ひらひらの仕掛け屋敷

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スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-6 彩坂梨杏 プロデビュー!!(中編)

スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-6 彩坂梨杏 プロデビュー!!(中編)

梨杏がまどかと再会してから日が経ち、試合の一週間前になった。
梨杏は試合に備えて、病院に行き、彩との勝負で負った傷や痣などの回復具合を診察してもらうことにした。

「彩坂さん、診断の結果を教えますね」
「お願いします、先生」

お医者さんは梨杏を見つめるとため息を吐いて話し始めた。

「とりあえず、怪我は完治してますよ。 ただ、お腹や顔の痣はまだ消えてませんよ。 できれば、試合なんてしてほしくないですね」
「先生、すいません・・・ 例え、どれだけ不利でもボクシングから逃げたくありません」

梨杏の言葉に先生は少し考え込んでいた。
結局、診察はそこで終わり、梨杏は病院を後にしようとした。
しかし、梨杏の目には小さな女の子が映っていた。
その女の子は苦しそうにしながら歩いていた。

「大丈夫? 手伝おっか??」
「ありがとう、お姉ちゃん・・・ でも、大丈夫だか・・・ あぁ・・・」

梨杏に気を使わせまいとした女の子が倒れてしまい、慌ててその娘を抱えてナースステーションまで駆け込んだ。
その後、梨杏はその娘の部屋にお呼ばれしていた。

「あの、お姉ちゃんのお名前は??」
「わたしは彩坂梨杏だよ。 あなたのお名前はなぁに?」

女の子は少し躊躇ってから答えた。

「んん~と、わたしは橋場真由。 この病院に2ヶ月前から入院してるの」
「真由ちゃんは何の病気で入院してるの?」

梨杏がそう聞くと真由は首を傾げてから答えた。

「分かんない・・・ なんか、難病なんだって・・・」
「そっか・・・ でも、きっと大丈夫だよ。 だって、お医者さんがいるもんね」

梨杏の言葉に真由は少し笑った。
それから、梨杏は真由と別れて、病院を後にした。


「マッシュルームサイクロプス! 作戦の方は順調か?」
「はっ、ハイド様。 人間どもの体内には俺のキノコ胞子が充満していますよ」

ハイドはその言葉を聞いて、ほくそ笑みながら次の作戦を伝えた。

「ならば、マッシュルームサイクロプスよ。 次は東京中の人間どもの体内にキノコ胞子を植えつけてやりなさい。 そうすれば、人間どもはすぐに絶えることでしょう」

マッシュルームサイクロプスはハイドの言葉を聞いて、ただちに作戦を開始した。


梨杏はまた真由の病室を訪ねていた。

(梨杏side)

わたしが真由ちゃんの病室に行くと真由ちゃんが嬉しそうに迎えてくれた。

「真由ちゃん、こんにちは。 調子はどう?」
「梨杏お姉ちゃんに会ってから凄く体調がよくなったの。 梨杏お姉ちゃんも怪我大丈夫?」

真由ちゃんが心配そうに聞いてきたのでわたしはガッツポーズを取りながら答えた。

「もう大丈夫だよ! 痛みはないから。 でも、少し痣が残っちゃってるけどね」

真由ちゃんがわたしの顔の痣を見ながら、質問してきた。

「ねぇ、梨杏お姉ちゃんは何してるの?」
「お姉ちゃんはね、ちょっと前までは喧嘩とか空手をやってたよ」

わたしが喧嘩をしていたと言うと真由ちゃんは少し怖がったような顔をした。
なので、少し表現を変えることにした。

「えっとね、わたしがやってたのは喧嘩というかストリートファイトっていう格闘技の試合をやってたんだよ。 今は止めて、もうすぐプロボクサーとしてデビューするんだけどね」

真由ちゃんはわたしの言葉に目を輝かせながら聞き入っていた。

「お姉ちゃん、ボクサーなんだ! かっこいい!! わたしも応援に行けたらなぁ・・・」
「じゃあ、お姉ちゃんとの約束しない。 お姉ちゃんの試合の相手は凄く強い人だけど、お姉ちゃん、頑張って勝つから・・・ 真由ちゃんも病気なんかKOしちゃおう!!」

真由ちゃんは少し驚いてから元気に答えてくれた。

「うん! 約束する!! 真由も頑張るからお姉ちゃんも頑張ってね!!」

わたしは真由ちゃんと面会時間いっぱいまで話した。
そして、その後真由ちゃんのお母さんから話を聞いている。

「いつも、ありがとうございます。 真由が入院したのは2ヶ月前にきのこ採りに行った後なんです。 真由はうわごとのようにきのこのお化けが出たって言ってました・・・」
「それは、本当ですか。 だったら、警察かガイアセイバーズに通報しないと」

