ひらひらの仕掛け屋敷

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オリンピック記念小説 イギリス代表 ローレル・アンダーソン VS ロシア代表 レイス・マークハルト

オリンピック記念小説 イギリス代表 ローレル・アンダーソン VS ロシア代表 レイス・マークハルト

女子ボクシング 
イギリス代表 VS ロシア代表 

パリオリンピック、女子ボクシングの試合は第2試合が始まろうとしていた。
2試合目はイギリス代表のローレル・アンダーソンとロシア代表のレイス・マークハルトである。
ローレルは大会側が呼び寄せた選手で15歳ながらにイギリスのジュニアタイトルを保持していて、来年にはプロデビューする予定である。
一方、レイスは17歳でデビューしてから3試合を経験し、全ての試合をテクニックを見せつけたボクシングで勝ち抜いてきた。

「今日はいい試合にしましょうね、レイスさん」
「そうね。 わたしもあなたと試合してみたかったからちょうど良かったわ」

レイスは数年前からローレルのことを気にしていたのだ。
自分よりも2つも年下にも関わらず、イギリスのボクシングのジュニアタイトルを持っていて、噂ではプロよりもパンチ力とテクニックがあると聞いていた。
だからこそ、レイスは強いローレルと試合をしたいと思ったのだ。
要するに、レイスは強き者を求めるのである。

「二人ともクリーンなファイトをするように」

レフェリーは注意が終わると二人を自分のコーナーへ戻らせた。

1ラウンドが始まるとローレルはレイスの顔を狙ってジャブを放っていく。
しかし、実際はレイスへの挑発でもある。
レイスは挑発に乗らずに冷静にジャブを返していく。
お互いにパンチが当たらないとフットワークで相手との距離を計っていく。

「やりますね、レイスさん。 驚きました」
「こっちこそ驚いたわ。 アマチュアなのにここまでやれるんだから」

レイスはそう言うとプレッシャーをかけようと一気に距離を詰めていく。
しかし、ローレルは落ち着いてバックステップで距離を取っていく。
急に避けられたレイスはたたらを踏んでしまい、そこへ右ストレートで反撃されてしまう。
ローレルのパンチの重さは自分達の階級でも数少ない。
まだ、軽量級であるレイスや前の試合で闘っていたさやかやメアリーにとっても強敵になってしまう。

レイスは再び距離を詰めるとステップバックでかわそうとしたローレルの間合いに潜り込んでいく。
そして、左右のフックをローレルの脇腹に打ち込んでいく。
ローレルは少し呻いたがすぐに体勢を立て直し、左右のストレートでレイスを牽制していった。

「やりますね、レイスさん。 でも、ボクの方が強いようですよ」
「何を言ってるの。 かろうじて、互角に闘えてるって程度でしょ」

レイスとローレルはお互いにジャブを放ちながら自分の間合いに相手を誘い込もうとしている。
レイスはインファイトが得意なので至近距離に、ローレルはアウトボクシングが得意なので遠距離に相手を置こうとしていく。

「そういえば、あなたはアウトボクシングが得意らしいね。 わたしのインファイトてダウンさせてあげるわ」
「ボクはインファイトでもアウトボクシングでもやれますよ。 なんなら、証明しましょうか」

レイスとローレルはそんな言葉を言い合うと一気に距離を詰めた。
そして、ローレルが左フックをレイスの右頬を狙って打ち込んでいくがレイスは素早く上半身を動かしてかわし、カウンターの右ストレートをローレルの左頬に打ち込んでいった。
しかし、レイスがさらに追撃しようとしたところへローレルの右ストレートがレイスの鼻に叩きつけられた。
幸い、少し身体を反らして威力を殺していたが少し腫れ上がってしまった。
ローレルはレイスに右ストレートをいなされたことを知るとクリーンヒットさせようとさらに左右のストレートを連打していく。
レイスはローレルの左右のストレートをかわせず、顔を吹き飛ばされてしまう。
たった二発のパンチでレイスの意識が少しだけ飛んでしまった。
ローレルはレイスにできた一瞬の隙をついて、さらに左右のボディブローを叩き込んでいった。

