ひらひらの仕掛け屋敷

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第8回アンケートファイト 高町なのはVS高町ヴィヴィオ

第8回アンケートファイト 高町なのはVS高町ヴィヴィオ

なのははヴィヴィオと一緒にご飯を食べながらある話題について話していた。

「教導隊でストライクアーツの専門課程を作ろうとしてるの?」
「うん、そうなんだよね。なんでも、魔力や魔法に依存したままじゃダメだって上層部が言ってるらしいんだ」

数年前に起こったJS事件を受け、管理局の内部でも今の魔法に依存した戦略や戦術だけでは駄目だといい意見が増え、様々なものに目を向け始めた。
なのはとしてはそういった一連の流れに賛成しており、今から話そうとしていることもその一環なのだ。

「それでなのはママ、今から話すこともそれと関係あるの?」
「うん・・・ ヴィヴィオ、ママと格闘技で試合してって言われたらどうする?」

ヴィヴィオはなのはの言葉に少し悩んでから答えを出した。

「なのはママがふざけてそんなこと言ってるなら怒るけど、今は真剣な話なんでしょ?」
「うん・・・」
「だったら、やるよ・・・ でも、何でわたしなの? スバルさんとかギンガさん、ノーヴェがいるでしょ??」

なのははヴィヴィオの問いかけに答えていく。

「ヴィヴィオの言う通りなんだけどスバルは防災関係のイベントだしギンガは捜査が立て込んでるしノーヴェもその日用事があるって言うんだ。それにね、みんながオッケーって言ってももうひとつの理由でダメなんだよね・・・」
「もうひとつの理由?」

ヴィヴィオはなのはの言葉に首を傾げる。

「うん。ヴィヴィオにこんなこと頼んでるのはヴィヴィオの魔法が理由なの」
「もしかして、大人モードのこと?」

なのははヴィヴィオの言葉に頷いていく。
ヴィヴィオの言う大人モードとは魔法や格闘技の訓練の時に変身魔法を使い、10代後半くらいの女性の姿になるヴィヴィオの得意な魔法の一つである。

「それでね、教導隊の中にも身長にコンプレックスを持っている人がいてずっと変身魔法を使ってる人がいるんだよ」
「えっと、つまり、その人に変身魔法を使いながら戦うってことがどういうことかをその目で見せて教えるっていうこと?」
「ヴィヴィオ、正解。 だから、ヴィヴィオがそんなことに魔法を使いたくないなら別に止めてもいいし」

なのはの言葉にヴィヴィオはため息を吐きながら答えていく。

「そんな事情ならわたしがやった方がいいんだよね?」
「うん・・・」
「なら、わたし、やるよ! それでなのはママに勝つもん!!」

ヴィヴィオの言葉になのはは少し感心したように見つめると言葉を返していく。

「やる気満々だね、ヴィヴィオ」
「もちろん!」

なのははヴィヴィオの元気のいい言葉に笑顔を浮かべながら試合のルール、日程を空間モニターに映して見せる。

「ママ、今すぐ試合じゃないの?」
「うん。 だって、ヴィヴィオたちはインターミドルがあるしママはヴィヴィオとちゃんと闘うためにストライクアーツを練習しなきゃいけないから」

なのはは試合の日程についてヴィヴィオに説明していく。
インターミドルとはDSAA(ディメンジョン・スポーツ・アクティビティ・アソシエーション)という団体が主催する次元世界最強の10代の魔導師を決めるためのものである。
ヴィヴィオが友人たちとともにその大会に出るのはなのはも知っているため、自分との公開試合を大会が終わってからに設定したのだ。
もっとも、自身がストライクアーツを習得するための時間を伸ばすという考えもあるようだ。

「そっか・・・ なのはママ、ありがと。 ヴィヴィオのこと、ちゃんと考えてくれて」
「もちろん! ママだもん!!」

なのはがそう言うとヴィヴィオは甘えるように抱きついた。

インターミドルチャンピオンシップが終わってから2ヶ月くらい経ったこの日、時空管理局の武装隊と教導隊が協力して設営したリングの中にセコンドを伴ったヴィヴィオとなのはが上がっている。

