ひらひらの仕掛け屋敷

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-24 「激闘! 新人王戦開始!!」

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-24 「激闘! 新人王戦開始!!」


梨杏の新人王戦に向けた練習が本格的になっていた。
基本的には学校で授業を受け、女子ボクシング部で軽いスパーリングなどを行ってから学校からセイバーズベースまで走るという日課をこなしながら洋子やラン達との実戦に近いスパーリングや15kmというかなりの距離を走ったりしてスタミナや技術、戦闘経験などを鍛え上げようとしている。
しかし、梨杏はまだこれでは足りないと感じていた。
それだけ、梨杏が今度の対戦相手である鈴城深雪を強敵だと感じているということである。

「はぁ・・・ はぁ・・・ こんなことじゃ鈴城さんには勝てない・・・ どうしたらいいの・・・?」

梨杏は自分の力では深雪には勝てないと考えてしまい、悩んでいるのだ。

一方、深雪も対戦相手である梨杏に対して思うところがあった。
というのも、深雪は中学時代に梨杏の空手の大会での試合を見ていたのである。
そうはいっても、深雪は梨杏と闘ったことはなかったが・・・

「(彩坂梨杏・・・ オレはあいつとやったことはねぇ・・・ けど、兄貴のボクシングを証明するためにはもってこいの相手だ・・・)」

深雪は自分のことを『オレ』と呼んでいる。
それは、彼女が中学を卒業する少し前から続いていることである。

「深雪、次の相手の彩坂梨杏はお前と同じようなハードパンチャーだ。 殴り合いを好むお前にはもってこいの相手だな」
「あぁ。 兄貴とオレのボクシングを彩坂梨杏にぶつけてやれる。 そんで、ブッ倒す!!」

深雪は決意を大声で叫んだ。
その声にジムにいた他の練習生は驚いてしまった。
会長はその様子に深雪をなだめていく。

「おいおい、深雪・・・ 気合いが入ってるのは分かるけどな・・・ 他の奴の邪魔になるような声出すなよ」
「悪ぃな・・・ みんな、悪かったな・・・ 気にせず、続けてくれよ・・・」

深雪の言葉に他の練習生は練習を再開していく。

梨杏は昼休みに教室で昼食を食べないで屋上でシャドーボクシングをしていた。
少しでも練習をしておかないと不安で仕方ないのである。

「やっぱり、ここにいたのね」

一人の女生徒が梨杏に話しかけた。
彼女は梨杏の親友であり、梨杏の所属する女子ボクシング部の選手兼マネージャーの城崎みなみである。

「あっ・・・ みなみちゃん」
「梨杏、やっぱりここにいたのね。 あんたは何か悩みがあるとここに来るもんね」
「空が見えて気持ちいいんだ・・・ 空を見てるといろんなことを忘れられるから・・・」

梨杏の言葉にみなみは呆れたように肩をすくめると微笑みながら梨杏に歩み寄っていく。
梨杏もみなみが近づいてくるとシャドーボクシングを止めて歩み寄っていく。

「それで、何か掴めたの?」
「全然・・・ というより、わたしはたぶん鈴城さんと全力で打ち合うしかないと思うの・・・」

みなみは梨杏の言葉にくすりと笑うとあえて何も言わなかった。

そして、二人の試合の日がやってきた。
梨杏は自身の控え室でみなみ達に準備をしてもらいながら深雪との試合のイメージトレーニングをしている。
そうしなければ不安で仕方ないのだ。

「梨杏、あんたが焦る気持ちは分からないでもないけど少しは落ち着きなさい」
「でも・・・」
「でもじゃない。 相手はあんたと同じインファイター、緊張する要素ないじゃないのよ」