「うぐぅ・・・ ぶはぁ・・・ んぶぅ・・・」
「ボクの方が強いみたいですね。 このまま、一気にKOしますよ」

ローレルはレイスの顔やボディに左右のフックやストレートを打ち込みながらそう言っていく。
レイスはローレルのラッシュをもらってダウンしてしまった。

「ダウン! ニュートラルコーナーへ!!」

ローレルがニュートラルコーナーに向かうとレフェリーがカウントを始めた。
レイスはすぐに立ち上がっていくが足が少し震えてしまっている。

「ファイト!!」

レフェリーが試合を再開すると、ローレルはレイスとの距離をまた一気に詰めてさらに左右のフックやストレートを打ち込んでいく。
そして、右アッパーをレイスの顎に叩き込もうとしたところで1ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。

ローレルは1ラウンドからレイスを圧倒したというのに、身体には疲労の色すら見えない。
逆に、レイスはローレルのラッシュをもらって、早くも肩で息をし始めている。
どう見ても、この試合は今のところはローレルが有利なようだ。

「ローレル、1ラウンド目はいい立ち上がりだな。その調子で決めてこい」
「はい。 次のラウンドでレイスさんをKOしてきます」

ローレルは1ラウンド目からの優勢な展開に満足もせずに冷静に会長の話を聞いている。
一方、レイスのコーナーではレイスが苦しそうに息をしながら会長の話を聞いている。

「レイス、何も喋らなくていいからよく聞け。 あのローレルって娘はやはり強い。 しかし、経験はお前の方が上だ」
「だから、時間を稼げと・・・」

レイスの言葉に会長は頷いていく。
しかし、レイスは納得していないような表情をしている。

「しかし、わたしもボクサーです! 目の前の、しかも年下のボクサーにやられたまま逃げろと言うんですか!?」
「あぁ、そうだ。 今のまま闘ってもお前には勝ち目がない。 だから、ポイントを稼いで確実に勝ちに行くんだ」

レイスは会長の言葉にしぶしぶ了承した。

2ラウンド目が始まり、レイスは慎重に距離を計りながらジャブを放っていく。
しかし、ローレルはそのジャブをかわし、左右のフックをレイスの顔に打ち込んでいく。
レイスがローレルに右ストレートを打ち返していくとローレルはそれをバックステップでかわすとレイスの顔にジャブを打ち込んでいく。

「ぶふぅ・・・ んあっ・・・」
「レイスさん。 そろそろダウンしてもらいますよ!」

ローレルは少しだけレイスに闘志を見せると一気に近づき、左右のストレートやフックをレイスの顔やボディにガードもお構い無しといったくらいに打ち込んでいく。
レイスのガードが完全に下がり、ローレルの左右のストレートやフックがレイスのボディや顔を打ち抜いていく。
そして、少し下がったレイスの顎にローレルの右アッパーがめり込んだ。
レイスの口から唾液と血が混じったマウスピースが勢いよく吐き出される。
そして、リングの上にレイスが倒れた。

「ダウン!! ローレル、ニュートラルコーナーへ!!」

レフェリーがローレルにニュートラルコーナーに下がるように指示するとローレルは疲労を感じさせない背筋を伸ばした体勢で落ち着いた様子でニュートラルコーナーに下がっていく。

「1・・・ 2・・・ 3・・・」
「(身体に力が入らない・・・ さっきのアッパーで頭を揺らされた・・・)」

レイスは自分の今の状態をぼんやりとした頭の中で考えていた。
しかし、その間にもカウントは進んでいく。

「4・・・ 5・・・ 6・・・ 7・・・」
「(待って・・・ 待ってよ・・・ まだやれるから・・・) はぁ・・・ はぁ・・・」

レイスは必死に立とうと身体を無理やり起こしていく。
しかし、仰向けに倒れた状態から俯せの状態に戻すのがやっとだ。

「8・・・ 9・・・」

レイスはなんとかカウント9で立ち上がったものの、膝がカクカクと震え、焦点が定まっていない。
しかし、レフェリーの問いかけには首を必死に振ることで答えた。
試合が再開されるとローレルはレイスにとどめを刺そうと右ストレートを放っていくが、そこで2ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。
ローレルはゴングを聞き、レイスの鼻の少し前で右ストレートを止めていた。
ゴングが鳴る前に放っていたパンチなので当てていても問題はなかったのだがローレルはそんなことで決着がつくのが許せなかったのだ。

