ひらひらの仕掛け屋敷

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION 短編SS-5 中野優VS浅野美佐

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION 短編SS-5 中野優VS浅野美佐

2ヶ月前に里子として引き取った洋子は優に自身の格闘技を教えていた。

「洋子ママ! できたよ!!」
「頑張ったね、優」

優が『できた』というのは、サンドバック打ち2分3ラウンド、つまり、6分間サンドバックを打ち続けることである。
本来、幼い少女にさせるようなトレーニングではないが洋子はあえてそのトレーニングをさせている。
これは、優に格闘技を遊びではないことを教えるという目的がある。
しかし、優は厳しいトレーニングをこなしながらも決して泣いたり弱音を吐いたりせず楽しそうに取り組んでいる。

「なぁ、優?」
「なぁに、洋子ママ?」

洋子が自分を呼んだのでサンドバックを叩くのをやめて、優は洋子の下へ駆け寄っていく。

「あんなぁ・・・ 優はそろそろ試合したない?」
「試合? うん、してみたい!!」

洋子の問いかけに優が元気に答えると洋子は自身の鞄から書類を取り出した。

「洋子ママ、この子の名前、何て言うの?」
「あさのみさって言うんや。 そんでな、この子のおるジムから話があったんやけど同年代でヘッドギアなしの試合を承諾してくれる子を探しとるらしいんよ」
「それで、わたしに教えてくれたんだ・・・ ママ、わたし、やりたい!!」
「まっ、優ならそう言うやろなって思とったよ。 じゃあ、加奈に頼んどくで」

洋子はそう言うと、トレーニングルームから出ていった。
優は洋子がトレーニングルームを後にした後もサンドバック打ちを続けた。

美佐の所属する浅野ジムでは優が試合を了承したことを会長の浅野美春から伝えられていた。

「じゃあ、母さん、その子があたしの出した条件を承知したの?」
「うん、そうだよ。 っていうか、その子のお母さんはお母さんの知り合いなの」

美春会長は美佐の母親で若い頃は洋子がいた地下闘技場で闘っていたが自分のジムを開けるだけの資金が集まったため、地下の世界から足を洗ったのである。

「ねぇ、母さん? その人と母さん、どっちが強かったの??」
「そりゃあ、洋子さんの方が強かったよ。 あの人は別格だったから・・・」
「ふーん・・・」

美佐はそれだけ聞くと興味なさげにまたシャドーボクシングを繰り返した。
しかし、自分の出した条件をすんなり受け入れた優にはかなり興味を示しているのだった。

そして、試合当日になり、ガイアセイバーズ隊員が二人の試合の準備を進めていた。

「けど、何で俺達が優ちゃん達の試合の準備してんだ?」
「仕方ないよ。 天道さんが言うには『噂を聞きつけた隊員が黙っているわけがないからな』だもん」
「まっ、確かにな。 最近、ダーククライムもこれといった動きを見せないから隊員の人達も緊張の糸が少し緩んでるしな」

零次の言う通りで、ダーククライムの幹部である、マスタークラウンが次々に撃破されたことでダーククライムの動きが鈍っているのだ。
だからこそ、隊員達の暇を持て余させないために今回の試合を企画したのだ。

「まぁ、隊員の人も楽しそうに準備してるし、まっ、いっか」
「そうだよ、零くん」

梨杏と零次は話しながら会場の準備を進めていく。

優の控え室では瑞枝達が試合の準備を進めていた。

「それにしても、小さいのにヘッドギアや防具なしでの試合がしたいって言えるあたり、さすが洋子さんの娘だよね」
「えへへ・・・ でも、瑞枝お姉ちゃん達もいろいろ教えてくれたから、優負けないよ」