みなみの言葉に梨杏の表情が少しだけ曇る。

「鈴城さんに勝てるか、やっぱり、不安なんだ・・・」
「あんたが不安に思う気持ちは分かる・・・ でも、あんたは強い・・・ だから、負けない・・・」

みなみの言葉に梨杏は少しだけ安心したような表情になった。
みなみはそんな梨杏の表情を見て、さらに一言つけ加えた。

「それに・・・ 鈴城深雪に臆してるようじゃ神宮寺まどかに笑われるわよ」
「そうだね。 わたしは今さらファイトスタイルは変えられないもんね。 ありがとう、みなみちゃん。 わたし、必ず勝つよ!」

梨杏は気を取り直し、みなみに深雪に勝つと宣言していく。

一方、深雪の控え室では会長であり自身の叔父でもある鈴城忠助に試合の準備をしてもらいながら試合について話していた。

「なぁ、おじさん」
「ん? 何だ、深雪??」
「オレ、彩坂梨杏に勝てると思うか?」

深雪のふとした問いかけに忠助は迷わず答えた。

「はっきりと勝てるとは言えねぇな・・・ 深雪と彩坂はかなり似てる・・・ 経歴もファイトスタイルもな」
「あぁ・・・」
「だから、勝つとしたら最後まで諦めねぇことだ・・・」
「いつも言ってることじゃんかよ。 けど、すっきりしたよ、おじさん」

深雪はそう言うと後は静かに試合の時を待った。

梨杏は係員に呼ばれ、控え室を後にして、リングへと向かう。
その表情は凛々しいものになっている。

「(鈴城さんには絶対に負けられない!)」

梨杏はそんな決意を胸に花道を歩いていく。
観客が堂々と花道を歩く梨杏を大歓声で迎えていく。
そして、今、リングインしていく。

深雪も自身の控え室を後にして、花道まで来ていた。

「(彩坂梨杏・・・ オレはお前を必ずKOして兄貴とオレのボクシングを証明してやる!!)」

深雪も決意とともにリングインしていく。

リングの上に役者が揃い、レフェリーが二人をリング中央へと呼んでいく。
リング中央で梨杏と深雪はお互いの目を見つめていく。

「お前とやれるのを計量の時から楽しみにしてたぜ」
「こちらこそ、鈴城さんと試合ができるのを楽しみにしてました」

お互いに相手へ闘志をぶつけていく。
しかし、それは二人にとっては嵐の前の静けさと同じである。

「二人ともクリーンなファイトを」
「はい!」
「あぁ!」

レフェリーの言葉に二人は力強く答えていく。
レフェリーは二人の返事を聞き、二人を自身のコーナーへ戻らせた。

青コーナーに戻ってきた梨杏をセコンドに就いている洋子とみなみが迎えた。

「さて、梨杏。 鈴城深雪を相手にどう闘うつもり?」
「わたしは不器用だから近づいて殴る・・・ それしかできないから」

梨杏の言葉にみなみは少しだけ笑うと梨杏の口にマウスピースをくわえさせていく。
梨杏はくわえさせてもらったマウスピースをしっかりと噛み締められるように調節していく。

一方、赤コーナーに戻ってきた深雪も忠助にマウスピースをくわえさせてもらった。

「いいか、深雪。 彩坂はある意味でお前とおんなじだ」
「あぁ・・・ だから、オレが勝ってやるんだ・・・」

必死で強がるが昔から見てきた梨杏の強さを理解している。
だからこそ、深雪は梨杏に勝って自分と兄のボクシングを証明したいのだ。

「まぁ、分かってるだろうが彩坂に勝ちたいなら1ラウンド目の間に潰すべきだが・・・」
「そんなんやったら、オレのボクシングを台無しにしちまうじゃんかよ。 オレはあくまでも全力の彩坂を殴り倒して勝つ、それだけだよ」

深雪の言葉に忠助は何も言わずに深雪を集中させてやる。

そして、1ラウンド開始のゴングが鳴ると梨杏と深雪は勢いよく近づいていく。
お互いの距離がほぼゼロになるような位置で二人は相手の顔を狙って、左右のパンチを放っていく。

