ひらひらの仕掛け屋敷

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両雄激突!

両雄激突!


とある場所で開かれているストリートファイトの会場で一人の女性が男性と戦っていた。
女性は白いトップスにジーンズ、少し長い金髪を後ろでくくっている。

「野郎ぉ!」
「あたしは野郎じゃなくて女よ」

女性は男が放った大振りな右ストレートを難なくかわすとそのままの勢いを利用して身体を回転させ、その力を乗せるように右足を振り上げた。
女性の右の爪先が男の側頭部に打ち込まれ、男はしばらく動きを止めたあと、そのまま崩れ落ちた。

「ウィナー、望月星華!!」

立会人のコールに星華と呼ばれた女性は喜ぶでもなく当然のことのように振る舞った。
星華は次の対戦相手が名乗り出てくるのを待ったが星華の実力を目の当たりにした他の参加者は名乗り出なかった。

「(ふぅっ・・・ ちょっとやりすぎた? 今日はここまでかな)」

しかし、帰ろうとした星華の前に車椅子に乗った女性が現れた。
女性の車椅子を押す女性は白いカッターシャツにスーツズボン、両手には薄い黒のグローブが嵌められている。
そして、もう一人の少女はTシャツにジーパン、ランニングシューズといった星華と似たような格好をしている。
一見すればただの女子高生だろうが星華は少女の手を見て、目の前の少女もただ者ではないと理解した。

「何か、用? 団体様で私の相手をしてくれるわけ??」
「いいえ・・・ うちの選手をこんなところで闘わせても何の利益にもならないもの・・・」

星華の意地の悪い問いかけに車椅子に乗った女性は特に怒ることもせず、淡々と答えていく。
星華はそんな女性の態度に多少の期待を膨らませていく。

「へぇ・・・ だったら、何しにきたわけ?」
「あなたを招待しにきたのよ」

女性はそう言いながら星華に名刺を渡した。
名刺を受け取った星華はそこに書かれた名前を見て、表情を変えた。

「へぇ・・・ まさか、あの中野洋子にボコられた大滝加奈さんが私に何の用かしら?」
「あなたの言ったことに関しては否定しないし本来なら動けるはずなのに怖くて動けないなんて恥ずかしい話もしてあげられるわよ」
「ほんと、恥ずかしい話ね。おかげで、私が戦いたいと思った中野洋子は姿を消すし、いい迷惑よ」

星華の言葉を聞いたTシャツ姿の少女は腹が立ったのか、星華との距離を詰めると上段突きから下段突きへのコンビネーションを放ち、星華に叩き込もうとしていく。
しかし、星華はそれを巧みにかわすと少女から距離を取る。

「くっ・・・ 馬鹿にしないで!!」

少女はそう言うと空手の構えから拳を顎先で揃えたボクシングで言うところのピーカブスタイルのような構えから左右のストレートを放っていく。

「危なっ! なかなかやるじゃない!!」

星華は少女の動きと掠めただけで感じ取れた少女の拳圧にただ者ではないと再認識した。

「止めなさい、梨杏」
「でも、加奈さん!」
「でもじゃない! その子が本気で言ってると思う?」

加奈の言葉に梨杏と呼ばれた少女は落ち着きを取り戻したのか、再び元の位置に戻った。

「失礼したわね、望月星華さん」
「そうでもないわよ。なんなら、さっきの子と遊んであげましょうか?」

星華は先ほど感じた梨杏の実力に闘ってみたいという感情を抱いた。
しかし、加奈は星華の言葉に首を横に振ると用件を話し始めた。

「うちの選手に興味を示してもらえたならそれはありがたいものね・・・ けど、梨杏と闘う前にあなたには闘ってもらいたい相手がいるの」
「回りくどい言い方ね・・・ さっさと言いなさいよ」

星華のぼやきに加奈は苦笑すると自分の用件である、星華と闘わせたい相手の名を告げる。

「望月星華さん、あなたにはうちのトップファイター、中野洋子と試合してもらいたいのよ」
「何言ってるのよ、中野洋子は・・・」
「プロのリングからいなくなったって言いたいのかしら?」

星華は加奈が自分が言おうとした言葉を言い当てたことに軽く驚いてしまう。
加奈はそんな星華にかまうことなく言葉を続けていく。

「洋子は確かに一時期表舞台から姿を消した。それは私に十分な治療を受けさせるために地下の世界へ入ったからなのよ」
「そんないきさつがあったのは知らなかったわ。けど、それなら何で中野洋子は表舞台に戻ってきたのよ」

