ひらひらの仕掛け屋敷

このブログはアニメや特撮、漫画についてのコメントやオリジナル女子格闘技小説を掲載したりしますよ♪♪

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

Blood Of Mouth Piece  Fight-3

Blood Of Mouth Piece  Fight-3

試合が行われる第3体育館の第2リングを見渡す席はすべて埋まっている。
新入生同士の初の公式戦にそれぞれが思うところがあるんだろう。
けど、わたしにはそんなの関係ない。 ただ、目の前の空手家さんをKOするだけだ。
目の前にいる卯月さんはわたしに睨みつけるような視線を送ってくる。
けど、その目にはわたしとの試合にかける思いがあるように見える。
やっぱり、自分は空手家で、わたしがキックボクサーだから意識してるんだろうなぁ。
わたしもそうだから・・・

レフェリーを務めるのは名波先輩と岡野先輩の試合でレフェリーを務めた櫻井良美先生らしい。
櫻井先生はわたしと卯月さんをリング中央へ呼んでいく。
わたしと卯月さんはお互いに相手に視線をさらにぶつけていく。

「この試合はオープンフィンガーグローブ着用の総合格闘技ルールで行われるわ。
唯一の違いはラウンド数に制限のないフリーラウンド制、1ラウンドに3ノックダウンしたらKO負け、一応、関節技などでのギブアップやレフェリーストップ、ドクターストップが敗北条件になるわ。
二人とも、いくらマウスピースを賭ける?」

マウスピースを賭ける数によっても相手との精神的な駆け引きになる。 
まずは、卯月さんの賭ける数を聞いてからに賭けることにしよう・・・

「5個賭けます。 僕が柊さんに負けることはないですから」

強気なボクっ娘ってか・・・
そっちがその気ならわたしだって引かないからね・・・

「わたしもマウスピース5個賭けます!! 空手家になんか負けませんから!!」
「分ったわ。 二人とも5個ずつ賭けるのね。 マウスピースは他の先生方が取りに来てくれるから。 
お互いのコーナーに戻って!」

櫻井先生の言葉にわたしと卯月さんは自分のコーナーに戻っていく。

「瑞枝、あんな誘いに乗って良かったの!? もし、負けたら・・・」
「負けたらなんて言わないでよ。 それに空手家さんと本気でやる機会なんてそんなにないでしょ。
だからだよ」

わたしの言葉に渋々納得してくれた咲弥はわたしのマウスピースを用意してくれる。そのうち1個を口にくわえて試合開始を待っている。
残りのマウスピースは先生が持っていってしまった。

「美紀さん、大丈夫なんですか? 相手の人はプロの団体にいたって話ですよ・・・」

僕の心配をしてくれているのは同じ部屋のルームメイトで間宮明奈さん。
今回の試合では僕のセコンドをしてくれるって言ってくれた。
彼女は僕と同じく空手をしている。

「だからですよ。 僕はプロと拳を交えたかったんです。 せっかくのチャンスですし、やれるだけやってみますよ」

僕がそう言うと明奈さんは口にマウスピースを嵌めてくれる。

試合が開始されてわたしは卯月さんとの距離を詰めていく。
卯月さんは距離を詰められるといきなり左右のパンチを連打してきた。
わたしは慌ててガードするけど、卯月さんのパンチはそのガードをも突き破ってくるような勢いだった。

「くうっ・・・ やるね、卯月さん!!」
「どうも。 けど、もっと行きますよ!!」

そう言って、卯月さんの左右のフックやストレートが打ち込まれる。
わたしも隙をついて卯月さんの顔に左右のストレートを放っていく。
わたし達の左右のストレートが交差されていく。
しかし、わたし達は打点をずらしてダメージを軽減させていく。

「がはぁ・・・ あぐぅ・・・ やっぱりやるね、卯月さん!!」
「ぶはぁ・・・ ぐぶぅ・・・ そちらこそやりますね、柊さん!!」

わたし達はお互いに距離を取ると右ハイキックを同時に放っていく。
ハイキック同士がぶつかりあい、お互いに弾き飛ばされてしまう。

距離が開くとわたしは左ジャブで卯月さんの顔を狙って打ち込んでいく。
卯月さんは対応に困りながら、なんとか凌いでいく。
しかし、わたしがしつこく左ジャブだけで攻めていくと卯月さんはガードを固めて耐え凌ごうとしている。