「んぶぅ・・・」
「んぁっ・・・」

二人の顔にパンチがめり込むと会場から歓声が上がり始めた。
歓声の声援を受けて、二人はさらに左右のフックやストレートを相手の顔やボディに叩き込んでいく。
しかし、梨杏には深雪が試合のビデオのような闘い方をしているようには見えない。
まるで、1ラウンドの間は本気を出さないとでも言うように・・・

「はぁ・・・ はぁ・・・ (鈴城さん、どういうつもりだろ・・・? ジムでビデオを見た時は鈴城さん、凄くアグレッシブだった・・・)」

深雪は梨杏と殴りあいつつ、電光掲示板を見た。
電光掲示板を見て、残り20秒もあることを確認する。
もちろん、苦戦しているからではなく、梨杏を倒すには身体が温まり、全力で打ち合うことが必要だと考えているからだ。

「ストップ! ストップ!! ゴングだ!!」

レフェリーの言葉に二人は打ち合いを止め、それぞれのコーナーに戻ろうとしていく。
コーナーに戻る際に深雪の表情を見た梨杏は少し違和感を感じた。
何故なら、深雪は口元に笑みを浮かべていたからだ。

青コーナーに戻った梨杏は洋子に深雪の笑みの意図を考えてもらおうとする。

「あの子がコーナーに戻る前に笑たんは、たぶん、次のラウンドから梨杏とおもいっきりどつきあえるからやろ」
「どういうことですか?」

梨杏は洋子の言葉の意味が理解できたようで理解できていなかった。
しかし、次のラウンドからはお互いに死力を尽くした試合になるだろうと感じた。

一方、赤コーナーに戻った深雪は2ラウンド目が始まるのを今か今かと待っている。

「ちったぁ落ち着け、深雪」
「だってよぉ」
「気持ちは分かるけどなぁ・・・ 彩坂は次のラウンドからめちゃくちゃ飛ばしてくるだろう。 だから、お前も飛ばせるように体力を温存しとけ」
「おうっ!!」

深雪は忠助の言葉を聞き、勢いよく返事をすると落ち着こうとしながら2ラウンド開始のゴングを待つ。

2ラウンド開始のゴングが鳴ると同時に二人は一気にリング中央まで駆け出していく。
そして、左右のストレートをお互いの顔に叩き込んだのをきっかけに二人の壮絶な打ち合いが始まった。

「んぶっ・・・ 負けません!」
「かふぅ・・・ オレも負けねぇ!」

梨杏が右アッパーを深雪のボディに叩き込めば深雪は左フックを梨杏の頬にめり込ませていく。
自身の左フックが梨杏の頬にめり込んだのを見た深雪はさらに右アッパーを梨杏のレバーに叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・」

肝臓を狙った強烈な一撃に梨杏の身体がリングの上に崩れ落ちた。

「ダウン! 下がって!!」

レフェリーは深雪にニュートラルコーナーに向かうように指示をするとダウンした梨杏に対してのカウントを取っていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」

ニュートラルコーナーに下がった深雪は梨杏がボディブロー一発でダウンしたのを見て、少しだけ気落ちしてしまいそうになる。
自分が梨杏を最高の標的だと考えていたのは周囲の話や雑誌の記事を信じすぎていたのではないかと考えてしまったからだ。
しかし、梨杏の立ち上がろうとする姿に自分の心配は杞憂だったと深雪は思った。

「6・・・ 7・・・ エイ・・・」

梨杏はカウント8間際で立ち上がった。
しかし、その顔には笑みが浮かんでいる。
自分をダウンさせた深雪に対して、闘争心が湧き上がってくるのを感じている。

「へっ・・・ そうじゃねぇとなぁー オレがお前に勝つにしてももっとやりあってからだろ?」

深雪の軽口に梨杏は一気に距離を詰めていく。
距離を詰めてくる梨杏に対して深雪も距離を詰めると左右のフックで梨杏を迎え撃っていく。

「負けない!!」

梨杏はそう言うと深雪の左右のフックをダッキングでかわすと先程の意趣返しともいうべき右アッパーを深雪のボディに叩き込んでいく。


「がはぁ・・・」

梨杏の強烈な右アッパーをボディに叩き込まれた深雪の口から唾液が吐き出され、深雪は膝から崩れ落ちるようにダウンしてしまった。

「ダウン! 下がって!!」

梨杏はダウンした深雪をしばらく見ていたがレフェリーにニュートラルコーナーに向かうように指示されるとゆっくりとニュートラルコーナーに向かう。
深雪をダウンしたが自身も先程のボディブローのダメージが抜けきっていないのだ。