「うぅっ・・・ (何で、こんなに知り合いが来てるのぉ? 恥ずかしいよぉ・・・)」

ヴィヴィオはリングに上がってから初めて観客席を見回したのだが観客席にはたくさんの局員がいる。
さらに、ウェンディやチンク、ディエチといったナカジマ家の面々やセイン、ディードやオットーといった教会組の面々なども観戦に来ている。
ヴィヴィオは大勢の局員の視線や友人や知人の観戦に少し恥ずかしそうにしている。

「ヴィヴィオ、恥ずかしがってる余裕なんてあるの? ママ、本気だよ・・・」

ヴィヴィオはなのはの鋭い視線と言葉に気を引き締めていく。
ヴィヴィオとなのははそれぞれ自分のコーナーに戻っていく。

ヴィヴィオのセコンドには親友のコロナとリオ、先輩であり共に武術や魔法を高めあう仲間のアインハルトが就いている。
先程のなのはの気迫に当てられ、少し緊張しているヴィヴィオをなんとか励まそうとリオとコロナがヴィヴィオに話しかけているのを見ながらアインハルトはなのはの戦い方について考えていた。

「(ヴィヴィオさんのお母様は砲撃魔導師、つまり、格闘戦技は極めていないはず・・・ けれど、ヴィヴィオさんの話ではお母様はIMCSの期間中に格闘戦技の訓練をされたとか・・・ まずは、様子を見てから・・・)」

アインハルトは自分の考えがまとまるとヴィヴィオにそれを話していく。

「ヴィヴィオさん」
「何ですか、アインハルトさん?」
「このラウンドはまず様子を見てください。 私にもお母様がどのような戦い方をするのか、読めないので・・・」

ヴィヴィオはアインハルトが言わんとしたことを悟り、安心させようと笑みを浮かべていく。

「ありがとうございます、アインハルトさん。 ヴィヴィオ、頑張りますよ!」
「はい、頑張ってください」

アインハルトの言葉にヴィヴィオが嬉しそうに頷くのを見ながらコロナとリオも笑顔を浮かべている。

一方、なのはのコーナーではスツールに座ったなのはが少し落ち着かない様子でもじもじしている。
娘との試合で緊張や不安があるのもそうだが知り合いの視線に恥ずかしくなっているのである。

「なのは、ヴィヴィオにあんなこと言ったのになのはが緊張しちゃってるよ」
「だって、フェイトちゃ~ん・・・ ヴィヴィオと殴りあうんだよ・・・ それもあんなたくさんの人の前で・・・」

フェイトと話すなのはの様子を見ながらはやてはなのはの体調チェックを済ませていく。

「まぁ、そんな緊張しとったらあっという間にヴィヴィオにKOされてまうで」
「それはないよ、はやてちゃん。 そういうルールなんだから」

なのはの言う通り、この試合はDSAA公式ルールを参考に自分たちにある程度のライフポイントを自動設定し、ダメージはクラッシュエミュレートで再現されるように設定している。
つまり、一撃でKOされるということはない。
これは、あくまでこの試合はストライクアーツ導入のためのエキシビションであり、変身魔法使用者へのアドバイスを兼ねたものであるからである。

「なのはの言う通りだけどね。 でも、ヴィヴィオはすっごく強くなってるんだよ。 油断してたら・・・」
「分かってるよ、フェイトちゃん・・・ 油断はしない・・・ たとえ、ヴィヴィオが相手でも試合や模擬戦なら負けたくないもん」

なのはの言葉にフェイトもはやても苦笑いを浮かべていく。
なのはは相変わらず負けず嫌いなんだと二人は改めて実感した。

試合開始の時間になり、それぞれのセコンドがリングから降りるとヴィヴィオとなのはの表情が引き締まっていく。

『さぁ、いよいよ始まります、高町なのは一等空尉とその娘の高町ヴィヴィオ司書のストライクアーツでの模擬戦ですが解説役の八神捜査司令はどう考えておられますか?』
『そうやねぇ・・・ 私は高町司書が勝つって思ってるよ』