「くうっ・・・ さすがにキックボクサーは厄介ですね・・・」
「卯月さんも空手家なのになかなか総合格闘技慣れしてるじゃない!?」

わたしのジャブをかわしながら反撃のチャンスを伺っている卯月さんを見て、少しやりにくいと感じてしまう。
しかし、しつこくジャブを放ち続けていると1ラウンド終了のゴングが体育館中に鳴り響いた。
会場中は試合が始まる前よりも拍手や声援が大きくなっているように感じた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 次のラウンドは柊さんをKOしてあげますね・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ その言葉、そっくり返してあげるよ・・・」

わたし達はお互いのコーナーに戻っていく。
しかし、わたしも卯月さんも肩で息をしてしまっている。

「瑞枝、大丈夫? 卯月さんのパンチ重そうだったけど・・・」
「重そうじゃなくて、重いんだよ。 空手だけってわけじゃなさそうだしさ」

咲弥はわたしの言葉に目が点になっている。
そう、卯月さんのパンチいや空手でいう突きは少し違和感がある。
どこか、ボクシングのようなパンチの打ち方をしてきているからだ。

「まぁ、次のラウンドはジャブで様子を見てみるよ・・・」
「頑張ってね、瑞枝。 わたし、応援してるから・・・」

咲弥がわたしの手を握りながらそう言ってくれた。
わたしは嬉しくなって、無言でガッツポーズを取ってみせた。

「美紀さん。 やっぱり、やりづらいですか? とても、辛そうですよ・・・」
「えぇ、とてもしんどいです。 けど、やりがいはあります。 僕は負けませんよ。 
 彼女にも・・・ あいつにも・・・」

僕の言葉に明奈さんは首を傾げてしまっている。 
けど、僕の中には間違いなくもう一人のボクがいる。
そのもう一人のボクが様々な格闘技に手を出して、僕の空手を汚している。
現に、もう一人のボクさえいなければ柊さんなんかにここまで手こずるわけないんだから。

「とにかく、次のラウンドで決めてきますよ。 心配しないでください」
「分かりました、美紀さん。 でも、無理しないでくださいね」

僕は明奈さんの言葉に頷くとコーナーから飛び出していく。

2ラウンドが始まり、僕は一気に柊さんとの距離を詰めていく。
そして、正拳突きを連打していく。
けど、柊さんはそれを余裕でかわして、ジャブで反撃してこない。

「(ボクは変わりなよ・・・ そしたら、あいつにも勝てるよ・・・)」
「(うるさい! 僕の力で勝てるんだ!! 余計な口出しするな!!)」

試合中にもう一人のボクが口出ししてくるなんて初めてだ。
柊さんには悪いけど、この試合・・・ 早く終わらせる!!

卯月さんの攻め方が少し単調になったみたいに感じる。
でも、わたしにとってはすごくやりやすい。
だって、卯月さんの動きが読めるから。

「卯月さん! わたしを見て試合してるわけ!? 何か別の場所を見てない!!?」
「余裕ですね、柊さん・・・ もう、僕に勝ったつもりですか・・・ だったら、意識を完全に絶った上で勝ちます・・・」

やばい・・・ 何か柊さんの雰囲気が変わった・・・
回し蹴りのコンビネーションに繋げてきた卯月さんの表情は怒ってるような迷ってるような複雑なものだ。
でも、わたしだって負けられないんだ。
わたしは卯月さんの回し蹴りをなんとか捌きながらジャブをさらに打ち込んでいく。
しかし、卯月さんの勢いは全然衰えない。
さらに、回し蹴りのスピードを上げて、わたしに打ち込んでくる。
かわしているうちにコーナーに追い詰められていた。

「もう、逃げられませんよ・・・ ここで、決めさせてもらいます!!」
「はぁ・・・ はぁ・・・ やってみれば・・・ できるんならね!!」

わたしの言葉に卯月さんは小さくパンチを打ち込んできて、わたしのガードを破ろうとしてくる。
なんとかガードしきったと思ったわたしが油断したところに卯月さんの膝蹴りが叩き込まれた。

「かはぁ・・・」

わたしの肺から空気が吐き出される。
そして、下を向いたわたしの後頭部に卯月さんの踵落としが振り落とされた。
その衝撃にわたしの意識が飛び、前のめりにダウンしてしまった。