優の言葉に目頭が熱くなったのか、部屋の隅で瑞枝はこっそりと涙を拭いていた。
他のスタッフや女性隊員達は優を撫でたりしながらも試合の準備に専念していた。

一方、美佐の控え室では美春と中村ジムの選手の一人、近藤さきが試合の準備をしつつ、美佐の緊張をほぐしていた。

「ありがとうございます、近藤さん」
「何言ってるのよ、初めてじゃあるまいし」
「あははは・・・」

さきに指摘された美佐は笑いながら頬を掻いた。
それから、自分の両手につけられたオープンフィンガーグローブを打ち鳴らしていった。

「さて、美佐。 相手はまだ格闘技を始めて2ヶ月とはいえ、洋子さんや彩坂梨杏ちゃんを始めとした優秀なコーチに鍛え上げられてる子よ。 油断は・・・」
「油断はしないで、でしょ、母さん。 大丈夫、油断なんかしない。 最初から本気の全力で行くから・・・」

美佐はそう言うと、表情を引き締めた。

いよいよ、二人がガールズインパクト専用リングに上がり、レフェリーである早苗の注意を聞いていた。

「いい、二人とも? 今日の試合はまだ二人が身体もできあがってないだろうから1ラウンド3分の3ラウンドで試合を終わらせてもらうわよ」
「はい!」
「構いません。 それまでにはケリがつきますから」

美佐はそう言うと、黙り込んだ。
優は頬をわずかに膨らませながら美佐を睨みつけた。

「ほら、二人とも自分のコーナーに戻って」
「はい」

美佐は早苗の指示に返事をするとすぐに自分のコーナーへ戻っていった。

頬を膨らませたまま自分のコーナーに戻った優の頭を洋子は撫で回した。

「落ち着きな、優。 美佐ちゃんが何であんな態度を取ったと思う?」
「あの子がわたしのこと馬鹿にしてるからでしょ?」

優の言葉に洋子は笑いながら優の頭をさらに撫でた。

「うちの若い頃にそっくりやわ・・・ そんなら、優はこの試合でそのことも考えてみよか?」
「うん・・・ 分かった・・・」

優はまだ納得はできていないが洋子の意味ありげな笑顔に文句も言えず、試合が開始された。

試合が始まると美佐は優のグローブタッチを無視すると前蹴りで距離を測っていく。

「くうっ・・・ むーっ!! 挨拶はちゃんとしないと駄目なんだよ!!」
「挨拶なんてする意味ないわよ!」

美佐はそう言うと距離を取り、構えていく。
そして、優の実力を測るために左ジャブを数発放っていく。
優は美佐のジャブをガードしながらある言葉を思い出していた。

「(『優ちゃん、戦うことにおいて大事なのは強さじゃないわ。 もちろん、強さも大事だけどそれだけじゃダメ。 分かる?』 ギンガさんの言ってたこと、最初は分からなかった)」

優が思い出していたのはギンガの言葉だった。
優はギンガから教わったことを悩みに悩んで答えを出したのだ。

「(ギンガさんはわたしに自分の打撃をより的確に当てることが大事だって教えてくれたんだ・・・ だから、わたしは美佐ちゃんが怖くない!!)」

優が覚悟を決めて、美佐の左右のパンチをもらっても構わず突き進んでいく。
美佐は自分の打撃に怖じ気づかず突き進んでくる優に苛立ちを感じ、さらに大振りのパンチを放っていく。
「(何で当たらないのよ! この子は格闘技始めて2ヶ月なんでしょ!?)」

美佐は優が自分のパンチをガードしたりかわしたりしていくと焦り出していく。
そして、さらに大振りになっていく。

「(今だ!!)」

優は美佐の大振りになってしまっている右ストレートを身体を左に動かすことでかわし、カウンターの右のショートパンチを美佐の顔に叩き込んでいく。

「ぶはぁ・・・」

美佐は強烈なカウンターの一撃に口から唾液とマウスピースを吐き出し、吹き飛ばされてしまった。

「優ちゃん、ニュートラルコーナーに行って」

優は早苗の指示に従い、息を整えつつニュートラルコーナーへ向かった。
優がニュートラルコーナーへ向かったのを確認した早苗は美佐に対してカウントを取り始めた。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」
「(立たなきゃ・・・ でも、足が動いてくれない・・・ あんな子のパンチで終われるわけない!!)」