真由ちゃんのお母さんは首を横に振るようにしてから再び話し始めた。

「警察に通報したら、証拠がない事件には手は出せないと言われました・・・ ガイアセイバーズに言うのは躊躇ってしまって・・・」
「わたしの知り合いにガイアセイバーズのメンバーがいます。 わたしがその娘に掛け合ってみます。 だから、諦めないでください!!」

わたしはそう言うと、すぐに病院を後にした。


梨杏は真由の母親から聞いたことをガイアセイバーズのメンバーに話した。

「話の内容は分かった。 俺達がこの事件を片づけよう」

話を聞いた天道は早速ガイアセイバーズの捜査班を事件捜査に介入させる手配を整えた。

「あの、わたしも協力させてください!」
「冗談なら聞いてる時間ないよ。 うちらは遊んでるわけじゃない」

洋子の言葉に梨杏は洋子を睨み返し、答えていく。

「その病院にはわたしの大切な友達がいるんです! だから!!」
「分かったわ。 天道さん、うちが梨杏ちゃんを責任持って守ります。 捜査に協力させたってください」

天道は少し考え込んでから梨杏の捜査協力を許可した。


梨杏と洋子は早速、梨杏が真由と出会った病院に向かっていた。

「さて、梨杏ちゃん。 危険なのは分かっとるな。 それでも行くんやね?」
「はい・・・ それでも、真由ちゃんのことが心配なんです・・・」

梨杏の言葉を聞いた洋子は梨杏の肩に手を置いて励ましていく。

二人は病院の中に入り、まず院長室へ向かうことにした。

「病院で捜査するならまずは院長室からやな」
「勝手に入っていいんですか?」

洋子は梨杏の問いかけをさも当たり前のように否定した。

「そんなのアポなし訪問に決まっとるやん。 悪の組織相手にアポ取ってどうするん?」
「いや、なんか泥棒みたいで・・・」

洋子はそんな梨杏の様子を見て、くすりと笑ってしまう。
梨杏は洋子が笑ったことに頬を膨らませながら抗議する。

「あははははは! 梨杏ちゃんかわいすぎ!!」
「むう~! 何で笑うんですか!!」

二人して騒いでしまうと洋子は梨杏を落ち着かせようと宥める。

「ごめんごめん。 梨杏ちゃんの反応が昔のうちみたいでかわいかったから、ついな・・・ とりあえず、静かに探そか・・・」
「はい。 見つければいいのはこの病院のカルテですよね?」

なんだかんだで、しっかり捜査に協力している梨杏の言葉に洋子は無言で頷いていく。
しばらく、辺りを探していると机の上にあるカルテを見つけた。

「やっぱり、この病院は黒みたいやね・・・ 入院患者の半数以上が例の病気にかかってるわ・・・」
「洋子さん、真由ちゃんは大丈夫なんですか!?」

梨杏は真由のことが気になり、つい語尾を強めてしまう。
洋子は梨杏にゆっくりと事実を伝えた。

「落ち着いて聞いてな・・・ 真由ちゃんも例の病気にかかってる・・・ だからこそ、解決法を探すで」
「はい・・・ 急ぎましょう・・・」

梨杏達がカルテを調べていると院長室に院長達が戻ってきてしまった。

「君たちはここで何をしているのかね?」
「あんた達の不正を暴きに来たのよ。 自分達でウィルスをばらまいておきながら白々しいことは言わせへん!」

院長は洋子の言葉に笑いながら答えるかのように姿を変えた。

「それがあんたの正体ってわけ?」
「そうだ。 このマッシュルームサイクロプス様のキノコ胞子は特別でなぁ・・・ 最初はただの胞子だが徐々に毒性を持つようになるのさ」

マッシュルームサイクロプスの説明を聞いた梨杏は怒りのまま殴りつけようとする。
マッシュルームサイクロプスは梨杏を嘲笑うかのようにキノコ胞子を放出した。

「はぁ・・・ はぁ・・・ 洋子・・・さん・・・」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 梨杏・・・ちゃん・・・」