星華の疑問に満ちた言葉に加奈はあくまでも冷静に答えていく。

「私の治療が進んだのとあの子が広い世界を望んだからよ。だから、私はあの子のために団体を作り、何から何まで手配し、選手を集めたわ」
「それと私と中野洋子が試合をすることには繋がらないわよ」
「そうでもないわ。あなたには洋子をアピールするためのかませ犬になってもらうつもりなのよ」

加奈の口から出た言葉に星華の表情が変わった。
今までは加奈たちを小馬鹿にしたような表情で接していたが先ほどの言葉でいかにも殴りかからんばかりの表情になった。
星華の表情が変わったのを見て、車椅子を押していた女性が前に出て、加奈を庇おうとしたが加奈はそれを静かに断ると星華に言葉をかけていく。

「さすがに、動けない相手を殴るほど馬鹿じゃないでしょ。それにただ殴られろなんて言ったつもりはないのだけど」
「どういうつもりよ・・・」
「あなたには洋子を殴り倒してほしいのよ」

星華は加奈の言ったことの意味が理解できなかった。
洋子と加奈が恋人同士だということは二人のデビュー戦の前から噂されていたことであり、二人とも否定しなかったことから考えても本当のことだろう。
しかし、加奈は恋人である洋子を星華に殴り倒せと言ってきたのだ。
星華にはそれが信じられなかった。

