前のように否定した。

「そんなのアポなし訪問に決まっとるやん。 悪の組織相手にアポ取ってどうするん?」
「いや、なんか泥棒みたいで・・・」

洋子はそんな梨杏の様子を見て、くすりと笑ってしまう。
梨杏は洋子が笑ったことに頬を膨らませながら抗議する。

「あははははは! 梨杏ちゃんかわいすぎ!!」
「むう~! 何で笑うんですか!!」

二人して騒いでしまうと洋子は梨杏を落ち着かせようと宥める。

「ごめんごめん。 梨杏ちゃんの反応が昔のうちみたいでかわいかったから、ついな・・・ とりあえず、静かに探そか・・・」
「はい。 見つければいいのはこの病院のカルテですよね?」

なんだかんだで、しっかり捜査に協力している梨杏の言葉に洋子は無言で頷いていく。
しばらく、辺りを探していると机の上にあるカルテを見つけた。

「やっぱり、この病院は黒みたいやね・・・ 入院患者の半数以上が例の病気にかかってるわ・・・」
「洋子さん、真由ちゃんは大丈夫なんですか!?」

梨杏は真由のことが気になり、つい語尾を強めてしまう。
洋子は梨杏にゆっくりと事実を伝えた。

「落ち着いて聞いてな・・・ 真由ちゃんも例の病気にかかってる・・・ だからこそ、解決法を探すで」
「はい・・・ 急ぎましょう・・・」

梨杏達がカルテを調べていると院長室に院長達が戻ってきてしまった。

「君たちはここで何をしているのかね?」
「あんた達の不正を暴きに来たのよ。 自分達でウィルスをばらまいておきながら白々しいことは言わせへん!」

院長は洋子の言葉に笑いながら答えるかのように姿を変えた。

「それがあんたの正体ってわけ?」
「そうだ。 このマッシュルームサイクロプス様のキノコ胞子は特別でなぁ・・・ 最初はただの胞子だが徐々に毒性を持つようになるのさ」

マッシュルームサイクロプスの説明を聞いた梨杏は怒りのまま殴りつけようとする。
マッシュルームサイクロプスは梨杏を嘲笑うかのようにキノコ胞子を放出した。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 洋子・・・さん・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 梨杏・・・ちゃん・・・」

二人の様子を見たマッシュルームサイクロプスは笑いながら自分の能力の捕捉説明をした。

「ちなみに、俺のキノコ胞子は俺の意思で効果を何倍にもできるのだ。 その二人を病室へ叩き込んでおけ!!」

マッシュルームサイクロプスの命令で洋子と梨杏は病室に監禁されてしまった。

「(なんとか、脱出しなきゃ・・・ うちにできることがなくても天道さん達ならなんとかしてくれるはずや・・・)」

洋子は毒に侵されながら必死に脱出を考えていた。

「(こうなったら一か八か、飛び降りるだけだ・・・)」

洋子はそう考えるとゆっくりと窓の近くに行き、窓へ飛び込んで下の路地へ落ちた。
そこへ一台の車が通りかかった。

「おい、君! 大丈夫か!?」
「うっ・・・ ううっ・・・ あなたは・・・」

洋子が名前を尋ねると男は自分の名前を教えてから洋子の腕に注射器の針を刺した。

「俺は香川竜馬。 ICPOから今回の事件を追うように指示されたんだ」
「あれっ・・・ 頭がすっきりしてきた・・・」

洋子は竜馬が刺した注射針から注入された薬剤によって体調が戻ったようだ。

「君に施したのは胞子型バクテリアを元通りにする抗生剤だ。 博士が作ったバクテリアは人の抵抗力や再生力を促進する効果があるんだ・・・」
「でも、それと今回の事件と何の関連があるんですか?」

洋子が問いかけると竜馬は懐から写真を取りだし、洋子に見せた。

「この人に見覚えはないかい?」
「この人、さっきの病院でうちらに毒胞子を吐いてきた人だ・・・」

竜馬は洋子の呟きに確信を得たような表情をした。

「彼は2、3ヶ月前にとある集団にさらわれたんだ」
「その組織の名前ってまさか?」

洋子の言葉に竜馬は頷きながら答えた。

「そう・・・ ダーククライムだ・・・」
「やっぱり・・・ でも、何であの人の研究じゃなきゃ駄目やったんですか?」
「彼の研究していたバクテリアはどんな物質にも変化できる。 すなわち、奴らにとって何にでも変化できるバクテリアは怪人を生み出す細胞を作るのに適していたというわけだ」

