ひらひらの仕掛け屋敷

このブログはアニメや特撮、漫画についてのコメントやオリジナル女子格闘技小説を掲載したりしますよ♪♪

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オリンピック記念小説 中国代表 李麗春(り・れいしゅん) VS フランス代表 レイラ・フランツ

オリンピック記念小説 中国代表 李麗春(り・れいしゅん) VS フランス代表 レイラ・ハミルトン

女子ボクシング
中国代表VSフランス代表

パリオリンピック、女子ボクシングの試合は第3試合が始まろうとしている。

第3試合は中国拳法の達人であり、中国拳法普及のためにボクシングを習い、参戦した中国代表の李麗春とイギリス代表、ローレル・アンダーソンを倒すために参戦したフランス代表のレイラ・ハミルトンである。

「あなたがわたしの相手アルカ? ずいぶん、やる気アルネ」
「当たり前さ。 あんた程度に負けてたらローレルにはたどり着けないからな」

レイラの言葉に麗春は笑った。
それが癇に障ったのか、レイラの表情に怒りの色が見えた。

「怒ったアルカ? 短気はよくないアルヨ」
「言いたいことはそれだけかい? なら、黙ってな」

レフェリーの注意を聞き終えるとレイラは静かに怒ったまま、自分のコーナーに戻っていった。
一方の麗春は相変わらず笑顔のままで自分のコーナーに戻っていく。

「あいつ、何なんだよ? ふざけてんのかよ」
「落ち着け、レイラ。 その怒りっぽいところはお前の悪いところだぞ。 相手がどんな奴にせよ、お前はただKOすればいいだけだろ」
「それもそうだな。 ありがとよ、ブライアン」

レイラは恋人でありセコンドでもあるブライアンと話していた。
レイラはブライアンと話し終えると麗春との試合に向けて精神集中していく。

一方、麗春は妹であり、セコンドの春藍とレイラとの試合について話していた。

「麗春姉様、レイラさんって強いんですの?」
「おそらく強いアルネ。 あの一瞬見せた闘志はただ者ではなかったアルヨ。 でも、わたしは負けないアル」

麗春の闘志に満ちた表情に春藍も嬉しそうな表情をする。

1ラウンド開始のゴングが鳴るとレイラと麗春はリング中央へ駆けていく。
そして、お互いに距離を詰めると左右のストレートを叩き込んでいく。
レイラも麗春も近距離で相手に強烈なパンチを叩き込むインファイターである。しかし、相手の強烈なパンチを叩き込まれた二人の口からは早くも唾液が吐き出されていく。

「んぶぅ・・・」
「かはぁ・・・」

二人は唾液を吐き出しながらさらに左右のフックやストレートを相手の顔に叩き込んでいく。
レイラと麗春は少し後方へふらついてしまうがすぐに体勢を整えていく。
しかし、レイラがフットワークを駆使して麗春に接近すると麗春は中国拳法独特の歩法でレイラとの位置をコントロールし、左右のストレートをボディに叩き込み、レイラの顔が下がったところへ下から振り上げた右アッパーを叩き込んだ。

「んべぇ・・・」

レイラの口から小さな呻きとともに血混じりの唾液が付着したマウスピースが吐き出されていった。
麗春はレイラがマウスピースを吐き出したのを見るとさらに左右のフックやストレートをレイラの顔に叩き込んでいく。
麗春の頭の中ではこの試合でいかに自分の中国拳法をアピールするかという考えが過っていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたみてぇな奴には負けねぇ!!」
「わたしも負けられないアル! だから、レイラさんをKOするアルヨ!!」

麗春はそう言うと一気にレイラに接近し、左右のフックなどで激しいラッシュをかけていく。
しかし、レイラも麗春の顔に左右のストレートを返していき、反撃していく。
お互いのパンチが相手の顔に叩き込まれるが二人は一向に止まらない。
次第に二人の顔が腫れだし、レイラは右目が、麗春は左目が塞がりつつあった。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」
「ぶはぁ・・・ んんっ・・・」