僕の空手で柊さんをダウンすることができた。
もう立てないだろうからこのまま僕のKO勝利だ。
柊さんのマウスピースをもらって・・・

「(何言ってんの、もう一人のボク。 あいつ、立ってくるよ。)」
「(何を根拠にそんなことを言ってるの!! 現に柊さんはダウンしてるし、カウント5でも立ち上がろうとする素振りも見せてないじゃない!!)」

僕の言葉にあいつは肩をすくめ、呆れたように言い放った。

「(あのさ、空手が世界最強とか思ってない? それにあの娘を見てみなよ。)」

もう一人のボクの言葉に意識を覚まして、柊さんの様子を見てみるとふらつきながらも立ち上がってきていた。
しかし、口にはマウスピースをくわえている様子はない。
よく見ると、僕の足元に柊さんのマウスピースが転がっていた。

「(拾いなよ。 そうすれば、ボク達のマウスピースがまた一つ増えるよ・・・)」
「(けど、完全にKOしてないのにできないよ。 僕は・・・)」

僕の中の意識がもう一人のボクに奪われてしまった。

わたしが少し朦朧としながら立ち上がってから卯月さんの様子が変わったような気がする。

「瑞枝ちゃん。 ボク、君のマウスピースもらったけどいいかな?」
「いいよ・・・ わたしがやられたんだしね・・・・ 卯月さんのマウスピースをもらうから別に構わないよ!!」

そう言うと、わたしは卯月さんに一気に近づいて左右のストレートを打ち込んでいく。
しかし、卯月さんはわたしのストレートをパリングで弾くとカウンターの右ストレートを打ち込んできた。

「うぶぅ・・・ (カウンター!? 卯月さんって空手家でしょ!! 何で、ボクシングの動きをあんなに迷いなくできるの!!?)」
「あはは・・・ ボクがボクシングできないとでも思ってたの・・・ だったら、さっさとKOしちゃうよ!!」

卯月さんがそう言うと、わたしの身体に左右のフックやストレートが打ち込まれた。
しかも、小さな振りでのパンチだったのでガードしきれなかった。
わたしが反撃の右ストレートを放つが素早くかわされ、首相撲の体勢に持っていかれてしまう。
その体勢からボディに膝蹴りを叩き込んできた。
わたしはなんとか振り払おうとしたけどがっちりとホールドされていて振り払うことができない。
しかし、2ラウンド終了のゴングが鳴ると卯月さんはわたしを放してから自分のコーナーに戻った。
けど、その途中で振り返ってからわたしにこんなことを言ってきた。

「あっ、そうそう。 ボクのことは美紀って呼んでくれていいから。 その代わり、ボクは瑞枝って呼ばせてもらうから」
「分かったよ、美紀。 けど、次のラウンドはわたしが美紀をダウンさせるから」

そう言うと、わたしは自分のコーナーに戻った。

「美紀さん、あなたがもう一人の自分を表に出すなんて珍しいですね」
「あはは・・・ もう一人のボクがあまり不甲斐なかったからね。 けど、明奈がそんな笑顔を見せたのは久しぶりだよ。 ごめんね・・・」
「気にしないで、美紀ちゃん。 美紀ちゃん達の事情は複雑なんだから・・・」

ボクと明奈は元々同じ道場で一緒に稽古していた。
けど、父さんの怪我をきっかけに練習生がどんどんいなくなった。
そして、明奈が引っ越してしまってからボクは空手から逃げようとした。
その時に生まれたのがもう一人のボク・・・
あの娘は父親に代わって空手道場を守ろうとしたが結局それはできなかった。
Blood Of Mouth Piece  Fight-3…の続きを読む
スポンサーサイト
BLOOD OF MOUTH PIECE | コメント:2 | トラックバック:0 |

Blood Of Mouth Piece Fight-2

Blood Of Mouth Piece Fight-2

名波先輩と岡野先輩がわたしと咲弥のセコンドに付いてくれたんですが、二人の試合形式で少し揉めてしまった。

「咲弥はプロレスラーだから、投げ技や関節技が使える総合の方がいいかな?」
「わたしは瑞枝とボクシングがしたい。 どうかな?」

咲弥の提案通りに試合をすれば、咲弥はかなり不利になってしまう。
だって、ボクシングじゃあ飛び技も投げ技も関節技もつかえなくなってしまう。
わたしはキックボクシングが得意だからキックを封じられるのはかなりきついけど、パンチにだってそれなりには自信がある。