洋子は竜馬の言葉の意味を理解するとすぐにガイアセイバーズに連絡した。

「ガイアセイバーズ本部、応答してください。 今回の事件の詳細が判明しました」
「続きは俺が話すよ。 ガイアセイバーズ総監、天道総司さんだな? 俺はICPOから派遣された香川竜馬だ。 今回の事件は犬養博士という人が作り出した胞子型バクテリアを利用したダーククライムの犯罪だ」

竜馬の言葉を聞いた天道は通信越しに少し考えてから答えた。

『では、香川竜馬と中野洋子に命令を下す。 博士がバクテリアを元に戻す抗体か何かを作っていないか、調べるんだ』
「「了解!!」」

洋子達は天道の指示を受けて、犬養博士がいる病院の調査に乗り出した。
洋子は再び院長室へ忍び込んでいた。

「やっぱり、ここに抗体があったんや・・・ 香川さんに知らせんと・・・」

洋子は竜馬に連絡を取ろうと通信機を手に取ったが、電話妨害が施されるのか、連絡が取れない。
そこへ、院長である犬養博士が戻ってきた。

「ようこそ、ガイアセイバーズの捜査官さん・・・ わたしの毒胞子の影響は出なかったのですか・・・」
「犬養博士・・・ どうして、こんなことをするんや!?」

洋子の言葉に犬養博士は顔に汗を浮かべながら答えていく。

「わたしの研究費の確保のためだ・・・ わたしの研究の偉大さを世界中の人間に証明してやるんだ・・・」
「そんなことのために関係のない人達を苦しめたんか!?」

洋子の言葉を聞いた犬養博士の表情が変わった。

アイキャッチA(梨杏と真由、仲良くお話し中) 

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-5 彩坂梨杏 プロデビュー!!(前編)

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-5 彩坂梨杏 プロデビュー!!(前編)

梨杏と彩のストリートファイトの試合が始まった。
梨杏と彩はお互いに一気に距離を詰めると梨杏は左ジャブを数発放ち、彩はそのジャブを華麗なステップワークでかわしてから梨杏の左足の膝にローキックを叩き込んでいく。
しかし、梨杏はバックステップで彩のローキックをかわすと左右のストレートを打ち込んでいく。
彩は梨杏の左右のストレートをかわすとワンインチパンチを梨杏のボディーに叩き込んでいく。

「ぐぶっ・・・ まだまだ!!」
「梨杏ちゃんには負けないから!! 覚悟してよね!!」

彩がそう言いながらサイドキックを放とうとしたところに梨杏が距離を詰めて彩のキックをいなし、お返しのボディーブローを打ち込んでいく。

高校生にしては身長が低く、体重の軽い彩にとって梨杏のボディーブローはかなりダメージを負うことになる。
しかも、梨杏は自分の通う東山学園では男子ボクシング部や女子ボクシング部で何度もスパーリングをこなし、自分よりも少し上の階級の相手とも打ち合えるのだ。

「ぶふぅ・・・ (梨杏ちゃん、強いよ・・・ 今まで闘ってきた中でもかなり上の方にいるよ・・・) けど、楽しくなってきたよ!!」
「彩ちゃん、凄いね・・・ わたしのパンチ、少しくらい体重の重い男子でもダウンさせられるのに彩ちゃんは耐えたんだ・・・ ちょっと自信なくなっちゃったよ・・・」

梨杏と彩は少し距離を取りながら話している。
早くもお互いに肩で息をしている。
しかし、梨杏も彩も相手に挑んでいくことを止めない。

「(梨杏ちゃんってボクサーだよね? でも、パンチの打ち方が普通のボクサーと違うような気がするなぁ・・・) ねぇ、梨杏ちゃん!? 空手とかやったことってあるの!?」
「(彩ちゃんの闘い方って基本的にどんな格闘技をベースにしてるんだろ? さっきのボディーブローは中国拳法みたいだったけどフットワークはボクサーみたいだし・・・ 分かんないや・・・) うん、そうだよ! 彩ちゃんは我流だったりするの!?」

二人はお互いに疑問に思ったことを考えながら、話していく。
しかし、お互いに相手が隙を見せたら、自分のパンチかキックを相手に叩き込もうとしている。

「彩ちゃん、行くよ!!」
「ボクも行くからね、梨杏ちゃん!!」

二人はしびれを切らしてしまったのか、一気に近づくと再び左右のストレートを乱打していく。
彩はさらに右のハイキックやミドルキックを打ち込んでいくが梨杏は両腕でパリングして弾いていく。
そして、梨杏は彩の顎に右アッパーをめり込ませていく。