二人の口からは血混じりの唾液が次々に吐き出されていく。
レイラの体勢がわずかに崩れたのを見た麗春はレイラの顔目掛けて左ストレートを放っていく。
しかし、そこで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
麗春はレイラの顔の数センチ前で拳を止めていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あんた、強ぇな・・・ けど、負けねぇぜ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ そう言うレイラさんも強いアル・・・ でも、わたしも負けないアルヨ・・・」

二人は荒い息を吐きながらそう言うと自分のコーナーへ戻っていく。

「麗春姉様! 大丈夫なのですか!?」
「大丈夫アルヨ、春藍・・・ けど、レイラさんはやっぱり強いアルネ・・・」

麗春はそう言うと水を口に含み、うがいしていく。
春藍が差し出したバケツに吐き出した水は少し赤くなっていた。

「お姉様、次のラウンドはどうしますの?」
「うーん・・・ わたしは春藍みたいに器用じゃないアル・・・ 全力で殴りあうだけアル・・・」

麗春の答えに春藍は笑いながら頷いた。
どんな時も諦めないのが姉の魅力だと春藍は改めて思った。

レイラのコーナーではブライアンがレイラの身体の汗を拭いたりマウスピースを洗ったりしている。

「レイラ、李麗春は強いと思うか?」
「あぁ、思うねぇ・・・ 俺が今まで殴りあってきた相手の中で一番パンチ力もスピードもあるぜ・・・」

レイラは1ラウンドの間、殴りあっただけで麗春の強さを見抜いていた。

「拳法家なんて辞めちまってプロボクサーになりゃいいってのによ・・・」
「お前がそこまで言うってことは本当に強いんだな、李麗春は・・・」

ブライアンの言葉にレイラは息を整えながらも頷いた。

「なら、次のラウンドはどうする?」
「ブライアン、俺がどうするかなんて分かってんたろ?」

レイラの悪戯っぽい質問にブライアンは笑いながら答えた。

「だよな。 レイラは相手にガンガン攻めてくしかないんだもんな」
「あぁ。 だから、俺のパワーで中国拳法なんざ粉砕してやるぜ!」

レイラが力強く言ったのを聞いたブライアンは洗い終わったマウスピースをレイラにくわえさせた。

2ラウンド開始のゴングが鳴り、レイラと麗春は一気にリング中央まで駆け出していく。
お互いに相手のことを認めたからこそ、自分よりも先に相手のペースを崩すことがこの試合を決めると理解したのだ。
そして、左右のフックやストレート、アッパーを相手の顔やボディ、脇腹に叩き込んでいく。
その度に唾液が吐き出され、徐々に血が混じってくる。
それでも、二人は相手を殴ることを止めない。
手を止めれば自分がやられると理解しているからだ。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」
「んあっ・・・ あぶぅ・・・」

麗春もレイラも相手の強烈なパンチに口や鼻から血を流している。
しかし、さらに左右のフックやストレートを叩き込むことを止めないどころか、スピードを上げて相手を殴り倒そうとしていく。

「んんっ・・・ ぶへぇ・・・」
「かはぁ・・・ あぶぅ・・・」

次第にお互いの強烈なパンチにふらつく場面が増えてくる。
しかし、相手が倒れないなら自分も倒れられないと必死に踏ん張り、相手にパンチを放っていく。

「んはぁ・・・ レイラ・・・さん・・・ 強い・・・アル・・・」
「んあっ・・・ そう言う・・・ あんたも・・・ 強ぇじゃ・・・ねぇか・・・」

お互い、ダメージで意識が飛びそうになりながら意識を繋ぎ止めるために相手に話しかけていく。
しかし、お互いに意識が飛びかけているのは事実だ。だが、2ラウンド終了のゴングが鳴り、二人とも倒れそうになりつつも自分のコーナーまで戻っていく。

「レイラ、大丈夫なのか!?」
「大丈夫・・・だよ・・・ まだ・・・やれる・・・」

ブライアンはレイラの様子に心配になり、タオルを投げる、つまり、棄権することを提案していく。

「レイラ・・・ この試合は諦めて次の試合に・・・」
「ふざけん・・・なよ・・・ 俺の知ってるブライアンは・・・そんなこと・・・言わないぜ・・・」
「レイラ・・・ この大会は別にトーナメント制じゃない・・・ 1試合くらい落としたって大丈夫なんだよ!」