「次のラウンドであなたが得意なインファイトでKOします。 少しでも体力を回復させておいてください」

ローレルはレイスにそう言うと自分のコーナーへ戻っていった。
レイスはその場に倒れそうになったのをセコンドに抱き止めてもらって、そのまま自分のコーナーへ運んでもらった。

「ローレル、いい具合に試合をコントロールしてるな。 お前が目指す父親のボクシングそっくりだぞ」
「いえ、会長。 ボクのボクシングはまだ父のボクシングには程遠いですよ。 父のボクシングならすでにレイスさんを完全にKOできてますから」

ローレルがボクシングを始めたのは父親のボクシングを見た時にかっこいいと感じたからである。
それ以来、ボクシングづけの毎日を送り、8歳の頃にはアマチュアボクサーとしてデビューしていた。
しかし、目指していたのはプロの世界で、この試合で自分の納得のいく結果が得られたらプロデビューするつもりなのである。

「とにかく、あまり試合を長引かせるな。 いいな?」
「分かりました」

ローレルのコーナーでは次のラウンドで決めてこいと指示していく。

「レイス、もうタオルを投げるぞ。 いいな?」
「い・・・や・・・です・・・ まだ・・・ 負けて・・・ません・・・」

レイスは苦しそうに喋っている。
レイスの顔はローレルのパンチで腫れ上がり、ボディーや脇腹には無数の痣ができている。

「まだ試合はあるんだ。 ここで無理をして後の試合が苦しくなるよりもここで少し諦めて次に活かせばいい」
「逃げたく・・・ない・・・ ローレルが・・・強いボクサーなのは・・・分かったわ・・・ けど、負けたく・・・ないの・・・ 」

会長はレイスの息も絶え絶えながら言った言葉に頷き、タオルを仕舞った。

「分かったさ、レイス。 奇跡を起こしてこい!」
「はい・・・」

レイスはそう言うと体力の回復に努めた。

3ラウンド目が始まり、ローレルは一気にレイスとの距離を詰めていく。
レイスはコーナーからほとんど動けず、ローレルの左右のストレートをもらってしまう。
なんとか、レイスも右フックで反撃したもののローレルの勢いに負けてしまい、ラッシュをもらってしまった。

「んぶぅ・・・ んあっ・・・ ぶふぅ・・・ かはぁ・・・」
「レイスさん、あなたのガッツは高く評価します。 でも、これで終わりです!!」

ローレルはレイスの鳩尾へ渾身の力を込めた右アッパーを叩き込んだ。
レイスはその威力に口から血反吐を吐きながら崩れ落ちるようにダウンした。
俯せ状態でダウンしたレイスの意識は完全に飛んだようで時折痙攣しながらリングに倒れている。

「ウィナー、ローレル・アンダーソン!!」

レフェリーはローレルの右腕を掴み、高く突き上げることで試合終了を会場に告げた。
レイスは医療スタッフによって担架で医務室まで運ばれていく。
ローレルはレイスが医務室に運ばれた後、記者の質問に構うことなくリングを後にした。

控え室では、次の試合を控えた李麗春がモニターに映っていたローレルとレイスの試合を見ていた。


二人の試合が終わると麗春はアップを始めた。
そして、アップが終わると会場へ向かった。

「わたしの相手は誰アルかな? 楽しみアル!」

麗春は試合のプログラム表を見ていない。

麗春の試合相手は一体誰なのか?
どんな試合を見せてくれるのか??

to be continued

あとがき

今回もかなり長くかかっちゃいました。
次回は中国代表の李麗春(り・れいしゅん)の試合ですよ♪♪
それでは、また♪♪
ひらひらでした♪♪
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オリンピック記念小説 女子ボクシング大会 | コメント:1 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

こんばんわ ひらひら様

小説の更新お疲れ様です。

オリンピックの試合、月姫トーナメント・・・・どちらのコメントをするか迷ってしまいましたが第2試合の熱い試合を期待しながらコメントを残せるように頑張りますので秋の季節ですが体調に気をつけて下さい!
これからも応援しております!

2008-10-10 Fri 21:41 | URL | マサト #U.WK5Jc6[ 編集]

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