「ぶふぅ・・・」

彩は梨杏の右アッパーに口から唾液と血を吐き出していく。
しかし、咄嗟に宙に浮かぶことで梨杏のアッパーの威力を殺した彩は空中で体勢を整えるとギアブレードと呼ばれる後方宙返りでのキックで梨杏の顎を打ち抜いていく。

「がはぁ・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・」

梨杏と彩はお互いに顎を打ち抜かれて吹き飛ばされる。
倒れたまま、数十秒が経った頃に二人はゆっくりと立ち上がった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 彩ちゃん、強すぎだよ・・・ 連戦なんでしょ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そうだよ・・・ けど、梨杏ちゃん相手なら先に試合してなくてもたぶんこうなってたよ・・・」

梨杏と彩は息を整えながら構えていく。
そして、お互いに右のストレートを繰り出していく。
しかし、彩の右手には気が込められていた。

「てぇぇい!!」
「うわぁぁあ!! ラウズナッコォォォォォッ!!」

梨杏の拳と彩の拳がお互いの鼻にめり込み、止まった。
そして、二人の身体がアスファルトの上に崩れ落ちた。
しかし、彩だけがふらふらしながらも立ち上がった。

「勝者、美島彩!!」

立会人の言葉にその場にいた観客達が大歓声を上げた。
しばらく、その熱気は止むことがなかった。

彩達は試合が行われた場所から少し離れたファミレスにいた。
梨杏と彩は試合の後、早速意気投合したのか、話が弾んでいる。

「梨杏ちゃんってプロボクサーだったんだぁ。 どうりでパンチが重いわけだよ」
「でも、まだ試合したことないんだよね。 あっ、1ヶ月後に試合だよ」

梨杏の言葉に彩達は呆れたような表情をしている。
異世界から来ているスバルやティアナはポカンとしている。
普通、試合するプロの格闘家が1ヶ月前に怪我をするようなことはしない。
デビュー戦が控えている梨杏なら分かっているはずだ。

「どうして、梨杏ちゃんはストリートファイトをこんなにぎりぎりまで続けてたの?」
「えっとね、お母さんに今まで出してもらってたジムの入会金や月謝を返したかったのとストリートファイトでならわたしのボクシングをもっと高められるかなって思ったのが理由だよ。
まぁ、今わたしがいるジムは経営難でもうすぐなくなるらしいだけどね・・・ 」

梨杏の練習してきたジムは長い間、タイトル保持者が出なかった。
なので、ジムの施設運営費はどんどんなくなり、梨杏がプロテストを受けた時には無理をしたくらいだ。

「だから、会長と試合をするのはデビュー戦が最後なんだ」
「梨杏ちゃんは凄いね。 自分のことだけじゃなくてジムの会長さんのことも考えてるんだから。 デビュー戦、頑張ってね! ボクも応援に行くから!!」
「あたし達も応援に行くよ。 みんなで応援すれば百人力だね、ティア」
「あたしに話振らないでよね、スバル。 けど、せっかく知り合ったんだし応援くらいには行くわよ」

ティアナの言葉に彩達は笑った。
ティアナは素直じゃないので素直に応援するとは言えないが憎まれ口を叩きながらでも応援しようという気持ちはある。

「ところで、梨杏。 あんたは会見とか済ませてるの?」
「ふぇっ? まだだよ。 それがどうしたの??」

珠音が梨杏に会見をしたのかと尋ねると梨杏はまだしていないと答えた。
珠音はその梨杏の答えに呆れて肩をすくめた。

「あんたねぇ。 そんな顔で相手との会見なんかしたら嘗められるわよ」
「大丈夫だよ。 相手のことはよく知ってるから」

零次は梨杏の言葉に疑問を感じたので尋ねてみた。

「梨杏、お前のデビュー戦の相手って誰だよ?」
「えっ? まどかだよ。 神宮寺まどか」

神宮寺まどか。
梨杏や零次の幼なじみである。
小さな頃からボクシングをしていて、零次や梨杏と知り合ったのもそれが縁である。
詳しく話すと二人が小さな頃、梨杏の習っている空手が強いか、まどかの習っているボクシングが強いかで喧嘩して殴りあったのである。
ちなみに、その時は梨杏がまどかをKOして勝っている。

「ねぇ、零次、梨杏ちゃん。 まどかって誰?」
「あっ、それはあたしも気になったよ。 良かったら教えてくれない?」

彩とスバルは零次達にまどかのことを尋ねる。
珠音や由芽達も興味津々という顔をしている。

「あれはね、8年くらい前かな。 わたしと零くんが一緒にランニングしてた時がまどかと初めて会った時なんだよね」

梨杏は少し遠い目をしながら話し始めた。

(約8年前)