レイラはブライアンの言葉に憤りよりも感謝の気持ちが沸き上がってきた。

「サンキューな、ブライアン・・・ でも、俺は逃げたくない・・・ この試合を落とすにしても、それは麗春に殴り倒された時だ・・・」
「レイラ・・・」

ブライアンはレイラの闘志に何も言えなくなった。
しかし、レイラはまだ言葉を続けていく。

「それにここで諦めるのはブライアンにも麗春にも悪いからな・・・」
「馬鹿野郎・・・ 分かったぜ、レイラ・・・ もう止めねぇから好きなだけやってこい!」

レイラはブライアンの言葉に黙って頷いた。

一方、麗春のコーナーでも春藍が麗春に棄権するべきだと提案していた。

「お姉様、この試合は諦めて棄権するべきですわ!」
「それはできないアル・・・ わたしは逃げたくないアル・・・」

春藍は麗春の言葉に何も言えなくなってしまい、誤魔化すために黙々と麗春のマウスピースを洗っていく。

「(あの目をしたお姉様はどんなことをしても戦うことを止めない・・・ あとは、お姉様に任せるしかないですわ・・・)」

春藍はそんなことを考えながらマウスピースを洗っていく。

そして、3ラウンドが始まると麗春もレイラも重い足を引きずるようにして相手に近づいていく。
そして、重たい腕を振り上げて相手の顔に左右のストレートを叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・ くはぁ・・・ (そろそろ・・・ケリをつけたいねぇ・・・)」
「んぁっ・・・ ぶへぇ・・・ (決着をつけるアル・・・)」

麗春とレイラはふらつく身体に鞭を打ち、ストレートを繰り出せる距離を作っていく。

「(これで終わりだ・・・) うらぁ!!」
「(これで決めるアル・・・) はぁっ!」

レイラと麗春はほぼ同じタイミングで相手の顔めがけて右ストレートを放った。
そして、お互いの右ストレートが顔に叩き込まれるとしばらく時間が止まったように動かなかったがしばらくして二人とも前のめりにリングに倒れた。

「ダブルノックダウン!」

レフェリーは二人の様子を伺っていくが二人とも白目を剥き、意識が完全に飛んでしまっているようだ。

「試合終了! ドロー!!」

レフェリーはそう宣言するとレイラと麗春を担架で医務室まで運ばせていく。

二人の激しい打撃戦はダブルKOという結果で終わりを告げた。
しかし、二人の奮闘に惜しみない拍手が会場中から送られた。


to be continued
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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-12 彩坂梨杏VS笹森さつき

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-12 彩坂梨杏VS笹森さつき

古き鉄の来訪から2週間が経ち、ダーククライムにも目立った動きもなく、平和な時が流れていた。
しかし、梨杏はそんな中、一人悩んでいた。
それは自分の試合がまったく決まらないことである。

「梨杏、何辛気臭い顔してんだよ。 らしくないぜ」
「うん・・・ 自分でもそう思う・・・」

梨杏の歯切れの悪い返事に零次は少し心配になってくる。

「梨杏が少しナーバスになってる?」
「あぁ。 どうも、自分に自信が持てなくなってるみたいなんだ」

スバルやギンガ、洋子によるティアナの格闘訓練に付き合っていた零次は訓練を終えたスバルと最近の梨杏の様子について話している。

「あの子、何か悩んでんの?」
「そうなんだよ、ティアナ。 どうしたらいいと思う?」
「あたしには何にもできないわよ。 梨杏にとって必要な悩みでしょ」

ティアナの言葉にスバルと零次は首を傾げた。
ティアナは二人をそのままにすると休憩室へ向かった。

梨杏は自分の悩みを吹っ切るためにランニングをしていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (今のままじゃまどかに追いつくことなんてできないよ・・・ そのためには勝たなきゃだめなのに試合自体がないんだもん・・・ どうしたらいいの?)」
「あの、どうしたんっすか? そんなところでじっと立ち止まって」