二人の様子を見たマッシュルームサイクロプスは笑いながら自分の能力の捕捉説明をした。

「ちなみに、俺のキノコ胞子は俺の意思で効果を何倍にもできるのだ。 その二人を病室へ叩き込んでおけ!!」

マッシュルームサイクロプスの命令で洋子と梨杏は病室に監禁されてしまった。

「(なんとか、脱出しなきゃ・・・ うちにできることがなくても天道さん達ならなんとかしてくれるはずや・・・)」

洋子は毒に侵されながら必死に脱出を考えていた。

「(こうなったら一か八か、飛び降りるだけだ・・・)」

洋子はそう考えるとゆっくりと窓の近くに行き、窓へ飛び込んで下の路地へ落ちた。
そこへ一台の車が通りかかった。

「おい、君! 大丈夫か!?」
「うっ・・・ ううっ・・・ あなたは・・・」

洋子が名前を尋ねると男は自分の名前を教えてから洋子の腕に注射器の針を刺した。

「俺は香川竜馬。 ICPOから今回の事件を追うように指示されたんだ」
「あれっ・・・ 頭がすっきりしてきた・・・」

洋子は竜馬が刺した注射針から注入された薬剤によって体調が戻ったようだ。

「君に施したのは胞子型バクテリアを元通りにする抗生剤だ。 博士が作ったバクテリアは人の抵抗力や再生力を促進する効果があるんだ・・・」
「でも、それと今回の事件と何の関連があるんですか?」

洋子が問いかけると竜馬は懐から写真を取りだし、洋子に見せた。

「この人に見覚えはないかい?」
「この人、さっきの病院でうちらに毒胞子を吐いてきた人だ・・・」

竜馬は洋子の呟きに確信を得たような表情をした。

「彼は2、3ヶ月前にとある集団にさらわれたんだ」
「その組織の名前ってまさか?」

洋子の言葉に竜馬は頷きながら答えた。

「そう・・・ ダーククライムだ・・・」
「やっぱり・・・ でも、何であの人の研究じゃなきゃ駄目やったんですか?」
「彼の研究していたバクテリアはどんな物質にも変化できる。 すなわち、奴らにとって何にでも変化できるバクテリアは怪人を生み出す細胞を作るのに適していたというわけだ」

洋子は竜馬の言葉の意味を理解するとすぐにガイアセイバーズに連絡した。

「ガイアセイバーズ本部、応答してください。 今回の事件の詳細が判明しました」
「続きは俺が話すよ。 ガイアセイバーズ総監、天道総司さんだな? 俺はICPOから派遣された香川竜馬だ。 今回の事件は犬養博士という人が作り出した胞子型バクテリアを利用したダーククライムの犯罪だ」

竜馬の言葉を聞いた天道は通信越しに少し考えてから答えた。

『では、香川竜馬と中野洋子に命令を下す。 博士がバクテリアを元に戻す抗体か何かを作っていないか、調べるんだ』
「「了解!!」」

洋子達は天道の指示を受けて、犬養博士がいる病院の調査に乗り出した。
洋子は再び院長室へ忍び込んでいた。

「やっぱり、ここに抗体があったんや・・・ 香川さんに知らせんと・・・」

洋子は竜馬に連絡を取ろうと通信機を手に取ったが、電話妨害が施されるのか、連絡が取れない。
そこへ、院長である犬養博士が戻ってきた。

「ようこそ、ガイアセイバーズの捜査官さん・・・ わたしの毒胞子の影響は出なかったのですか・・・」
「犬養博士・・・ どうして、こんなことをするんや!?」

洋子の言葉に犬養博士は顔に汗を浮かべながら答えていく。

「わたしの研究費の確保のためだ・・・ わたしの研究の偉大さを世界中の人間に証明してやるんだ・・・」
「そんなことのために関係のない人達を苦しめたんか!?」

洋子の言葉を聞いた犬養博士の表情が変わった。

アイキャッチA(梨杏と真由、仲良くお話し中) 

アイキャッチB(竜馬と洋子、背中あわせ)

「君、そこに変異型バクテリアの抗体がある・・・ 早く持っていって、患者達に投与してくれ・・・」
「分かりました・・・ 博士、必ず助けに来ます・・・」

洋子が院長室を出ようとした時、博士の意識はマッシュルームサイクロプスのものに変わった。
そして、洋子を襲うように指示するとダーククライム戦闘員が襲いかかってきた。