「けど、ボクシングだと咲弥が不利になるんじゃないの?」
「そうかもしれないけど、わたしは団体を追い出されてまでここに来たんだから、もっと強くなりたい。
 だから、キックボクシングだけどボクシングの経験のある瑞枝と試合して、自分の身体で学びたい。 だめかな?」

咲弥はわたしと試合がしたいんだ。 変な理屈なんていらないよね。

「分かったよ、咲弥。 けど、負けないからね!」
「わたしだって負けないから! 瑞枝をわたしのパンチでKOしてあげる!!」
 
わたし達の話がまとまったところで、リングの上に上がっていた岡野先輩がわたし達を呼ぶ。
どうやら、岡野先輩がレフェリーを務めて、名波先輩がジャッジを務めてくれるみたいだ。
咲弥がわたしを睨んでくる。 普段は優しい咲弥も試合になると顔が変わるんだと思うと嬉しくなる。
そして、咲弥を睨み返していく。

「二人ともそろそろ試合始めるけど、準備はいい?」
「大丈夫です、岡野先輩。 早く始めてください!」
「わたしも大丈夫ですから早く試合させてください! アップした意味がなくなるじゃないですか!?」

わたし達の言葉に先輩も試合開始の合図を出していく。 すると、ジャッジを兼任してくれている名波先輩がゴングを鳴らした。

咲弥はテクニックはほんとに使えないのか、勢いよく走ってきてプレッシャーをかけようとしてくる。
しかし、わたしはフットワークで咲弥との距離を測るとジャブを3発ほど放っていく。
咲弥はわたしのジャブをかわさず、あえてガードしたまま突っ込んでくる。
わたしは突っ込んできた咲弥のボディーに左アッパーを叩き込んでいく。

「ふぐぅ・・・ さすがはキックボクサーだね。 パンチも得意なんだ。 けど、まだまだだよ!」

そう言うと、咲弥はわたしの顔を狙ってやや大振りな右フックを放ってくる。
わたしは左腕で咲弥のフックをガードしていくがかなり力があるようで、ガードしたわたしの腕は痺れている。

腕が痺れた状態では咲弥の左右のフックやストレートはガードできず、顔に何発かいいのを
もらってしまう。
咲弥のフックで口の中を切ったのか、わたしの口から血混じりの唾液が吐き出される。

「がはぁ・・・ くふぅ・・・ まだまだ負けないんだから!!」

わたしも咲弥のボディーや顔に左右のフックやアッパー、ストレートを打ち込んでいく。
しかし、わたしのパンチが軽いようで咲弥の口からは唾液しか吐き出されない。
悔しくなって必死にフックを連打していく。
熱くなりすぎて冷静さをなくしたわたしの顎に咲弥の右ショートアッパーが打ち込まれた。
わたしは耐えきれずにダウンしてしまった。

「ぶへぇ・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」
「ダウン! 1・・・ 2・・・ 3・・・」

岡野先輩がダウンしたわたしにカウントしてくる。
立ち上がろうとしている中でわたしは自分のマウスピースがないことに気づいた。
視線を様々な方向に向けると、咲弥の足下に転がっていた。
しかも、咲弥はそのマウスピースを拾うと自分のスポーツブラに覆われた胸の谷間に仕舞っていった。

「4・・・ 5・・・ 6・・・」

わたしはカウントが続く中、カウント7で立ち上がっていく。
岡野先輩はわたしに試合続行の意思があるかを確認していく。
わたしは早く咲弥からマウスピースを取り戻したくて、首を縦に振っていく。
岡野先輩が試合を再開させると咲弥が一気に近づいてきた。
咲弥の左右のフックの連打をかわして、カウンターの左ボディーアッパーを咲弥の鳩尾に叩き込んで、前かがみになった咲弥の顎に下から突き上げるような右アッパーを打ち込んでいく。
わたしのアッパーで顔をかちあげられた咲弥の口から唾液にまみれたマウスピースが吐き出される。
そのマウスピースはわたしのところへ飛んできた。
わたしは咲弥の吐き出した唾液まみれのマウスピースをキャッチするとそのまま口にくわえていった。