梨杏は突然話しかけられて、びっくりしてしまい、尻餅をついた。
梨杏に話しかけた少女は梨杏に手を差し出し、立ち上がるのを手伝う。

「えっと、彩坂梨杏ちゃんっすよね? ぼくは笹森さつきっす。 よろしくっす」
「よろしくね、さつきちゃん」

梨杏の言葉にさつきの表情が変わった。
まるで、泣きそうな表情だ。

「やっぱり、ぼくって子どもっぽいんっすかね? これでも、ぼく、24っすよ・・・ ちゃんと大学も出てるんすよ・・・」
「ごめんなさい! さつきさんがあんまりフランクだったから・・・」
「いや、いいんすよ。 っていうか、嬉しいっすよ・・・ ぼく、童顔っすから相手に嘗められちゃって・・・」

梨杏はさつきの苦労が目に浮かぶような感じがした。
自然と梨杏は笑っていた。
それを見たさつきも笑顔になる。

「良かったっすよ、次の対戦相手が本調子になってくれて。 そうじゃないと楽しくないっすからね」
「えっ? どういうことですか、さつきさん」
「おっと、梨杏っち。 ぼくのことはちゃん付けでもいいっすよ。 それと、ぼくは梨杏っちのこと、梨杏っちって呼ばせてもらうっすね」

さつきの言葉に梨杏は頷く。
しかし、梨杏は再び話を戻した。

「えっと、さつきちゃん。 次の相手がわたしってどういうことなの?」
「そのままの意味っすよ。 梨杏っちならぼくも本気でやれるっすからね。 とにかく、ぼくは負けないっすよ!」

さつきはそう言いながら右腕を梨杏に向けて突き出す。
梨杏もさつきの右拳に自分の右拳を打ち合わせていく。

活き活きとした表情で戻ってきた梨杏を見て、スバル達も安心したような表情になった。
梨杏はスバルの腕を掴んでトレーニングルームへ行った。

「梨杏ってばすっかり元気になっちゃって。 零次、あんたにフォローさせなくてもいいみたいね」
「だな。 それにしても、ティアナがそんなにおせっかい焼きだったとは知らなかったぜ」

零次の言葉にティアナの顔が少し赤くなった。
ティアナは右手を振り上げながら零次を追いかけていく。

ある日、梨杏は加奈に呼ばれ、事務室へ向かっていた。
正式に次の対戦相手が決まったことを報告するためだ。

「梨杏ちゃん、次の対戦相手が決まったわ。 相手の名前は・・・」
「笹森さつきちゃんですか?」

梨杏は加奈がさつきの名前を言う前に言ったことで一瞬加奈の顔が驚きに染まった。
しかし、すぐに気を取り直し、梨杏の前に試合の契約書を差し出した。

「じゃあ、話は早いわ。 梨杏ちゃんはその契約書にサインするんでしょ?」
「はい!」

加奈が悪戯っぽく聞くと梨杏は力強く即答した。
それを見て、加奈達も微笑む。

そして、数日後、梨杏とさつきの試合の日がやって来た。
梨杏は自分の控え室でスバル達と話していた。

「けど、2試合目が決まって良かったね、梨杏」
「ありがと、スバル。 でも、不安だよ。 さつきちゃんの試合のビデオを見たんだけど、さつきちゃんってパンチ力ありそうなんだよ・・・」

不安そうに言う梨杏の表情にスバルも少し心配になってくる。
零次は梨杏に近寄ると梨杏の額にデコピンをした。

「ふぇっ!? 何?」
「お前らしくねぇよ。 お前はどんな強い相手でも嬉しそうにしてんだろ? 違うか??」
「・・・ だよね。 わたしはどんな相手でも負けたくないもんね!!」

梨杏は気合を入れ直すと頬を叩いてから洋子達にバンテージを巻いてもらう。
零次達は梨杏の控え室から出て、観客席に向かう。

一方、さつきの控え室ではさつきのジムの先輩でも倉橋茜達に試合の準備をしてもらっている。

「さつき、バンテージの巻き方、きつくない?」
「ん。 大丈夫っすよ、茜さん」

さつきがそう言うと茜は手早くバンテージを巻いていく。
先輩の三崎翔達はさつきのコスチュームを違和感を感じないように調整していく。

「どう、さつき? コスチュームの着け心地に違和感ない??」
「大丈夫っすよ、翔さん。 そろそろ試合っすね。 精神統一したいんで少し出てもらってていいっすか?」
「もちろんだよ。 今日はさつき、君の試合なんだから」