美佐は挫けそうになる自分の心に叱咤して必死に立ち上がろうとしていく。
美佐のその姿にガイアセイバーズ隊員も思わず大きな声で応援していく。

「(そっか・・・ 母さんが前に言ってたことってこれなんだ・・・)」

美佐は立ち上がりつつも昔格闘技を始めた頃に言われた言葉を思い出していた。

「美佐、格闘技をするのは別に止めないけどこれだけは覚えておいてね」
「何母さん?」

幼い日の美佐は自分に母親が言おうとしていることを聞こうとする。

「格闘技は自分のためだけにするんじゃない・・・ 自分を支えてくれる人、応援してくれる人、そして、自分に立ち向かってくれている相手のためにするってことを忘れないでね・・・」
「うん! 美佐、絶対に忘れない!!」

幼い日の美佐は母親である美春に答えていく。

立ち上がり、早苗に試合続行の意思を示しつつ、美佐は気持ちを切り替えていた。

「(あの日の気持ち、忘れてた・・・ でも、もう忘れない・・・ そして、勝つ!) 優、あたしは負けない! 優ももっと来ていいから!!」
「? うん、もっと行くよ!!」

優は美佐の言った『もっと来ていい』の意味が一瞬分からなかったがすぐに表情を変えると美佐に近づいていく。
しかし、美佐の構えが変わったことや仕切り直しをしたことから優はいまいち踏み込めないでいる。
美佐はそんな優に近づくと上下に打ち分ける左右のパンチから右ハイキックのコンビネーションを叩き込んでいく。

「くぅっ・・・」

優はなんとか美佐の右ハイキックを左腕でガードしたものの力までは殺せず姿勢を崩してしまった。

「(今だ! 決める!!) はぁぁぁっ!!」

姿勢が崩れた優に美佐は右ストレートを叩きつけようとするがそこで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
美佐はそのゴングの音を聞き、右ストレートを優の顔の前で止めていた。

「次のラウンドで倒すわ。 覚悟しておいて」
「負けないよ! 優が美佐をKOするんだから!!」

二人は自分のコーナーに戻りながらそんなことを言っていく。

優がコーナーに戻ると洋子達が優の身体について汗を拭ったりマウスピースを洗ったりしていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・」
「優。 試合が始まる前にうちが言うたこと、分かった?」
「ううん、分かんない。 けど、今はそれよりも美佐に勝ちたい!」

洋子は優の言葉を聞くと笑いながら優の頭を撫でていく。
優は洋子に撫でられると疲れが吹き飛ぶように感じた。

「さて、優。 美佐ちゃんは次のラウンドで優をKOしにくるはずや。 どうする?」
「わたしはまだ格闘技のことを理解してないから美佐から教わってくるよ」

優の言葉に洋子は心配する必要はないと分かったのか、優の身体をマッサージしていく。

一方、美佐のコーナーでは次のラウンドの展開の組み立てが行われている。

「美佐、次のラウンドはとにかく前に出て。 優ちゃんにプレッシャーをかけていくの」
「分かったわ、母さん。 やってみる」

美佐はそう言うとインターバルが終わるまで回復をしつつイメージを固めていく。

そして、2ラウンド開始のゴングが鳴ると美佐は勢いよく優との距離を縮めていく。
美佐は優が行動に移る前に攻めきるつもりなのか、左右のフックやストレートを優のガード越しに叩きつけていく。

「くぅっ・・・ んあっ・・・ (これが美佐の実力なんだ・・・ でも、楽しい・・・ 強い人と闘うのって凄く楽しい!!)」

優は苦戦しているにもかかわらず、嬉しそうな顔をしている。
美佐は優が不利な状況にもかかわらず笑っている理由がなんとなくだが理解できた。
だからこそ、美佐はさらに左右のパンチのスピードを上げていく。

「(そうやってガードしてくれればくれるほどあたしの作戦は成功率を上げられる・・・ でも、そろそろ行くわよ・・・)」

美佐はタイミングを見計らってわざと大振りの右ストレートを放っていく。
優はその右ストレートにカウンターのショートパンチを叩き込もうとするが自分の思い描いていた衝撃が伝わってこなかった。
そして、そのことに気づいた瞬間、美佐にタックルを仕掛けられてしまいテイクダウンを取られてしまった。