アイキャッチA(梨杏、右ストレート)
アイキャッチB(梨杏、左フック)

レフェリーがカウントを取っている間も梨杏は落ち着いて息を整えていく。
しかし、深雪も落ち着いてダメージを軽減させようとしているようだ。

「4・・・ 5・・・ シッ・・・」

深雪はカウント6で立ち上がるとレフェリーにファイティングポーズを取って見せていく。
レフェリーは深雪が試合を続けられることを確認すると試合を再開していく。
梨杏はチャンスを活かすべく、深雪にラッシュをかけていく。

「ちぃっ・・・ (まだダメージが残ってやがる・・・ 情けねぇがしばらく凌ぐしかねぇなぁ・・・)」

深雪は自分の不利な状況を理解し、ダメージを抜くために必死で梨杏のラッシュを凌ごうとする。
梨杏も深雪の狙いは分かっているため、ガードされても構わずラッシュをかけていく。

「(あと20秒しかない・・・ できるだけ攻めないと・・・)」

梨杏は深雪のボディや脇腹に左右のフックやアッパーを叩き込んで深雪のガードを崩そうとするが硬い深雪のガードは崩れそうにない。
そして、2ラウンドが残り10秒で終わることを知らせる拍子木の音が聞こえると梨杏はさらにラッシュのスピードを速めていく。
しかし、2ラウンド終了のゴングが鳴り、二人の間に割って入ったレフェリーによってラッシュを止められると梨杏は青コーナーに戻っていく。

「ふぅっ・・・ 次のラウンドは覚悟しろよ・・・」

深雪は梨杏にいいように攻められたのを悔しがりながら赤コーナーにゆっくりと戻っていく。
梨杏のラッシュを受けたため、ダメージも大きく、身体が重くなったように感じられる。
そのため、足どりがおぼつかない。

梨杏が青コーナーに戻ると洋子は梨杏からマウスピースを受け取り、洗っていく。
今回の試合はみなみからセコンドとして戦わせてほしいと言われたため、自分はフォローに徹することにした。

「梨杏、さっきのラウンドはいい調子だったよ」
「ありがと、みなみちゃん。 でも、鈴城さんはあの程度のラッシュじゃ倒せないよ」

梨杏の言葉にみなみは小首を傾げてしまう。
先程のラウンドは明らかに梨杏が攻めていたし深雪のダメージだって相当のもののはずだ。
それにも関わらず、梨杏が弱気なことを言うのでみなみは少しだけイライラしてきた。

「あのねぇ、梨杏・・・ さっきのラウンド、鈴城深雪はあんたのラッシュでただ一方的に殴られてただけじゃない・・・ 何で、あんたがそんな弱気なのよ!」

みなみの言葉に梨杏は一瞬驚いたような表情になったがすぐにいつもの表情に戻るとみなみに自分の考えを話していく。

「鈴城さんのボディや顔をあれだけ殴ってもKOできなかったんだよ。 それに、鈴城さんもまだ本気出してないはずだよ。 だから、勝てるかどうか分からないんだよ・・・」

みなみは梨杏の言葉を聞くと自分の考えが甘かったことに気がついた。
梨杏は深雪について研究し、何度もイメージトレーニングをして試合に臨んでいるのに自分の考え通りに梨杏が闘えば絶対に勝てるなどという根拠のない考えに囚われていたのだ。

「ごめん、梨杏・・・ 私、あんたがそこまで考えてるなんて思っても見なくて・・・」
「ううん・・・ 気にしないで・・・ 実際、あまりちゃんとは考えられてない・・・ だから、不器用に殴りあうしかないわけだし・・・」