茜はそう言うと翔や他の後輩を連れて、控え室を後にした。

「(試合のビデオを見てから少し震えが止まらないっすね。 梨杏っちのことは前々から知ってたつもりだったんっすけど認識不足っす・・・)」

さつきは梨杏が中学時代に出ていた空手の試合をよく観戦していたようだ。
とにかく、さつきは精神を研ぎ澄ませていく。

一方、梨杏も自身の控え室で精神統一をしていた。
そこへ、試合の順番が来たことをスタッフが伝えに来ていた。
梨杏は洋子と宇崎ラン、柊瑞枝を連れて、花道を歩き、リングへと向かう。
梨杏が花道からリングへ続く道に出ていくと会場中から歓声が飛び交う。
そして、梨杏はリングインしていく。
続けて、さつきも花道からリングへと向かう道を歩いていき、リングインしていく。
二人がリングの上に揃ったところでリングアナによるアナウンスが始まった。

「赤コーナー、ガールズインパクト所属 116.7ポンド 彩坂~梨杏~!!」

梨杏はリングアナのコールを聞くと右腕を高く突き上げた。
梨杏はすでに戦闘体勢に入っている。

「青コーナー、ファイティングスピリッツ所属 117..3ポンド 笹森~さつき~!!」

続いて、さつきも自分の名前をリングアナにコールされてから梨杏とは反対の左腕を高く突き上げた。

そして、梨杏とさつきはレフェリーからの注意を聞いている間もお互いに相手を睨みつけていた。
別に、お互いに相手が憎いというわけではない。
お互いが溢れる闘志を抑えきれなくなっているのだ。

「二人ともクリーンなファイトをするように! 自分のコーナーに戻って!!」

二人はレフェリーにそう言われると自分のコーナーへ戻っていった。

「さて、梨杏。 この試合、どうする?」
「そんな答えの分かってる質問するなんてちょっとずるいですよ」

梨杏の緊張をほぐすための洋子の質問に梨杏は頬を膨らませながら答えた。
洋子の意図を理解した上の態度でもある。

「さて、梨杏はこの試合、前よりも突っ込んでいくつもりでしょ?」
「はい。 さつきちゃんの試合のビデオを見てからずっと考えてました・・・ たぶん、今回の試合はさつきちゃんから逃げようとしたら容赦なく叩きのめされると思います・・・ だから、倒される前に倒してきます」

梨杏は力強くそう言うと試合前なので集中していく。
さつきのコーナーでは茜と翔がさつきと試合のプランを話し、他のセコンドは試合の準備を進めていく。

「さつき、梨杏ちゃんとの試合、勝てそうかな?」
「分からないっすね・・・ 梨杏っちの試合のビデオを見てから少し怖くなってるっすよ・・・」
「まぁ、さつきは彩坂梨杏が空手をやってた頃から注目してたからね」

翔の言う通り、さつきは自身の技を増やすために梨杏の試合を見ていたがそのうち梨杏のファンみたいなものになっていた。

「でも、負けるつもりはないっす。 だって、ぼくもプロレスラーっすからね」

さつきはプロレスラーである。
しかし、元々複数の格闘技に興味があったため、キックボクシングやボクシング、総合格闘技のライセンスも取得しているのである。

「とにかく、楽しんできなよ、さつき。 勝ち負けは気にしないでいいから」
「分かったっす。 梨杏っちとの試合、楽しんでくるっす!!」

さつきがそう言うと、ちょうどセコンドアウトの指示が出たので翔と茜はリングから降りていく。

「ラウンド1、ファイト!!」

レフェリーのコールに梨杏もさつきも一気にリング中央に飛び出していく。
二人ともハードパンチャーなので自然とこういう展開になる。
さつきと梨杏は最初から飛ばしているようでお互いの顔に左右のストレートを叩き込んでいく。
お互い、ハードパンチャー同士なのでパンチをもらえば効くのである。
早くも、二人の口からは唾液が吐き出されていく。
しかし、お互いに左右のストレートを緩めない。
それどころか、さらに、スピードを上げていくのである。