咲弥は悔しそうにわたしを見上げると立ち上がってきた。
しかも、胸元に入っていたわたしのマウスピースを見せつけるように口にくわえていった。
岡野先輩が試合を再開すると、咲弥は勢いよく突っ込んできた。
わたしも咲弥に合わせて前に出て、咲弥と積極的に打ち合った。
咲弥の右ストレートがわたしの顔を捉えるとわたしの口からは血混じりの唾液が飛び、わたしの左ストレートが咲弥の顔にめり込むと咲弥の口からも血混じりの唾液が吐き出される。
二人の先輩だけでなく、この場に来た他の先輩達もわたし達の打ち合う姿に息を飲んでいるのが分かる。


2ラウンドと3ラウンドが終わり、ついに4ラウンド目まで試合はもつれ込んだ。
わたしも咲弥もお互いのパンチを顔やボディーに数多く食らい、何回もダウンし、マウスピースを吐き出した。
お互いのコーナーには相手から奪ったマウスピースがたくさんある。
しかし、お互いの顔やボディーには痣ができていて、かなりきつい。
けど、相手のボディーや顔に左右のフックやストレート、アッパーなどを叩きつけることは止めていない。
激しい打ち合いに止血してもらっていた鼻からまた鼻血が溢れだしてくる。
わたし達はお互いのグローブを相手の鼻血や血反吐にまみれさせながら相手の顔にパンチを集中していく。
もう、技術とかはどうでもよくなってきた。 ただ、目の前にいる咲弥をKOしたいと思っているだけだ。咲弥も同じことを思っているようで、ガードしようとせず左右のフックやストレートをわたしの顔に打ち込んでくる。
わたしの口からはさらに血や胃液の混じった唾液が吐き出される。
しかし、わたしも必死に左右のフックやストレートを咲弥の顔に打ち込んでいく。

「がはぁ・・・ ぐふぅ・・・ ぶはぁ・・・」
「あぐぅ・・・ くはぁ・・・ んあっ・・・」

しかし、お互いの叫びがハモってしまった。

「「まだまだ! 負けるかぁ!!」」

わたしと咲弥は叫んだ後、右ストレートを放っていく。
お互いの右ストレートが鼻にめり込んで、身体が大きく吹き飛ばされてしまう。
意識が遠くなっていくのを感じながら天井をぼんやりと見ていた。

わたしが目を覚ますと同じようにダウンしている咲弥の姿が見えた。

「咲弥、試合はどうなったの・・・? わたしが負けたんだよね・・・」
「瑞枝は負けてないよ。 わたし達の初試合はダブルKOだったんだよ」

信じられない・・・ だって、咲弥の方がダメージは軽いはずだから立ち上がってると思ってたのに・・・
わたしが物思いにふけっていると岡野先輩と名波先輩がわたし達の傍に来て鼻血や口の周りについた唾液や血、胃液などをタオルで拭き取ってくれました。

「二人とも霧山学院での初試合、どうだった? 楽しかったかい??」
「すごく楽しかったです! プロレスの団体にいた頃はあまり全力で試合させてもらってなかったので、瑞枝と全力でやれて嬉しかった」
「わたしも咲弥と本気で殴りあって、わたしのパンチはまだまだ捨てたもんじゃないって分かったから凄くうれしかったよ、咲弥」

わたしと咲弥が抱き合っていると、名波先輩が医務室へ行くように薦めてくれたので医務室へ行くことにしました。

「いらっしゃい。 さっきの生徒さんね? わたしの名前は能登刹那よ。 さて、二人とも鼻血は出てるし、顔もお腹も痣だらけね・・・ 早くメディカルカプセルに入って傷を癒やしなさい。 いいわね??」

わたし達は能登先生の言葉にすぐにメディカルカプセルの中に入っていく。
メディカルカプセルの中に入ったわたしの身体に不思議な光が当てられると痣や傷、身体の痛みが消えていくような感じになっていく。
 
そして、数時間が経った時、メディカルカプセルの中に放送が聞こえてくる。

「一年、柊瑞枝さんと卯月美紀さん。 30分後までに第3体育館の第2リングに来て下さい。
今回の試合は総合ルールなので、オープンフィンガーグローブとマウスピースを持参してください。
 繰り返します・・・・」

どうやら、わたしの次の試合が決まったらしい。
医務室を咲弥と一緒に出て、自分の部屋に戻り、自分のマウスピースとオープンフィンガーグローブを持って、試合の会場に向かう。
わたしの相手は一体どんな格闘技を使うのだろう。
けど、いい試合にしたいなと思ってしまうわたしがいる。

試合が楽しみだよ!! 