「正気?」
「もちろんよ。異常だと思うかもしれないけどそれも一つの愛の形なのよ」

星華はすっかり毒気を抜かれてしまったようだ。
加奈はそんな星華を見てから懐から名刺入れを取り出し、名刺を渡した。

「もし、洋子と闘いたいと思うのならここへ来て。その時に試合のルールとかを決めましょう」

加奈はそう告げると星華に背を向け、自分の手で車椅子を動かし、去っていった。
星華はそれを見送ることしかできなかった。

数日後、星華は加奈から渡された名刺に書かれた住所を頼りにガールズインパクトのジムの前まで来ていた。

「さ、行くわよ」

星華は自分を後押しするようにそう言うとガールズインパクトのジムの扉を開けた。
いきなり入ってきた星華に練習中だった選手たちが手を止め、星華に視線を送っていく。

「えっと、ここに大滝加奈はいる?」

星華が加奈を呼び捨てにすると選手たちの表情が険しくなった。
しかし、以前、星華に殴りかかった少女、梨杏が星華の手を取り、ジムの外へ出た。

「何よ・・・」
「加奈さんは奥の事務所にいます。案内しますからついてきてください」
「ふーん・・・」

星華は梨杏の指示に従い、梨杏の後をついていく。

「ねぇ?」
「何ですか?」
「あんた、名前は??」

梨杏は星華が自分の名前を尋ねてきたことが意外だった。
最初に会った時に人を小馬鹿にして他人に興味がないように感じられたからだ。

「梨杏・・・ 彩坂梨杏」「梨杏か。梨杏、中野洋子と闘った後はあんたとやってあげる。あんたもあれじゃ消化不良でしょ?」

梨杏は星華の言葉に頷くと静かに、しかし、力強く宣言していく。

「そうですね。でも、次にやる時はあなたを地に這わせてあげますよ」
「それは楽しみね。だったら、私が中野洋子に勝てるように祈っておいてちょうだい」

梨杏は星華の軽口に頷くことはなかった。


事務所に案内された星華はそのまま応接室に通された。
そして、応接室のソファーに座るとテーブル越しに加奈と向かい合った。

「ねぇ、中野洋子はどうしたのよ?」
「悪いわね、洋子は今日は来ないわ」

加奈の口から洋子がこの場に来ないと聞いた星華は応接室を後にすべく、ソファーから立ち上がろうとした。

「せっかちさんなのね。洋子はあなたとの対戦ならどんなルールでも受けるって言ってたわよ」

加奈の言葉に星華は再び腰を下ろした。

「つまり、私の好きにしていいってことよね?」
「えぇ、そうよ。けど、リングの上での話だけど」

星華は洋子の提示した条件を飲み、ある提案をした。

「だったら、ストリートファイトのルールでやらせてもらえるわけ?」
「つまり、どちらかが闘えなくなるまで試合を続けたいってこと?」
「そうなるかしら」

星華の挑戦的な瞳に加奈は洋子と同じものを感じたのか、それ以上は何も言わず、一枚の紙を星華に差し出した。

「何よ、これ?」
「契約書みたいなものよ。他団体の選手とかと試合をする時に相手に書いてもらうものよ」

星華は加奈から差し出された用紙を少し読むとすぐにサインを書いた。

「これでいい?」
「えぇ、いいわ。じゃあ、試合は1週間後、うちの団体の興業のメインイベントで洋子と闘ってもらうわ」

加奈の言葉に頷くと星華はさっさと応接室を後にした。

ガールズインパクトのジムの入り口の近くで梨杏が佇んでいた。

「何か用?」
「負けないでください・・・ あなたを倒すのはわたしです」

梨杏は星華に向かってそんな言葉を叩きつけた。
星華は梨杏の言葉に軽く手を振りながらその場を後にした。

そして、洋子と星華の勝負の日がやってきた。
星華はガールズインパクトのスタッフに案内された控え室でモニターに映った他の試合を見ている。

「失礼します!」

自分のいる控え室に誰かが入ってきたのでモニターの電源を切り、そちらに視線を移した。

「梨杏じゃない。どうしたのよ?」
「自分の試合が終わったんであなたのセコンドに就くように言われて来ました」

梨杏はそう言うと控え室の中に入った。

「セコンドなんかいらないけど」
「一応、マネージャーからの指示なんで」

梨杏はそう答えると控え室にあったパイプ椅子を出して座った。

「ふーん・・・ じゃあ、よろしく」
「よろしくお願いします」

二人は挨拶を交わすとスタッフが呼びに来るまで特に話すことなく過ごした。
そして、スタッフが呼びに来るとリングへと向かった。

リングに続く花道に星華が出ると観客からの歓声が上がった。
星華は観客からの歓声に気をよくしながらリングに上がった。
そして、すでにリングに上がっていた洋子と視線を交わした。
しかし、それは二人の雌豹が相手を食らうための睨み合いである。

「両者、リング中央へ」

レフェリーにリング中央に呼ばれた二人は歩みよっていく。
そして、さらに間近で睨み合っていく。

「今日はよろしくや、望月星華ちゃん」
「えぇ、こちらこそよろしく、中野洋子」

二人は挑発し合うとレフェリーの注意が終わるまで一時も視線を外さなかった。
レフェリーの注意が終わり、自分のコーナーに戻ると試合開始のゴングを待つ。
そして、試合開始のゴングがならされると洋子と星華は勢いよく相手との距離を詰めていく。

「ほんなら、行くで!」

洋子は星華が近づいてくるとジャブを放ち、牽制しようとする。
しかし、星華は上体の動きだけで洋子のジャブをかわすと一気に懐に潜り込み、右アッパーを洋子の腹筋の上から叩きつけていく。
自分のパンチ力に自信のある星華は洋子を試すつもりでボディブローを打ち込んだのだ。

「っぶ・・・ そんなもんでうちに勝つ気なんやったら甘いで」

洋子は星華の右アッパーをボディに打ち込まれて平然そうにしている。
そして、予想していた以上の腹筋の固さに星華は改めて中野洋子という女が自分が倒すに値する相手だと確信していた。

「そうじゃなきゃ、わざわざ試合する意味ないでしょ!」

そう言いながら少し距離を取ると今度は左右のストレートを連打していく。
洋子はそれに対してかわすこともせず、真っ向から左右のストレートを打ち返していく。

洋子との左右のストレートの打ち合いが始まり、会場内の歓声もさらに大きくなっていく。
しかし、真っ向から殴りあっている二人には歓声を意識する余裕すらない。
洋子と星華は相手から繰り出される拳の槍をかわし続けていく。
かわし切れなかった左右の拳がお互いの顔にめり込んでいく。

「ぐふっ・・・ かはぁ・・・」
「あぐぅ・・・ んぐぇ・・・」

二人は互いの顔に相手の拳がめり込むと口から唾液を吐き出していく。
そして、少し後退し、距離を取っていく。
観客から見ればほんの少しの打ち合いに見えたようだが二人にとっては十分にプレッシャーになっていた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ やるねぇ、あんた・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたこそやるやん・・・」