「んぶぅ・・・ かふぅ・・・ ぶふぅ・・・」
「んあっ・・・ んぐぅ・・・ ぶはぁ・・・」

二人の壮絶な殴り合いに会場から大歓声が巻き起こる。
しかし、梨杏とさつきには観客の歓声は関係ない。
ただ、相手をKOするためにパンチを繰り出すだけである。

『見てください! 彩坂と笹森の壮絶な殴り合いに会場から割れんばかりの歓声が溢れています! さて、彩坂と笹森の顔はついに腫れてきたわけですがどうなるのでしょうか!?』

実況の興奮したようなアナウンスがさらに場内の熱気が増していく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (ビデオで見るより実際に喰らってみるとさつきちゃんのパンチ力がよく分かるよ・・・ けど、負けないんだから・・・)」
「はぁ・・・ はぁ・・・ (梨杏っちのパンチ力は見てたより強烈っすねぇ・・・ 苦しいっすよ・・・ でも、負けないっす!!)」

二人は苦しそうに息をしながらお互いに心の中で相手を誉めていく。
しかし、お互いに拳を相手に叩き込むことを忘れることはない。

「ぶふぅ・・・ んあっ・・・」
「はぶぅ・・・ あぐぅ・・・」

お互いの口からはさらに血混じりの唾液が吐き出されていく。
しかし、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
レフェリーはなおも打ち合う梨杏とさつきの間に身体を差し入れていき、二人を止める。
二人ともレフェリーの行動に1ラウンドが終わったことを理解した。
そして、ゆっくりと自分のコーナーへ戻っていく。


アイキャッチA(梨杏とさつきがファイティングポーズを構えたポスター)
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ANGELIC LAYER外伝 Fight-1 「私のエンジェル誕生」

ANGELIC LAYER外伝 Fight-1 「私のエンジェル誕生」


私、神原美那 14歳。
何も刺激のない一年を終え、一つ学年が上がりました。
でも、私、何やりたいのかな?

「はぁ・・・ 憂鬱だぁ・・・」
「な? どないしたん??」

今、私に話しかけてくれてるのはANGELIC LAYERを知っている人なら誰でも分かる人・・・
エンジェル・ヒカルのデウス(操縦者)、鈴原みさき。
同じクラスになって、初めて見た時はほんとに小さい子だなぁって思ったけど、実際話してみると凄くしっかりとした子なんだなぁって分かった。

「いや~ 私もエンジェリックレイヤーやろうかなって思っててさ・・・」
「な? 美那ちゃんもエンジェリックレイヤーやるん?? それやったら、わたしも協力するよ」
「いや、でも、鈴原さんに悪いし・・・」

私の言葉に鈴原さんは首を横に振りながら断ってくれる。
ほんとにいい娘なんだなぁ・・・
めちゃくちゃいい笑顔してるし・・・

「美那ちゃんも一緒にやったら楽しいよ。 わたしがいろいろ教えるから、やろう?」
「それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな・・・ えっと、よろしくね、鈴原さん」
「うん!」

というわけで、放課後、私達はPiffle Princess直営のショップに来ました。

「しっかし、エンジェリックレイヤー関連のものって結構いろいろあるんだね?」
「そうなんよ。 わたしもエンジェリックレイヤー始めたばっかりの頃は美那ちゃんと同じこと考えてたん」

意外だね~
鈴原さんって最初から分かってて始めたんだと思ってたけど。

「じゃあ、何買ったらいいか、教えてくれる?」
「うん、ええよ。 えっと、これとかそれとか・・・」

えっと・・・
鈴原さん?
何で、そんなに次々取り出してるの??
もしかして、エンジェリックレイヤーって結構必要なものがあるの??

「そうなんよ。 わたしもそれで最初は驚いてしもて・・・」
「あぁ、うん・・・ 分かるよ・・・」

鈴原さんの言葉に私が同意すると鈴原さんも少し苦笑してた。

「じゃ、買ってくるね。 鈴原さんは待ってて」
「うん、分かった。 待ってるなぁ」

そう言って、鈴原さんは階段近くのベンチに行った。
さて、早く買ってこようかな。

というわけで、エンジェリックレイヤー関連のものを買ってから鈴原さん家でエンジェルを作ることになった。

「何で、私達、お風呂に入ってるの?」
「説明書にも書いてあると思うんやけどエンジェルは卵の中にある衝撃吸収剤っていうので包まれてるんよ。 だから、お風呂とかで開封せなあかんのよ」

へぇ~
さすが、ハイテク満載のおもちゃってわけだ~
じゃあ、開けようかな。

「うわ~ 凄いグロテスクだねぇ・・・」
「そうやろ。 わたしも最初にエンジェルの素体を見た時はそない思ったんよ」

素体?
っていうことはこれはまだエンジェルじゃない??