                           Next Fight-3


BLOOD OF MOUTH PIECE | コメント:0 | トラックバック:0 |

Blood Of Mouth Piece fight-1

Blood Of Mouth Piece fight-1

私立霧山学院、ここは元々閉校になっていたある学園をどこかのお金持ちが買収し、新しく作った学校らしい。
この学校への入学条件は強いことらしい。
何でもこの学院のオーナーが無類の女子格闘技好きで一人でも多くの美少女ボクサーや美少女格闘家が生まれるのを期待しているようだ。
だから、この学院では卒業までに様々な格闘技で試合をして、入学の時にもらう自分のマウスピースを守らなければならない。
もし、進級までにマウスピースを守りきれず、全て失ったら退学になってしまう。

この学院は選ばれたら、学費は一切いらないので、お金がない娘たちが入学してくる。
しかし、中には最初から一つのステップと考えている娘たちも少なくはない。
わたし、柊瑞枝もその一人だ。
元々、ここに入学する少し前まで立ち技系格闘技団体、ガールズインパクトに所属していたが自分のパンチ力に自信をつけるためにガールズインパクトでの活動を一旦止めたのだ。

そして、この霧山学院の入学式が始まろうとしている。

「はじめまして、皆さん。 わたしはこの学院の学長の二見恵美です。 この学院は皆さんも知っている通り、一人でも多くの女性格闘家を生み出すために8年前にできました。
この学院を卒業した生徒の多くは立派な格闘家になりました。 裏の世界へ行くものも多かったのも事実です。 皆さんには入学に際して、ささやかなプレゼントがあります。 100個のマウスピースです。 皆さんはこちらが組んだ試合、皆さん同士での試合、そして、喧嘩などの時にそのマウスピースを最低一つは賭けてもらいます。 そして、次の学年に上がるまでにマウスピースをなくした生徒は無条件で退学していただきます。
さて、学院のルールの説明が簡単に済んだところで入学式は終わりにいたします。 
これから、新入生歓迎のためのエキシビジョンマッチを行いたいと思います」

入学式が終わると新入生はエキシビジョンマッチの行われるリングがある、第2体育館に向かう。

エキシビションマッチの行われるリングの上には二人の女性がいる。
赤コーナーにいるロングヘアーの人が5年生の岡野先輩で、青コーナーにいるショートヘアーの人が同じく5年生の名波先輩というらしい。
何故、5年生なのかというとこの霧山学院は5年間通わなければならないからだ。
すなわち、この二人は来年卒業するのだ。

レフェリーを務める先生が二人をリング中央に呼ぶ。
二人はお互いを見つめあいながら先生の注意を聞いている。
そして、先生は注意が終わったのか、二人を自分のコーナーに戻していく。

試合開始のゴングが鳴り響くと岡野先輩と名波先輩は同じタイミングで右ストレートを放っていく。
お互いの右ストレートが鼻にめり込むと二人の鼻からは早くも鼻血が溢れてくる。
しかし、さらに密着するように距離を詰めると左右のフックやアッパー、ストレートを相手の顔面に叩き込んでいく。
そして、二人の口からも血混じりの唾液が吐き出され、マウスピースがはみ出そうになる。
岡野先輩も名波先輩もそのことに気づくと相手の頬や顎にフックやストレート、アッパーを集めていく。