「(零くんと一緒に走ってるとやっぱりうれしいなぁ・・・)」

わたしは最近一緒に空手を始めた零くんと一緒にランニングをしている。
零くんも少しうれしそうに走ってる。

「零くん。 ちょっと速いよぉ」
「早く来いよ、梨杏。 置いてくぞ」

零くんの言葉にわたしの目からじんわりと涙が出てきた。
零くんはそんなわたしを見て、駆け寄ってくれた。
そして、わたしの顔を乱暴にハンカチで拭いてくれた。

「泣くなよ。 梨杏が泣くのは見たくないんだよ」
「ううっ・・・ うん・・・ もう泣かない・・・」

それでも、まだ泣き声混じりで話すわたしの頭を少し乱暴に、でも、優しく撫でてくれた。

「空手家さんはずいぶん泣き虫なのね。 けど、あたしはボクシングの練習中なの。 退いてくれないかしら!?」
「何よ! だったら、あなたが避けたらいいじゃない!! ボクサーってのろまな人が多いってほんとなんだ!?」

わたしは目の前にいる赤くて長い髪の女の子が言ったことに凄く頭に来て、その女の子が好きなボクシングを馬鹿にしてしまった。

「何ですって! だったら、あんたを殴り倒してあげるわよ!!」

女の子はそう言うとわたしの顔を思い切り殴ってきた。
殴られてカッとなったわたしはその娘のお腹に下突きを叩き込んでやった。
女の子は少し苦しそうに顔を下に向けたけど、すぐに、わたしのお腹にパンチを打ち込んできた。

「んぶぅ・・・ や、やったな~!!」
「あぐぅ・・・ やったわよ!! あんたみたいな弱っちぃ空手家なんかに負けないんだから!!」

その娘がわたしの大好きな空手をまた馬鹿にしてきた。

「ねぇ、あなたの名前は何て言うの? わたしは彩坂梨杏だよ」
「あんた、馬鹿じゃないの? 何で、喧嘩してるあんたに名前なんか教えなきゃいけないのよ・・・」

その娘はわたしの提案を馬鹿にして、取り合おうとしていない。

「ふーん・・・ 負けるのが怖いから名乗れないんだ・・・ これは喧嘩じゃなくて決闘だよ! わたしとあなたの格闘技、どっちが強いかのね!!」
「分かったわ。 決闘なら名乗らなきゃ駄目ね! あたしの名前は神宮寺まどか!! いつか、世界チャンピオンになるボクサーの卵よ!!」

その娘の、まどかの言葉を聞いて、わたしは拳を突き出す。
まどかも拳を突き出して、わたしの拳とぶつけてきた。
これで、仕切り直しの挨拶は終わった。
全力でまどかを殴り倒すだけだ!!

「二人とも止めろよ!! どっちが強くてもいいだろ!?」
「零くんは黙ってて! これはわたしとまどかの問題なんだから!!」
「そうよ! 男のくせに喧嘩をすぐに止められなかったあんたが口を出さないでよ!!」

零くんはわたし達の感情に任せた言葉を聞いて、怒ったようにどこかへ行ってしまった。

「(零くんにこんなこと言いたくなかったのに・・・ 全部、まどかのせいだ!!)」

わたしは怒りに任せて、まどかに殴りかかった。

「(足は、蹴りは絶対に使わない!
まどかが拳で勝負するならわたしだって拳で勝負するんだから!!)」

わたしはもう空手とボクシング、どっちが強いとか関係なくなっていた。
ただ、目の前にいるまどかに勝ちたくなっていたのだ。

「負けないんだから! まどかには負けない!!」
「あたしだって梨杏には負けない! 絶対負けないわ!!」

わたしとまどかはお互いの鼻に右ストレートと右の正拳突きを叩き込んだ。
わたしとまどかのパンチがお互いの鼻から鼻血を出させていく。しかし、わたし達は痛みに耐えながら殴りあっていく。
わたし達は子どもだが格闘家なんだ。

「まどか、強いね・・・ はぁ・・・ はぁ・・・ ボクシングのこと、ちょっとだけ興味沸いたよ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたこそ強いわね・・・ 負けたわ・・・」

そう言うと、まどかの身体がアスファルトの上に崩れ落ちた。
わたしがどうしたらいいか、迷っていると零くんに連れられたお母さんが見えた。
お母さんは倒れて動けないまどかに近づくと意識があるかを素早く確かめてくれる。
そして、まどかが無事なのを確認すると抱き抱えて、わたしの家まで連れていった。

わたしは家に帰るなり、お母さんから拳骨をもらってしまった。


アイキャッチA(小さい頃の梨杏とまどかのツーショット)

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