「エンジェルができるまではまだいろいろとしないといけないんよ」
「へぇ~ 結構、大変なんだぁ~」

私が呟くと鈴原さんも少し頷いていた。
経験者は語るってやつかな?

「そんなんやないよ・・・ あっ、そうや! 美那ちゃん、わたしのことはみさきって呼んでな」
「えっと、いいのかな・・・」

私の言葉に鈴原さん、ううん、みさきは力強く首を縦に振っていく。
みさきってなんか小動物みたい・・・

「な? どないしたん??」

おっと、少しボーッとしてたしてたみたい・・・
いかん、いかん・・・

「じゃあさ、みさき。 私は次に何したらいいのかな?」
「次はエンジェルの髪型を決めたらなあかんのよ」

私のエンジェルの髪型はやっぱりロングヘアーかな。
私が書いてる小説の中のヒロイン、梨杏みたいに・・・

「へぇー 美那ちゃんはロングにするんやね。 ヒカルはショートカットやからちょう羨ましいなぁ」
「そうかなぁ・・・ でも、ショートカットもいいよね」

私の言葉にみさきは少し照れたふうに笑った。
やっぱり、自分のエンジェルを褒められるってくすぐったいのかな?

「髪型決まったんやったらエンジェルのタイプ決めなな」
「エンジェルのタイプ?」

私が少し疑問がありそうな顔をするとみさきはすぐに答えてくれた。
なんでも、エンジェルには軽量型や重量型と身体的なタイプとスピード重視型やガード重視型などの能力的なタイプとがあるらしい。

「美那ちゃんはどんなタイプの子にするん?」
「私もスピード重視の軽量型にするよ」

私がそう言うとみさきは慣れた手つきで機械を操作していく。
いやー 凄いもんだねー

「美那ちゃん。 この子の名前、何にするの?」
「リナ・・・ うん! リナにする!!」

みさきはエンジェルにリナの名前を入力してくれた。

「わたしのエンジェル・・・」
「うん! 美那ちゃんのエンジェル、リナが今生まれたんや!!」

みさきってば私以上に喜んじゃって・・・
でも、嬉しいな・・・


私とみさきはエンジェルの、リナをよりよく動かすための練習にPiffle Princessの経営しているトレーニングセンターに来ています。
もちろん、先生はみさき。

「そんな!? 私、先生なんて!!」
「まぁまぁ。 とりあえず、リナを動かすにはこのコントローラを頭につければいいんだよね?」
「うん」

みさきはそう言いながら自分の頭にコントローラをつけていた。
私もそれに習い、コントローラをつけていく。

「じゃあ、始めよっか」
「うん!」

私達は自分のエンジェルをテーブル(レイヤー)の上に置いた。

「(リナ、行くよ!!)」

私がそう考えるとリナの目が開き、ファイティングポーズを取った。
ヒカルもリナと同じようなファイティングポーズを取っている。

「じゃ、行くよ、みさき!!」
「うん! 美那ちゃん!!」

私はリナを走らせるように頭の中で指示していく。
けど、リナのスピードが私の思っていたものより速くてイメージが合わないのか、少し動きがギクシャクしてる。

「(リナ、止まって!!)」
リナを止めようとしたらリナは止まりきれずこけっちゃった・・・
リナ!?