お互いに距離を取った状態で相手を睨みつけていく。
二人はこれからどう攻めるかを考えながら視線を交わしていく。
動きが止まった二人に観客が思い思いの歓声を浴びせると二人が再び動き出した。
洋子は星華との距離を詰めると星華の腹筋の上に左右のボディブローを叩き込んでいく。

「ぶっ・・・ ぶほっ・・・ このぉ!」

星華は洋子のボディブローに唾液を吐き出してしまうと悔しさと怒りから吠えるように叫び、同じように洋子の腹筋に自身の拳をめり込ませるようなボディブローを叩き込んでいく。

「んぐぅ・・・ あがぁ・・・ 負けへん!」

洋子も唾液を吐き出すと星華に対して吠えてからボディブローを打ち返していく。
そこから二人は先に相手の腹筋を打ち破るべく、ボディを打ち合っていく。
殴られる度に少しずつ腹筋が緩みそうになるが必死で力を込めて相手の拳を受け止めていく。
しかし、二人の腹筋はそれぞれが放つ強打を受けることで徐々に破壊されていく。
そして、お互いにそれを理解しているため、相手の腹筋を先に貫こうと左右のパンチをボディに叩き込んでいく。

「んぼっ・・・ ぐへぇ・・・ (何なのよ、こいつ・・・ 今まで相手してきた連中ならこんだけお腹殴ったらもう終わってるはずなのに・・・)」
「あがぁ・・・ げへぇ・・・ (たかがストリートファイターやって思ってたけど・・・ なかなか根性あるやん・・・)」

二人は自分の拳を何十発も受けているにもかかわらず、ダウンするどころか殴り返してくる相手に対して評価を改めていく。
しかし、互角だった腹部の殴りあいもついに均衡が崩れた。
それは星華の手が止まったことではっきりした。
洋子の右ボディブローが腹筋にめり込んだ状態のまま、星華が動きを止めたからだ。

「んぶぇぇ・・・」

動きを止めた星華は両手で口元を押さえたが間に合わなかったのか、薄い皮のグローブの隙間から胃液を吐き出しながらリングに踞った。
洋子はその様子をしばらく眺めていたがレフェリーがカウントを取りに来て、ニュートラルコーナーに下がるように指示してきたのでその指示に従った。
しかし、ニュートラルコーナーに向かう洋子もダウンしている星華に気づかれないように気をつけながらオープンフィンガーグローブをつけた右手で腹部を押さえていた。
星華が先に胃液を吐いたものの、洋子も限界ぎりぎりであり、あと一発でもボディを殴られれば盛大に胃液をリングに吐き出してしまうだろう。

「はぁ・・・ はぁ・・・ あがぁ・・・」

星華は胃液をさらに吐きながら踞っている。
しかし、それでも立ち上がろうと身体に力を入れていく。
そして、カウント8でようやく立ち上がり、ファイティングポーズを取った。

「やれるか、望月?」
「はぁ・・・ はぁ・・・ やれる・・・ あいつにも吐かせてやらなきゃ・・・」

レフェリーは星華の言葉にまだ闘えるだろうと判断し、試合を再開していく。
星華は多少ふらつきながらも洋子との距離を詰め、殴りあいを展開していく。
星華は洋子の勢いが先程までより鈍ってきていることに気がついた。

「んぐぅ・・・ かはぁ・・・」
「さっきまでの勢いはどうしたのよ!?」

洋子は星華の言葉に反論することなく、左右のパンチを連打していく。
しかし、腹部に走る鈍痛に耐えながら放つパンチにはいつもの鋭さはなく、星華はそれらを的確に捌いていく。
そして、隙をついて、洋子の鳩尾に右アッパーを叩き込んだ。

「んぶぅぅ・・・」

鳩尾に右アッパーを叩き込まれた洋子は口から胃液を吐き出しながら膝からリングに崩れ落ちた。
レフェリーは洋子のダウンを確認すると星華をニュートラルコーナーへ向かわせ、ダウンカウントを取っていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ やっと、吐いたわね・・・」