リングサイドには実況席があり、そこで実況役の武装隊広報部のセレナ・アールズと解説役の本局海上警備部捜査司令の八神はやてがいる。
しかし、二人とも今回の試合の解説および実況をわりと気楽な仕事と捉えており、堅苦しくするつもりはないようだ。
今回の試合でははやてはなのはのセコンドと試合の解説を兼任するつもりでいるようだ。

『それはどうしてでしょうか、八神捜査司令』
『だってな、高町一尉が半年間かけてトレーニングを積んだとしても高町司書とは年季がちゃうやろ?』

はやての言葉にセレナは頷きつつ試合開始の時を待つ。

そして、いよいよ試合開始のゴング(擬似的に再現したもの)が鳴り、なのはとヴィヴィオは慎重に距離を計っていく。
ヴィヴィオはなのはが半年間かけてストライクアーツを特訓したことに多少なりとも警戒しており、なのはもIMCSを通して磨きがかかったヴィヴィオの実力を評価しているからこそ慎重になっている。

「来ないの、ヴィヴィオ・・・」
「なのはママこそ・・・」

二人は相手を挑発しながら少しずつ距離を縮めていく。
しかし、まだ一発も打撃を放っていない試合の状況に観戦している局員たちにもプレッシャーを与えている。

「(さすがにノーヴェの指導は徹底してるなぁ・・・ 誘いにも乗ってこないし・・・ こっちから行くしかないかな)」
「(なのはママに何ヵ月も練習する時間を上げたのはまずかったよね・・・ けど、罠があるなら叩き潰すまでだよ!)」

ヴィヴィオはいつまでもじっとしてられないと決心するとなのはとの距離を一気に詰め、様子見の右ストレートを繰り出していく。
なのははヴィヴィオの右ストレートを両腕でしっかりガードすると鋭い前蹴りをヴィヴィオのボディに当てて、後退させていく。

「ぐっ・・・ (やっぱり、なのはママはすごい・・・ たった数ヵ月でここまで強くなるなんて・・・)」

ヴィヴィオはなのはの前蹴りを受けて、なのはのポテンシャルと学習能力の高さに少しばかりの羨ましさを感じてしまった。
そして、それがヴィヴィオの闘志の起爆剤になった。

「行くよ、ママ!」

ヴィヴィオはそう言うと上体を左右に動かしながらなのはとの距離を詰めていく。
なのはは自分との距離を詰めてくるヴィヴィオにジャブを連打することで突き放そうとするがヴィヴィオはそれらのジャブをかわしながらなのはの懐に飛び込んだ。
そして、なのはの脇腹に突き刺すような左フックを叩き込んでいく。

「ぐっ・・・」

なのはの口からわずかな息と唾液、呻き声が漏れる。
しかし、すぐにフットワークを駆使してヴィヴィオの追撃を阻止していく。
ヴィヴィオはなのはに体勢を整えさせるつもりはないのか、一気に距離を詰め、ラッシュをかけようとしていく。

「逃がさないよ、なのはママ!」
「逃がさせてもらうよ、ヴィヴィオ」

なのはの言葉とともに1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
ヴィヴィオはゴングの音を聞き、なのはに向けて放とうとしていた拳を止めた。

「惜しかったね、ヴィヴィオ」
「む~~!」

ヴィヴィオはなのはにいいようにあしらわれたのが気にいらないのか、少しむくれたような表情になっている。
しかし、気を取り直すと自身のコーナーへ戻っていった。

「(やっぱり、ヴィヴィオは強いなぁ・・・ 油断してたらあっさり負けそう・・・ けど、ママも少しは意地張らせてもらうよ)」

なのはは自身のコーナーに戻っていくヴィヴィオを見ながらそんなことを考えてから自身のコーナーに戻った。
1ラウンドが終了し、自分のコーナーに戻ったヴィヴィオは用意されたスツールに座り、水を飲みながらアインハルトたちの指示に耳を傾けている。