竜馬は洋子をフォローすべく、プラスアップしていた。

「プラスアップ!!」

竜馬の身体にナイトファイヤーのスーツが装着される。
そして、ナイトファイヤーは院長室に窓を突き破って入っていく。

「やれ!!」

マッシュルームサイクロプスの命令にダーククライム戦闘員達はナイトファイヤーに襲いかかろうとする。

「ケルベロス・ショット!」

ナイトファイヤーはケルベロスΔ(ショットモード)の光弾でダーククライム戦闘員を次々と撃ち抜いていく。
マッシュルームサイクロプスはたまらず、窓の外へ飛び降りて逃げた。

「中野さん。 早く、抗体を患者の下へ運ぼう」
「けど、博士を追わなくていいんですか?」

洋子の言葉を聞いたナイトファイヤー=香川竜馬の動きが一瞬止まった。
洋子の言わんとしていることが分かっているかのように・・・

「博士は俺の力では救えない・・・ だから、救える命を一つでも多く救うんだ・・・」
「ナイトファイヤー・・・ 分かったわ・・・ みんなの命を守ったろ・・・」

洋子達は急いで抗体を患者の下へ運んだ。

マッシュルームサイクロプスは病院の近くの森まで逃げていた。

「待て! お前に梨杏の治療法を聞き出すまでは逃がさん!!」
「待ちなさい・・・ 君の大切な人を治す手段はガイアセイバーズの基地にデータで送ったし、君の仲間が手を尽くしてくれているだろう・・・」

マッシュルームサイクロプスの意識は再び博士のものに戻っていたようだ。

「だったら、あんたも俺が救う・・・」
「いや・・・ 君の手でわたしにとどめを刺してくれ・・・」

マッシュルームサイクロプスの言葉に零次いやイヴは何も言えない。
そして、マッシュルームサイクロプスは何も話さずにイヴへと突進していく。

「分かったよ・・・ あんたのことは忘れねぇ・・・ 必ず、あんたの仇も取ってやる・・・」

そう言うと、イヴはマッシュルームサイクロプスの下へ走っていき、途中で空高く飛び上がっていく。

「だから・・・ ゆっくり眠れ!!」

イヴは空中でムーンサルトを決めると落下スピードを乗せたライダーキックをマッシュルームサイクロプスに叩き込んだ。

「あ・・・ ありがとう・・・ わたしを逝かせてくれて・・・」

マッシュルームサイクロプスはそれだけ言うと爆発してしまった。

事件が収拾がついてから3日が経ち、梨杏のデビュー戦の日になった。

「梨杏、真由ちゃんに会ってから試合会場に行かなくて大丈夫か?」
「ありがとうございます、会長。 けど、わたしは真由ちゃんに甘えるわけには行かないですから・・・」
梨杏は試合前日に真由に会おうとしたが結局、会わなかった。

「わたしは心の中でまどかに負けるかもしれないと思ってしまった。 そんな状態で大事な時期の真由ちゃんには会えなかったんです・・・」
「そうか・・・ けど、真由ちゃんのことを背負いすぎて、まどかちゃんに負けたら真由ちゃんはどう思う?」

里山会長の言った言葉を梨杏は飲み込み、表情を引き締めた。
そこへ、真由を連れた竜馬が入ってきた。

「すいません。 ここは彩坂梨杏さんの控え室でいいんですよね? 真由ちゃんを案内してたもので・・・」
「ありがとうございます。 真由ちゃん、梨杏お姉ちゃんは頑張っていい試合してくるから見ててやってくれな」

里山会長の言葉に真由は嬉しそうに返事をした。

「うん! わたし、お姉ちゃんが頑張ってくれるの楽しみに見てる!!」
「ありがとう、真由ちゃん・・・ 梨杏お姉ちゃん、きっと頑張るからね!!」

梨杏と真由は指切りをした。
そして、梨杏はこの試合への覚悟を改めて決めた。

一方、まどかの控え室では会長の神宮寺耕次と試合前の確認をしている。

「いいか、まどか。 今日の試合はお前にとって大事な試合だ。 だが、梨杏ちゃんにお前の全力を見せてやれ!!」
「うん! 梨杏との打ち合いをしても決定打をもらわないようにすればいいんでしょ!?」

梨杏との試合でテンションの上がっているまどかの返事を聞いた耕次会長は試合の準備をしていく。
まどかは試合開始までの間、梨杏との試合をイメージしてシャドーボクシングに集中していた。

そして、試合開始の時間がきた。


次回 スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION Episode-7 彩坂梨杏 プロデビュー!!(後編)

いよいよ、始まった神宮寺まどかと彩坂梨杏のバンタム級デビュー戦。
二人は四年間の想いや自身の成長をぶつけ合っていく。
果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか。

乙女達よ、運命を交錯させよ!!
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