星華はニュートラルコーナーにもたれながらグローブで口元を抑え、胃液を吐いている姿を隠そうとする洋子の様子を見つめていく。

「はぁ・・・ はぁ・・・ (さて、中野洋子が立ってきたらどうするかな?)」

星華はダウンしたまま立ち上がろうとしない洋子を見ながら次の展開について思案していく。
それは洋子が間違いなく立ち上がってくると確信してのものだ。

「はぁ・・・ はぁ・・・ やられたわ・・・」

洋子はカウント8で立ち上がった。
しかし、足下は僅かに震えている。

「ファイト!」

レフェリーは洋子の様子を確認すると試合を再開させていく。
星華は試合が再開されると同時に一気に洋子との距離を詰めていく。
そして、左右のストレートを放ち、洋子の意識を上に上にと集中させようとしていく。
しかし、洋子も星華の狙いは感覚的に理解しているため、星華のラッシュを防ぎながら反撃のチャンスを窺っていく。

「ほらほら! さっさと本気出してみなよ!?」
「くっ・・・ んぐぅ・・・ へぇ・・・ 本気、出してえぇんやな?」

洋子は星華の言葉に少し低い声で返していく。
そして、何発目かの星華の右ストレートを叩き落とし、逆に左ストレートを星華の顔に打ち込んでいく。

「がはぁ・・・ やるじゃん・・・ それを求めてたんだよね・・・」
「それはありがたいなぁ・・・ なら、そっちももっと見せてもらわな困るで」

洋子と星華は改めて闘志をぶつけ合っていく。
そして、一気にお互いの距離を詰めると左右のストレートやボディブロー、フックにアッパーなどの様々なパンチを相手の顔やボディを狙って放っていく。

「がふぅ・・・ んがぁ・・・」
「ぶふぅ・・・ あがぁ・・・」

お互いの顔やボディに相手のパンチがめり込む度に口からは唾液や血、胃液などを吐き出していく。
それでも相手を倒そうとパンチを繰り出していく。

「あがぁ・・・ んぶぅ・・・ くはぁ・・・」
「がはぁ・・・ あぐぅ・・・ んぁっ・・・」

二人が漏らす苦痛に満ちた声を会場中から大歓声が沸き上がっていく。

「ストップ! ストップ!! コーナーに戻って!!」

大歓声のせいで聞こえなかったのか、1ラウンド終了のゴングが鳴っていた。
レフェリーに止められた二人は少し睨み合ってから自分のコーナーに戻っていった。

コーナーに戻った星華はセコンドに就いた梨杏が用意していたスツールに座り込んだ。

「はぁ・・・ はぁ・・・ サンキュー・・・」
「凄いですね、星華さん。洋子さんをあそこまで追い込んだ人、そうはいませんから」

梨杏は星華と洋子の激闘を見て、改めて星華と洋子の実力を垣間見た。

「けど、どうするつもりですか?」
「さぁね・・・ とりあえず、徹底的にやりあってみるわ・・・」

星華は梨杏の問いかけに答えていく。

その後二人は数ラウンドに渡って壮絶な殴りあいを展開した。
そして、ついに最終ラウンドがやってきた。

「はぁ・・・ はぁ・・・ ここまでやるとは驚かされたわ・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 私こそ驚いたわよ・・・」

二人はお互いに睨みあいながら呼吸を整えようとしていく。
しかし、数ラウンドに渡って激闘を繰り広げてきた二人の肉体はもはや限界寸前だ。
それをお互いに分かっているからこそ下手に攻められないのだ。

「はぁ・・・ はぁ・・・ どうしたのよ、洋子? 攻めてきたら??」
「はぁ・・・ はぁ・・・ あんたこそ攻めたらどないや、星華?」

二人は相手を挑発し、攻めさせようとしていく。
しかし、お互いに相手の狙いを知っているため、動けずにいる。

「(しゃあないな・・・ うちから手を出すか・・・)」
「(仕方ないわね・・・ 私から攻めてあげるわよ・・・)」

二人は同時に動き出した。
そして、お互いの鳩尾に強烈な右アッパーを打ち込んだ。

「んぐぇぇぇ・・・!」
「おごぉぉぉ・・・!!」

星華と洋子は互いの鳩尾に右アッパーをめり込ませたまま、もたれあった。
そして、そのまま相手の身体に血反吐をぶちまけていく。

「あんたの・・・勝ちだよ・・・ 洋・・・子・・・」
「引き・・・分け・・・やろ・・・」

二人はそのままリングの上に崩れ落ちた。
そして、そのまま試合は終了した。

二人の激突から数日後、星華は洋子とともに入った病院から退院した。
そして、洋子や梨杏とまた闘う約束を交わしてから去っていった。

また、どこかで戦っているのだろう。
梨杏と洋子は星華と闘う時のためにさらに強くなると決意した。


Fin
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