ひらひらの仕掛け屋敷

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第1回月娘トーナメント 第1回戦 第5試合 ジェシカ・レッドストーンVSマレーネ・ハルトマン

第1回月娘トーナメント 第1回戦 第5試合 ジェシカ・レッドストーンVSマレーネ・ハルトマン


第1回月娘トーナメント 第1回戦 第5試合は外国人同士の試合となる。
赤コーナーにいるジェシカ・レッドストーンはフットワークを巧みに駆使し、デトロイトスタイルから相手を仕留めるテクニシャンであり、対する青コーナーにいるマレーネ・ハルトマンはリングを縦横無尽に動き回り、鋭いジャブとストレートで相手を翻弄し、時に相手の懐に潜り込んで強烈なボディブローを叩き込むアウトボクサーである。
今回の試合はテクニックに覚えのある二人の試合なので観客もどちらが勝つか予想できず、盛り上がっていく。

「(同じような闘い方をするマレーネさんには絶対に負けられない! 私のパンチで必ずKOしてやるんだ!!)」

ジェシカは反対側のコーナーにいるマレーネを若干睨みながら気合いを入れていく。

「(必ず勝つ! 私のボクシングは騎士の誇り・・・ 私の誇りに懸けてジェシカさんを倒す!)」

一方、青コーナーにいるマレーネも反対側のコーナーにいるジェシカを見ながら自身の闘志を高めていく。
レフェリーに呼ばれ、二人はリング中央で対峙する。
二人は闘志溢れる視線を相手にぶつけながらレフェリーの注意を聞いていく。
そして、マレーネとジェシカはレフェリーの注意が終わると何も言わずに自身のコーナーに戻っていく。

赤コーナーに戻ったジェシカはオーナーから1ラウンド目の指示を受けていく。

「ジェシカ、ハルトマンはお前と同じような闘い方をするのは分かってるな?」
「はい、オーナー。 私はどうすれば?」

ジェシカの言葉にオーナーは迷わず答えていく。

「俺はお前が納得できるような作戦は思いつかねぇ・・・ だから、お前のやり方で流れを掴んでこい」
「分かりました、オーナー! 私、やります!!」

ジェシカはオーナーの言葉に力強く返事をし、試合に向けて高ぶった精神を抑えようとしていく。

青コーナーに戻ったマレーネはコーチから指示を受けていく。

「マレーネ、君は僕の生徒の中でも特に優秀だ」
「はい」

マレーネのコーチは自身が指導しているボクサーを『生徒』と呼んでおり、マレーネはその中でも信頼すらされているほどである。

「相手は君と同じアウトボクサーだ。 だから、1ラウンド目でどれだけ相手のペースを崩せるかが重要だ」
「はい!」
「だから、1ラウンド目はジャブやストレートを多用しつつ、狙えるなら君の得意なボディブローを叩き込んでやるんだ」

マレーネはコーチの言葉に頷くと立ち上がり、身体を温めていく。

第1ラウンド開始のゴングとともにマレーネとジェシカはゆっくりと相手との距離を測るように動いていく。
そして、相手の動きを牽制するようにジャブを連打していく。
だが、お互いにウィービングやパリングなどのデフェンステクニックを駆使して相手にペースを握らせないようにしていく。
しかし、マレーネは時折、ジェシカの懐に潜り込もうとしてはジェシカの左フックや右アッパーなどで牽制されてしまい、攻めあぐねている。

「くぅっ・・・ (マレーネさん、すごくしつこい・・・ けど、そのしつこさのおかげで狙いは分かった・・・ 後はうまくやるだけだ・・・)」
「まだまだ! (ジェシカさん、全然私の距離に入らせてくれない・・・ でも、ずっと逃げ続けるなんて無理だもの・・・ そろそろ決まるはずだわ・・・)」