「ヴィヴィオさん、お母様と格闘戦技で戦ってみてどうでしたか?」
「それが・・・」

ヴィヴィオはアインハルトの質問に歯切れの悪い返事をしていく。

「それが?」
「それがまだよく分からなくて・・・ ママ、さっきのラウンドはわたしに合わせて往なしてきてたのでママの実力が計りきれなくて・・・」

ヴィヴィオの言葉にアインハルトが少し考え込んでしまう。
その間にコロナとリオがヴィヴィオを励ましていく。

「大丈夫だよ、ヴィヴィオ。だって、ヴィヴィオはあたしたちと一緒にノーヴェさんたちとの特訓を頑張ってきたんだもん! きっと、なのはさんに勝てるよ!!」
「そうだよ! ヴィヴィオは強いんだから自信を持って!!」

二人の言葉にヴィヴィオは再び闘志を燃やした。

「ありがと、コロナ、リオ! 大丈夫! ヴィヴィオ、負けないよ!!」
「「うん!!」」

3人が力強く叫ぶとアインハルトがタイミングを見計らってアドバイスを出していく。

「ヴィヴィオさん、お母様が実力を発揮する前にヴィヴィオさんのカウンターでペースを掴んでしまいましょう」
「はい!!」

アインハルトのアドバイスに頷くとヴィヴィオは回復に努めていく。

自分のコーナーに戻ったなのははフェイトに汗を拭いてもらいながら体力の回復に専念していく。

「なのは、ヴィヴィオはどうかな?」
「さすがは私の自慢の娘だよ。技術もハートも昔のヴィヴィオとは全然違う・・・ 成長したんだなぁって思っちゃった」

なのはの言葉にフェイトは少しおかしかったのか、笑ってしまう。

「あははは。それはそうだよ、なのは」
「そうなんだけど魔導師としての成長じゃなくて格闘家としての成長は肌で感じてみないと分からないよ」

フェイトはなのはがヴィヴィオの成長を何より嬉しそうに話すのを見て、少し微笑ましく思っている。

「さぁ、なのは、次のラウンドはどうする?」
「そうだね・・・ あまり、時間もないし私がこの半年で実戦とイメージトレーニングで手に入れたものを全部ぶつけてみるよ」

なのはの静かだが闘志溢れる言葉にフェイトは何も言わず、身体の汗を拭い続けた。

2ラウンド開始を告げるゴングが鳴るとなのはが一気にヴィヴィオとの距離を詰めていく。
ヴィヴィオはジャブの弾幕でなのはを牽制しようとするがその隙になのはにタックルを決められてしまった。

「くっ・・・ (こんなの耐えられ・・・)」

ヴィヴィオが堪えようと力んだ瞬間になのはは力のベクトルを巧みに変え、テイクダウンを奪っていく。
ヴィヴィオはすぐに腕を守ろうとしたがなのははそれを読んでいたかのようにバックを取るとヴィヴィオの首に右腕を巻きつけた。

『おぉっと! 高町一尉、娘である高町司書相手でも手加減をするつもりがないのか、背後を取るとすぐさまチョークスリーパーを仕掛けましたぁ!!』

なのはがヴィヴィオにチョークスリーパーをかけるとそれを見た実況のセレナが捲し立てるように実況していく。
その実況に観客から歓声が起こるがなのはにはそれを気にする余裕はなかった。

「(ヴィヴィオ、これで決まっちゃうのかな・・・)」

なのははそんなことを考えながら締め付ける力を少しずつ強めていく。
しかし、ヴィヴィオもなのはの両腕を殴ったり掴もうとしたりするなど必死で抵抗している。
そして、膠着状態になっていこうとしている二人を見たレフェリーがなのはを止めていく。
ちなみに、レフェリーは戦技教導隊の女性隊員が務めている。