みなみは梨杏の言葉にゆっくりと首を左右に振り、自分の想いを伝えていく。

「あんたは不器用なんかじゃない・・・ それは私なんかじゃ頼りないだろうけど私が証明する」

梨杏はみなみの言葉に自然と涙が溢れてくるのを感じ、慌ててグローブで拭おうとする。
洋子は二人の話がちょうど終わったタイミングで洗ってきたマウスピースを梨杏の口にくわえさせていく。

一方、赤コーナーでは深雪が少し弱々しく息をしながらダメージを軽減しようとしていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ っくしょう・・・」
「2ラウンド目はしてやられたな、深雪」

忠助の言葉に深雪は荒々しい息をしながら答えていく。
なんとか、ボディを打たれた痛みを緩和しようとするが梨杏のボディブローはまるで重石のように深雪を蝕んでいる。
しかし、深雪としては梨杏がこれほどに強いことに感謝すらしているのだ。

「さて、深雪。 次のラウンドはどうする?」
「んなもん決まってるだろ・・・ 彩坂を倒す・・・ できれば、おんなじボディブローでだ・・・」

深雪の言葉に忠助は少し笑いながら深雪のマウスピースを洗っていく。
そして、洗い終えたマウスピースを深雪の口に入れていく。

「ほらっ。 だったら、次のラウンドはお前のパンチで彩坂をKOしてこい」
「おぅっ!! 任せとけ!!」

深雪はマウスピースの位置を自分で直すと3ラウンド開始のゴングが鳴った。

3ラウンド目が開始されると梨杏は一気に深雪との距離を詰めていく。
そして、KOを狙って左右のストレートやフックを深雪に叩きつけていく。

「んぶぅ・・・ かはぁ・・・」

深雪は打たれつつも左右のストレートを打ち返していく。
梨杏は深雪から左右のストレートで反撃されると口から唾液を吐き出してしまうが構わず左右のストレートを打ち続けていく。

「んんっ・・・ あぐぅ・・・」
「ぶへぇ・・・ くはぁ・・・」

二人の凄まじい殴りあいに会場中から歓声が上がるが梨杏達にはまったく気にならなかった。
いや、歓声を気にする余裕すらないのだ。
お互いに強打を武器にしているため、油断すれば相手の一撃で倒されてしまうかもしれないのだ。

「とっとと倒れな!」
「負けない!」

お互いに相手を倒そうとさらに強烈な一撃を放とうとする。
梨杏が放った右フックをダッキングでかわした深雪は下から突き上げる左アッパーを梨杏の顎に叩き込んだ。

「かはぁ・・・」

深雪の強烈な左アッパーをカウンターで決められた梨杏の口からはマウスピースが唾液とともに吐き出される。
そして、脱力したかのように梨杏の身体がゆっくりとリングの上に崩れ落ちた。

「ダウン! ニュートラルコーナーへ!!」

レフェリーは深雪に指示を出すとダウンした梨杏へのカウントを取っていく。
しかし、梨杏は意識が飛んでしまっているのか、カウントを取られていても反応する気配がない。

「(さすがにこれで終わりだろ・・・ もし、立ってきたら、オレが負ける可能性も出てきちまう・・・)」

深雪は梨杏の左右のストレートを数十発以上は受けているため、受けたダメージも相当なものになっているため、少し弱気になっており、そんなことを呟いてしまう。

「8・・・ ナイ・・・」

しかし、深雪の思いとは裏腹に梨杏は多少ふらつき、焦点も微妙に合っていないがそれでも闘志溢れる眼でレフェリーを見ながら試合の続行を訴える。
レフェリーはそんな梨杏の様子を見て、少し悩みながらも試合を再開していく。

「ファイト!!」

レフェリーが試合を再開させると深雪はとどめを刺すべく、梨杏との距離を縮めていくがそこで3ラウンド目終了のゴングが鳴る。
深雪はゴングの音を聞くと梨杏に背を向け、自分のコーナーに戻っていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 負け・・・ない・・・」