二人は今の少し膠着した状態に自分の希望的観測を乗せた思惑を持っている。
しかし、二人は膠着状態を打破しようと次々にパンチを出していくが闘い方が似ている上にテクニックまでもが同等であるため、なかなかうまくいかない。
そうしている内に1ラウンド終了のゴングが鳴らされた。

赤コーナーに戻ったジェシカからマウスピースを受け取ったオーナーはセコンドの一人にそれを渡すと自分はジェシカの表情や傷の有無を確認し、試合に影響するような傷がまだないことに安心し、次のラウンドに向けた作戦を伝えていく。

「ジェシカ、ハルトマンとお前はまだまだ五分五分の状態だ。だからこそ、試合の流れを変える必要がある。分かるな?」
「はい、分かります・・・」

ジェシカは少し疲労感を感じているがそれでも気丈に振る舞い、オーナーの作戦に耳を傾ける。

「今の流れを変えるにはこのままミドルレンジでのジャブの刺し合いをしていても無駄に疲弊するだけだ。 だから、インファイトに持ち込んでハルトマンを圧倒してやるんだ」
「はい!」
「お前ならやれる! お前のパンチ力はハルトマンに勝ってる!!」
「はい!!」

ジェシカとオーナーはお互いに強い口調で話している。

一方、青コーナーのマレーネはセコンドにマウスピースを洗ってもらったり身体を拭いてもらったりしながらコーチの指示を聞いている。

「マレーネ、さっきのラウンドはよかったよ。 彼女とマレーネのポイント差はほとんどないに等しい。 まだまだ試合をコントロールできる」
「はい・・・」

マレーネはコーチの言葉を嬉しく感じたが自分としては先程のラウンドはジェシカに取られたと思っているため、素直に頷くことができないでいる。

「マレーネが勝つためにはどうしてもボディブローを彼女に叩き込む必要がある」
「はい」
「だから、次のラウンドは君らしくはないと思うだろうがインファイトに持ち込んでボディブローを叩き込んでくるしかないよ」

マレーネはコーチの言葉に静かに首を縦に振る。
コーチはいつもマレーネが欲しい言葉を、作戦を与えてくれるから信頼しているのである。

「さぁ、そろそろ次のラウンドが始まるよ。 マレーネ、君は君を信じて闘えばいいからね」

コーチはそう言うとマレーネの頭を優しく撫でていく。
マレーネは少し照れたような表情で撫でられている。
そして、2ラウンド開始のゴングが鳴るとマレーネとジェシカはまるで示し合わせたかのように相手との距離を一気に詰めていく。
それもそのはずで、二人とも信頼する人からこのラウンドはインファイトで行くように指示されたのだ。
それを実行しようとするのは当然のことだろう。
そして、二人の距離がゼロになり、マレーネとジェシカはお互いのパンチを叩き込んでいく。
ジェシカが右ストレートをマレーネの顔に叩き込めば、マレーネは左アッパーをジェシカのボディに叩き込んでいく。
お互いに相手のパンチをもらい、口から唾液を吐き出してしまうが手を止めようとはしない。
しかし、ジェシカの放つパンチが徐々にマレーネに当たらなくなってきている。

「くっ・・・ (何で当たらないの!?)」
「(ふふ・・・ パンチが当たらなくて焦ってるみたいだね・・・)」

ジェシカの焦りが表情に浮かぶとマレーネは自分の思惑通りに試合運びができていることにほくそ笑んだ。
別にマレーネがすごいわけではない。
こつこつとジェシカのボディや脇腹にパンチを叩き込むことで徐々にジェシカのスタミナを奪い、ダメージを積み重ねているのだ。
その結果、いつも通りに闘えないで多少イライラしているジェシカの動きの精細さがさらに失われているのである。

「このぉ!!」

ジェシカが自分の思い通りに試合を動かせないことにイラつき、大きく振りかぶった右ストレートを放とうとしたのを見たマレーネはカウンターのチャンスが来たことを理解し、冷静にジェシカの動きを観察していく。
そして、大振りの右ストレートを放つジェシカとの距離を一気に詰めながらそのストレートをかわし、ジェシカの鳩尾にカウンターの右アッパーを叩き込んだ。