「大丈夫やよ、美那ちゃん」
「ほんと?」

私の不安そうな顔を見て、みさきは微笑んでくれた。

「美那ちゃん。 立てるように意識してみて」
「うん・・・ (リナ、立って・・・)」

私の意思がコントローラから伝わり、リナが何事もなかったように立ってくる。立ち上がったリナにヒカルが近づいてきて、左右のストレートを放ってくる。
リナに素早く回避させたはずなのにヒカルのパンチはリナを捉えていた。

「(何で、避けたはずなのに・・・ 何が駄目なの?)」
「(美那ちゃん、頑張って・・・)」

なんとか、ヒカルとの距離を取ろうとバックステップで下がっていくとヒカルの動きが止まった。
落ち着いて考えるとリナはさっきの動きでレイヤーの端っこにいた。

「(落ち着かなきゃ・・・ みさきは運動が得意なわけじゃない・・・ だったら、何でリナの動きが分かるんだろう?)」

私がそう考えているとみさきが私をじっと見ていた。

「(そっか・・・ みさきはリナだけじゃなくて私も見てたんだ・・・ だったら・・・) 行くよ、みさき!」
「うん! 美那ちゃん!!」

私はリナに視線を送るんじゃなくてみさきに視線を送ることにした。
かなり恥ずかしいけど、さっきまでみたいにリナの動きが完全に読まれることがなくなった。
私の考えは間違ってなかったみたいだ。

ヒカルの左右のパンチをかわし、リナに左右のパンチを打たせていく。
ヒカルもかわしきれなくなったのか、両手で弾いたりガードしたりすることが多くなった。

「みさき、ヒカルへばったの!?」
「違うよ! リナの攻撃が凄いんよ!!」

また、楽しそうに言うなぁ・・・
みさきはほんとにエンジェリックレイヤーが好きなんだ・・・
でも・・・ だからこそ、負けたくない!!
そんな私の想いが通じたのか、リナの動きがさっきまでと比べて格段に上がった。
これなら、ヒカルとみさきに勝てるかも!!

「行くよ、みさき、ヒカル!!」
「うん! 美那ちゃん! リナ!!」

私達の指示でリナとヒカルは中央へ駆け出していく。
そして、また左右のパンチやキックを相手に叩き込もうとする。
けど、私もみさきも相手のエンジェルの動きを読み始めてるからなかなか当たらない。

「(どうしたらいいわけ? みさきはエンジェルレイヤーのチャンピオンだし普通にやったんじゃ勝てない・・・ そうだ! あれをやってみよう!!)」


私は意識を集中すると、リナの両腕を下ろさせた。

いわゆる、ノーガード戦法ってやつだよ・・・
みさきは私の戦法に戸惑ってるのか、ヒカルはジリジリと近づいてくる。
私もリナにジリジリと近づかせていく。
ヒカルとリナの距離が詰まると私はリナに一気に攻め込むように指示を出していく。
そして、リナはそれに応えるようにヒカルに左右のストレートを叩き込もうとしていく。
けど、ヒカルはそれをかわすと左右のストレートを打ち返してくる。

「(普段はぽわわーんとしてるのにエンジェリックレイヤーをやってる時のみさきは凄い・・・ でも、私とリナはみさきとヒカルを破ってみたい・・・ 勝ちたい!!)」

私とみさきはお互いのエンジェルにさらにスピードを上げるように指示を出していく。
そして、ヒカルとリナはさらにスピードを上げて相手に攻め込んでいく。
しかし、ヒカルとリナの位置関係を私は理解していなかった。

「行くよ、美那ちゃん!!」

みさきがそう叫ぶとヒカルはジャンプすることでリナとの位置を入れ換えてきた。
そして、ヒカルのサイドキックでリナはレイヤーアウトしてしまった。
私はレイヤーアウトして地面に落ちたリナを拾おうとしたけどみさきが駆け寄ってリナをレイヤーに戻してくれた。

「ヒカルはやっぱ強いね。 敵わないや」
「そんなことないよ。 リナはめっちゃ強かったよ」

みさきはお世辞を言うような子じゃないってのは最近分かったけどこれだけ差があってそう言われるのは少しきついよ・・・

「美那ちゃん、帰ろ?」
「そだね」

私はみさきの言葉に頷いていく。
今はまだまだ弱いけどこれから強くなればいいんだから問題ないよね。


to Fight-2


次回

Fight-2「強くなるために」

ヒカルに負けた私とリナだけどまだまだ強くなれるって信じてる!
だから、少しでもエンジェリックレイヤーになれないとね!!
というわけで、次は私とリナの日常をお送りします!!

ANGELIC LAYER外伝 | コメント:1 | トラックバック:0 |
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