「スタンド! スタンド!!」

レフェリーの指示になのははスリーパーを解いていく。

「かはっ・・・ ごほっ・・・」

スリーパーが解かれ、気道が元に戻るとヴィヴィオはえづきながら呼吸を整えていく。
そして、ゆっくりと立ち上がっていく。
しかし、今のスリーパーでヴィヴィオのライフポイントはかなり削られてしまった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (なのはママ、ほんとに強くなってる・・・ このままじゃ勝てないよ・・・)」

ヴィヴィオはなのはの強さに不安を抱いてしまう。
そんなヴィヴィオの様子を見たなのははまた一気に近づくと左右のストレートやフックをヴィヴィオの顔やボディに叩き込もうとしていく。

「くぅっ・・・ あぅっ・・・ 負けない・・・!」

ヴィヴィオはなのはに攻め込まれながらも少しずつカウンターをなのはに叩き込んでいく。
なのははまたグラウンドに持っていきたいがヴィヴィオがそれを阻むように打撃を繰り出してくるので打撃戦に付き合わされてしまっている。

「んぶっ・・・ あがぁ・・・ (まずっ・・・ このままじゃまずいよ・・・)」
「シッ! タァッ!! (なのはママ、焦れてるみたいだね。このまま一気にわたしのペースに持ち込むんだ!!)」

なのはが焦れていることは他人から分からずとも親子であるヴィヴィオはよく分かっている。
だからこそ、このまま自分のペースに持っていって試合を決めたいと思い、さらに左右のパンチを連打していく。
しかし、ヴィヴィオはこの試合で一切キックを使っていないのも事実である。
それは不用意にキックを使えばなのはに捕まってしまうと理解しているからだ。

「(ヴィヴィオ、全然キックを使ってこないなぁ・・・ だったら・・・)」

なのははヴィヴィオの隙を作るべく、あえてふらついてみせる。
ヴィヴィオはなのはがふらついたのを見て、勝機だと感じたのか、右ハイキックをなのはの顔に叩き込もうとした。
しかし、ヴィヴィオのハイキックはなのはの左腕でしっかりブロックされ、すぐに右足を掴まれてしまった。

「しまっ・・・」
「今さら焦っても遅いよ、ヴィヴィオ!!」

なのはは舞い込んできたチャンスを逃さないとばかりにヴィヴィオにドラゴンスクリューを仕掛けていく。
ヴィヴィオはなのはのドラゴンスクリューで足を少し痛めつけられながらリングに叩きつけられてしまった。
しかも、未だに右足を掴まれたままである。

「行くよ、ヴィヴィオ!!」

なのははヴィヴィオの右足を抱え込むと足首を痛めつけるようにヒールホールドをかけていく。
なのはのヒールホールドを受け、ヴィヴィオの機動力は徐々に奪われていく。
ヴィヴィオは空いている足でなのはの腕を蹴り、ヒールホールドを解かせようとする。
なのはは痛みを感じているもののここで自分の有利な展開に持っていきたいと考えているのだ。

「くぅっ・・・ 離して、ママ・・・」
「これは試合だよ、ヴィヴィオ。手加減はしないよ」

なのはは苦しそうなヴィヴィオの声に一瞬力を緩めそうになる。
しかし、これはヴィヴィオとの真剣勝負だと心を鬼にしてヴィヴィオの足を痛めつけていく。
ヴィヴィオはなのはが本気で自分と闘ってくれていることを知り、弱気になりかけていた自分を唇を噛むことで戒めるとなのはの腕を再び蹴りつけていく。

「いっ・・・」

何度も蹴られたなのはの腕が痛み、その痛みでなのははヴィヴィオの右足を離してしまった。
ヴィヴィオは痛む右足を庇いながらも立ち上がり、なのはとの距離を少し取っていく。
なのはは距離を取ったヴィヴィオを追い詰めようと一気に駆け寄っていく。
そして、右ストレートを放っていく。