これが5年間居続けた人の実力なのか・・・
一つ一つのパンチが出す音は桁違いだ。
おそらく、今のわたしが二人のどちらかと試合しても1分ともたないだろう。

二人の左右のストレートがクロスカウンターとしてお互いの頬に打ち込まれていく。
二人の顔が歪み、パンチの威力で口から血にまみれたマウスピースが飛び出していく。

試合は2時間経っても決着がついていない。
二人の顔はもはや美少女とは言えないありさまになっている。
頬や瞼は腫れていて、ボディや脇腹には多くの痣ができている。
そして、お互いのコーナーには奪いあったマウスピースが無造作に転がっているのが見える。
しかし、この試合にも決着の時が来たようだ。
二人は右腕を大きく振りかぶり、相手の顔へ自分の今出せる全ての力を込めた右ストレートが放たれる。
お互いの右ストレートが自分の鼻にめり込むと二人の身体が後ろに倒れていく。
そして、二人の口から血や胃液が混じった唾液がたっぷりとまとわりついたマウスピースが空中に勢いよく吐き出される。

わたしはそのマウスピースを見て、とても綺麗だと思ってしまった。
二人が仰向けにダウンするとレフェリーを務める先生がカウントしていく。
しかし、1分が経過しても立ち上がってこない二人を見ると両手を交差させて試合を終了させる。

二人は他の先輩達に担架で医務室まで運ばれたようだ。

わたし達は試合の会場であった第2体育館から自分の寮の部屋に戻っていく。
わたしのルームメイトはプロレス団体出身だという朝見咲弥。 彼女は打撃を学ばせるために団体のオーナーさんが入学させたんだとか・・・
咲弥が言うには団体が経営不審になっていて、一人でも多くの選手を辞めさせようとしているらしいけど。

「ねぇ、瑞枝はどうしてここに来たの?」
「わたしはガールズインパクトっていう団体にいたんだけど、自分の団体内の実力とかに自信がなくなっちゃって・・・ だから、自信と実力をつけるためにここに来たんだよ」

わたしが理由を話すと咲弥は心配そうにわたしを見る。
優しい娘みたいだから安心はしたね。

「ねぇ、瑞枝。 学院見学しない?」
「いいね、咲弥。 その後、試合しよっか?」

わたし達は結構息が合うみたいだ。

部屋を出て、わたし達は学院中を散策する。
まずは、これからお世話になるだろう、医務室に向かう。

医務室には変なカプセルがいっぱい並んでいる。

「それはメディカルカプセルよ♪♪ この学院は立ち技格闘技の試合が多いから怪我も増えるし、すぐに回復できるものが必要になるのよ」

医務室の先生の話によるとこのメディカルカプセルは本人の最高の状態まで怪我でも病気でも治してしまうらしい。 しかも、例え試合中に命を落とすような事故があっても30分以内なら完全に治せるようだ。
科学の発達は凄いな・・・
わたし達は医務室の先生の名前を聞けずに医務室を後にしてしまった。

次は食堂や他のリングのある体育館や部室を覗いていく。

学院見学を終えた二人は近くのリングに向かう。
そこには、さっき激しい試合を繰り広げていた名波先輩と岡野先輩がいた。
二人で簡単なマスボクシングをしている。

「凄いね、瑞枝・・・ あんな激しい試合の後でも練習するんだから・・・」
「そだね・・・ これが5年間この学院で生き残ってきた人の凄さか・・・」

先輩達はわたし達に気がついたらしく、マスボクシングを中断して、こっちに来る。

「あなた達は今年の新入生ね。 はじめまして、わたしの名前は名波和美よ。 そして、わたしの隣にいるのが・・・」
「岡野恵だよ。 二人は何をしに来たんだい?」

二人の先輩はわたし達に目的を尋ねてくる。

「わたし達は試合をしに来たんです」
「お邪魔なら出ていきますけど、どうでしょう?」

わたし達の言葉に名波先輩は笑いながら答えてくれた。

「うふふ・・・ 昔の恵を見てるようだわ・・・ 恵も昔はね・・・」
「和美、余計なことは言わなくていいよ・・・ わたし達の練習は終わったから試合してもいいよ。 せっかくだから、わたし達が二人のセコンドについてあげよっか?」
「いいんですか!? ねぇ、瑞枝! お願いしようよ!!」
「そうだね! 名波先輩、岡野先輩、セコンドやレフェリーをお願いできますか?」

岡野先輩と名波先輩は快く了承してくれた。
これで、この学院での初試合はルームメイトの朝見咲弥に決まった。

これからのわたしの霧山学院での学校生活はどうなるんだろう?

楽しみで仕方ないよ。


Next Fight-2

BLOOD OF MOUTH PIECE | コメント:1 | トラックバック:0 |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。