「ごへぇ・・・」

ジェシカの口から胃液とマウスピースがこぼれ落ちていく。
ジェシカ自身のパンチ力とマレーネのパンチ力が合わさった衝撃が鍛えようのない人間の急所の一つ、鳩尾に突き刺さったのだから堪ったものではないだろう。
それを証明するようにジェシカの身体が前のめりにリングの上に崩れ落ちた。

「ダ、ダウン! 下がって!!」

一瞬、思考の止まったレフェリーだが次の瞬間にはマレーネをニュートラルコーナーに向かわせるとダウンしたジェシカの様子を確認し、カウントを取っていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」

レフェリーのカウントにジェシカは慌てて立ち上がろうとするがオーナーの日ごろの言葉を思い出し、ゆっくり身体を休め、少しでもダメージを抜こうとする。
マレーネはそんなジェシカの様子に動揺することなく、冷静に様子を見ていく。

「7・・・ エイ・・・」

ジェシカはカウント8で立ち上がり、レフェリーに試合を続けられるとアピールしていく。
レフェリーはジェシカのグローブを持ち、押したりすることでジェシカの様子を確認していく。

「ファイト!」

レフェリーが試合を再開させるとマレーネは落ち着いてジェシカとの一定の距離を保ちながらジャブを連打して、ジェシカを牽制していく。
ジェシカはこのラウンド中にマレーネをダウンさせたいと考えているのか、多少無茶な試合運びになりつつある。
KOを狙い、大振りになっているジェシカのパンチをダッキングやパリング、ウィービングといったディフェンステクニックを余すことなく披露しながらマレーネは的確にジェシカの顔にジャブを当てていく。
マレーネのジャブにジェシカの口からは唾液と血が飛び散っていく。

「(今だ!) はっ!」

マレーネはジェシカが仰け反った隙にまた懐に入り込むとこの試合二度目のボディブローをジェシカのボディに叩き込んだ。
ダメージのせいで力が入らなくなった腹筋は鎧の役目を果たせず、マレーネの拳を受け入れてしまった。
マレーネの手首までめり込んだかのような一撃にジェシカは血反吐を吐き、そのままリングに崩れ落ちた。

「うげぇ・・・ えぶぅ・・・ がはっ・・・」

ダウンの衝撃にジェシカはさらに血反吐を吐き出し、自身の吐き出した血反吐の海に沈んだ。
レフェリーはジェシカの様子を確認してから試合を終了させた。
ジェシカは白目を剥き、意識が飛んでしまっているのか、痙攣している。
そして、ほどなくして股間から黄金色の液体がこぼれていった。

「し、勝者、マレーネ!!」

ジェシカの無惨な姿をバックにマレーネが勝ち名乗りを上げていく。
それは勝者と敗者のコントラストを明確に分けていた。

マレーネはこの先、どこまで行けるのだろうか?


第1回月娘トーナメント 第1回戦 第5試合 ジェシカ・レッドストーンVSマレーネ・ハルトマン
勝者 マレーネ・ハルトマン
2ラウンド1分40秒
フィニッシュブロー ボディブロー

あとがき

相変わらずの短さですがお楽しみいただければ幸いです♪♪
次回の試合はまだ決めてないのでご希望があれば拍手やコメント、メールなどで教えてください♪♪

それでは♪♪
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月娘トーナメント | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

ひらひら様、いつも楽しみに拝見しています。
裏1103様の本編ではいいとこのなかったマレーネの活躍に期待しています。
2011-10-20 Thu 14:19 | URL | レジスト #qJ3ueshw[ 編集]
マレーネさん初勝利万歳。
いずれは、六月娘との雪辱戦も見てみたいです(本当に気がむいた時で結構ですので)。
今後も期待しています。
2011-11-08 Tue 05:52 | URL | レジスト #-[ 編集]

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