「(・・・) 今だ!!」
「えっ・・? ぶぐぅ・・・」

なのはの放った右ストレートはヴィヴィオの頬の横を通りすぎ、ヴィヴィオの左ストレートがなのはの鼻っ柱にめり込んでいた。
そして、なのはの身体がぐらつき、後ろに崩れ落ちた。

『高町教導官、高町司書の強烈なカウンターの一撃でダウン!! これは立ち上がれるのか!?』

なのはがダウンしたのを見たセレナが興奮したように実況していく。
その実況に会場中が盛り上がっていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (なのはママはきっと立ってくる・・・ この試合、勝てるかな・・・?)」

ヴィヴィオはなのはから離れた場所で息を整えながらなのはの様子を伺っていく。
しかし、ヴィヴィオにはなのはが間違いなく立ち上がってくると確信していた。
「はぁ・・・ はぁ・・・ ヴィヴィオ、ママ、まだやれるよ・・・」

なのはは荒い呼吸のまま、立ち上がっていく。
ヴィヴィオはなのはのそんな姿を見ながら静かに頷き、ファイティングポーズを取った。
そして、試合が再開されるとヴィヴィオは一気に決めようと駆け寄っていく。

「行くよ、なのはママ!」
「ママも負けないよ、ヴィヴィオ!!」

なのはもまたヴィヴィオとの距離を縮めていく。
二人は距離を縮めると相手の顔やボディに左右のストレートやフックを次々に叩き込んでいく。
その度にクラッシュエミュレートというダメージを疑似再現するシステムが働き、二人の顔や腹部が腫れたり痣ができたりしていく。
そして、二人の口や鼻から血が噴き出し、唾液が零れていく。

「んぶぅ・・・ あがぁ・・・」
「ぶへぇ・・・ ぎひぃ・・・」

二人は苦痛に満ちた呻き声を漏らしながらなおも殴りあっていく。
もはや、試合の結果などは二の次になっている。
今、自分たちが感じているものを共有しようとするかのように殴りあっていく。

『これは素晴らしい!! 親子での壮絶な殴りあい!! お互いの気持ちや持っているものをすべてぶつけあっています!!』

セレナは二人の壮絶な殴りあいを大きな声で実況している。

「んぐぃぃ・・・ くひぃ・・・」
「おごぉ・・・ うべぇ・・・」

二人の殴りあいはさらにエスカレートしていく。
しかし、ここにきて、二人に定められたライフポイントが残りわずかになった。
つまり、二人の限界が来てしまったのだ。

「はぁ・・・ はぁ・・・ ヴィヴィオ、決着、つけよっか・・・?」
「はぁ・・・ はぁ・・・ うん、なのはママ・・・」

二人は相手に荒い呼吸のまま、語りかけていく。
そして、二人とも右腕を勢いよく引くと渾身の右ストレートを相手の鼻っ柱に叩きつけた。

「あがぁぁぁ・・・」
「んぶぇぇぇ・・・」

二人は同時にめり込んだ右ストレートに動きを止めてしまった。
そして、数秒間止まったままだった。

『両者、顔に拳をめり込ませたまま止まってしまいました!!』

セレナの実況が観客の耳に届いたと同時になのはが静かにその場に崩れ落ちた。
そして、レフェリー役の女性武装局員が試合を止めた。

「ノックアウト!! 勝者、高町ヴィヴィオ!!」

女性武装局員はヴィヴィオに近づき、勝ち名乗りを上げさせようとするがヴィヴィオもなのはをKOした安心感から意識を手放してしまい、前のめりに倒れた。
勝者も敗者も倒れている光景に観客も惜しみない拍手を送り、二人を称えた。

その後、二人は主治医であるシャマルから無茶しすぎだとお叱りを受けた。
しかし、二人はまた試合をしたいと考えていた。
その考えが実現するかは今はまだ分からない。
だが、きっとその機会はまた訪れるだろう。


Fin
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2011-09-04 Sun 20:17 | | #[ 編集]

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2012-04-25 Wed 07:41 まとめwoネタ速suru
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