「ふぇっ? このっ! 退いてよ!!」
「退くわけないでしょ! 普段じゃできないマウントパンチを使いたいんだから!!」

優は美佐がやろうとしていることを知るとなんとか逃れようとしていく。
しかし、美佐はポジションをキープしていくと優の顔にマウントパンチを叩き込む。
優は避けることもガードすることもできず、美佐の両拳に打たれていく。

「んぶぅ・・・ あぐぅ・・・ んはぁ・・・」
「優、どう!? あたしのマウントパンチの威力は!!?」
「んんっ・・・ たいした・・・こと・・・ないよ・・・」

優は美佐の問いかけに気丈に振る舞い答えていく。
美佐はそんな優の態度にさらにマウントパンチを打ち落としていく。
しかし、マウントパンチを数発放った頃に2ラウンド終了のゴングが鳴った。

「ふん。 優なんか次のラウンドでぶっ倒してやるんだから!」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 優だって負けないもん!!」

優と美佐はお互いに強がりを言いながら自分のコーナーへ戻っていく。
しかし、二人とも体力の限界を迎えていた。
もともと、試合をしたことがない優は初めての試合にペースが掴めず、美佐も試合は経験しているものの同年代の相手では1ラウンドで決着がついてしまい、これほど長く試合を続けたことがないのである。

優がコーナーに戻ると洋子達が素早く優の鼻血を止め、汗を拭っていく。
そして、最終ラウンドである3ラウンド目の作戦を立てていく。

「さて、優。 2ラウンド目は美佐ちゃんに取られてもたけど次のラウンドはどうする?」
「どうするって何を?」
「要するに、この試合は公式戦やない。 だから、逃げるか、それともそんなん関係なしに最後までやるか・・・」
「やる・・・ わたしは最後までやりたい・・・」

洋子は娘の成長に触れ、嬉しく思ったがすぐに作戦を立てていく。

「ほんなら、優が勝つためにはむやみやたらに突っ込んだらあかん」
「何でなの、ママ?」
「突っ込んだらカウンターの餌食になるからや。 だから、逆に美佐ちゃんに突っ込ませてカウンターや。 分かったか?」
「うん! やってみるよ!!」

優は洋子の作戦に大きな声で頷いた。

一方、美佐のコーナーでも作戦を立てていた。

「美佐、次のラウンドは優ちゃんに突っ込ませなさい」
「どうして?」
「確実に勝つためにカウンターを取るの。 そうすれば、勝てるわ」
「分かったわ、母さん」

美佐はそう返事をすると息を整えていく。

そして、3ラウンド開始のゴングが鳴り、優と美佐はゆっくりと距離を詰めていく。
しかし、ある一定の距離でお互いに歩みを止めた。

「(早く突っ込んできなさいよ、優・・・)」
「(ちゃんと待たないと勝てないよね、ママ・・・)」

お互いにカウンターを狙っているため、なかなか近づけないでいるのだ。
しかし、そのまま1分が過ぎた頃、二人が動き出した。
そして、右ストレートを相手の顔に叩き込んでいた。

「んぶぅ・・・」
「んあっ・・・」

お互いの右ストレートの威力が合わさり、二人の顔に叩きつけられたため、二人の動きが止まり、口から血まみれのマウスピースを吐き出した。
そのまま二人の身体が後ろ向きに倒れた。
レフェリーである早苗は二人の様子を確認し、試合を終了させた。

結果としてはダブルノックアウトだったが美佐も優もそれ以上の何かを掴んだ気がしていた。

「優、もっと強くなりなさい。 そして、何度でもやりましょ」
「うん! 優、もっと強くなるよ!!」

二人は握手を交わし、再戦の約束を交わした。
二人が次に闘うのはいつか分からないがきっとそれほど遠くない未来にまた二人は闘うのだろう。


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