梨杏はそう呟きながら自分のコーナーにゆっくりと戻っていく。

赤コーナーに戻った深雪は肩で大きく息をしながら次のラウンドをどうやって闘うかを考えている。

「ほれ、深雪。 マウスピース」
「あ、あぁ・・・ 悪ぃ、おじさん・・・」

深雪は忠助の両手にマウスピースを吐き出して渡していく。
忠助はそのマウスピースを落とさないように注意しながらバケツの上で洗っていく。

「深雪、こっからはお前の好きにやってみろ」
「なんだよ・・・ いつものことじゃん・・・」

深雪は忠助の作戦をあまり実行しようとはしない。
会長としては信用しているし、セコンドとしては頼りにしているが自分のやり方を貫きたい深雪は素直に忠助の作戦を実行できないのである。

「なぁ、おじさん・・・」
「何だ?」
「オレみたいな選手、迷惑か・・・」

深雪の問いかけに忠助は黙り込んでしまう。
深雪は忠助のいる鈴城ジムに所属する前、別のジムに所属していたことがある。
しかし、そこのジムの会長は深雪の兄のボクシングを馬鹿にし、深雪のファイトスタイルを無理やり別のものにさせようとした。
それに腹が立った深雪はそのジムを所属して数日で辞めたのである。
そして、自身の叔父である鈴城忠助が経営する鈴城ジムに身を置くようになった。

「馬鹿言ってんじゃねぇ・・・ 自分とこのボクサーを迷惑だなんて言う会長は三流以下だ・・・ 一流の指導者っつうのはそいつの持ち味を引き上げてこそなんぼだろ」

忠助の言葉に深雪は安心したように小さく笑った。
忠助の言葉で自分の中に力が溢れてくるような感じがしたからだ。

「ありがとよ、おじさん・・・ オレ、彩坂に勝つぜ・・・」
「おぅよ」

忠助は深雪の言葉に何も言わず、洗ったマウスピースをくわえさせていく。

そして、4ラウンド目開始のゴングが鳴ると梨杏も深雪もゆっくりと相手に近づいていく。
たった3ラウンドだがガードもろくにせず、相手の強打を食らい続けた二人にはかなりのダメージが積み重なっており、それほど長くは闘えない状態になっている。
しかし、相手との距離がゼロになると左右のフックやストレートをがむしゃらに相手の顔やボディに叩き込んでいく。

「んぁっ・・・ げふぅ・・・」
「くふぅ・・・ がふぁ・・・」

梨杏と深雪はお互いの強打が顔に叩き込まれる度に口から血混じりの唾液を吐き出し、ボディを殴られる度に胃液を吐き出していく。
しかし、相手をKOしようと相手の身体に自分の強打をぶつけていく。
次第に腕が重くなってくると二人は身体を密着させて相手の鳩尾にパンチを叩き込んでいく。

「んぶぅ・・・ 倒れろよ・・・」
「ぶふぅ・・・ 嫌です・・・」

お互いに悪態をつきながら相手の腹筋に拳を叩き込んでいくが疲労やダメージから緩みきった腹筋に密着した状態からのパンチでも相当きつい。
しかし、少しずつ深雪の手数が減ってきている。

「(ちっくしょ・・・ だんだん力が抜けてきやがる・・・ けど、彩坂をKOして、兄貴とオレのボクシングを・・・)」

深雪はそんなことを考えながら一心不乱に梨杏のボディを殴っていく。
梨杏もそんな深雪に負けじとさらに深雪のボディを殴っていく。

この二人の意地の張り合いはどちらに軍配が上がるのか?

to be continued


次回予告
スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-25 「激闘決着! そして、次の闘いへ!!」

梨杏と深雪の激しい殴りあいも決着がつこうとしていた。
そして、勝者には次の闘いへの切符が与えられる。
その切符を手にするのはどちらか?

乙女達よ、己の拳で未来を切り開け!!

次回 スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-25 「激闘決着! そして、次の闘いへ!!」

これで決まりだ!
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